ベンツ用ワンオフホイールキャップ製作②

benz188新たに68mm径に出来上がったスリーポインテッドスターからいよいよシリコン型を作ります。

ただし円周の枠と中央の★とでは固定はされていませんので、念のためその隙間に油粘土を詰めておきます。本来の塗装工程なら接着剤とかパテとかシーラーとかで埋めますが、これは単に型を取る為の物なのでその必要はありません。

benz189 ちょっと判り難いですが枠と★との隙間が少し緑色になっているのが判ると思います。ここにちょっとでも隙間が出来てしまうとシリコンが入ってしまい、複製した物にも筋が出来て折れ易くなってしまうので注意が必要です。

benz190 ダイヤブロックで壁を造り、念のためブロックの隙間に粘土を盛ってシリコンの流出を防ぎます。ブロックがカラフルなせいか、この時点でもう興奮状態の絶頂でして・・・(危)。

benz191 本当は真空脱法器とかがあれば巣穴の無い綺麗な型が作れるのですが、さすがに場末の塗装工場にそんな物は無いので、泡を巻き込まないように注意しながら少しずつシリコンを垂らしていきます。

benz192マスター型が隠れるくらいになったらあとは一気にシリコンを投入して完了です。使ったシリコンは合計150グラムでした。

一日置いて固まったら枠を剥がしていき、無事綺麗にシリコン型が出来ていれば今度はレジン(リゴラックなるポリエステル樹脂)を流し込んでいよいよ本格的な量産体制に入ります(と言っても合計で4個ですが。笑)。

今回作っているスリーポインテッドスターは片側が完全な平面ですからレジンの注型は「オーバーフロー方式」になるので型はこれで完了です。もしこれが両面あるタイプ、例えば昔ながらのベンツでボンネット先端に立ったエンブレムは裏表ともに立体的な形状になっていますから、あれを複製するとしたらさらにもう片面を作る必要があります。型の作製自体はそんなに面倒では無いのですが、複製する時の注型はやはり難易度が高くなりますかね。機会があったら是非紹介したいと思います。

ベンツ用ワンオフセンターキャップ製作

benz184 先日完成した円周の枠部分のサフェーサーも研ぎ終わり、いよいよマスター型の製作になります。右側にある★は右上の輪っかから切り離した物で、これは74ミリ径のベンツ純正のホイールキャップとなります。元々あったメッキも剥がしてあります。

benz185 今回作っているホイールキャップサイズは68ミリで、一回り大きい★の端は余分な長さをカットしペーパーを掛けて面を合わせます。

benz186 少しずつシコシコと長さを削りつつ円周枠の面にピッタリ合うようにするとこんな感じになります。削り過ぎると大変な事になりますので、胃は丈夫な方ですが内臓の奥からは込み上げて来る物があり抑えるのに一苦労でした(苦)。ただこういう緊張感が結構嫌いじゃ無いみたいで、作業している最中も失敗したらどうなるんだろう~なんて考えながらやっていたりします(マゾヒズムと言う訳ではありません)。

benz187そして平らなアクリル板に両面テープを貼り、円周の枠と★の位置を合わせて貼り付けます。これは「型」となるので二つの部品を接合する必要は無く、先日「これに強度は必用無い」と言ったのはそういう事ですね。

次はいよいよシリコンを投入しメス型を作成します。本当にこの日をどれだけ夢に見た事かと・・・(惚)。

既にそちらも完了していますので後ほど紹介したいと思います。