BMWボンネットエンブレム 修復中

bmw154先日作成しておいた 「BMW」を覆い隠すマスキングシートを所定の位置に貼り付け、黒い部分にベースコートを塗る準備をします。ちなみに「BMW」の文字部分はアルミプレート自体が凸型に形成されているので、出来ればその立体感を残したいのでマスキングシートは少しだけ大き目になっています(よく見ないと判らないレベルですが・・・)。綺麗に仕上げる為だけなら逆に一回り小さめにするのが正解なのですが、今回はオリジナルの修復を第一に考えているので、些細な事ですが諸々そっち寄りで物事を決めて作業を行っています。

bmw155 ベースコートの黒を塗り終わったらマスキングを剥がします。下地は既にクリアーが塗られて足付け処理が施されているので、特にプライマー等は必要なくこのままクリアーを塗布します。これが「2工程目」になりますね。

bmw156そして本塗り(といってもまだまだ途中です)完了です。何が変わったかというと、中央の青と白とクリアー層をカッターでカットした時に出来た「ガタガタ」を払拭したのと、黒い素地部分にあった細かい点々(表面では無くクリアー層の内部でした)が無くなって綺麗な「黒ベース」の土台が出来上がった事ですかね。中央の一段下がっている段差も今回のクリアーで充填し、完全硬化後に研いでさらに平滑に近づけていきます。

次はいよいよ「青」と「白」で、ただそれでも段差が埋まらなければさらにクリアーを塗って平滑になるまで仕上げる予定です。何とか先が見えてきましたね。毎回の事なのですが、こういったちょっと変わった御依頼?は、実は始めるまではそんなに自信がある訳ではありません。恐怖が50%くらいであとは興味が40%、残りの10%でようやく「出来るかも・・・」と言う自信があったりします。商売で考えるにはとんでも無い比率ですが(苦)、実はこういった事こそがスキルアップが出来る事なので、会社としてはやってはいけない事かも知れませんが個人的に考えると「今やっておくべき事」だと思うところが大きいです。

いずれ海外から多くの労働力(移民ですかね)が流れ込んで来て、その中には賃金が安く能力の高い人材も要るでしょうからそれに負けない為に今の内に色々やっておけば人生の終焉は「エンブレム修理屋」して食べていけると思いますので・・・(無理ですか。笑)。

それでは次回進行までもう少々お待ち下さいませ・・・!

スピーカーベース(ピラーカバー) 本塗り

speaker6 こちらもお待たせしました!車種はちょっと判らないのですが(伺っていなかったかと思いますが失念していたら失礼しました)、ドアの内側に付くツィータースピーカーの土台となるパネルですね。ドアミラーを外す場合にはこのパネルを外すとボルトが出てくる筈です(違っていたらすいません・・・)。

speaker7こちらは今までの御依頼同様「艶有り黒」での御指定でして、今回で確か3回目、依頼品数は5個~6個くらいになると思います。装着して楽しんで落着いた頃にまた何かやりたくなるというのはまさに当店の思うツボですが(笑)、まあそれだけ塗装は魅力的ですよね。何をやっても長続きしない私でも、これだけは死ぬまで続けたいと思えますからね。私の夢というか理想としては、いずれは現場だけをやりたいので、ある日突然サイトを全面閉鎖し、誰からも知られず連絡先を知るリピーターの方だけからの依頼でヒッソリと続けていければと考えています。ただしまだ20年は掛かりそうですが・・・今はその為の布石です(多分。笑)。

それでは完成しましたら改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

マツダアテンザ内装パーツ一式 本塗り

atenza94アテンザの内装パーツの殆どは「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行っていますが、こちらは梨地では無くツルツルした素地の上に「艶消し黒」が塗られた状態なので足付け処理のみで本塗りが可能です。両サイドに付いているスイッチも外すのは避けたかったのでこれは幸いでした(まず水研ぎは絶対出来ませんので)。

atenza100電子部品が着いたままなので裏側もしっかりマスキングしておきます。

時々「液晶モニター」の塗装でお問い合わせを頂くのですが、あれも裏側には熱を逃がす為にフィン上の隙間が設けられていますが、あれを分解しないまま塗るとなると内部に大量の塗料ミストが入るので故障や火災の原因に成りかねません。なので御依頼の再には分解して頂く事が前提なのですが、この辺でハードルが上がってしまうので中々御依頼には繋がらないんですよね。分解すると保障も効かなくなりますし・・・。

atenza93 そして本塗り準備完了です。先ほどのモニターパネルは現状「寝た状態」になっていますがこちらは「立てた状態」にも出来るようにしています。塗装した直後は立てた状態にして、ただ塗り終わった直後にスイッチ周りのマスキングを剥がしたいのでどちらでも安定するようにしています。

atenza95 これらは元々素地がザラザラとした梨地の状態で、それを平滑になるよう下地処理を行っています。一部素地のプラスチックが露出していますが本塗り前にプラスチックプライマーを塗布するので問題はありません。

atenza96 ベースコートはマツダの純正色「ジェットブラック」(カラーコード:41W))を3コート程度塗り、完全隠蔽したら続けてクリアーを塗って本塗り完了です。

atenza97 スプレーガンを用意するところまではかなりの時間が掛かっていますが、いざ塗り始めれば数時間以内で塗装は完了します。クリアーの塗装なんて20分程度しか掛かっていません(というかここは時間が経ってはマズイです)。

atenza98 スイッチ周りは多少隙間がありましたが、そこにクリアーが溜まって固まってしまうとマズイですのでマスキングは塗った直後に剥がしておきます。ちなみフチだけ6mmのテープで貼ってあるのでそこだけ簡単に剥がれるようになっています。この時点でクリアーはトロトロですからちょっとホコリが落ちただけでもくっ付いてしまいますので・・・。

atenza99メーターパネルは他の部品同様全体的に塗り終えていますが、こちらは中央に開いた穴の内側部分を「半艶黒」で承っておりますので、このクリアーが完全硬化後にここは改めて1コートソリッド(クリアー同様の2液ウレタン)の半艶黒で塗装する予定です。何故2コートでは無く1コートなのかは後日紹介させて頂きますね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

スピーカーベース(内装トリム)下準備

speake6こちらはドアミラーの内側位置に装着されるピラーカバー兼ツィータースピーカーのベースになるパーツです。元々はザラザラとした粗い梨地でしたが今までのご依頼品と同じく「艶々の黒」で承っています。

speake8梨地が粗いのもそうですが形もイビツなので研ぎ作業はやはりネチネチとしたものになります。濃色は下地の粗も目立つのでここが肝ですかね。

speake7最後は水研ぎ #600→#800で均します。素地が露出した箇所がありますが、本塗りの前にはもう一度プラスチックプライマーを塗布するので問題ありません。スピーカーが付く箇所もサフェーサーは塗っておらず素地がそのまま残っていますが上塗り自体はそこも塗るので同じくプラスチックプライマーを塗布してから本塗りを行います。

こちらももう少々お待ち下さいませ!

アテンザ内装パーツ サフェ研ぎ

atenza90 先日サフェーサーが塗られていた各パーツは完全硬化後に研ぎ作業を行っております。こういった粉まみれになる作業は一旦始めると他の事が出来なくなるのでこれらも纏めて一気に行うようにしています。ただ室内からの換気(排気)が上手くいっているので思った以上に粉塵は舞わず、防塵マスクも殆ど装着しないでの作業でもさほど苦にはなりません(というのが間違いなんですけどね)。

2液のウレタンサフェーサーは硬化するとそれなりに堅いのでエアーツール(ダブルアクションサンダー)が使える平面的な箇所は出来る限りこれで研ぐようにします。番手は#320です。

atenza92ただこういった小さいパーツでは殆どが手作業で、こういった奥まった箇所も勿論綺麗に研ぎつけなければなりません。最初は#320で研ぐのでそれの目を消すために#400→#600→#800とこれら全て同じ箇所を研ぎつけます。指紋は意外と無くならないのですが爪はみるみるうちに減っていってしまいます。黒い点々は研ぐ前に塗っておく「ガイドコート」で、これが残っている箇所はまだ研いでいない部分となります。茶色いのはスポットパテで、これはラッカー系なので厚塗りは出来ませんが巣穴や窪みが残りそうな箇所には予め塗っておきます。研いで無くなってしまえばそれはそれで良いですし、ヤバイと思ってから塗るとさらに研がないといけませんから下地を露出させてしまう可能性が高くなるのです。

atenza91 空研ぎ#320の後は#600→#800を水研ぎで行います。空研ぎの#600も勿論ありますが、こちらだと目詰まりし易いので主に#600からは水研ぎがメインとなります。ただボンネットのように平面的で大きい面積の場合は#400&#600もダブルアクションサンダーで行った方が早くできるので、この辺はケースバイケースで対応していきます。

塗装の場合、毎日同じような仕事でもやり方がその日その日で全然変わったりするのが普通で、見習いの時点ではこれが大きな障害となります。「昨日はああ言っていたのに今日は全然違うじゃん」なんて思うのは毎日の事で、ただどうしてそうなのかを聞いたところで「今日はこの気分だからだ」で終了するので余り意味がありません。始めて半年くらいは自分が何をやっているのかよく判らないまま過ごし、その期間怒られない日は無かったと記憶しています。ただ幸いにして当時の私はまだ若かった事と(胃は丈夫でした)、5年勤めたら辞めて独立するのは最初から決めていたので何とか耐えられたのだと思います。まあそのお陰でネチネチとした下地作業も苦では無くなったのだと思いますし(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!