ゼンハイザーE945ゴールド&ブラック 本塗り②

先日一回目の本塗りを行っておいたゼンハイザーE945ボーカルマイクです。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、

表面を研磨して足付け処理を行いました。艶々の状態の上に塗装を行っても塗料は密着しない為、表面に細かい傷をつけて表面積を増やし、アンカー効果を期待しての作業ですね。

この後はデカールの貼り付けとなりますが、そのままだとデカールの密着性が低い恐れがある為、ベースクリア(透明なベースコート)にハードナーを添加し、それを2コート程塗っておきます。ベースコートとトップコートとの架橋結合にデカールを挟み込むといったイメージですね。

ベースコートが乾いたら、オーナー様に送って頂いたデータを使ってデカールを作成し、それを御指定の位置に貼り付けます。こちらが表側ですね。

裏側も画像を参考にして、専用の接着剤(マークセッター)を使ってデカールを貼り付けます。

その後よく乾燥させます。

デカールを乾燥させる方法としては、恒温機に入れて40℃15分程の熱を掛ける場合と、あとは普通に家庭用ドライヤーを使う場合があります。ちなみにここで熱を入れ過ぎたり時間を空けすぎたりすると最初に塗ったベースクリアーが硬化してしまい、この後に塗るクリアーとの密着性が悪くなるのでNGです。某ディーラーの内製工場で働いていた元同級生が「タカハタさん!クリアーだけペリペリ剥がれてしまうのはど何ででしょう…?」と言っていたのは、2液型のベースコート(恐らくはPG80)を塗り終わった時点でガッツリ熱を入れていたのが原因だと思います。

そして最後にトップコート=クリアーを塗って2回目の本塗り完了です。

ちなみに御依頼は「つや消し仕上げ」ですので、この後塗膜を完全硬化させたらデカールの段差を研磨して均し、後日改めて3回目の本塗り=艶消しクリアー塗装となります。グリルもその時に一緒に塗るようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!