ロードスターヘッドカバー 結晶塗装本塗り

road24 こちらもお待たせしております。ロードスターのヘッドカバーですね。忘れている訳ではありませんので御安心下さいませ。

こちらは元々未塗装でしたが、内部にオイル汚れが残っている事も考えてアルカリ洗浄液にて浸け置き洗浄を行い、その後リン酸にて処理しています。先ほど紹介したS20エンジンヘッドカバーと並行して作業しております。

ヘッドカバーがちょっと斜めになっているのは裏側のバッフルプレートの一部が突起しているからですので気にしないで大丈夫です。

road25 こちらもまずはプライマーの塗布です。この型のヘッドカバーはプラグホール周辺が入り組んだ形状になっているのでノズルを細くして全方向から狙って塗装する必要があります。勿論これは本塗りも同様で、この辺りが結晶塗装でも難しくなるところですかね。全体的に同じ膜厚になるように仕上げないとムラっぽい結晶目になってしまうのです。

road26そして黒の結晶塗装を塗布したらやはり150℃程度の熱で40分~60分くらい焼き付けるとチヂレ目が出てきて完全硬化となります。焼き付け型の塗装は1液型ですが、ある一定の温度になる事で反応が起きて硬化するシステムです。なのでスプレーガンに入れっぱなしでも固まったりはしないんですよね。この辺が2液型とは違ったところです。2液硬化のクリアーをスプレーガンに入れっぱなしで一日置いたらそれはもう使いものになりませんし、いくら洗浄しても元には戻らないのです。まあ普通はそんな事をやったりはしないのですが(自身は一度もありません)、うっかりブースの中に置きっ放しで車と一緒に焼いてしまった、なんて事は良く聞く話です。こればかりはメーカーにオーバーホールに出しても元の調子には戻らないんですよね・・・。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

(おっと地震ですね)

NISSAN S20ヘッドカバー 本塗り

s205 先日剥離まで終わらせていたS20のヘッドカバーは、その後リン酸処理を行い無事本塗りも完了しております。大変お待たせしました!

元々かなり状態の良いヘッドカバーで、ただ上の画像の状態だとちょっと腐食しているように見えますが、これはリン酸処理によってアルミ表面がムラっぽく見えるだけなので気にしないで大丈夫です。酸で表面がエッチングされつつリン酸皮膜が形成されているといった感じで、むしろこれがピカピカに光った状態だと塗膜の密着性が悪いのです。ペーパー掛けやサンドブラストが物理的な足付け処理だとするとこれは化学的な足付け作業(化成処理)といった所ですかね。

ちなみに今回はオリジナルの塗装に習ってプラグホールの一部はマスキングする事にしました。

s206 そしてまずはプライマーを塗布します。白に近いグレーなので余りそれっぽく見えませんが黒いよりは良いので(明るい色を塗る場合に隠蔽させるのが大変です)私的には気に入っています。

s207そして結晶塗装を行ったら150℃40分程度で焼付け乾燥(硬化)させ、結晶目が出た状態です。プラグホール部分のマスキング跡が余り綺麗ではありませんが後ほどこちらは研磨してバリを落としておきますので御安心下さいませ。

色の付いてはいつものフェラーリの赤では無く、日産独特の黒っぽい赤にしてあります。画像で見ると結構鮮やかに見えますが実際はドス黒い赤でして、こちらは色見本として写真もお預かりしていますのでそちらに合わせておりますので御安心下さいませ。完成時に並べて撮って紹介したいと思います。

それではもう少々お待ち下さいませ!

 

HONDA NBOXテールランプ 本塗り

nbox4 こちらもお待たせしました!ホンダNBOX(エヌボックス)のテールランプも無事本塗り完了しておりますので御安心下さいませ。

こちらは以前マスキングシートのデータは作成済みだったのですが、一度パソコンをクラッシュさせてしまいデータが消えてしまいましたから今回もう一度作成し直しています。ご依頼が続く事を信じて(笑)。

nbox5 パソコンにスキャナーで読み込んで全体のラインを修整して出来たマスキングシートです。ここまでは事前に準備をしておいて本塗り当日に備えます。

nbox6 そして本塗り当日の朝、一気に貼り付けます。今回の4セットは全て「クリアー抜き」があったので、事前に時間は掛かったとしても当日の作業時間を短縮させる為に全てマスキングシートを作成しておいたのです。今更インプレッサのシートを作成したのはこういう事が理由でもあったんですよね。4台分、計12箇所にこれらのシートを水貼りしていきます。効率は良いので特に焦らずゆっくり出来るのが良いのです。

nbox7 本塗り準備完了です。当日にこれをラインテープで一個一個貼っていたらマスキングだけで夕方になってしまいますが、シート貼りなら1時間もあれば全部終わってしまいます。

nbox8 レッドキャンディーを終え全体をチェックしたらマスキングシートを全て剥がして露出したプラスチック素地にプラスチックプライマーを塗布します。

nbox9全体に薄くスモークを塗ったらクリアーを塗って無事本塗り完了です。お待たせしました!

明日は朝一で銀行に行って融資の最終契約を行います。ようやくなんですよ。これが切羽詰った状況だったらとっくに破綻している気がしますが・・・(まあ国が絡んでくると仕方ないのでしょうね)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

TOYOTA FT-86(from大分) 本塗り

86ooita続けて大分県からご依頼のFT86テールランプも紹介致します。先ほどの画像に似ていますがあの状態から全て部品が足付け処理が終わったところです。

86 ウィンカー部分のクリアー抜きは以前は右側のイエローのサイズで、その後ユーザー様のご協力により実装した状態でより良い形状へとバージョンアップを果たしました。左側の赤いのがそれで、以前に比べて少し小さくなっています。

86ooita1 本塗りのセッティングを行い、被塗面をよく脱脂したらマスキングシートを水を使って貼ります。水を使うのは微妙な位置合わせの為ですね。シートの位置を合わせるのは内部反射板を目安にしているのでちょっと見る視点が変わるとズレて見えますからかなり微調整が必要なのです。水を使えば何度でも貼り直しは出来ますからこの方法が必須という訳なのです。

86ooita2レッドキャンディーが十分な濃度に達したらマスキングシートを剥がし、レンズの素地が出た部分にはプラスチックプライマーを塗布し、その後全体に薄くスモークを掛けたらクリアーを塗ります。86ooita3レッドキャンディーの場合は通常の塗装に比べて色褪せがし易い事を想定し、使用するクリアーは耐UV性能に優れた「クリスタルクリアー」を使用します。これは勿論STANDOXのラインナップにある製品の名称で私が勝手に付けた訳ではありません。どのメーカーもクリアーが一種類と言う事は無く、品質の良い物からコストパフォーマンスに優れた(要は安い)物までかなりの数が揃えられています。「ビール」と言っても同じメーカーから何種類も出ているように、クリアーやサフェーサーなどの下地塗料も一つのメーカーで色々と販売しているんですよね。

クリアーの性能は大抵は値段と比例して高くなっていき、ただ使う側としては良いクリアー=使い易いと言う訳では無かったりします。良いクリアーは傷が付き難い耐擦り傷性の場合が殆どなのでその分磨き作業が大変で、また使い勝手も非常にデリケートな物が多いのです。

それもあって材料自体の値段では無く、「作業時間の短縮」の為に敢えて磨き易いクリアー(柔らかくて傷が付き易いクリアー)を選んだりもする訳です。まあ余り良い話ではありませんが、安さを求める消費者が居る以上この選択も間違いでは無くなるんですよね。

ちなみに私が昔アルバイトをしに行っていた町工場では「うちはDUPONTだから!」と言って使っていたクリアーはパナロック(10:1)でした(酷)。一度塗った車両が戻ってくるとフロント回りは激しい飛び石被害だったり(塗装間の密着性が悪い為です)、ひどい場合はクリアーだけがペリペリと剥がれたりしたらしいです。当然私も悪の片棒を担いだ訳ですが、まあそれがその会社のやり方だったので仕方は無いと思います。一アルバイターの私が口を挟む事では無いと思いましたので・・・(ただし車には可愛そうな事をしましたが)。

それではこちらも完成次第あらためて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

TOYOTA FT-86(from愛知) 本塗り

86aichi こちらもお待たせしました!TOYOTA FT86のテールランプは2セット同時に作業進行しております。それぞれ混ざらないように印を描いておりますので御安心くださいませ。

86aichi1BRZ/FT86はウィンカー部分のクリアー抜きに関しては予めデータ化してあるので簡単にマスキングシートが作成出来ます。私が雇われの身だったらこれを会社で大量生産して家に持ち帰り、ネットオークション等で販売していたかも知れません。いい小遣い稼ぎになったと思います(それは立派な犯罪ですが・・・)。

86aichi4こんな感じで奥には大分県から御依頼頂いているテールがあります。もっと近くでも構わないのですが自分が当たると危ないのである程度の通路スペースは確保してあります。

こんな感じで「小物」といってもそれ単体で作業してしまうと採算を合わせるのが難しいので(結果単価が高くなってしまう)、塗装ブースはある程度の面積が必要なのです。「塗るのはファンの前だけ」といったスタイルであればここまでの面積は必要ないのですが、塗っている途中にちょこちょこ動かしたりするのは余り好きでは無いので(落とすとか以前にゴミが付き易くなる)、だったら場所を広くとって自分が動けるようにした方が良いんですよね。

86aichi2レッドキャンディーを塗り終えたらウィンカー部分のマスキングシートを剥がし、再度プラスチックプライマーを塗布して全体に薄くスモークを掛けます。

86aichi3「おまけスモーク」は若干の濃さですが、これでもやるとやらないとでは全然違いますよね。レッドキャンディー塗装の費用にプラス¥8,000で対応していますのでお好みでどうぞ。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!