自転車アルミフレーム塗装 完成

giant19 大変お待たせしました!(多分)GIANTのアルミフレーム、艶消しのグレーで完成となります。

giant20 既存の塗膜は全部剥がし、多少腐食が出ていたので下地には耐食性に優れた浸透型エポキシプライマーを採用しています。元々傷や凹みが多かったので長く使い込まれた物だと思いますが、まだまだ今後も活躍出来るかと思います。

giant2こちらは届いた時の状態で、特にダウンチューブ周りに凹みと傷が多かったです。下回りが一倍ひどいですが両側面にも凹みがありました。

giant21と言う事ですが多分言われないとあんな状態だったとは判らないと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有り難う御座いました!

自転車アルミフレーム 本塗り

giant14 大変お待たせしました!(多分)GIANTのアルミフレーム、無事本塗り完了しております。

上の画像は本塗り前の状態で、全体的にあった凹みはパテ&サフェーサーで修正してあります。

giant15 まずはベースコートの塗布です。今回ご依頼いただいているのは「艶消し」の仕上げで、見た目だけならこれでも良いのですが耐久性がありませんからこの上に艶消しクリアーを塗布します。

giant18 艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。上の画像は塗ってから既に30分くらい経って艶が消えた状態です。

giant17 ぱっと見はクリアーを塗らない状態と同じに見えますが厚みがついた質感が出ているのが判ると思います。

giant16艶消し・半艶仕上げの場合は「磨き」が出来ないので(艶が出てしまいますので・・・)、ホコリもそうですが虫などの付着にも気をつけなければなりません。ただブース内に貼ってあるビニールには粘着質のコーティング剤をスプレーしてあるので、蛍光灯の明かり目掛けて飛んでいくと虫はくっ付いてくれるのです。これはホコリも同様で、再飛散しませんから塗膜へのゴミ付着も防止出来るのです。多少の手間とコストは高くなりますが、これのお陰で虫の居る季節も安心して塗装が出来ています。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。来週半ばくらいを予定しております。もう少々お待ちくださいませ!

自転車アルミフレーム 下準備

giant12先日プライマー&サフェーサーを塗布した(多分)GIANTのアルミフレームです。

パテが入っている箇所は当て板と#320で平らに研磨し、その後サフェーサー全体の肌を平滑にしつつ目均しとして手研ぎで#320→#400→#600→#800と均していきます。ただ実際はちょっと変則的で、空研ぎペーパー#320→#400→布製の足付け材アシレックススカイ中目で#320相当→アシレックスレモン#800相当といった感じで仕上げています。番手が戻ったり飛んだりしていますが数字的な物では無く製品自体の特徴を踏まえて使っています。ちなみに水研ぎはしていません。

giant13そして色を作成します。今回は当サイト内にあるweb色見本帳から選んで頂きまして、それを確認しながら色を作ります。

giant11 iPadの画面だとCでは無くDになってしまっていますがブラウザの表示が上手くいっていないだけですのでご安心下さい。 互換性が余り宜しく無いみたいでして・・・。使った色は白と黒とオーカーです。こちらを「マット」の仕上げで、この色で艶消しならば恐らくミリタリーな雰囲気になるかと思います。

そう言えば以前同じく艶消し仕上げで「カーキ」でご依頼頂いた方から組み付け後の画像を頂いていました。ちょっと後ほど紹介させて頂きますね。

ではこちらももう少々お待ちくださいませ!

自転車アルミフレーム 下準備

giant4 溶剤槽に浸け置きしておいた(多分)GIANTのアルミフレームです。旧塗膜が綺麗に剥がれましたので素地調整~凹み部分のパテ補修を行います。まずは全体を#120のダブルアクションサンダーで研磨します。

giant5 凹みもそうですが若干腐食も出ています。サンドブラストでも良いですが浅く広範囲な腐食のようなので今回は燐酸処理+浸透型エポキシプライマーでの対応にする事にしました。

giant6 燐酸処理はパテを塗る前に行います。パテをやった後にこれを行うと、パテ自体は大丈夫なのですがパテの際部分のアルミ素地を溶かしてしまい(と言う表現が正しいかどうか判りませんが)際部分のパテは剥がれてしまうのです。ちなみに燐酸は金属にしか通用(反応)しませんので塗装等がされていても殆ど無力です。

giant7 そしてよく乾かしたらパテを塗り削ってラインを整えます。

giant8 パテを塗った箇所以外にも結構な数の浅い凹みがあるのですが後はサフェーサーの塗布~研ぎで整えられる範囲なのでこの辺で良しとしました。結構活躍して来られたフレームのようですね。

giant9 最初は耐食性の高い浸透形エポキシプライマーを薄めに2コート程度塗布します。サフェーサーに比べ若干艶があるのが判ると思います。2液型のエポキシなので厚塗りもOKですが、エポキシ特有の「分子間の結合が強く切削性がとても悪い」と言う事もあってこれを研ぐのはとにかく大変ですので、ウェットオンウェットで続けてこの上に2液ウレタンサフェーサーを塗布します。下手に焼くと密着しなく大変な事になりますので(再度足付け処理が必要です)、この時期なら自然乾燥で30分くらいが丁度良いと思います。イメージとしては「半生+半生=溶解し合って結合」みたいな感じですかね。多分分子同士でも組み合っていると思いますがその辺は専門では無いので物理的なテスト(JISのクロスカット法)でのみ確認しています。

ちなみにエポキシの弱点としては「耐候性が悪い」と言う特徴があるのでこのまま屋外で使うとボロボロになってしまいます。上塗り系の塗料は耐候性が良いのでこの上にそれを塗ればOKなのですが、顔料の隙間が生じ易い粗めのメタリックなどでは粒子間を紫外線が透過して下層のエポキシ塗膜を崩壊させてしまう、と言うケースもあります。なので直接下塗りに上塗りを塗る場合は一旦グレーなど隠蔽性の高い顔料を塗るのがお勧めですかね。尚、今回はウレタンサフェーサーを塗るのでその辺を考える必要はありません。

giant10そしてサフェーサーを塗布します。肌を荒らすと研ぐのが面倒なのでパテが入っているところなど膜厚をしっかり充填させたい箇所を最初に4コート行い、今度はそれを希釈して全体に3コート程度塗ります。

違う種類の塗料を未硬化の状態で塗り重ねる「ウェットオンウェット」は上手く使うと非常に効果的で、これは新車の塗装でも採用されています。昔は7コート7ベイクなんて塗装毎に毎回焼くなんて非効率な事をしていたみたいですが近年は環境の事を考えて効率良くやっているようです。ただそれだと途中の「中研ぎ」が出来ないので新車肌がやたら汚い、と言うデメリットもあるみたいですけどね。先日掲示板でも話題になったマツダの「ソーラーレッド」についてちょっと調べてみたら、恐らくそういった弊害の為かボディの肌は凄く粗いか、または磨き倒してツルツルになっている様です。もう、言わんこっちゃ無い、みたいな(笑)。

それではサフェーサーが完全硬化しましたら全体を研ぎ、あと色も作らないとですね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車アルミフレーム 旧塗膜剥離

giant3こちらも大変お待たせしております。(多分)GIANTのアルミフレームです。

溶剤槽に浸け置きして数日経ちましたので旧塗膜をスクレーパーとワイヤーブラシで剥がします。ただ一度にフレーム全部を浸けられないので、今度は反対側にして浸け置きします。廃シンナーでの浸け置きは剥離剤の使用とちがってこの辺がちょっと力足りないのですが、廃棄物が出ないシステムですので(というか廃棄物でさえ材料としていますので)何卒ご容赦頂ければと思います。

あと一週間程度したら各部凹みのパテ修正、プライマー&サフェーサー塗装の予定です。もう少々お待ちくださいませ!