マセラティリモコンキー塗装 完成

先日本塗りを終えていたマセラティのリモコンキーカバーです。その後熱を掛けて塗膜を硬化させ、数日寝かしたので組み付けを行いました。

 大変お待たせしました!マセラティのリモコンキーカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

当初の状態は成型時の歪が酷く、これを「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を経て上塗り塗装を行いました。

 色は「元の色のような紺のメタリック・パールで」とお任せ頂いておりましたので、深みのある紺に細目のブルーパールが使われているスバルの「ダークブルーマイカⅡ」(カラーコード:52D)を採用しました。吸い込まれるような深みのある青です。

クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 裏側です。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SHURE Super55マイク 素地調整

SHURE Super55マイク塗装承ってます

先日分解作業を終えていたSHUREのSuper55骸骨マイクです。

 グリルの裏側に貼ってあったスポンジ(ウィンドスクリーン)は接着剤での固定だった為、

 シンナーに浸けて除去しました。

素材がプラスチックだったら低溶解の溶剤(シリコンオフやホワイトガソリン、フタル酸シンナー等)しか使えなかったので、この点では素材が金属で助かりました。

 ただしこの金属、表面にサンダーを当てるまではてっきりアルミニウムと思いきや、表面には比較的柔らかいメッキと、その下からは銅メッキが出て来ました(!)。どうやら亜鉛ダイキャストにニッケルめっき仕上げと思われます。

となるといつも化成処理に使っているリン酸では効果が望めませんので急遽サンドブラスト処理を行う事にしました。

 足付け処理として全体に軽くサンドブラストを行います。

と言う訳でこれでようやく塗装の準備が出来ました。この後はシンナーで洗浄→マスキング→プライマー塗装を経て本塗りとなります。

今回のように初めて行う製品は途中で予定が変更となったりしますが、内容を紹介していますので不安に思われる事は軽減されると思います。

また時々同業の方から(と言うか元上司にも)「作業内容をオープンにし過ぎじゃ」と言われたりする事がありますが、ユーザーにとっては内容が判った方がお店を選ぶ際の判断材料に出来ますし、同じ物を塗るのにどうしてお店ごとに金額が違うのかが判って頂けると思います(メッキでも密着剤を使って塗れば簡単に見た目を同じように出来ますが、耐久性を考えると私は使えませんので・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マツダブレーキキャリパー 素地調整

先日お預かりしておりましたマツダRX-7のフロントブレーキキャリパーです。

元々あった梨地をオーナー様自らグラインダーで削っていて、ただその後忙しくなって作業が出来ない状況になってしまっていたとの事で、この後の作業を託されました。

 シングルアクションのサンダーは切削力が強い反面、局所的に掘ってラインを崩してしまったり深い傷を付けてしまうので、中々扱いが難しい所があります。

 今回行った工程としては、

・シングルアクションサンダー#80→#120

・ダブルアクションサンダー#80→#120

上記のサンダーが当たらない個所はミニサンダーとオービタルサンダー、さらに当て板に#120を貼って手研ぎ、リューターなどを使います。

画像の左上が施工後で、右が施工前です。

 同じく左側が施工後で、右が施工前の状態です。

 使った工具はこんな感じです。

 凸文字は下のSUMITOMOの小さい文字も残されたいとの事で、何とかそれを避けて素地を均しました。

サンダーによる修正が完了したので、この後はいつものブレーキ屋さんに送ってサンドブラスト処理等の下地処理をお願いします。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルインプレッサインマニ結晶塗装 完成

 大変お待たせしました!スバルインプレッサ22Bのアルミ製インテークマニホールド、結晶塗装で本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

この系統のインマニはいつもこんな感じで塗装がベロベロに剥がれてしまっています。

 今回は一部に粉っぽい腐食が出ていた事と、今後も長く乗り続けられるとの事でサンドブラスト処理も行いました(任意で選べます)。

 また今回はサンドブラスト処理を行った為、ネジ穴の面にもプライマーを塗り、そこは結晶塗装では無く艶消しの黒で仕上げています。ガスケットが付く面は塗装していません。

 画像だと余り発色が無いように見えますが、実際にはもっと鮮やかな赤に見えます。先日お納めしたカローラフィールダーヘッドカバーのオーナー様からも、

「鮮やかな赤色、こちらの思っていた通りの色合いで安堵しました。画像では、やはり鮮やかさは伝わりにくいですね。ありがとうございます!」

とのお言葉を頂戴しました。わざわざ有難う御座いました!

 塗り方としては、プライマー時も本塗り時もこんな感じで裏返した状態で先に裏側を塗装してひっくり返して表側塗るような方法にしています。

   スプレーガンのパターンは狭くして(細くして)、突起した個所の側面など全方向から狙い打つように全体が均一な塗膜になるようにして塗っています。

 予想以上に疲れる作業で、もう少し歳を取ったら上手く出来ない気がするのでいずれ結晶塗装はお受付出来なくなるかも知れません(5~10年くらいは大丈夫だと思っていますが、その場合は何卒ご了承下さいませ)。

 インジェクション装着部には粉状の腐食が出ていたのでそこにもプライマー&黒を薄膜で塗装しています。

ガスケット装着面以外にはサンドブラスト&プライマーが塗ってありますので、今後同じように塗装がペリペリと剥がれたりはしないと思います。

今日はもう遅いので、明日電話にて完成のご連絡を差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

HONDA H22A Engine cover

 ホンダのH22Aエンジンヘッドカバーです。純正の新品状態で、黒の結晶塗装が施されています。

 ホンダ系エンジンヘッドカバーの結晶塗装は比較的剥がれ易く(逆にシルバーに塗られている物は剥がれ難いです)、廃シンナーを再利用して貯めた溶剤槽に浸けておくと上記のように綺麗に塗膜が剥がれてくれます。剥離剤やサンドブラストは必要ありません。

 ただしそのまま塗装すると新車時と同じように塗膜が密着しませんので、化成処理の方法としてリン酸を使って素地調整を行いました。全体的に黒くムラっぽいのはリン酸によって不導体被膜が形成され、この後に塗装するプライマーの密着性を高めます。

 全体にプライマーを塗り、

 結晶塗装の青を塗り、140℃程の熱を掛けると結晶目が現れます。

 塗り方が悪いと結晶目にムラが出来てしまう為、凸文字部分などは全方向からスプレーするような感じで塗っています。

 その後凸文字部分を研磨して光らせて完成となります。

 凸部を研磨した個所へのクリアー筆塗りはサービスで承っております。お気軽にご用命くださいませ。

 プラグホールやボルト固定部は、腐食が出ていたりサンドブラスト処理を行った場合にはプライマーの塗装と艶消しの黒を薄膜で塗るようにしていますが、新品で綺麗な状態の物は今回のようにアルミ素地を残すようにしています。

 結晶目を近くで見るとこのような模様になっています。

そう言えば装着される車両はてっきりアコードかと思っていたのですが、どうやらその後の情報で4型プレリュードに装着されているらしいです。