先日到着しておりましたTIMEのカーボン製フレーム&フォークです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!
塗膜全体の状態としては傷なども少なく、見た目も悪くは無いのですが、どうやら紫外線による焼け(褪色)がひどく、特に白いロゴが黄変してしまっています。
手前のフレーム底部=ダウンチューブの裏側のロゴと、フォーク側面にあるロゴを比べてみると、明らかに白さが違います。奥のフォークのロゴが黄ばんでいますよね。実物はもっとあからさまにひどいです。
ご依頼内容としては、既存のデザインはそのままに、「TIME」の大きいロゴ部分のみを本来の白で塗り直し、全体を耐UV性の高いクリアー(クリスタルクリアー)で塗り直す、と言う作業内容となります。
一見すると簡単そうですが、結構大変です。
ロゴは全て違う形状なので、以前行ったようなLOOKのフレームのようにはいきません。今回はフレーム5カ所、フォーク二カ所の合計7種類のロゴをマスキングして白く塗り直します。ある程度塗装の事に詳しい方なら吐き気を催しているのではないでしょうか。
各ロゴには多少なり段差があるので、勝手にラインを変える事は出来ず、各ロゴは左右でも形が違うので今回は全てフリーハンドでのマスキングとなります。勿論塗装面にマスキングテープを貼ってカッターなどで切ったりはしませんので(こういった実使用の被塗物でその方法は極めてナンセンスです)、予めカットしたマスキングテープを各ラインに合わせてピッタリと貼っていくと言う作業になるかと思います。
ちなみに先ほどリンクにも貼ったLOOKのカーボンフレームは今回とは逆の内容で、参考までにちょっとだけ画像と作業内容を紹介しますね。
元々新車だったLOOKのカーボンフレームとフォークの赤い色の部分を、オーナー様が運営するトライアスロンショップのイメージカラーでもある水色にと言うご依頼でした。尚、デザインは元のままでと、この点は今回と同じです。
この時はロゴの形が同じだったので、データを作成してそれを反転したりサイズを調整したりして使いまわしました。今回はこれが出来ませんので大変なのです。
尚クリアー自体はフレーム全体に塗るので、足付け処理は既存の塗装面全体に行います。
赤い個所以外はクリアーだけとなりますので汚れや傷などは残せず、基本的に新車のみ、またはそれに近い状態か、或いは傷などはそのままクリアーの下に残ってしまう事をご了承頂く事となります。
ちなみに以前同じような内容でご相談があったのですが、残念ながら届いたそのフレームは一部に補修歴があったのでこの方法は出来ませんでした。クリアーを塗るだけで既存の塗膜が「チヂレ」を起こす可能があって、そういった場合は何も出来ないのです。
と言う訳で赤い個所のみをピッタリ水色で塗って、その後全体にクリアーを塗ります。
当然ですが、黒いラインや白いロゴの部分はクリアーのみの塗装となります。
今回はLOOKの時とは逆で、ロゴの部分を残すのではなく、ロゴの部分を塗るので、少しは楽かと思っています(多分いつもの様に気のせいだと思いますが。笑)。
ちなみに自転車フレーム関連の塗装は一時お受付を停止させて頂いておりまして、少し前にそちらは解除したのですが、今回のオーナー様はお受付の再開をずっとお待ち頂いていたとの事でした。この度はご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。
それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。まずは色見本帳より白の色を選んでおきたいと思います。
改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!