プジョーミラーカバー 本塗り

peugeot29 先日サフェーサーを塗布しておいたプジョー純正ドアミラーカバーです。

奥にある方がサフェーサーを研ぐ前の状態で、黒っぽくなっているのは研ぎ忘れを防止する為のガイドコートです。これをやっておくと研いだ時のペーパーの当たり方やラインなども確認出来るので必須の作業です。

手前が研ぎ終わった状態で、ここでは空研ぎで#320と#400のペーパーを使います。

peugeot30 その後は水研ぎで、#600で細かいラインを出し、#800で目消しを行います。さらに必要に応じて当たりの優しい研磨副資材(アシレックスレモン)や#1200~#1500で仕上げる場合もあります。

peugeot31 研ぎ汁を綺麗に清掃し、台にセットして十分に脱脂を行ったら本塗り開始です。

ちなみに今回は超急ぎの仕事で特殊な機械の筐体を塗装しています。納期指定の割り増しの分は体に鞭打って対応致しました。

peugeot32 ベースコートはプジョー純正色の「ノアールオブシディアン」(カラーコード:EXL)で、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。

peugeot33 コース自体は【お任せ仕上げコース】ですのでこの後の磨き処理はしませんが、十分な艶は出ていると思いますのでご安心下さいませ。

peugeot34尚、こちらのオーナー様からは追加でバンデンプラスのレンズ一式も承っておりまして、そちらの作業はもう少し先になるかと存じます。

まずはこちらが完成次第改めてご案内致しますので、どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ロードスター&ロータス結晶塗装 凸部面研磨塗装

road196 先日結晶塗装の本塗りを終えていたロードスターのヘッドカバーです。

こちらはアルミ素材なのでいつものように凸文字部を研磨して金属素地を露出して光らせ、さらに腐食の進行を抑制する為にクリアーを筆で塗っておきます。

lotus70 そしてこちらはロータスエリーゼ用のプラグカバーです。ロードスターのヘッドカバーと同じく凸文字部を面研しましたがこちらは樹脂素材なので黒くなるだけです。

いつもはここにシルバーを筆で塗っていましたが(勿論プラスチックプライマーも筆で)、さすがにそれを食み出ないように塗るのは大変ですし、そこまで苦労しても刷毛目が残ってしまうのはどうも気に入らない・・・。

と言う事で、今回はいつもと違う事を試してみました。

lotus29詳しくはこちらの社外記で紹介していますが、今回は凸文字の天面のみを塗る為のマスク型を作成してみました。

lotus71 ただそう上手く行く訳もありませんので、とりあえずこんな感じでそれぞれを分割して塗っていきます。まずはプラスチックプライマーを塗布します。

lotus72こんな感じでシルバー塗装完了です。

画像だと一度に塗ったような感じですが、実際は浮き上がった個所を指やピンセットで抑えながら一文字ずつ塗っていきます。食み出して良いよいにマスク型の下にはあらゆる個所にマスキングテープも貼ってあります。

lotus73 小さい文字も同じように一文字ずつ塗っていきます。Aの中の三角はスプレーガンのエアーで飛んでいったりしてしまうのでピンセットで抑えて塗っています。PやRやOも同じです。

lotus74 ここまではマスク型を使用してスプレーガンでシルバーを塗り、右側に残るLOTUSのロゴマークの内側だけは筆で塗りました。

lotus75実際はかなり時間が掛かりましたが、樹脂製パーツの凸文字としては今までで一番綺麗に仕上がったと思います。

プラモデルとかで塗装をした事がある方は判ると思いますが、メタリックカラー、特にシルバーは筆で塗っても綺麗に仕上がる筈は無いので、どうにかしてここをスプレーガンで塗りたかったのです。

また今回新たに使用したSTX原色の組み合わせも非常に良くて、塗装屋さんなら画像を見れば今までのシルバーとは違うのは判ると思います。念の為ですが素地の黒は完全隠ぺいしています(つまりは下に黒を塗らなくても十分と言う事です)。

どちらのパーツもあと数日寝かして、来週早々には完成出来る予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

インプレッササイドダクトカバー&エンブレム枠塗装承ってます

imp111 先日到着しておりました インプレッサGVBのフロントバンパーサイドダクトと、フロントグリルバッジに嵌めるカーボン製の枠です。こちらのオーナー様は以前もシフトパネルやテールランプ、HELLAホーンなどの塗装をご依頼頂いた方ですね。この度もご贔屓頂き有難うございます!

imp113imp112 カーボン製の枠はノーマルのエンブレムバッジに被せて両面テープで固定するタイプで、製品自体の素地は余りよく無いので「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地を整えてからの塗装となります。

色については、こちらの枠が艶あり黒、先ほどのダクトカバーはボディ同色のオブシディアンブラックパール(カラーコード:32J)で承っています。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。この度もご贔屓頂き有難うございます!

 

メルセデスGクラス リヤスムージングバッチ塗装承ってます

benz236 先日到着しておりましたメルセデスGクラス用のリヤスムージングバッジです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

素材はFRP製で、リヤのスペアタイヤを外した際、残ったボルト穴の凹み部分にこれを貼って目立たなくさせようという社外品のアイテムです。今までも何度か施工しています。

benz237 こちらが裏側で、ここに両面テープを張って車体リヤゲートに貼り付けます。穴は恐らく熱を掛けた時に内部の水蒸気が気化して膨張した時に製品が膨らまないようにしてあるのでは、と思います(場所的に水抜きでは無いですしね)。尚こちら側は塗装はしません(フチまではしっかり塗ります)。

benz238素材がFRP製品なだけに出来具合は余り宜しくありませんので、いつも通り「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の工程で下地を整えてから塗装します。

以前の施行画像がありますのでそちらも紹介致します。

benz198この時はオブシディアンブラックで、今回は インジウムグレイメタリック(カラーコード:9963 )で承っております。尚見た目が良いのは画像を加工している訳では無く、下地処理がした上で塗装をしているからです。あのまま塗ってもこうはなりません。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

LOTUSスーパーセブン用 ドライカーボン 本塗り

lotus50 先日二回目の下塗りまで完了しておりましたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン製のボートカバー(トランクカバー)とその蓋です。本日は祭日でしたが通常営業にて無事本塗り完了しましたのでご安心下さいませ(単に祭日だという事を忘れていただけなのですが…)。

lotus51 二度の下塗りクリアーを経て無事巣穴も埋まりましたので、今回は本塗り用の下地処理となります。と言ってもやる内容は下塗りの時と同じく、固い当て板と耐水ペーパー#600でラインを平滑にし、その後スポンジパッドと#800の水研ぎでペーパー目を均します。

lotus52 裏側に貼っておいたマスキングも一部を貼り直しておきます。端を最後に貼っておいてあるので剥がすのはフチだけで大丈夫です。

lotus53 穴の部分は二度の下塗りクリアーで膜が出来て塞がっています。

lotus54 棒ヤスリとリーマーを使って穴を整えておきます。

lotus55 ちなみに今回の塗装は「通常のグリーンメタリックを塗装しつつ、素地のカーボンを透かして見せる」と言うちょっと変則的なキャンディーカラーとなっていまして、この場合ベース部分と蓋とをそれぞれ別にして塗ってしまうと色が違ってしまいますから、ベースコートを塗る時は実際に装着するこの状態で行うようにします。

lotus56 ただしあの塗り方だと隠れたフランジ部分が塗れないので、先に内側を塗っておく事にしました。

見切りのラインはプレスライン「山」の位置で、少しマスキングテープが飛び出すようにした庇状にして色を暈します。

lotus57 ちなみにここは後から塗装する順番でも構いません。私的には最初に透け具合の感覚を試し塗りしたかったと言う事もあって先に塗っています。

透け具合の見本とするノーズコーンはエアーブローしてホコリを飛ばし、塗料が付かないようビニールを被せてブース内に搬入しておきます。

lotus58 色板で透け具合を確認しながら慎重に色を塗り重ねていきます。

lotus59 ムラなく丁度良い具合に塗るため、配合データから出来上がった塗料をバインダー(樹脂のみ)で5倍に薄めて4コートで仕上げるようにしました(後にこれでは薄いと感じて5コートにしています)。尚シンナーだけで希釈してしまうと肌がパサついてムラが出易くなるのでやってはいけない事です。3コートパールの塗装と同じく、塗料中の顔料含有量を下げるようにして塗るのがセオリーとなります。

lotus60フランジ部分のベースコートを塗り終え、この状態で一日自然乾燥させました。

lotus61翌日、前の日にベースコート塗っておいた箇所をマスキングします。

lotus62見切りのラインは「谷」のラインで、マスキングテープの端を2ミリくらい折り曲げてペラペラとなる状態にした物をプレスラインに沿って貼っていきます。自動車補修の塗装では基本的なマスキング方法ですね。

lotus63 そして蓋を被せます。また塗装中に位置がずれないようマスキングテープで固定しておきます。

lotus64 2コートまではとにかくムラを出さないように塗り、3コート目からは見本となるノーズコーンとじっくり見比べならが塗り込んでいきます。

lotus65 丁度カーボン目が斜めになっていたので、スプレーの巡航方向は横→縦→斜め→逆斜めの方向で4コート塗り重ねました。

ただこの時点でとても悩みまして、最後にもう1コートを横方向に塗っています。都合5コートとなりました。

lotus66 ベースコートが指触乾燥したらそれぞれの部品を別け、フランジ部分に貼ったマスキングも剥がしてクリアーを塗って本塗り完了です。

lotus67 パッと見はグリーンメタリックですが、下のカーボン地が透けて見えるのが判ると思います。

尚、通常はお受付しませんのでご注意下さいませ(かなり特殊です)。

lotus68 クリアーは耐UV性の高いクリスタルクリアーで、念の為軟化剤を5%入れてあります(柔らかいと言うよりかはペラペラでペコペコするので後で割れたりするのではと不安でして)。

lotus69一度塗っている内容なので多分何とかなるだろうと考えていましたが、実際はそんな簡単な事では無くかなりの恐怖でした。ワンミスで部品買い替えじゃ・・・(と言うか恐らくワンオフなので製品自体作り直しか・・・)と、ベースカラーの最後の1コートは清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちで塗り重ねました。結果としてはノーズコーンと見比べても別々に塗ったとは判らないくらいの透け具合に出来ていると思います。

後日熱を掛けて強制乾燥させ、一週間程寝かしたら磨き処理をし、さらに一週間ほど寝かしたら完成予定となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!