いすゞテールランプ スモーク塗装 本塗り

isuzu50 大変お待たせしました!いすゞ117クーペの純正テールランプ、無事スモーク塗装完了しております。ちょっと撮影し忘れたのですが、予め塗っておいたクリアーレンズ両端の半艶黒はこの後マスキングしています。

isuzu51 スモーク濃度は控えめに、ただレンズの内側の汚れが見える部分もあるのでそれを目立たなくしています。「極薄目より少し濃くした程度」ですかね。

isuzu52元々のレンズがクリアーなレンズでは無いので透明感は感じられないのですが、艶や深みは画像で見るよりも凄いので、恐らく新品の時よりも綺麗になっているのでは・・・と思う次第です。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

いすゞテールランプ 下準備

isuzu22テールランプ内のクリアーレンズ部分にタバコを押し付けて溶けたような箇所があったのでそこも修理しておきます。

isuzu42 ある程度サンダーで削ったのですがどうやら気泡のような物は相当根深いようで、これ以上削っても意味が無いようなので後は透明なエポキシ樹脂(接着剤)を盛っておく事にしました。見た目は平らなのですが結構削ったので凹んでいるんですよね。

isuzu43 使うのは一般的な注射器型の透明なエポキシ接着剤です。

isuzu44 予めプラスチックプライマーを塗布し、よく乾かしてからエポキシ樹脂を盛ります。真空脱泡が出来れば理想的なのですがそれは無いので出来るだけ泡が混入しないように混合して盛り付けます。

isuzu45 使ったエポキシ接着剤は5分硬化と比較的早いタイプの物ですが、念のため1日置いてから研ぎます。最初は#320から始めて最終的に#1500の水研ぎまで行いました。

isuzu46 気泡のような周りにも若干エポキシ樹脂が残っているのが判ると思います。それが削って低くなった部分ですね。痕は残りましたが少なくとも塗ったクリアーに巣穴が出来る事は無くなったと思います。

isuzu47 そして枠の黒い部分です。こんな所に金属の枠を仕込むなんて現代のテールランプでは有りえませんよね。手が込んでいると言うか、よく社内で反対されなかったかと(笑)。

isuzu48 本当はサンドブラストを掛けたいところですがそう簡単にレンズが外れてくれる構造では無さそうなので、傷が付いた箇所はペーパーで削って金属が露出した箇所にプライマーを塗っておきます。

isuzu49続けて1コートソリッドタイプの半艶(7分艶くらい)を塗って下塗り(?)完了です。当初はタッチアップ程度で良いかと考えていたのですが、傷が付いた箇所をマスキングして後生大事に取っておくと言うのもどうかと思ったので、レンズを足付け処理する時にここも一緒にペーパーを掛けてしまう事にして、結果「傷が付いてしまったので・・・」という事で塗る事にしました。ある意味確信犯的な・・・(笑)。

当為事で、熱を入れた後でも直ぐにマスキングをすると跡が付いてしまうので少し寝かしてからの本塗りとしますね。どうぞもう少々御待ち下さいませ!

いすゞフロントグリル塗装 完成

isuzu36大変お待たせしました!いすゞ117クーペの純正フロントグリルは本日完成となります。一緒にご依頼頂いている テールランプの塗装はまだこれからとなりますが、先に梱包をしておきたかったので撮影も済ませておきました。

isuzu37 シルバーはボディカラー同色の「マッターホーンシルバーM」(カラーコード:821)となっております。最初の状態も紹介しますね。

isuzu15 旧塗膜は大分劣化しましたので、一旦下塗りを行なってからシルバーの本塗りを行なっています。ちょっと変則的な方法で、イメージとしてはこれを二個分(二回分)塗装するような感じですね。

isuzu38 下地を整えてから塗ったお陰でツルんとした艶消しの仕上りになっています。

以前ご依頼頂いた「艶消し黒」も紹介したしますね。

isuzu10現在はこちらの艶消し黒で塗った物が付いていて、ただ砂汚れが目立つ?との事で今回艶消しシルバーでご依頼頂きました。大分お金も掛けられているようですのでちょっと心配になりますが・・・(笑)。

isuzu39黒に比べるとアッサリとした感じですが、実際車体に装着されるとまた違った印象になるんでしょうね。

isuzu41自然光だと強すぎるので蛍光灯下でも撮ってみました。

isuzu40升目の肌も荒れずツルンとした艶消しの綺麗な肌が出来ているのが判ると思います。塗装の際にはどうしてもこういったところがザラつきがちですが、肌が荒れているとその分汚れも付き易くなりますので気をつけてチェックするところだと思います。

それではテールランプの方も進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々御待ち下さいませ!

いすゞ117クーペ フロントグリル 本塗り

isuzu31 先日グレーで下塗りを終えていたいすゞ117クーペーの純正フロントグリルです。一緒にご依頼頂いているテールランプと一緒には塗れませんのでこちらを先に本塗りします。

画像はヘラに#1200相当の研磨材(アシレックスオレンジですね)を巻いて升目の内側を足付け処理している所です。番手が細かいので作業回数はその分多めになり、数えてみたら一升辺り30~35往復だったのでこれを全部の孔にやるとなると・・・なのです(笑)。

isuzu32 全体の足付け処理が終わったらシリコンオフとウェスを使って脱脂処理をしますが、今回は既に下塗りがされていますから油が付着している可能性は低いので比較的楽です。と言っても一升一升拭き上げる作業自体は変わりありませんけどね。

isuzu33 色はボディカラー同色の「マッターホーンシルバーM」(カラーコード:821)で、今回これを「艶消し仕上げ」で承っています。

ちなみに上の画像では既に艶消しになっていますが、これはベースコート(色)を塗っただけなので耐久性はありません。この上に艶消しクリアーを塗る事によりクリアー中の硬化剤がベースコートに浸透し2液反応を起こして塗膜として完成します。外資系塗料のベースコートは1液タイプが殆どですが、これは塗料が1液ラッカーと言う訳では無く、こういった感じで2液反応するれっきとしたウレタン系塗料です。

isuzu34 クリアーは艶消し専用の物で、塗り方は艶有りの時と同様にウェットに2コート塗り込みます。

isuzu35塗り難い格子状の箇所はスプレーパターンを一番細くして最初は裏から縦横斜めにたっぷり塗っておき、その後表側に移って全体に塗ります。表側からだけだと奥までしっかり塗料が行き渡りませんし、無理に塗ろうとするとどうしても垂れ易いので裏からしっかり塗る事によってそれらを防いでいます。艶消し仕上げでも肌が悪いと汚いので、やはりウェットに塗り込んでツルンとした艶消しが良いですよね。

一緒にご依頼頂いたテールランプも来週中には本塗り出来ると思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

いすゞ117クーペ フロントグリル 下塗り

isuzu27 そしてフロントグリルの方も進行しています。

足付け処理はいつもの様にネチネチとした作業なのですが、今回は本塗りでは無く「下塗り」からとなりますので、ペーパー(では無く実際は布状)は#800では無く#320相当の物を使っています。アシレックススカイ(中目)ですね。主にサフェーサー塗布前の足付け処理に使う番手で、上塗り前に使うイエロー(#800相当)に比べると目は粗いですが、目詰まりもし難く何よりスピーディーなのでこれで全ての升目を一気に片付けます。

ちなみにステンレス製?のモールは先にコンパウンドで磨いてマスキングしておきます。

isuzu28 全体の明日処理が済んだら良く脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布して下塗り開始です。ただ下塗りといっても内容は本塗りと変わりありません。

今回ご指定頂いている色はシルバーで、状態の悪い素地のままそれを塗るとかなり酷い仕上りになってしまう為に何かしらの方法で下地を作ってあげなければいけないのですが、これにサフェーサーを塗るとその後の「研ぎ」は非常に大変で、時間的にも費用的にも殆ど現実的ではありませんから、今回は変則的にサフェーサーの代わりとしてSTANDOX2Kエナメルを塗るのです。所謂「1コートソリッド」と呼ばれる物で、クリアーに色が付いた物(顔料が入った塗料)です。

isuzu292液ウレタンサフェーサーは良好なシール性&十分な膜厚が充填出来ると言う反面、表面の肌は粗く仕上がってしまうので、その後の研ぎ作業は必須となりますが、あの升目を、素地を出さずに綺麗に研ぐと言うのはちょっと大変です。勿論出来ない訳ではありませんが、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の行程を3回は繰り返すので、この部品一つで20万円越え・・・とかはあり得ないですよね。

isuzu302Kエナメルはれっきとした上塗り塗料なのでレベリング性も良く、塗り方を間違えなければいつも塗っているクリアーと同様綺麗な肌に仕上げられます。研ぎ難い升目の中も綺麗に仕上がっていますので、これなら「研ぐ」という作業では無く、軽くペーパーを当てる「足付け処理」だけで次の本塗り(シルバー)が塗れるのです。

ただデメリットとしては、サフェに比べて切削性が悪いので、これを研いでラインを出そうとする事には向いていません。なので本来のシャープさは損なわれますが、一応そうならないよう希釈率を上げて薄膜になるよう注意して塗っています。それのデメリットしては「艶引け」ですが、下塗りであればこれは関係ありませんからね。と言う感じで色々方法はあるのです。

ちなみに参考までに、これは「面」がある物に対しては余り宜しくありません。先ほど紹介した「シャープさが欠ける」という事で、肌の上に肌を重ねるとやはりデロデロとした仕上りになってしまうのです。勿論これが出来ると楽な仕事というのはあるのですが、以下のような「ヘッドカバーを艶々に」と言った物に関してはやってはいけない事の一つです(と言う見解です)。

s20 こう言うシャープな仕上りは、やはりサフェーサーをたっぷり塗って全ての面にペーパーを当てて丁寧にラインを出さなければこう言う仕上りにはなりません。時々見かける「艶はあるけど何か変」というのはそう言う事で、多分何かを間違えてしまったのだと思います。またはそういった間違いも判ってやっていれば良いんですけどね(コストを抑える為に仕方無くとか)。ただそれの説明は必要ですし、最低限抑えるべき所は必要だと思いますが(勿論私的見解です)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。ちなみに二度塗りはチヂレが怖いので(これが諸刃の剣です)、次の本塗りはかなり寝かしてからとなります。もう少々お待ち下さいませ!