自転車フレーム 調色作業

 自転車屋さんからご依頼を受けている事故車両のカーボンフレームですが、オリジナルのデザインは残しつつ損傷部を綺麗に直す必要がある為、まず元の色を作る必要があります。

ちなみに四輪自動車であれば配合データがあるので色を作る事が出来ますが、自転車の場合はそれが無いので一から色を作らなければなりません。しかも今回は3コートホワイトパールなので中々難儀な作業でもあります。

 3コートパールは単なる白の「カラーベース」と、その上に透明な「パールベース」を塗り重ねて色を表現する為、まずは下層のカラーベースから色を作る必要があります。

 ただし実際の所はパールまでしっかり塗らないと色は判らない為、行ったり来たり(作ったり捨てたり)を延々繰り返すような作業が続きます。

 しかもホワイトパールは含有量や塗り方によっても色味が変わるので、ある程度まで色が出来たら今度は本塗り作業よろしくその辺の微調整も必要になってきます。

上の画像は右がカラーベース(白)のみで、左がそれにパールベース(透明)を塗り重ねた色板です。

基本的にはパールを塗り重ねると透かしは暗く、正面は明るくなる傾向にあります(まあそんな単純な話では無いのですが・・・)。

尚ホワイトパールの原色も4種類あって、しかもそこに白や黒、さらにはフリップコントローラー(パールの見え方を変える添加剤のような顔料)も入れたりと、とてもじゃないですが色の変化を全て記憶し続けるのは不可能なので、それぞれの色板にはメモを記してどれとどれの組み合わせが良いとかを探しながら作業を進めていきます。

ちなみに一般的な自動車ボディであれば塗装範囲を広くして暈す事も出来ますが、今回の自転車フレームは細かいカラーリングやロゴ、再現出来ない柄入りのデカールなどがある為、塗装範囲を広くとれない(とてもマスキングで出来るような事では無い)と言う事も作業を難しくしています。

ただホワイトパールに関しては何とか色が出来まして、後は赤と黒なので一応は先が見えています。

損傷部(傷)についてはカーボン層まで剥離をしましたが、前記した理由から塗装範囲を極力小さくする必要がある為(と言っても仕上がりや後々に影響するようなやり方はしていません)、パテ・サフェーサーは使わず「研磨→クリアー塗布→完全硬化→研磨」の工程を3回繰り返してラインを整えました。以前施工したTREKフレームの塗膜を全部剥がしてカーボン地のクリアー仕上げにしたような感じですね。

尚各ロゴに関しては、元々あった物を撮影して「Illustratorで輪郭をトレース→カット→現物合わせ」を繰り返し、ピッタリ合うマスキングシートを作製します。こちらは以前行ったLOOKのカーボンフレームの作業と似ていますかね。

幸いにして納期には余裕を頂けましたが、年末年始を利用してもう少し作業を進めたいと思います。

クロスカブヘッドカバー結晶塗装承ってます

先日到着しておりましたホンダクロスカブのヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は結晶塗装の(鮮やかな)赤で、HONDAの凸文字部は研磨して光らせるよう承っております。

以前の施工例がありますので紹介をさせて頂きますね。

恐らく今回の部品と同型で、こちらも「鮮やかな赤」の結晶塗装となります。

色の比較の為に並べて撮影した画像もありました。左側が日産系エンジンに塗られているような「ドス黒い赤」で、右がいつもの「鮮やかな赤」の結晶塗装となります。

こちらは別の案件で、形は似ていますがモンキー用の物となります。

その後こちらの取り付けた時の画像も送って頂けました。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

日産L型ヘッドカバー結晶塗装承ってます

 先日到着しておりました日産L型エンジン用ヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は既にサンドブラストが掛かっていますので、この後アルカリ洗浄槽で油分を洗浄し、下地処理はリン酸処理とプライマー塗装のみ行う事とします。

色については「シルバー」の結晶塗装で承っておりまして、以前BMWのヘッドカバーに施工した記事がありますのでそちらを紹介させて頂きますね。

BMWヘッドカバー結晶塗装 完成

↓こちらのフェラーリエンジンパーツの結晶塗装も同じようなシルバーとなります。

フェラーリF348サージタンク&インマニ結晶塗装 完成

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!