SHURE Super55マイク塗装承ってます

 先日到着しておりましたSHUREのSUPER55デラックス・ボーカル・マイクロホンです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 こちらのマイクは「骸骨マイク」と呼ばれる形状の物で、今までも何度かお問い合わせがあったのですが、詳細が良く判らなかった事もあってご依頼に至る事はありませんでした。今回はオーナー様の御協力もあって初めてのお受付となります。

 また今回はマイク内部のウィンドスクリーン(スポンジ)の交換も承っています。

 色については予め色見本帳をお貸出しておりまして、てっきり鮮やかな青系メタリックを選ばれると思っていたのですが、今回はこちらのホンダ「ナイトシェイドメタリック」(カラーコード:NH-726M)でご指定承りました。恐らくはウィンドスクリーンの赤に合わされたのだと思います。

 と言う訳で早速分解もしてみました。

ちなみに簡単だと思っていたウィンドスクリーンは、ガッチリ接着剤で固定されているようでこれが一番面倒そうと言う事が判明しました(苦笑)。普通のマイクならグリルボールの中に入っているだけなんですけどね。

 構造自体は単純で、ただし使われているネジの長さが違ったり、一部配線も外さないといけないのである程度の情報はメモをしておきます。

 外した配線はコネクターから来る二カ所のみです。

 こちらがそのコネクターで、アームとグリル本体とを別けないといけないのでここのみ配線の取り外しが必要です。

 そしてウィンドスクリーンの取り外しです。決して乱暴に行った訳では無く、スポンジよりも接着剤の方が強いのでもうどうしようもありませんでした・・・。

 まるで親の仇のように全体に接着剤が塗られています。

新たにウィンドスクリーンを貼る際は位置合わせの為にズレも生じますから、正直ここまで塗りたくって無事で済むとは思えません。なので取り付けの際には接着剤は部分的に点付けで、両面テープと併用して貼り付けようと思います。

尚、これ以上綺麗に剥がすのは無理なので、この状態のままシンナーに浸けて接着剤を除去しようと思います。

と言う訳で無事に分解出来ました。

ちなみにオフィシャルサイトには「クロームメッキデザインjと記載されていたのでてっきり装飾クロムメッキ仕上げかと思いきや、アルミ素地のポリッシュ仕上げ(!)でした(なんて紛らわしい…)。

ただしこのまま上塗りをしてっも(色を塗っても)塗料は密着しませんので、素地調整(研磨とリン酸処理)とプライマーを塗ってからの塗装となります。

尚、通常のマイク(特にワイヤレスマイク)の分解は受け付けておりませんのでご注意くださいませ。こちらの型のガイコツマイクであれば今回内容が判りましたのでお受付・お見積りが可能です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

マセラティリモコンキー 素地調整

 先日お預かりしておりましたマセラティの社外品リモコンキーカバーです。熱で溶けてしまったように見えますが、これが標準仕様です。純正も酷いですが社外品も負けてはいません。

 まずある程度のラインを修正するので固い当て板に#120のペーパーで研磨します。リモコンキーカバー自体は多少湾曲した形状ですが、ここで柔らかい当て板を使うといつまで経ってもラインは出ませんから、多少カクカクになってもここでは固い当て板を使います。イメージ的には3Dポリゴンみたいにする感じでしょうか。

 その後は柔らかい当て板を使って滑らかなラインにしつつ、番手を高くして(#180→#240)ペーパー目を均します。

 ボタンやエンブレムが入る場所はペーパーが入り難いのでウォッシュコンパウンドとナイロンブラシを使って足付け処理を行います。

 部品に樹脂素材の記載が無いのではっきりとは分かりませんが、この粘りがある感じは恐らくPA(ポリアミド=ナイロン)と思われます。

 良く脱脂したらマスキングをして台にセットし、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

その後続けてサフェーサーを塗布します。

画像には写っていませんが、お急ぎ(納期指定の有料オプション)でご依頼頂いている建築内装製品も一緒にサフェーサーを塗布しています。そちらはPC+G20(ポリカーボネートにグラスファイバー20%添加)で、このリモコンキーよりも丈夫な反面、耐溶剤性は弱いと言う特徴があります(ポリアミドは耐溶剤性が高く、ガソリンタンクなどに使われたりします)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!