日産NOTEナビカバー&シフトパネル塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていた日産ノートのナビパネルとアルミ製シフトパネルの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は艶あり黒に塗装されていたナビパネルを、

日産純正色のニスモレッドと黒の2トーンカラーで塗装を施しました。

クリアーは艶消し仕様となります。

シフトパネルはナビカラーと同じ配色で、

一緒に送って頂いたステッカーのロゴをデータ化し、マスキングシートを作成して塗装で施しています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

円形の内側にある艶消し黒に塗装した部分は、本体から取り外せたのでそれ単体で塗装を行っています。

両サイドのフチと、二個の丸い部分(恐らくはエアコン吹き出し口)はマスキングで塗り分けを行っています。

ニスモレッドは隠ぺい力の弱い赤パール系の色で、これを黒の上に塗ろうとすると膜厚が多くなって見切りのラインがガタガタになりますから、先にレッドを塗ってから黒を塗るようにしています。基本的な事ですが、これに塗り分け(マスキング)が加わると逆にしなければならない場合もあります。

ラインテープで手作業で円形をマスキングをしようとするとどうしても綺麗な(機械的な)曲線が描けませんから、今回は予め作成したデータからマスキングシートをカットして使っています。

マスキングシートの素材であるPP=ポリプロピレンは塗料がくっ付かないという特性があるので、ぶつ切りのマスキングラインも綺麗に仕上がっているのが判るかと思います。

両サイドの塗り分けも同じくPP製のラインテープを使ってのマスキングとなります。

溝があると一見楽そうに感じられますが、金型マスクを使って塗装したようにフチが暈けると格好悪いので、ピッタリの線が表現できるよう気を付けて作業しています。

順光だと濁った赤に見えますが、

かなりパールが入っているので、艶消しでも比較的鮮やかな色味になります。

以前ご依頼頂いた同車リヤブレーキカバーの装着画像を頂いているのでそちらも紹介させて頂きます。

アルマイトっぽく見えますが、今回塗装した色と同じ塗色=ニスモレッドの艶消し仕上げとなります。

オーナー様からは「非常に綺麗で気に入ってます。車に関心が有る方から話しかけられます。」とのお言葉を頂戴しました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!

Impreza Steering Switch

スバルインプレッサ用ステアリングスイッチです。

今回は塗装費とは別に「調色費」「艶調整費」が必要となった内容で、「単に塗るだけ」の場合に比べてかなり割高となった一例なのですが、意外とよくあるお問合せでもあるので、改めて施工例として纏めてページを作成しました。

元々車体に着いているのはこの様なガンメタ色のパーツで、これをスイッチ付きタイプに換えようとすると同じ色の設定が無い為、これに合わせて調色を行い、艶具合も調整して塗装を施すといった内容となります。

付属品を分解し、カバーパネルのみの状態にしました。

ボディカラーと違って内装色は配合データが無い為、一からの色の作成となります。

作っては捨ててを繰り返し、ようやく良さそうな顔料を見つけました。

作った色を色板に塗装し、微調整を繰り返します。

良さそうな色が出来たら、

艶を出して確認し、さらに微調整を繰り返します。

出来上がった色にクリアーを塗りますが、今回は「艶調整」 も承っていますので、3種類の半艶クリアーを作成し、

テストピースにそれぞれを塗装します。

艶消し・半艶クリアーは艶ありクリアーと同様2液ウレタン樹脂の為、艶具合を確認するには一旦熱を掛けて完全硬化させる必要があります。かなりの手間が掛かるので費用もその分必要となります。

後日、完全硬化したテストピースです。半艶(艶消し)は平面だと艶が無いように見えて、曲面だと逆に艶があるように見える傾向にある為、それぞれ違うテストピースを作成しています。

それらを見本と見比べます。

今回は1:1の割合で混合して作成した半艶クリアーが丁度良さそうな艶具合となりました。

そして被塗物の足付け処理を行います。ペーパーだと細部に当たらない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド を使って足付け処理を行います。

素地が露出した箇所があるのでプラスチックプライマーを塗布し、

調色したベースコートを塗布します。

そしてテストピースで最も見本に近い艶具合の半艶クリアーを塗布します。

尚、ここでドライコート等の塗り方で艶を変えようとするのは絶対にやってはいけない事で、塗り方自体はしっかりウェットに塗って傷の付き難い塗膜にする必要があります(ドライコートにして肌を荒らすと傷が付き易い塗膜になってしまいます)。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ここでさらに色の微調整を行い、

再び足付け処理を行って、

2回目の塗装を行います。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、見本と並べました。

色味、艶具合もオリジナルに近い感じで出来たと思います。

尚、当店規定の「つや消し」または「半艶」であれば、艶調整の費用は必要ありません(ただし半艶・艶消し仕上げは塗装費の25%程の割増費用が必要となります)。

一般的には艶々に仕上げる方が難しいように感じられますが、実際には艶消し・半艶の方が作業的に難しく、また塗料自体も高いので塗装費用も割高となります。

その他の完成画像はこちらのページでご覧いただけますので宜しければご参照くださいませ。

後日オーナー様からは「写真と同様とても素晴らしい出来映えです。どうもありがとうございました。」とのお言葉を頂戴しました。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

レクサスエンブレム 下準備

先日お預かりしておりましたレクサス純正メッキエンブレムです。

最初に作成しておいたデータを使い、レーザー加工機で両面テープを作成します。

いきなり両面テープを切るのではなく(安くはありませんので…)、まずは要らないコピー用紙をカットし、データを修正していきます。

データが出来上がったら両面テープをカットします。

時間的にはハサミやカッターを使って切った方が早いのですが、厚みのある両面テープを手で切ろうとするとどうしてもラインがガタガタになったりして格好悪いので、予めデータで美しいベジェ曲線を描き、それ通りにカット出来るレーザー加工機での作成を私的に気に入っています。

両面テープの作成が済んだら本業の作業開始です。

裏に残った両面テープの糊をしっかり除去し、

素地調整した上に、まずはプライマーを塗布します。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側まで回り込むようにして塗布しておきます。

その後続けてサーフェサーを塗布します。

密着剤(スプレー糊のような物)を使えばかなり楽に早く終わらせられる(安く塗れる)事も出来るのですが、後で剥がれてしまったそれを第三者が見て「これどこで塗ったの?酷い塗装するね」と言われたりすると信用問題ですから、オーナー様がそれでよいと言ってもお受付はしないようにしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたらサフェを研いで本塗りとなります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26タイミングベルトカバー凸文字加工&塗装承ってます

先日到着しておりました日産スカイラインGT-R RB26エンジンのタイミングベルトカバーと、見本の為にお借りしたプラグカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼頂いているのはこちらのパーツで、凸文字部の「RB26」を「RB28」に加工し、

こちらのプラグカバーに塗られた結晶塗装を参考に近いような色味にと承っております。黒系の結晶塗装ですね。

加工方法はいつもの通りで、「6」を削り落とし、アルミ板から切り出した「8」を接着します。

以前施工した時の完成画像がありますのでそちらを紹介します。

この時は赤の結晶塗装でのご依頼となりましたが、

最近は艶あり仕上げ

または艶消し仕上げでの施工も行っていたりします。

ちなみに結晶塗装の場合は「サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」の行程が無いのでその分金額は低くなっています。

尚、先日行った新品部品の同型製品の時もそうでしたが、こちらのパーツはどうやら製造時の塗装(または素地調整)が芳しくないようで、塗膜の下から腐食が出てきます。この部分にはゴム製のパッキンが装着されますが、それが理由で塗装が剥がれているのではなく、素地のアルミから発生した腐食が原因で塗膜が剥離→パッキン側にくっ付いて剥がれてしまっているといった状態です。パッキンが悪いのではなく、本体の塗装もしくは作業工程(品質管理または素地調整不良)が悪い一例ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

NISSAN BNR32 RB26→RB30

スカイラインGT-RのRB26エンジンタイミングベルトカバー(新品)です。

こちらの製品は元々「RB26」の凸文字がありますが、今回はこちらを「RB30」への加工と、艶あり仕上げの塗装を承りました。

製品は新品なので足付け処理だけ行って上から塗り重ねる予定でしたが、既存の塗膜がザラザラとした梨地だったので、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程に変更となります。

「30」のフォントについては、以前行った日産レパードのコレクトケースにあったプレートを参考に作成しました。

それをプリントアウトし、既存の凸文字に並べてサイズを確認します。

凸文字は若干テーパー状になっているので、大きい方(底部分)のサイズに合わせて調整します。

そのデータを金属加工屋さんに送り、2mm厚のアルミ板をカットして貰いました。バリがあるのでそれを削っておきます。

既存の凸文字の「26」部分を削り落とします。

まずはアルミ用の砥石を使ってグラインダー で粗研ぎし、

その後ダブルアクションサンダーと手研ぎで面出しを行います。

既存の塗膜を剥がすつもりは無かったのですが、一部削ってみるとアルミ素地と塗膜の間に問題があった為、結局全部を剥がしておく事にしました。細部はペーパーでは剥がせないのでサンドブラストを使用します。

新品という事で安心していましたが、純正品といえども程度は良くないようで、想定していたより手間が掛かってしまいました。ただあのまま塗装していたら必ず数年後に塗膜が剥がれていたと思います(金属素地調整不良か塗装時に水分が混入していたようでブリスター予備軍が大量に発生していました)。

カットしたアルミ板を合わせます。

純正状態と同じ様に側面(断面)をテーパー状に研磨しておきます。

接着面を研磨足付け処理し、本体と共にリン酸を使って化成処理を行っておきます。

よく乾燥~脱脂清掃後、強度の高い構造用エポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を使って接着します。

隙間のないよう満遍なく接着剤を塗り、

位置を決めたらマスキングテープで固定して、

恒温機(乾燥炉)で60℃30分程の熱を掛けて硬化させます。

30分後、熱々で接着剤がまだ柔らかい内に余分をカッターで切り取って除去しておきます。

研磨して食み出た分をしっかり除去したら、

フチにエポキシプライマーサーフェサーを筆で塗ります。

少しでも隙間があると表面張力が働いてそこに塗料が乗らなくなるので、多少塗り過ぎるくらいにタップリ塗っておきます。

その後再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたら研磨して均しておきます。

全体にプライマーを塗布します。

続けてサーフェサーを塗布します。

この後再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

完全硬化後、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。

サーフェサーは膜厚を充填し、この後の研ぎ作業でラインを成型する役割がありますが、このサフェ自体の肌で塗膜表面は凸凹になっている為、細かい部分も当て板を使ってしっかり研ぎつけます。

サーフェサー研磨後、凸文字の天面を粗研ぎしておきます。

細部まで足付け処理を行ったらこれで下地作業が完了です。

台にセットし、最終脱脂を行います。

サフェ研ぎの際に素地が露出した箇所にプライマーを塗布します。

続けて下色の黒を塗布します。

その上に指定の色を塗布します。

指触乾燥以後、凸文字の天面を研磨してアルミ地を光らせます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

こちらのページに掲載している画像は縮小以外は全て未加工となります。

この後一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

ゴミが付着した箇所を磨き処理し、さらに数日寝かしたら完成となります。

今回の施工で「30」のデータも作成出来ましたので、今後同じご依頼で「データ作成費」は必要御座いません。尚、切り文字やデータのみの販売は行っておりません。あくまでも塗装の付帯作業のみとなります。ご了承くださいませ。