先日穴埋めまで終わっていた所の続きとなります。木を埋めただけではツライチと言う訳にはいきませんから表面を平滑にして塗装が出来る下地にしておきます。
まずは表面のエポキシ接着剤を削ります。幅が狭いので大きいサンダーは入りませんからこの場合はミニサンダーを使います。奥の物は優れ物でシングルアクションとダブルアクションがスイッチで切り替わります。左のはギアーアクションでシングルとダブルの良いとこ取りみたいな感じのサンダーですかね。サイズは小さいですがお値段は大きい物に比べると逆に高くなるのです。
そしてポリパテを塗布します。エポキシ系は強度が強いですが作業性が悪く(全然削れません)、対してポリエステル系は強度は無いですが切削性が良いので最終的なラインを出す為に使われます。
ライン出しは主に手研ぎで、最後はダブルアクションサンダー#240でペーパー目を整えていきます。そしてさらにその周りを#320で足付け処理をし、この範囲内で「サフェーサー」を塗布します。下地塗料もツルツルした所に塗ると剥がれてしまうので足付け作業はどの工程でも必須なのです。
そして既にサフェーサーの塗布も完了しています。埋めた穴の面積の割りにサフェーサーの範囲が大きいですが、これは徐々に傾斜を付けるグラデーションのような塗り方なのでこれくらいになるのは普通ですかね。結果、1ミリの傷でも最終的に塗る範囲は30cmくらいになるので「部分補修」はそんなに安く出来ると言う訳では無いんですよ。当然デメリットもありますし(クリアーのボカシ目は必ず出ます。それが見えるか見えないか、気にするか気にしないかです)。
ちなみに自動車で、遠く海外からやって来る車はやはりそれなりに途中でダメージを負っていたりします。最近は対策が良くなったので少なくなったとは思いますが、余り細かい点を気にしない御国だとそれはもう凄い状態です(でした)。
かといって全部をまともに直そうとすれば相応のコストが掛かりますからそんな直し方はしません。先ほど紹介したような部分塗装(スポットペイント)が多用されます。塗装屋になるとそういった補修跡も大抵の物は判ってしまいまうので逆に細かい事は気にしなくなる傾向になる気がします。よくフレーム修正された中古車を気にして乗らない方も居ますが(それが普通ですか)、板金塗装屋さんはそんな事は気にせず「安く手に入ってラッキーだった!」と思ったりします。いや私だけかも知れませんが業界の人間は日常茶飯事過ぎてそんな事は気にしないんですよね。実際私が知る(元)同業者の方々は「自分の車は雨漏りさえしなければそれで良い」という方が多いですし(当然私も含めてです)。
それではまた進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!