スバルエンブレム(裏黒表青/枠艶あり黒)塗装 完成

先日アクリルプレート表面のブルーキャンディーカラーでの本塗りを終えていたスバルアセント(アウトバック)用純正エンブレムです。最初に作っておいた両面テープを使い、黒に塗装したメッキ枠と組み合わせます。

そして完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこのような状態だった物に、

アクリルプレートの裏側を削り落としてソリッドカラーの黒を塗り、

メッキ枠は下地処理を行った上で艶あり黒の塗装を施しました。

アクリルプレートの表面は最初に下塗りのクリアー塗装を行い、完全硬化させた後にブルーキャンディーの塗装を施しています。全部で5工程分の塗装を行っているので部品の大きさの割には手間と時間が掛かっており、エンブレム自体の金額からすると塗装費も安くはありません(新品が10個くらいは買えるのではと・・・)。

ただそれでも今年はこちらのスバルエンブレムの御依頼が多く、今回ようやく「次」の御依頼が無い状態です。恐らく今年初めての事ではないでしょうか・・・。

実は次に試してみたい塗装があって、そちらは私物を使いますから、それらの作業内容については社外記で紹介出来ると思います。

今回の作業で一番手間が掛かっているのが実はメッキ枠の下地処理で、

通常装飾クロムメッキに直接上塗りは出来ませんが(十分な密着性が得られないので当店では行いませんが)、しっかりした下地処理と塗料材料を使えば通常の塗膜と同様の密着性が得られます。以前行ったテストではJISのクロスカット法で通常セロハンテープの所をガムテープでも剥がれませんし、フェザーエッジも出せます(際がブツブツと切れたりはせず通常の塗膜と同じ様にスムースなエッジを形成出来ます)。

クリアーはどちらもクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ちなみに今回採用しているブルーは、当店で制作&販売しているキャンディーカラー色相環の8時にあたる色です。既に初回制作分は売り切れてしまいましたが、またいずれ作成して販売したいと思いますので宜しければどうぞ。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

スバルエンブレム(裏黒表青/枠艶あり黒)本塗り

先日メッキ枠の本塗りを行っておいたスバルアセント(アウトバック)用純正エンブレムです。裏側は青い被膜を削り落とし、新たに黒を塗装しておきました。アクリルプレートの表面は既に下塗りのクリアーが塗ってあるので、この時点でプラスチックプライマーは必要ありませんから、脱脂処理をしたらそのまま上塗りを行います。

ベースコートに透過性の青=ブルーキャンディーを塗布します。

青はいつものハウスオブカラーのKK-13 BURPLEで、STANDOXのベースコート樹脂(MIX599)にこれを10%程添加して使っています。「他社の塗料を混ぜても大丈夫なの?」と思うかも知れませんが、塗料は「樹脂」「顔料」「溶剤」「添加剤」で構成されていて、今回は「顔料」の部分だけを入れ替えている感じなので問題はありません。ちなみに同社UKシリーズは樹脂が入ってしまっているので、これをSTANDOXの塗料(樹脂)に混ぜるのはNGです。例えていうと、カルピスは「原液」と「水」を混ぜる事でカルピスウォーターになりますが、水の替わりに炭酸水を使うとカルピスソーダになる、といった感じでしょうか。

4コート程塗って目指した青味が出たら、

クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

光を反射してコントラストが強いメッキの上に透過性塗料を重ねると、シルバーメタリックでは表現しきれないような透明感のある綺麗な色味になるのですが、当店ではメッキに直接上塗りはしませんので(密着しない為)、今回のようにアクリル樹脂等で封入されたような製品にしか出来ないのが少し残念な所でもあります。

ちなみにこれを応用して作ったのが先日デザフェスで販売した物で、

これもスバルのエンブレムと同じ様にアクリル樹脂とメッキ(状)が組み合わさった物に、透過性の塗装を施しています。今回の青は8時の部分に該当する色ですね。今増産しているので、ある程度の数が出来上がったらウェブショップで販売する予定です。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(裏黒表青/枠艶あり黒)枠塗装

先日プライマーとサーフェサーを塗っておいた スバルアセント(アウトバック)の純正エンブレムメッキ枠です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

その後#600~#800の水研ぎでライン出しを行い、当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)でフチなどの足付け処理を行います。

その後よく脱脂清掃し、台にセットしたら再度最終脱脂をして本塗り準備完了です。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側のスペースを広く空けるようにして固定しています。

まずはベースコートを塗布します。

黒はSTANDOX原色=MIX571そのままとなります。単に着色すれば良いという訳では無く、しっかりウェットに塗って肌を荒らさないようにすると、クリアーを塗って熱を入れた後でも艶引けが少なくて済みます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。プレートの表側=ブルーキャンディーは次の透過性塗装のターン(テールランプ等のレンズ塗装)と一緒に行う予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メッキ素地の下地処理

先日お預かりしておりましたスバル純正エンブレムです。プレート部分は先日裏側を削って黒の塗装を行っておきました。

裏側に残っていた両面テープ糊のカスを除去し、素地調整を行った後にまずはプライマーを塗布します。

フチまでしっかり塗れるよう裏側に周り込むようにしてメッキ素地全体を覆う様に塗ります。

そしてこちらは先日お預かりしておりましたホンダフリードの純正リヤガーニッシュです。

スバルエンブレムの枠と同様装飾クロムメッキが施されていて、このまま上塗りは出来ませんから、同じく素地調整を行った後に、

プライマーを塗布します。

こちらも裏側まで満遍なく塗布します。

続けてサーフェサーを塗布します。

プライマーは防錆や密着性を高める為の効果があり、サーフェサーは主に膜厚の充填の役割があります。

この他のやり方としては、プライマーやサーフェサーなどは塗らず、メッキ素地にスプレー糊のような「密着剤」なる物を使ってそのまま上塗りを行う方法もありますが、そうすると無用に飛び石傷が多かったり(「点」では無く「面」でしかくっ付いていない為)、何かのきっかけでペリペリと剥がれたりする場合があるので、当店では対応していません。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

フリードのリヤガーニッシュはタイミング的にかなり早いのですが、それ単体で作業を行うと採算が合わない為、今回スバルエンブレムと並行して作業を行っています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(裏黒表青/枠艶あり黒)裏吹き

先日お預かりしておりましたスバルアセント(アウトバック)用のスバル純正エンブレムのアクリルプレート部分です。今回は背面の青を黒への変更で承っていますので、

まずは裏側の青い被膜を削り落とします。塗装と言うよりは印刷した被膜を貼り付けているといった感じで、膜厚は結構分厚く、手作業で行うのは大変なので、小径のダブルアクションサンダーを使って粗研ぎを行います。

その後#320→#400→#600→#800と手研ぎをしてペーパー目を均し、最後にウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで窪んだ六連星の部分を足付け処理します。

青い被膜が残っていない事を確認したら、

表面をマスキングし、芯棒に固定します。

プラスチックプライマーを塗布し、ベースコートの黒を塗ります。1コートソリッドを使っても良いのですが、わざわざそれで塗るよりも他の御依頼品で同じ色=黒を塗る時に一緒に作業した方が効率的ですので、先に下準備だけをして保管をしておき、タイミングが来たら一緒に塗るようにしています。

着色だけの為なのでベースコートのみでも良いのですが、念のためクリアーも塗っておきます。

この後も他の御依頼品と一緒に恒温機で熱を入れて硬化させておきます。

タイミング的に先に裏側を塗りましたが、この後表面に一旦クリアーだけを塗装し、その後透過性の青=ブルーキャンディーを塗装します。メッキの枠は上塗りの前に下地処理が必要で、こちらも作業が進行次第紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!