先日お預かりしておりましたランサーエボリューションXのヘッドライト内レンズ4点です。
新しく入手したプラスチックプライマーを使おうと思って色々試していたのですが、結果が芳しくなかったので、結局今まで通りのやり方で行う事にしました。
ヘッドライト内に入るオレンジリフレクターレンズは土台が「艶消し黒」の物に装着されるので、それと同じように裏側に黒のカッティングシートを貼ってマスキングをしました。
レンズ自体は透過性があるので、裏に光を通さない黒を貼ったこの状態ならレンズも黒く見える筈なのですが、明るいままの状態です。
こちらもヘッドライト内に装着される、ウィンカーの透明なレンズです。
塗りながら濃さが判るよう、一方は透明なアプリケーションシート(綺麗に剥離が可能な透明シート)を、もう一方は反射シートを貼ってマスキングをしました。
また固定した箇所が光の透過を阻害しないよう、アクリル板の端材と透明なテープを使って固定しています。
レンズ表面は#1300~#1500相当(アシレックスオレンジ~ピーチ)で足付け処理しています。
左側のリフレクターレンズで一部分が黒く見えるのは裏側に貼ったカッティングシートが見えるからで、これは気にされないで大丈夫です。
プラスチックプライマーを塗り、スモーク(ベースコート)を塗り重ねていきます。
こちらは「標準より濃いめ、点灯しない部分なので良く見るとオレンジに見えるくらいの濃さ」で承っていますので、そのイメージになるようスモーク濃度を調整しています。
ウィンカーレンズはオーナー様が塗装されたサンプル品を一緒にお預かりしていて、
「サンプルに対して、同等の濃さ、全面ベタ塗り」「ざっくりですが塗装濃度は同等~僅かに薄い範囲内であれば問題なし、濃さの塗り分け無し」
といった内容で承っています。
画面左の手で持っている方がサンプル品で、表面(画像上面)が同等かそれより僅かに薄い感じ、側面はサンプルのように薄くせず上面と同じ濃さにしています。
ただスモークの色味(色相)が違うのでこの辺の判断が難しく、濃度の調整ではかなり微妙な範囲で行いました。
尚、透過性塗装の場合は通常4~5セット、10個以上を纏めて塗装していますが、今回は色々気を付ける事があったので単体で塗る事とさせて頂きました。
リフレクターレンズの側面には余り塗膜を着けないようにとご指定頂いておりますので、1コート目のクリアーは表面とその角45度くらいまでに留め、
ウィンカーレンズは実はここで紹介している以外にも様々な作業をしておりまして、かなり手間が掛かっています。
サンプルでお預かりした塗装を見る限り、オーナー様の自家塗装はプロ並みのようですので、今回当店で塗装した物がどうやっているのかも紹介したいと思います(気にされていた問題点は解決出来ているかと思います)。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!