GIANTフレーム&フォーク塗装 完成

giant17 大変お待たせしました!GIANTのアルミフレーム&フォークは艶消しカーキで完成となります。こちらもちょっと長くなってしまいましたね。

giant18 見た目は艶消しですが、表面にはいつもと同様に2液のウレタンクリアーが塗られています。ベースコートの塗装だけでも見た目はこんな感じに出来ますが耐久性は明らかに違いますので。また触ってみるとツルンとした肌触りで表面が平滑に仕上がっているのも判ると思います。

giant19 ちなみにメッキ剥がれて腐っていたアルミ製のエンブレムは一旦は「黒」に塗られていました。 が、これだとちょっとクド過ぎると思ったので考え直して実は途中で塗り直しています。ベースのカーキカラーに対してコントラストが強すぎていまして、塗装屋的に言うと「明度」が違い過ぎるのです。

という事で考え直したのは「グレー」です。と言っても単に白と黒を混ぜただけでは無く、「赤味」を強くしたグレーにしています。イメージとしては明度差を無くしつつ色相を少しズラすような感じですかね。

giant20これだけ見ても「グレー」に見えますが、実は結構赤味があります。ベースのカーキに比べると黒を多くして明度を落として暗くし、その分赤(茶色)を入れて色味を付けています。この辺の組み合わせはちょっと難しいのですが上で紹介したような色見本帳を使うと判り易いのです。

塗装屋的に色を説明する場合、「薄い」「濃い」といった言い方は無く、「白い」「黒い」「赤い」「青い」「黄色い」の5種類しかありません。基本となる色があって後はそれにこれら5つを組み合わせて色を説明するのです。「ちょっと青黒いね」とか「黄色グロク無い?」なんて感じですかね(グロク=黒くの事です)。

例えば今回のようなグレーを見て「これ結構赤いね」なんて言うので、普通の人がこれを聞くとちょっと頭がおかしいと思われていると思います。また一般的には「トーンが」とか「コントラストは」なんて言葉を使いますが塗装屋はこういった言葉は余り使いません。この辺がちょっと変わっているのかも知れませんね。まあ修理の塗装をやっている場合は色を決めるのでは無く「比べる」事がメインなのでこういった表現になるのだと思います。

明日の日曜日は休業日となりますのでお渡しは月曜日以降ですかね。もう少々お待ち下さいませ!

GIANTのエンブレム

giant14 てっきりABS(プラスチック)素材にメッキが施されているのかと思いきや、素材はアルミだったのですね。メッキが剥がれているのは下のアルミが腐食してしまっているからです。アルミ素材へのメッキは大抵こういった結果になるので純正部品では余り見かけないのですが、GIANTさんは怖いもの知らずと言うかこれを予想出来なかったのかも知れませんね。または純正部品では無いとか・・・。

giant16ヘッドチューブにはこのエンブレムが付く部分が凹んでいます。これはこれで無骨な感じが格好良いですから付けないって言う選択肢もアリですかね。

giant15既にサンドブラストでメッキは剥がしてあります。色はお任せ頂いているので何に塗るかはまだ決まっていません。と言っても無難に艶消し黒で落ち着くかと思われますが・・・。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

GIANTフレーム&フォーク 本塗り

giant9 本日は第三土曜日なので本来であれば定休日な筈なのですが、今年に入ってからそんな事はすっかり忘れていました・・・。まあ自営業だと仕方ないですね。仕事が無いよりは全然マシですので。

と言う事でGIANTのフレームとフォークも無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。画像は本塗り前の状態で先日塗ったサフェーサーを研いだ状態です。部分的に素地のアルミが露出している箇所があるのでスポット的にプライマーを塗っておきます。

giant10 ベースコートを塗ったら艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。艶消しクリアーも通常のクリアー同様「ウェット」に塗る事でムラの無いツルっとした艶消しになるのです。

ドライコートで塗れば確かに艶は消え易いのですが、表面が平滑では無い仕上がりだと傷や汚れ付き易い塗膜になってしまいます。飾り物のような物であればそういった方法で艶を調整するのも良いかも知れませんが、自転車のように日常的に触れたり使用したりする物にその方法は向かないですかね。

giant11 フォークはサスペンションタイプなのでいつもとはちょっと勝手が違います。いつものフォークの方が塗り易いですかね・・・(苦笑)。

giant12 こちらもフレーム同様にウェットに塗ります。一昔前の艶消しクリアーだとウェットに塗り過ぎると艶が消えてくれなかったりしましたが、自動車メーカーのラインナップに艶消し仕様の車種が出た事によって本気で取り組んでくれたようで、最近の材料であれば安心して艶消しも塗れます。

giant13そして時間が経つとこのように綺麗に艶が消えてくれます。ただし艶は消えていても表面が粉っぽい感じはしませんよね。艶消しの仕様でも表面が平滑に仕上がっていれば傷は付き難く、また長期に渡って変化がし難くなる筈ですので。

あとこのフレームに付いていたエンブレムも塗装しますので、そちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

GIANTフレームカラー作成

giant6 GIANTのフレームカラーでご用命頂いているカーキ色を作成します。参考資料として画像を紹介して頂いていますのでそれを参考にして原色を配合していきます。

ただ先日購入したKindleが何か変です。どうもディスプレイの色合いが青いというかグリーン味が濃過ぎる気がします。うーん、まんまと失敗しましたかね・・・。

giant7 と言う事で今まで通りiPodtouchで見る事にしました。やはりこっちの方が自然な気がしますし・・・。

giant8ちょっと解かり難いですがスティックの右側が最初にKindleで合わした方で左がiPodで合わした方です。右の方が青黒くなってしまってますよね。

ちなみに右側のはこれでゴミになる訳では無く「下色」として使われたりします。どの道左側の量だけじゃ足りませんからこれで丁度良い組み合わせなのです。

GIANTフレーム サフェ研ぎ

giant3 プライマーとサフェーサーを塗った時の画像は撮り忘れておりまして(すいません・・・)、ただ既に熱も掛けて完全硬化しているので早速サフェーサーを研ぎつけています。

サフェーサーは空研ぎ・水研ぎどちらでも構わないのですが(最終形が同じならどちらでも良いのです)、最近は空研ぎ用のペーパーが充実しているのでもっぱら空研ぎがメインになっています。この寒い季節に水を使わなくて良いのは助かりますしね。ただし粉塵が出るので体には多分悪いです。

giant4最初は#400から始めてある程度肌を落とし、その後#600→#800とペーパー目を細かくしていって均します。#400目が残ったら仕上がりにそのまま出てしまいますからね。

giant5フォークも全体的にサフェーサーを塗布しているので研磨します。これはサフェーサーを塗ったそのままの状態で、このまま研いでもどこを研いでいるのか解らなくなってしまいますから、缶スプレーの黒をサっと塗って全体的に色を飛ばすようにします。これが「ガイドコート」ですね。ちょっとした事ですが研ぎ忘れ防止の為に非常に役立ちます。

ちなみにガイドコートはそれ専用にパウダータイプの物がちゃんと売っていて、私の知る限りは3M社の製品が有名ですかね。私もそれを使っていた時期はありますが、元々は上記の缶スプレー方式で育ってきたのでどうしてもこっちの方に偏るようです。最終形が同じならば何をやっても良いって言うのはこういう事ですかね。それだけに作業方法について細かいマニュアルと言うのが存在しませんからこれが逆に塗装の難しい所なのかも知れません・・・。

今週の予定としてはこちらのフレームの本塗りの前にFIAT500とZ34のテールランプが先になります。塗装ブースの都合上、塗る準備は出来ていても直ぐに塗れる訳では無いんですよね。どれもお待たせして申し訳御座いませんが何卒もう少々お待ち下さいませ!