ギター 下準備

guitar11先日穴埋めまで終わっていた所の続きとなります。木を埋めただけではツライチと言う訳にはいきませんから表面を平滑にして塗装が出来る下地にしておきます。

まずは表面のエポキシ接着剤を削ります。幅が狭いので大きいサンダーは入りませんからこの場合はミニサンダーを使います。奥の物は優れ物でシングルアクションとダブルアクションがスイッチで切り替わります。左のはギアーアクションでシングルとダブルの良いとこ取りみたいな感じのサンダーですかね。サイズは小さいですがお値段は大きい物に比べると逆に高くなるのです。

guitar12 そしてポリパテを塗布します。エポキシ系は強度が強いですが作業性が悪く(全然削れません)、対してポリエステル系は強度は無いですが切削性が良いので最終的なラインを出す為に使われます。

guitar13 ライン出しは主に手研ぎで、最後はダブルアクションサンダー#240でペーパー目を整えていきます。そしてさらにその周りを#320で足付け処理をし、この範囲内で「サフェーサー」を塗布します。下地塗料もツルツルした所に塗ると剥がれてしまうので足付け作業はどの工程でも必須なのです。

guitar14 そして既にサフェーサーの塗布も完了しています。埋めた穴の面積の割りにサフェーサーの範囲が大きいですが、これは徐々に傾斜を付けるグラデーションのような塗り方なのでこれくらいになるのは普通ですかね。結果、1ミリの傷でも最終的に塗る範囲は30cmくらいになるので「部分補修」はそんなに安く出来ると言う訳では無いんですよ。当然デメリットもありますし(クリアーのボカシ目は必ず出ます。それが見えるか見えないか、気にするか気にしないかです)。

ちなみに自動車で、遠く海外からやって来る車はやはりそれなりに途中でダメージを負っていたりします。最近は対策が良くなったので少なくなったとは思いますが、余り細かい点を気にしない御国だとそれはもう凄い状態です(でした)。

かといって全部をまともに直そうとすれば相応のコストが掛かりますからそんな直し方はしません。先ほど紹介したような部分塗装(スポットペイント)が多用されます。塗装屋になるとそういった補修跡も大抵の物は判ってしまいまうので逆に細かい事は気にしなくなる傾向になる気がします。よくフレーム修正された中古車を気にして乗らない方も居ますが(それが普通ですか)、板金塗装屋さんはそんな事は気にせず「安く手に入ってラッキーだった!」と思ったりします。いや私だけかも知れませんが業界の人間は日常茶飯事過ぎてそんな事は気にしないんですよね。実際私が知る(元)同業者の方々は「自分の車は雨漏りさえしなければそれで良い」という方が多いですし(当然私も含めてです)。

それではまた進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!

 

カーボンフレーム&フォーク 旧塗膜剥離中

project12カーボンとクロモリで構成されたフレームとフォークも大分剥離作業が進ました。エアーツールは使いましたが基本的に人力での剥離作業なのでやはり相当時間が掛かっています。

project13そして残る継ぎ手やボトルゲージが付く部分ですが、この辺りは形がイビツなのでペーパーでの研磨では剥離しきれませんからこの後はサンドブラストで剥がす事にします。

「だったら最初からそれで全部剥がしちゃえば」と思われそうですが、私も以前ブラスト屋さんに相談はしたら砂をそれ専用の物に一旦全部換えるのでフレーム一個だけで10万円以上は掛かる、との事でした。「出来ない」とは言わない所がプロっぽくて良いですよね。ただそのお金を掛けてやる意味があるのか、という事です。なので今回は手で削ってます。

ブラスト前のマスキングに関しては先方さんがやってくれるとの事ですので、こちらはそれが判るように「目印」としてだけ仮貼りしています。

ブラストが終わって戻ってくる時はクロモリの地金が出ている状態なのでそのまま即プライマーを塗りたいですから後はこのタイミングを見計らってお願いする事になります。都合が合えば一旦車で来て直接持ち込むか、或いは発送でお願いするかも知れません。取り扱いには注意して欲しい旨を伝えてありますのでその点は御安心くださいませ。ちなみにフォークはこちらで行います(極小面積なのでこれなら直圧ブラストで無くても大丈夫なのです)。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。戻って来たらエポキシ形のプライマーでの重防錆仕様を予定しています。

 

BMWインマニ結晶塗装 本塗り

bmw64こちらもお待たせしました!BMWのインテークマニホールドはNSXのヘッドカバーと並行して作業しておりますのでこちらも無事本塗り完了しております。

インマニはご覧のように結構マスキングが大変で、今回は特にサイズ、重量、ついでに形も化け物級なので費用も高くなっています。一般的なヘッドカバーの倍程度ですかね・・・。

bmw65塗る為のセッティングもちょっと特殊で、表と同時に裏も塗らなければなりませんからこんな感じで固定しています。塗っている途中に裏返しに出来るようにしてあります。

bmw66 フィンの部分はいつものように塗装後に研磨して光らせますが、BMWのロゴマークに関しては黒とブルーで色を付けるよう承っています。

ちなみにこれら凸部はどれも鋳型そのままの状態でしたから先に#80で研磨してある程度平滑にしてあります。これでも結構削ったのですが「M」の部分がちょっと足りない感じですかね。これ以上削ると凸が足りなくなってしまうのでこれが限界でしょうか。

bmw67 そしてプライマーを塗布します。先ほどのNSXのプライマーとは違うのが判ると思います。

bmw68 こんな感じで台ごとひっくり返して裏側を塗れるようになっています。新車なら多分こういった所は塗っていないのが普通ですが「再塗装」となるとそうはいかないんですよね。最初に勤めたディーラーの集中センターで、ドアヒンジ部分に色がちゃんと入っていない時があって、それを上司(の何故かアメリカ人)に指摘された時、「だって新車でも同じ様な感じでしょ?」と言ったら「おまえがやっているのは新車の塗装ジャナイ」と言われたのを今も覚えています。若い頃は言い訳ばかりで何も判っていなかったんですよね。ちなみに私が塗っていたのは米国車じゃありません。ただ何故か部長がアメリカ人だったのです(その他ドイツ人・イギリス人・ブラジル人も居ました・・・)。

bmw69そして本塗り完了です。お待たせしました!

やはりと言うか面積が大きかったので使った塗料はヘッドカバー3個分くらいになったと思います。まさかパーツ一個でスプレーガンに入れた塗料が途中で足りなくなるとは思いませんでしたので・・・。

BMWのロゴ部分はマスキングしてあるので、この後こちらは別工程で黒と水色を塗り、最後に凸部を面研してフィニッシュの予定です。こちらは今週一杯は掛かりそうですね。作業進行しましたらまた紹介致します!