NAロードスターヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたマツダNAロードスターのヘッドカバーです。

その後アルカリ洗浄槽に浸け置きし、リン酸処理を行ってよく洗浄しておきました。

 まずはプライマーを塗布します。

 続けて膜厚を着けたく無い箇所(結晶塗装はせずただし防錆したい部分)にベースコートの黒を塗布します。

 その後黒く塗った部分をマスキングします。プラグホールはプラグキャップの嵌りが悪くならないようにです。

今回はロードスターの車体色であるマツダ「ブルーブラック」(カラーコード:HQ)に合わせられたいとの事ですので、色見本を参考に塗料を調整します。と言っても結晶塗装用の塗料(リンター)は原色が限られていますので、黒に青を入れるだけですが・・・(オーナー様的には「黒に見えればOK」とご了承いただいております)。

 全体が均一になるようしっかり塗り込みます。

(ただしこの後の熱を入れてみると結晶目が思うように綺麗にならなかったので、一旦全部剥がして仕切り直しています。いつもの事ですのでご安心くださいませ。)

 その後140℃~170℃程の熱を掛けるとこのように結晶目が出てきます。

 ここまでは赤外線ヒーターで30分くらい熱を入れ、後日もう一度恒温機(乾燥炉)で140℃20分程(立ち上げ時間を入れると今の時期で40分程)の熱を掛けます。

結晶塗装は1液型の熱硬化型樹脂の為、熱を入れない限り架橋反応(硬化)はせず、見た目だけでは分からない所がありますから、しっかり熱管理をする事が必要となります。ちなみに焼き付け型ではありますが耐熱塗装と言う訳ではありません。また2液型の塗料やパテも熱を入れますが、これは熱硬化型と言う訳ではありません(架橋反応を促進させしっかり硬化させる為です)。

 ぱっと見は黒にしか見えませんが、実際にはかなり青の原色が入っています。

画像だと全く判りませんが、実物を明るいところで見ると(そして言われてみると)確かに青っぽい!と判って頂けると思います(まさにボディーカラーと同じような感じになっているかと思います)。

この後は恒温機で二度焼きを行い、後日凸文字部分を光らせてクリアーを筆塗りします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。今回一緒にカワサキZ400FXのヘッドカバーも塗っていますのでそちらも後ほど紹介をさせて頂きます。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

カワサキZ400FXヘッドカバー 本塗り

 先日サンドブラスト処理を行っておいたKawasaki Z400FXの純正ヘッドカバーです。

その後リン酸処理を行い、よく洗浄して乾かしておきました。

 まずは全体にプライマーを塗布します。

 穴の内側は結晶塗装を塗っても問題無いと思ったのですが、一応艶消し黒にしておく事にしました。

 穴の内側をマスキングし本塗り準備完了です。

 色は青で、「一方通行の看板のような」とご指定を頂いていますので、青と白の他にパウダータイプのブルーパールを入れました。

 全体にしっかり塗り込み、140℃~170℃程の熱を掛けて硬化させます。

 その後結晶目が出てきたら本塗り完了です。

 お預かりした時も既に青の結晶塗装が施されていましたが、オーナー様のご希望されている色味では無かったとの事で、まだ一度も使われていない状態でしたが一旦全部剥離して塗り直しています。

  この後はもう一度恒温機(乾燥炉)で140℃20分程の熱を掛け、数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!