先日下準備を行っていたホンダヴェゼルの純正テールランプです。今回はかなり複雑内容となるので、少し順番を変えて今回に挑みました。
まずはレンズ全体を脱脂処理し、予め作成しておいたマスキングシートをバックランプ部に貼り付けます。
その後よくエアーブローして埃を飛ばし、クリアーレンズ部を残してマスキングをします。
左がボディ側(コーナー側)、右がテールゲート側のテールランプとなります。
それぞれのクリアーレンズは、内部の反射板の構造やレンズ面積(開口部)の違いからか、以前行ったスモークではそれぞれ濃さが違って見えるとの事で、今回はわざとこれらのスモーク濃度を変えてそれを目立たなくするといったご依頼となっています。
プラスチックプライマーを塗り、スモーク(ベースコート)を塗り重ねていきます。
画面左側のテールゲートのレンズよりも、右側のコーナー側レンズを濃くする為、この時点でスモーク濃度に差をつけておきます。
そしてマスキングを剥がします。
テールゲート側の小さいレンズは、内部反射板の作用により、見る角度によってスモークが濃く見えたり薄く見えたりの差が激しいのが特徴です。
それらに注意し、問題が無いようなのを確認したら再びプラスチックプライマーを塗布します。
そして全体に「極薄めと薄目の中間」の濃さでスモークを塗布します。
最初に塗ったクリアーレンズ部も一緒にスモークを重ねているので、その分を考えて濃さを調整しています。
赤いレンズ部も反射板(メッキ)が強いので見る角度によってはスモークが掛かっていないように見えますが、マスキングシートの切れ端を貼ってみるとその差が良く判ると思います(元々同じ淡い青緑色です)。
そしてバックランプ部のマスキングシートを剥がし、再びプラスチックプライマーを塗布します。
前回他店で塗られたテールランプのスモーク塗装は簡単に剥がれてしまったとの事ですが、多分このプラスチックプライマーを塗っていなかったか、足付け処理をしていなかった、または脱脂不足で油膜が残っていた等が原因だと思います。
そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーレンズ部が黒いので、赤いレンズ部のスモークが薄く感じられますが、先ほど紹介した画像の通りしっかりスモークが掛かっているのでご安心くださいませ。
尚この画像だと、赤いレンズ部分が「極薄めと薄目の中間」、クリアーレンズ部が「標準濃度よりやや薄目」となっています。
こちらのリヤゲート側テールランプは、赤いレンズ部分は同じく「極薄めと薄目の中間」、小さい三角部分は「薄目」、バックランプ部はクリアー抜きとなっています。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります(今回のターンは全てこちらのクリアーとなります)。
ぱっと見は単なるスモーク塗装に見えますが、以前行ったポルシェボクスターのテールランプぐらい複雑な内容となっています。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!