ゼンハイザーE945マイク&ホルダー塗装 完成

 大変お待たせしました!ゼンハイザーE945マイクとマイクホルダーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

マイク本体は塗装が施されているので足付け処理のみで塗装が出来ますが、

マイクホルダーは未塗装で、また可動部がある事、素材自体が柔らかく曲がる事など、マイク本体を塗るよりも手間が掛かります。塗装の費用はサイズで決まるのではなく作業時間=工数によるものですので、小さいから、安い物だからといって塗装費用が安くなる訳ではありません。

 色はVW社のキャンディーホワイトで、

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

 マイクホルダーは素材が柔らかい為、クリアーには軟化剤を添加してフレキシブル仕様としています。

 自然光下でも撮影してみました。

 マイクホルダーの内側はマスキングで塗らないようにしています。

 室内のストロボを使った環境でも撮影をしてみました。

 最近は海外の方からの御依頼も多いです(海外からの御依頼と言う訳では無く日本在住の外国人の方で、恐らくはそれを仕事にしているアーティストの方々かと)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

TOYOTA 5MG Engine cover

 先日より業者様からお預りしておりましたトヨタ5MGのエンジンヘッドカバーです。日記掲載のご承諾は頂いていたのですが掲載はしておりませんでしたので、一連の流れと作業内容が判るよう施工例として纏めて紹介をさせて頂きます。

 アルカリ洗浄に浸け置きをしてオイル等の汚れを除去し、その後溶剤槽に浸け置きをして旧塗膜を剥離、さらに凸部を#80で粗研ぎした状態です。

 今回は腐食による塗膜の剥がれもあった為、サンドブラスト処理(軽め)も行う事にしました。

 ブラスト処理後、リン酸処理~洗浄を行います。

 よく乾かし、マスキングを行います。

 まずはプライマーを塗布します。ホースパイプ部のみこの後艶消しの黒を塗ってマスキングをします。

 結晶塗装後、140℃で20分程熱を掛けた状態です。

 今回はこの部品のみの結晶塗装だった為、恒温器では無くこのままもう一度赤外線ヒーターで140℃20分程熱を掛けました。

 鋳造製品はその特長から「巣穴」が存在していて、そこに残った水分や油などが熱を掛ける事によって膨張し、塗膜を膨れさせたりします。通常は熱を入れながらチェックするので膨れたら直ぐに針を刺して破裂させますが、今回は面研する凸部の上面だったのでそのまま放置しました。膨れた後に萎むとこのように結晶目が潰れてしまう為、最初は赤外線ヒーターを使って目視しながら熱を賭けるようにしています。

その後凸部を研磨してアルミ素地を光らせ、腐食の進行を遅らせられるようクリアーを筆塗りしておきました。この後再び60℃40分程の熱を掛けます(ただしそのコストは掛けられないので何かしら他の案件と一緒に、今度は恒温器に入れて熱を掛けるようにしています)。

 そして完成です。大変長らくお待たせいたしました!

 結晶塗装は他の塗装とは一緒に出来ない為、大体一か月半~二か月半と比較的時間が掛かってしまう案件となっております。

 ホースパイプ部は綺麗な状態なら塗装せずそのままなのですが、やはりこちらも経年でメッキが剥がれて錆易くなっているので、そういった場合はプライマーも塗って艶消し黒仕上げにしています。

それでは後程ファックスにてご連絡を差し上げますね。本日発送予定です。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

スターバックスタンブラー 本塗り

スターバックスタンブラー塗装承ってます

先日お預りしておりましたサーモス社製、スターバックスのタンブラー(ケータイマグ)です。

オーナー様よりロゴ入れのご指定を頂いていましたので、それに合わせてマスキングシートを作製します。小さい文字のカットは厳しいかと思いましたが、無事やり切ってくれました(機械がです)。

底面のプラスチックシール(プレート)をマスキングし、蓋を締めた個所に合わせてロゴを入れる位置を印しておきます。

 ロゴの「STi」の色についてですが、実はSTANDOXでSUBARU「CHERRY_BLOSSOM_RED」なる色名の配合データの存在を見つけていたので、試しに作ってみました。

結果としてはピンク過ぎて、恐らくこれは以前HELLAのホーンを塗装した時にご指定頂いたSTiピンクだったと思われます。次回機会があればこれを採用したいと思います。ちなみにですが、カラーコードは存在しません(色名の検索だけで出てきたレアケースです)。

 そしてもう一つ、こちらはSUBARU「CHERRY_RED」なる色です。カラーコードは「651」で、もしかしたら何かの車体色に採用されている色かも知れません。ちなみに肝心の色はやはり全然違いました。

 と言う訳で、こちらが今回ステッカーに合わせて作成した色です。以前S4の樹脂製のエンジンカバーを塗装した時に作った色と大体同じような色になりますかね。

 タンブラーの方は既存の塗膜を残しつつ、プリントされていたSTARBUCKSの文字と人魚のロゴを削り落としました。また被塗面全体を#800で足付け処理してあります。

 底面のマスキングはクリアーを塗った後に直ぐに剥がせるよう切れ目を入れておき、また二重に貼ってあります。

 また今回は本体とは別に、蓋のロック部分に埋め込まれている「ポッチ」の塗装も承っていて、そちらはオレフィン系の樹脂のようなのでプライマー塗装前には火炎処理も行っておきます。

 そして本塗り開始です。

今回ご指定頂いている色はスバル純正色「サテンホワイトパール」(カラーコード37J)で、まずはカラーベースの白を塗ります。かなり黒の入ったグレー味のある白です。

 その上にパールベースを塗布します。

この時点でゴミが付くとまたカラーベースからのやり直しなので、普通の色より気を遣います。

 ベースコートが十分に乾いたらロゴ入れの準備を行います。

予め作成しておいたマスキングシートを所定の位置に貼り付け、全体を養生します。

 そしてロゴ部にチェリーレッド(ピンク)を塗布します。無造作に塗るとマスキング際が立ってガタガタになってしますので、ガンの角度を外から内に向けるようにしてマスキングシートの厚みを庇代わりにし、極力マスキング際(文字の外周)に塗料が乗らないようにします。塗装面に垂直にして塗るのは最後に行います。

 ポッチもロゴと同色に塗りました。

 ロゴ入れの塗装の為に貼ったマスキングシートですが、残った部位(「O」の真ん中など)はデザインカッターの刃先とピンセットで取り除きますが、その際どうしても刃先が塗膜を削ってしまう場合があるので、最後にはそういった個所を修正していきます。具体的には「B」と「A」が三か所です。

 修正は文字全体を塗り直すのではなく、刃先が当たった部分のみを塗るようにして行います。0.1ミリ辺の四角形をマスキングテープで囲うような感じでしょうか。

 こんな感じで虱潰しにしていきます。ちなみにこれを筆とかで直そうとすると綺麗には出来ません。この方法の方が楽に綺麗に出来ます。

 そしてロゴ入れの塗装が完了です。

尚、各作業は一日に纏めて行っているのではなく、数日に分けて行っていて、本塗りのみ一日で行っています(ただし自転車フレームなどの大物はこういった事をしていると最後まで神経が持たないので、最近はクリアーは翌日にする事が多いです)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 蓋に着くポッチは非常に小さい物ですが、出来上がった時にこれが良く効いてオリジナル感をさらに高めてくれます。

底面のシールはクリアーを塗った直後に剥がし、マスキング際がガタガタになるのを防ぎます(二重に貼ってあるので一枚は残します)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ゼンハイザーE945(from東京)マイク 本塗り

 こちらは先日6月6日に紹介しておりましたゼンハイザーE945のボーカルマイクです。少し早いのですが同じマイクを同じ仕様でのご依頼があったので一緒に塗らせて頂きました。画像は足付け処理済みの状態です。

(念の為ですが、マイクに記載してある文字はお名前ではありませんのでご安心下さいませ。)

 ベースコートにVW社の「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)を塗り、所定の位置にSENNHEISERのロゴにカットしたマスキングシートを貼り付け、さらに全体を養生します。

 ゼンハイザーのロゴ部分にシルバーを塗布します。シルバー3種類に黒を1種、合計4種の原色で構成しています。シルバーの粗目だけだと隠蔽力が弱く、膜厚を着けるとマスキング際がガタつくので極力薄膜で済むように配合しています。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 こちらもクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」でご指定承っています。

それではこちらも完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ゼンハイザーE945マイク 本塗り

先日お預りしておりましたゼンハイザーE945ボーカルマイクです。サウンドハウスさんから直送で届いた物ですね(殆どがそうなのですが、今回オーナー様の御住所が判りませんのでそう紹介させて頂いております)。どちらも足付け処理済みとなります。

 ベースコートにVW社の「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)を塗り、所定の位置にSENNHEISERのロゴにカットしたマスキングシートを貼り付けます。

 そこにシルバーを塗布します。シルバーは中目と粗めの3種類と、それに黒を少し入れています。

 マスキングを剥がし、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っています。

ロゴのグレーシルバーについては、いつもはその都度適当に作っていたのですが、今回同じ仕様がかなり連続しているのでちゃんとデータ化しました。具体的にはSTANDOX原色を「811:812:598:571=5:5:5:0.3」の割合で混ぜています。

この後60℃40分の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!