F50ブレンボキャリパー塗装承ってます

先日到着しておりまいたF50ブレンボブレーキキャリパーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は、現在別件でお預りしております同ブレンボキャリパーの内容と同じで、本体をブレンボゴールドに、bremboのロゴは赤で承っております。

以前施工した時の画像が判り易いと思いますのでそちらも紹介しておきますね。配合データはこのままあるので、以下の塗色と同色で再現が可能です。

F50ブレンボキャリパー塗装 完成

 現状としては、パッと見は綺麗に見えるのですが、恐らく市販のディスクサンダー(シングルアクション)で削られたような跡が残っています。

 クリアーは比較的新しいようなので艶があって綺麗に見えるのですが、その下地は凸凹していて気持ちが悪い仕上りになっています。

 恐らくはサンダーで塗装を剥がそうと思い、途中で諦めてそのまま上から色を塗ってしまった、といった感じでしょうか。

内側はブレーキダストが溜まったまま色を塗ってしまったようで、中々男前な状態になっています。

ただ恐らく凸凹はアルミ素地では無く旧塗膜の段差だと思われますので、いつものようにブレーキ屋さんにてブラスト処理を行って貰い、旧塗膜を全て剥がせば大丈夫だと思います。

ブレーキ屋さんでの作業については以下の記事が判り易いと思いますので宜しければご参照下さいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

ブレーキ屋さんへの下地処理は、先日お預りしております黒いブレンボキャリパーと一緒にお願いしますし、色も同じなので作業は並行して出来ると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

Ferrari F50 Brake Calipers

 フェラーリF50のブレンボキャリパー一式です。

状態は新品で、元々あった突起部分の6か所を、オーナー様自ら削って平らにしてあります。

今回の御希望内容はこの突起部分をフラットにし、またキャリパー正面部分のザラザラとした梨地を均して艶のある仕上がりにとご指定承っています。

 またロゴについてはこちらの画像を参考に、

それぞれのフォントデザインの変更も承っています。

 ご指定頂いた先ほどのフォントを基に、ソフトを使ってロゴデータ(ベクトルデータ)を作製します。

出来上がったデータは実際にプリントアウトしてキャリパーに合うようサイズを調整しています。

出来上がったデータからマスキングシートを作製します。

 削っておいて頂いた凸部の箇所をさらに金属素地と同じ高さにまで削り落とし、

 梨地を研磨し、深いペーパー目はダブルアクションダンサーで均します。

ここで一旦当店での作業を終了し、いつも下地処理作業をお願いしているブレ―キ専門の方に作業を委託します。

「サンドブラスと処理→清掃→脱脂処理→マスキング」までの作業を行って頂き戻って来た状態です。

尚、下地処理をお願いしているブレーキ屋さんは、以前私が知人の工場に間借りしていた時に私と同じようにそこに間借りをしていた方で、今はそれぞれ別の場所で仕事をしていますが、ブレーキ関係の下地処理はいつもその方に委託しています。

詳しくは以下の記事で紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

そのままでも塗れる状態ですが、さらに全体を研磨して艶が出るようにします。

また今回は「正面の梨地を平滑に」といった作業もご指定頂いていますので、

通常は使わないエポキシプライマーサフェーサーを塗布します。

梨地をツルツルにさせるにはポリパテを使うのが手っ取り早いのですが、ウレタンやエポキシ系に比べるとポリエステル樹脂は耐熱性が弱い為、ここでの使用は避けます。

続けて通常のウレタンサフェーサーを塗布します。途中で足付け処理は行わないウェット・オン・ウェットで、この後60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させます。

後日サフェーサーを研ぎ出し、梨地を平滑に仕上げます。正面以外の部分はまだ金属素地が出た状態です。

綺麗に脱脂洗浄を行い、

全体にプライマーを塗布します。

強いトルクが掛かるボディ取り付け部は塗膜厚を着けたくない為(固着してしまう為)、プライマー塗装後にはベースコートの黒を薄膜で塗装し、テープフリーな状態になったらマスキングを行います。

ボディ側取り付け接触面も同様に行います。

そして本塗り開始です。

まずは下色に適当な白を塗り、続けて隠ぺい力の高いイエローを塗布します。

最後にご指定色であるFERRARI GIALLO MODENA(カラーコード:4305)を塗ってベースカラーの完了です。

続けてロゴ入れ塗装の準備を行います。

予め決めておいた位置にマスキングシートを貼ります。

ロゴの色にはフェラーリ純正色の「ロッソ・スクーデリア」をご指定頂いています。

それぞれロゴ入れの塗装が完了したら、

塗装ブースに戻し、

クリアーを塗って本塗り完了です。

その後60℃40分程熱を掛けて塗膜を完全硬化させたら完成となります。

完成後オーナー様よりコメントを頂きましたので紹介させて頂きますね。


「商品が無事に昨日到着しました。昨日は送別会で帰宅が遅くなり本日商品を確認しました。

実物はより見事な出来映えで艶や質感にはとても感動しております。このままオブジェとして飾っておきたい程です。」

またさらに装着後の画像も頂きましたのでそちらも紹介させて頂きます。

「高畑さんのアドバイスに従い2週間以上置いてから昨日無事に取付完了しました。
取付依頼したメカニックの方はじめキャリパーを見た誰もが凄いと 絶賛しておりました。
当方の 愛車に装着のホイールは開口部の大きなスポークタイプでキャリパーが常に丸見えです。
艶々の仕上げにした効果は十分にあり、とても存在感を出していてドレスアップにもなっています。
装着画像を添付します。艶や質感などの良さが写真では表現出来ないのが残念です。

この度は本当にお世話になりました。また機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。」

この度は当店をご利用頂き誠に有難うございました。またわざわざコメント画像まで頂き恐縮です。こちらこそまた機会がありましたらどうぞよろしくお願い致します。

F50ブレンボブレーキキャリパー塗装 完成

先日本塗りを終えていたF50ブレンボキャリパー一式です。外しておいた部品を組み付けます。

簡単な部品の脱着についてはサービスで行っておりますが、あくまでもお客様に代わってと言う形ですので、実際に車体に組み付ける際には各部の点検をお願い致します(画像に映っていない物を外してはいませんのでその点はご安心下さい)。

またブレーキパッドなどの消耗品は組み付けはせず、別に梱包してキャリパー本体と一緒に同梱しておきます。

 そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介しますね。

元々は赤色で、また新品未使用の状態でした。

また今回はキャリパー正面にある突起を平滑にし(画像はオーナー様自ら施工しています)、サンドブラスト後にはこの正面のみをサフェーサーで平滑な下地に整えています。キャリパー全体の梨地を平滑にしている訳ではありません(それは大変なのでとても高額になります)。

 また塗装で入れたロゴは、それぞれ今回の為にデータから作成しました。この場合は塗装費とは別にデータ作成費が必要ですのでご注意下さいませ。

 正面以外はサンドブラスト後には薄膜のプライマーのみですが、元々このキャリパーは製造時に切削されている為、そのままの塗装でも比較的艶のある仕上がりになっています。鋳造成型時の梨地が残っている場合は多少なり表面が凸凹しています。

 ちなみにザラザラとした梨地を、今回のような「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程では無く、「上塗り塗装の二度塗り」と言う方法で艶だけを出すという事は可能なのですが、その場合は「肌の上に肌を重ねる」ような事となりますので、今回のようなシャープな仕上がりにはなりません。

またサフェーサーを塗ってもしっかりと研ぎ付けなければ結局だらしのないフォルムとなり、「確かに艶はあるけど何か違う…」と言うのは大抵そういった事です。それらは作業自体楽なのでコストは落とせますが、余りメリットが無いので私的にはお勧めしません。

 ブレーキ屋さんから下請け的にご依頼を頂いた場合は、ボルト穴周りや車体との接合面は塗装しないで、アルミ素地剥き出しのままの仕上りとなりますが(膜厚をつけたく無いのでそこは塗らないでと言うご指定です)、当店にご依頼頂いた場合はその部分もプライマーと艶消しの黒だけを極薄膜で塗るようにしています。

ロゴが見難いのでさらに立てて撮影してみました。

下段に配置したロゴはサイズ的に厳しく、多少なり曲面部分に差し掛かりましたが、正面から見れば(車体に装着された状態で見れば)全く違和感はありませんのでご安心下さいませ。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

F50ブレンボキャリパー 本塗り

先日サフェ研ぎを終わらせていた新品のF50ブレンボキャリパー一式です。

マスキングを行い、脱脂洗浄をしたらいよいよ本塗りです。

 ロゴ入れ用のマスキングシートも作成しておきました。「e」の内側は小さ過ぎて一部綺麗にカットが出来ない場所がある為、別紙にカットして作った物から移植したりしています。

ブースを回し、良くエアーブローしたら本塗り開始です。

 まずは全体にプライマーを塗り、20分くらい自然乾燥させます。

車体(またはブラケット)に当たる部分には膜厚をつけたくない為(それでも防錆はしたい為)、そこはプライマーとベースコートの黒を薄膜で塗り、さらに自然乾燥後にマスキングを行います。

 再びフックに吊るし、エアーブローを行い全体を軽くサンディングします。

 今回のキャリパー色はフェラーリ純正色のGIALLO MODENAでご指定頂いておりまして、当然ながら隠蔽が弱く、そのまま塗ると塗膜が厚くなってしまう為、まず下色に適当な白を塗り、さらに隠蔽の高いイエローを塗ります。隠蔽性の高い無機顔料系イエローであるオーカーなどが混ざった黄色ですね。手前が白で、置くがイエローです。

 そして最後にGIALLO MODENA(カラーコード:4305)を塗ってベースカラーの完了です。白→無機顔料系黄色→有機顔料系黄色×2コートで、ベースコートは合計4コートで済ませました。また最初の2コートには硬化剤も添加しています(STANDOXは通常ベースコートには入れなくて大丈夫ですが、前もって添加しておけば膜厚が付き過ぎてしまった時も安心です)。

ちなみにDUPONTはこれによって起きるトラブルが増加した為、途中から「最初から硬化剤を入れて下さい」と言う事になっていましたが、今は解決したのでしょうか…。

 そしていよいよロゴ入れ塗装です。ちなみに今回は2日間に別けて作業を行いました(神経が持ちません)。

 ロゴを入れる個所にはプレスラインがある為、上下のロゴはそれぞれ別けて貼る事にしました。

また「Ferrari」と「brembo brake system」の位置は左右でズレないようカットする前に印を付けてあります。

まずは「brembo brake system」のロゴ入れで、こちらはフェラーリ純正色の「ロッソ・スクーデリア」で承っています。

通常配合データをその都度メーカーサイト(STANDOX)からダウンロードしますが、良く使う色は色見本として用意しているので配合データもそれを見ながら作れるようになっています。まあ単に見栄えが良いだけでもあるのですが(笑)。

 と言う訳でロゴ入れの塗装が完了です。精魂使い果たしてしまったのでクリアーを塗る体力は残っていなく、ただデスクワークはしなければならないのでこの後さらに深夜まで仕事は続き、ようやく帰ろうとしたら自転車のタイヤがパンクしていてそのまま倒れるかと思いました(笑)。

 と言う訳で本日です。改めてブースを回してエアーブローし、いよいよクリアーの塗装となります。

 そして本塗り完了です。大変お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

 最近気温が上がっていましたが、今日は比較的雰囲気温度も低かった為、垂れを防止する為ハードナーは早めの5-25、シンナーはどうしようかと悩みましたが、やはり垂れるリスクは避けたかったので10-20としました(STANDOXユーザーしか判らない内容ですいません)。

 ちょっとこの画像だと何故か彩度が低いのですが、実物はちゃんとイエローも赤も鮮やかですのでご安心下さいませ。

 塗り方としては、先に内側を「下から上へ」「上から下」を表裏行い、そのまま続けてキャリパー全体を「下から上へ」「上から下へ」を一周行います。形状からしてちょっと塗り難い所もあるのですが、以前知り合いの工場に間借りしていた時、私と同じく間借りしていたブレーキ屋さんから、信じられない量のキャリパーを塗らせて頂いたお陰で多少なり鍛えられました。

GIALLO MODENA(カラーコード:4305)は以前からよく使っていた色ですが、色見本プレートとしては作成していなかった為、今回こちらも一緒に塗らせて頂きました。イエロー系のご依頼も比較的多いので見比べられると便利かも知れませんね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

F50ブレンボキャリパー サフェ研ぎ

 先日キャリパー正面にエポキシプライマーサフェーサー&ウレタンプライマーサフェーサーを塗布しておいたF50用ブレンボキャリパーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

 ちなみに通常はキャリパーにサフェーサーは塗らず、プライマーのみを塗ってそのまま本塗りに行きますが、今回はオーナー様のご指定によりキャリパー正面にあったフィン状の突起を4ヵ所削り落としていて、それの跡を平滑に仕上げる為にサフェーサーを塗っています。

 当て板を使って#320で研ぎ出し、その後#400で均し、さらに布状の研磨副資材アシレックススカイ(#320相当)でペーパー目を均し、さらにアシレックスレモン(#800相当)でペーパー目を消しています。

プライマーとサフェーサーを塗っているのは正面のみの為、本塗り時には改めて全体にプライマーを塗布します。プライマー単体であれば膜厚が薄い為肌が出来る(荒れる)事は無く、軽いサンディングのみでそのまま上塗りを行えます。

マスキングシートのテストカットも済んでいて、本塗り間近になったら4個分を用意しておきます。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!