メルセデスベンツW124ヘッドカバー結晶塗装 完成

 大変お待たせしました!メルセデスベンツW124のヘッドカバー、結晶塗装の赤で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は黒に塗装されていて、一見すると腐食も隠れて綺麗に見えるのですが、

塗られている塗装が普通の黒(半艶)だった為、腐食の浸食痕がそのまま見える状態でした。恐らくは腐食を目立たなくする為に色だけ塗られたのだと思われます。

既存の塗膜と腐食はいつものサンドブラスト屋さんにて強力な直圧ブラストで処理をして頂き、

腐食の再発を防止する為に耐蝕性の高い浸透型エポキシプライマーを使用し、

結晶塗装で仕上げています。

この画像だと赤が暗く見えますが、

 実物は鮮やかな赤に見えますのでご安心下さいませ。

 凸状になったフィン部は研磨して光らせた後にクリアーを筆で塗ってあります。

結晶目を近くで見るとこんな感じになっています。

 また今回は色の比較の為に屋外でも撮影してみました。

こちらはいつも作業前の状態を撮影する場所(ベランダ)で、実際にご依頼頂いた方だと判ると思うのですが、赤の結晶塗装は画像で見るよりも実物の方が色味が濃くて鮮やかに感じられると思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

メルセデスW124ヘッドカバー結晶塗装 凸部研磨

先日本塗りを終えていたW124のエンジンヘッドカバーです。

その後二度目の焼き付けを行い、凸状になったフィン部分を研磨して光らせます。

最初は#80から始めて120→180→240→320→400までを空研ぎペーパーで行い、その後布状の研磨副資材(アシレックス)の#320相当(スカイ)→#800塗装(レモン)でさらに輝かせます。念の為ですが水もコンパウンドも使いません(と言うか汚れるので使えません)。

金属素地が露出したままだと激しく酸化し易い為、最後にクリアー(普通の2液ウレタン)を筆で塗って腐食の進行を遅らせるようにします。

さらにこの後、今度は普通に熱を入れて(60℃40分程)クリアーを硬化させたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Dodge Magnum Tail Lights

ダッジマグナム用の社外品テールランプとハイマウントランプです。

レッドのレンズとクリアーレンズ部分とを、それぞれ違った濃度でのダブルスモーク仕様で承りました。詳細としては以下の通りです。


・赤部のスモークは「薄目と標準濃度の中間」
・テールとハイマウントを同じ色合いに
・テールのクリア部はバックランプが含まれるため「極薄目~薄目の中間」
・クリアーを高品位なタイプの「クリスタルクリアー」へ変更


 土台部分をマスキングし、被塗面のレンズには#800~#1300程で足付け処理を行ってあります。

 まずはバックランプ部をマスキングし、

 プラスチックプライマーを塗布後、赤いレンズ部にスモーク塗装を行います。

 赤いレンズ部のスモークは規定の濃さになる一歩手前で止めておき、バックランプ部のマスキングを剥がします。

マスキングをしてあったクリアーレンズ面にもプラスチックプライマーを塗布し、今度はクリアーレンズ部が規定の濃さの「極薄目~薄目の中間」に、且つ赤いレンズ部は「薄目と標準濃度の中間」の濃さになるようスモーク塗装を塗り重ねます。

 スモークが規定の濃さになったらクリアーを塗って本塗り完了です。

 ハイマウントランプも同じく下地処理を行い、

 テールランプの赤いレンズ部分と同じ「薄目と標準濃度の中間」の濃さにしています。

 その後60℃40分程の熱を入れて塗膜を硬化させ、必要に応じて磨き処理を行い、さらに数日寝かしたら完成となります。

ダブルスモークは「おまけスモーク」の応用で、違う濃さのスモークを組み合わせる複雑な作業を、極力コストを上げないようにしています。

 単にテールランプを黒くするだけだとどうしても下品な感が否めませんが、透明感のある黒と高品位なクリアーの組み合わせによって上品なテールランプに仕上げる事も可能です。

ハイマウントランプはテールランプと一緒にご依頼を頂くと全体の複数割引率も上がるのでお得です。

BMW M6 サイドスカート塗装

BMW M6バンパースカート 補修塗装

先日紹介しておりましたBMW M6の部品ですが、

 前後バンパースポイラーと一緒に、こちらのサイドスカート(サイドステップ)の塗装もご依頼を頂いておりました。

こちらの部品はFRP製で、また全体的に割れや歪が激しく、出来れば返品交換をされた方が良いのではとご提案を差し上げた程なのですが、恐らく入手自体が難しい事、また既に車体合わせは済んでいるとの事で各部を補修して塗装する事になりました。

 当初はこちらへの紹介もしない予定だったので最初の状態の画像は殆ど撮っていないのですが、上の画像のピントが合っていな3本ラインが入った溝の個所など、割れや歪以外にも全体がガタガタの状態でした。

 部品は新品ではありますが、何層にもパテやらサフェーサーやらが塗ってあります。

 FRPは熱を掛けても変形はしない為、全体の歪に関してはどうしようも無い所はありますが(そもそも形を変えてもマズイですし・・・)、ひび割れた個所はザックリと削り落とし(もしくはカットし)、ファイバークロスと構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)で補修していきます。

 悪い個所を一つ一つ修正していくとキリが無い為、ヘラ付けでのパテはある程度に留め、

 今回は全体にスプレーパテを塗って(と言うより盛って)既存のラインを嵩上げをするような感じで補修を行います。

 スプレーパテとはこのような物で、左から硬化剤、主剤、シンナーとなります。ポリパテと同様ポリエステル系の樹脂で、便利な反面、一般的な国産のポリパテに比べると数倍のコストが掛かるところがネックでしょうか。全体にパテを塗る1工程で一万円近くの材料費が飛んでいくような感じです。

 スプレーパテが硬化した後には全体を研磨しますが、高い個所を削ると穴が空く(もしくは積層されたFRPの内部の空洞が露出する)為、ある程度削ったら再度全体にスプレーパテを塗布します。また大きな修正が必要な箇所については局所的にヘラ付けのパテでも修正しています。

 根本的な歪に関しては製品上の事なのでどうしても修正はしきれませんが、スプレーパテの塗布→研磨の作業を3回行う事でそれぞれのラインを繋がる(均す)事は出来たと思います。

 そして最後にサフェーサーを塗布します。色は似ていますがあちらはポリエステル系でこちらはウレタン系、防水性や耐候性などで特性が違います。

最初は形の体をなしていなかった3本の溝ラインですが、何度かのパテ塗りで足りない部分を補い、またこの形状に合わせて削った当て板を使ってラインの形を整えています。

 その後サフェーサーを研ぎ、いよいよ本塗りとなります。

下に敷いたブルーシートはスプレーパテやサフェーサーで床が汚れるのを防止する為に買った物ですが、折角なので本塗り時も使う事にしました。歩いている内にもっとグシャグシャになるかと思いきや、予想以上に安定していて良い具合に使えました。

 色は前回塗った前後スポイラーと同じ色で、色名は「LACHSSILBER 」、カラーコードは「203」、クリアーも同じくクリスタルクリアーとなります。

各工程では熱を入れていますが、いつものように60℃程度の熱を掛けるのは危険だと思った為(積層されているガラスマットの間に気泡や隙間があると熱で膨れてしまうのです)、今回は全行程で40℃~50℃に抑え、その分時間を掛けて行っています。期間が長くなったのはこのせいでもありますかね。

 本塗り自体も二週間程前には完了していて、ただし熱を入れている間に膨れが生じたら塗り直さないといけない為、じっくり時間を掛けて硬化&その後の経過を見ていました。

 ちなみに作業を開始した頃はまだ暑い時期だったので、スプレーパテやサフェーサーを塗った時は工場の屋根裏に置いて熱を掛けていました。屋根裏は50℃以上になるのでもしかしたら激しくブリスターが出るかと思いましたが、幸いにして大丈夫だったようです。

 ちなみに前回のバンパースポイラーの時もご案内しておりますが、本案件は数年前にご依頼を頂いた牽引フックカバーの塗装の続きな所でもありまして、その後移転した現在の工場ではここまで大きいサイズの部品はお受付は出来なくなっております。申し訳御座いませんが何卒ご理解頂けますようお願い申し上げます。

各部品は既に梱包も終えていますので後日発送の手配をさせて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座いました!

フォレスターテールランプ レッド&スモーク塗装 完成

 こちらもお待たせしました!フォレスターの純正テールランプ、レッドキャンディー&スモーク塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はいつものように透明なカバータイプのクリアーレンズで、

以前ご依頼頂いた時と同じような仕様にと言う事で、

 ウィンカーとバックランプ部をマスキングし、上部をレッドキャンディーに、さらに全体に通常より少し濃い目のおまけスモークを施しました。

 「おまけスモーク」はレッドキャンディー塗装にオプションで付けられる仕様で、【お任せ仕上げコース】では濃度の調整は出来ませんが、【標準コース】以上であれば今回のようにある程度の調整が可能です(ただしコート数が増えてしまう為これ以上濃くは出来ません)。

 純正品なのに純正品らしく無い感じになっているかと思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!