ランエボ純正ブレンボキャリパー塗装承ってます

 先日到着しておりましたランサーエボリューション純正のブレンボキャリパー2個(フロントのみ)です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 状態はいつものように色が褪色し、クリアー層が浮いて来ています。ポリカーボネート製のラジコンボディを彷彿させます(私はアタックバギーだったのでそういうボディではありませんでしたが)。

 もう一個の方はまだ程度が良さそうに見えますが、やはりクリアーが剥がれてこようとしています。新品時に使われている塗料は恐らくメラミン系樹脂塗料(焼き付け型塗料)だと思いますが、塗料自体の密着性が良いという性質から、足付け処理無しで塗り重ねているケースが殆どなので、経年で層間剝離が起きたりします。まあこれはコスト上の制約があるのである意味仕方ないところもあるかと思います(家電などは特にそんな事にコストは掛けていられないと思いますので)。

色はランエボキャリパー近似色で、ロゴも同じように横幅80mmのbremboを白の塗装で入れます。サンドブラスト等の下地処理はいつものブレーキ屋さんにお願いする予定です。

以前施工した同色のキャリパーの画像があるのでそちらを紹介しますね。

こちらも先ほどの色で塗装したキャリパーで、その他の画像はこちらのページからご覧いただけます。宜しければご参照くださいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ランサーブレンボキャリパー塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていた三菱ランサーエボリューション9の純正ブレンボキャリパー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

大きい方のフロントキャリパーは少々お疲れ気味で、小さい方のリヤキャリパーはパッと見は綺麗なのですが、何故かbremboのロゴの一部がシールで補修されていたりします。ただオーバーホールをお願いしたいつものブレーキ屋さん曰く、リヤは非常に程度は良かったとの事でしたのでご安心くださいませ。

ブレーキ屋さんでオーバーホールと下地処理が行われ、戻って来た時の状態です。

 色は「ランサーブレンボ純正の色に」との事でして、以前採用した青黒味のある赤にしております。

 ブレンボキャリパーは、今回のように一般の方からのご依頼もありますが、同じくらいの割合で業者様からも承っています。現在もポルシェ屋さんから1セットお預りしております。ポルシェは部品が取れないor値段が高騰していてかなり厳しいみたいですね。ブレーキ屋さんは来月海外に(多分キャリパーの買い付けに)行くとの事で、ついでにシールキットなども買って来るのではないでしょうか。

 ブレンボ純正の塗装は、クリアーだけがペリペリと剥がれてしまうケースをよく見ますが、恐らく塗膜を何度か塗り重ねる際(ロゴ入れなど)、熱を入れて完全硬化した塗膜に、足付け処理をしないまま塗装をしているからと思われます。

 まあこの形で下地を出さずに足付け処理をするのはかなり難儀なので、コスト面でそんな事をやっていられないと言うのも判る気はしますが・・・。

 車体に取り付けるボルト固定部は、プライマーと艶消し黒(ベースコートのみ)で薄膜に仕上げています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ランサーブレンボキャリパー 本塗り

 先日お預りしておりました三菱ランサーエボリューション9の純正ブレンボキャリパーです。オーバーホールと下地処理(洗浄&サンドブラスト作業)はいつものブレーキ屋さんにお願いしていて、作業途中の画像を送って頂きました。

 その後作業を終えて届けられたキャリパー一式です。少し早いのですが、このままの状態だと酸化(腐食)し易い為、先に作業を行う事にしました。

 また元々一個しか残っていなかったリヤキャリパーのゴムキャップも新品で4個取り寄せて頂きました。

 キャリパ―は届いた状態そのままでも塗れるのですが、仕上がった時にもっと艶が出て欲しいので、平面はダブルアクションサンダー#120→#180で、その他手研ぎ#180で研磨しておきます。この後シリコンオフをシャワーのようにして脱脂清掃します。

 ブースにセットし、よくエアーブローをしたら本塗り開始です。

 まずはプライマーを塗布します。

 無用に塗膜の厚みをつけないようスプレーは薄膜で、尚且つ塗り残しがないよう2コート行います。

 その後上塗り被膜(色&クリアー)を塗りたく無い箇所にベースコートの黒を薄膜で塗っておきます。金属素地が露出したままでは腐食してしまいますが、そこを上塗りをしてしまうと組み付ける人(整備士さんやオーナー様)が困るので、数年前からこのような方法としています。

 その後よく乾燥させ、マスキングを行います。

 マスキングシートをフチピッタリに貼ると段差が出来てしますので、1ミリくらい大きめのサイズでブツ切り箇所が庇のようになるようにします。

 上塗りでは極力膜厚を着けたくはないので、まずは下色として上塗り色の染まり易い(隠蔽し易い)色を1コート塗布します。

 その後、本番用の色(ベースコート)を塗布します。

ちなみに画像だとかなり小豆色っぽく見えますが、

外で見るとこれくらい鮮やかな赤に見えます。

こちらは以前ランサーを多く取り扱うショップさんからご依頼を頂いた時に作製した色見本で、今回の色もこれと同じ色になります。既存のキャリパー色から近似色を選び、「ランサー純正キャリパーの赤で」といった時に採用しています。

 ベースコートが十分に乾いたらロゴ入れを行います。

 フロントは80mm、色は白=VW社のキャンディーホワイト(LB9A)を採用しています。白々しく無く、黄ばみも無いスッキリとした白ですね。

 これでベースコートの塗装が完了です。ブレンボ純正の塗装は、恐らくこの時点で艶のあるままクリアーを塗っていると思われる為、経年でクリアーだけが剥がれると言う事になっているのだと思います。自転車フレームの塗膜もそうなのですが、焼付塗装は密着性が良いので途中で足付け処理を行うと言う概念が無いらしく(と職訓に来ていた塗装業界の権威の先生がおっしゃってました)、そのまま塗装を塗り重ねていく傾向にあるようで、最初の頃は良いのですが、10年くらい経つとクリアー層だけがペリペリと剥がれて取り返しのつかない事態になります。剥がれた塗装の下から艶のある塗膜が出て来るなんて事は、車体の塗装では普通あり得ません(昔は業界全体が下請けだったからかそう言う事もよく見かけましたが、今は世代が変わって流石に少なくなったと思います)。お越し屋とか最近は聞かないですよね。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ブレンボキャリパー塗装承ってます

 先日到着しておりました、三菱ランサーエボリューション9の純正ブレンボキャリパー一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 現状はいつものように色褪せて、クリアーだけが剥がれているような状態になっています。

 ロゴも白かった筈ですが、オレンジ色っぽくなってしまっています。

 またブーツもボロボロになっていますので、今回は塗装とは別にオーバーホールも承っています。

 オーバーホールキットはフロントのみオーナー様ご自身で用意されていましたのでこちらを利用させて頂きます。

尚、ブレーキキャリパーのオーバーホールと下地処理(洗浄~サンドブラスト~マスキング)はいつものブレーキ屋さんでの作業となります。ブレーキ屋さんについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。以前知人の自働車板金塗装工場で、私と同じように間借りをして作業をしていた方です。

ブレーキキャリパーの下地処理

 リヤキャリパーはブーツの状態も悪くは無さそうなのですが、中古で購入された物との事で、やはりこちらもOHを含めた塗装で承っています。

 パッと見は綺麗に見えたのですが、よく見ると「o」の部分にシールを貼って上からクリアーを塗った痕が!。これはこれで随分と器用にやられているようです。

塗装内容については「純正の状態に近い色で」との事で、以前同じような内容で採用していたこちらの色見本を、補修&劣化していないリヤキャリパーの裏側部分に当てて確認したところ、大よそ同じような色でしたので今回もこちらで対応をさせて頂く事にしました。ロゴも元と同じように、フロント80mm、リヤ53mm、色は白を塗装で行います。

尚、以前同型のキャリパーを塗装した時の施工例がありますのでそちらも紹介をさせて頂きますね。

Lancer EVO Brembo Brakes

この時はF40のキャリパーから採色した赤を採用していて、今回はこれよりも若干青黒い感じの赤となります。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

Lancer EVO Brembo Brakes

brembo39 いつもの業者さんからご依頼頂いたランサー用のブレンボキャリパーです。作業内容掲載のご承諾を頂きましたので一連の流れを施工例として紹介させて頂きます。

brembo40 元々は赤い塗色なのですが、サーキットなどで走るとあっという間に変色、その後クリアー層が剥がれてきます。

何故かロゴの白い個所のみクリアーが残っていたりするので、ベースカラーとクリアー層とでの密着が悪いようです。恐らくベースを塗った段階で一度ベイクし、そのままクリアーを塗っているのが問題では無いかと思います。

brembo38 と言う訳で一旦いつものブレーキ屋さんに送って洗浄~サンドブラストの下準備をお願いしました。画像は戻ってきた状態です。

brembo41 その後細部の調整を行い、セッティングを行って本塗り準備完了です。

brembo42 まずはプライマーを塗布します。

brembo43車体と固定する部分は以前は塗装しないでそのままだったのですが、アルミ素地が出たままと言うのがちょっと嫌だったので、現在はプライマーとガンメタを極薄膜に塗っておいています。膜厚を付けないようにしているので取り付け上は問題無く、腐食も防げると思います。

brembo47色は前回同様、F40のキャリパーから採色した赤をご指定頂きました。

色見本はマグネットになっているのでそのまま計量器まで持って来て配合データを見ながら色を作れるのでとても便利になっています。

配合データはプリントアウトしておいても後から探すのが手間で、じゃあネットで検索~と言うのも結構面倒なので目下これが一番楽で助かっています。

brembo44 ベースコートを塗布し、元のサイズ通りにbremboのロゴを塗装します。フロントは80mm、リヤは53mmです。

brembo45 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

brembo46この後熱を掛けて完全硬化させます。使っている塗料は通常の2液ウレタン、STANDOXです。念の為ですが、キャリパー専用塗料と言うのはありません。多分それは商品名かと…。

brembo48 そして完成です。

brembo50 ロゴはシールでも大丈夫ですが、熱い状態で触るとズレる筈ですので、万が一を考える場合は塗装をお勧めします。

brembo51リヤキャリパーのロゴについては先ほども紹介した通り純正は53mmなのですが、サイズ的に少々キツイのでケースバイケースで50mmにする事もあります。

brembo52ボルトで固定する個所を塗るのを嫌う方も居ますし(メカニックの方がそうかと)、かといって金属素地剥き出しなのも嫌だと言う方もいらっしゃいますので、どちらの意向も汲んでこの仕様となっています。

ちなみに黒の場合もありますし、今回のようにガンメタの場合もあります。私的にはガンメタの方がブレンボ純正のアルマイト仕様っぽいので基本はこちらになるかと思います。

キャリパー塗装のお問合せは非常に多いのですが、車体に着いた物を塗りたいと言う方が結構いらっしゃいまして、ただ当店は小物塗装専門なので、お受付する場合はキャリパー単体での状態が必須となります。何卒ご理解の程宜しくお願い致します。