カーボンフレーム&フォーク 下地処理

project14先日エポキシプライマーとウレタンサフェーサーを塗ったカーボン+クロモリのフレームです。強制乾燥して完全硬化しましたので次はいよいよ研ぎ作業です。

黒く見えるのはパテで、実際は濃い緑色なんですが画像になるとこんな風になってしまったんですよ。何故でしょう・・・。

project15 パテを塗ったのは溶接部分で、旧塗膜を剥離してみたらビートの凸凹が結構あったのでそれを均します。

project16 オーナー様からは「パテを塗って後で割れたりしませんか?」と御質問がありましたが、そもそも残るのはこの程度ですし、パテは柔軟性のあるタイプを使っているのでこれで割れることはまずありません(紙に盛ってクルクル丸めても割れないようなパテです)。

ちなみに今まで見てきたフレームでは「こんなにパテ入ってたのか!」と思うような物もありましたがそれでも割れた物は見たことが無いので意外に簡単には割れないものなのかも知れません。もし割れるとしたらその下で錆びが発生していたという事の方が可能性は高い気がしますが、今回のように一番最初にプライマーが塗ってあればそんな可能性も殆ど無いと思います。自動車のボディでもパテが割れたりするケースがありますが、大抵は板金や溶接後の鋼板の処理の甘さで、パテの厚みがある分発見は遅れるのですがそれが出た時はもう手遅れと言うか大変な事が起きていますので・・・。

project17 しかし想定外だったのが研ぎ作業が思っていたよりも大変だったと言うことで、ラグの継ぎ目の段差が研ぎ難いのは覚悟をしていましたがまさか根元のビートでも研ぎが必要だったとは・・・。普通はラグか溶接かのどちらか片方じゃなかったでしたっけ?(笑)。まあフルオーダーメイドとの事ですからラグの角度もオーナーの体に合わせて作っているんでしょうね。

で、結局いたる所にパテが入ったので、これだと部分的にサフェーサーを塗るよりも全体に塗ってしまった方が早いですから、研ぎの作業は粗研ぎとして#320→#400でストップさせ、もう一度全体にプライマーとサフェーサーを塗るようにします。

project18 二度目のプライマーはエポキシ系では無く通常のウォッシュプライマーで、ウレタンサフェーサーはシンナーでの希釈率を上げて膜厚が付かないようにします。チューブの部分に厚く塗っても意味が無いですからね。ビート部分以外にはペーパー目を均す程度として2コート程度で終わらせます。

project19 言い感じで滑らかになりました。

project20自然な感じになったかと思います。

この後サフェーサーを研げばさらに滑らかに仕上がりますのでもう少しですね。次回までに体力を回復させておきたいと思います(いやそんなに疲れる作業ではありませんか)。

ハーレーCVOウィンカースモーク塗装 完成

harley6 こちらもお待たせしました!ハーレーの純正テールランプは「標準濃度」で完成となります。クリアーは「クリスタルクリアー」を採用しています。

harley7 スモーク塗装は「キャンディー塗装」の一種で、これの特徴としては「見る角度によって深みが違ってみえる」という事で、同じ環境下でも正面で見た時と角度を付けて斜めから見た時では色の濃さが違ってみえます。これの理由としては同じ塗膜でも斜めから見ると塗膜の厚みが多くなるからですかね(多分ですが)。45度で1.4倍、60度の角度から見ると2倍の厚みになる筈ですので(ピタゴラスの定理でしたっけ)。

harley8ただこういった「透過性の塗装」は塗料中の色の含有量や塗り方(膜厚)によって色が変わりますから再補修をする場合には非常に困難になります。それ故に自動車のボディに採用される事は殆どありません。一部日産のスカイラインにはありますがキャンディー塗装としては比較的大人しい仕様にはなっていますよね(それでも塗装屋としては全くやりたくはありませんが・・・)。ちなみにVW系で「キャンディホワイト」なる色がありますがこれは普通のソリッドホワイトです(笑)。

それでは後ほど完成の御連絡を差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

 

メルセデスベンツテールランプスモーク塗装 完成

benz18 大変お待たせしました!メルセデスの純正テールランプスモーク塗装完成です。

濃度は今までからすると比較的濃い方で「標準濃度と濃い目の中間」となります。かなり黒いのが判るかと思います。

benz19 スモーク塗装を行う際に使う塗料は通常使うものとは違って、また初期の頃に採用していた物とも変わっています。当初はこんなにスモーク塗装の要望があるとは思いませんでしたから「こんなものかな」といった感じでしたが、依頼が増えてくるにつれて色々と改善をしてきました。材料だけでは無く色々なノウハウも得られたと思います。公には勿論していませんが取り返しのつかない事態なども起きたりしましたので。

benz20ただ普通はそこでもう二度とやりたくないと思うのですが、当店の場合は被塗物対象が「小物」のみなのでそうも言ってられなく、結果的に色々な対処法と事前の予防策などを得る事が出来ました。

ただそれでも気が抜けない塗装である事には変わりは無く、車の塗装屋さんならば「これならバンパー塗っていた方が気楽でいいや」と思うのが普通だと思いますので。自分の車のテールや知り合いのを遊びで塗るならいいのですがこれを仕事としてやるとなるとちょっと気が滅入りますよね。失敗した事がある方なら何が起こるかは判ると思いますが、それはもう再起不能ですよね(苦笑)。

それでは後ほど完成の御連絡差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!