ゼンハイザーMD445マイク 本塗り

先日下準備を行っておいたゼンハイザーMD445ダイナミックマイクです。

マイク本体は元々つや消し黒が塗られていて、そのままでは塗料が密着しませんから、#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で研磨~足付け処理をしています。

グリルは同じく布状研磨副資材と、網の部分はその方法だと表面部分しか当たらないのでナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って細部まで足付け処理を行っています。

尚、リング部はプリントされたロゴを削った際に金属素地が露出してしまっているので、

プライマーを塗っておきます。

画像を参考にして作った色は、本塗り前に色板(テストピース)に塗って確認しておきます。

まずは紫パールを塗布します。

この後レース柄の塗装を行うのですが、

まずはその前にテストピースを使って2トーンカラー模様の確認をしておきます。

マイクと同じようにまずは紫パールを塗布し、

レース生地をズレないようにして貼り付け、

ブルーパールを塗布します。

まあまあ良い感じなのですが、青が予想していたより少し暗かったので、ここで粗めのブルーパールMIX845と光輝感の高いメタリックMIX892、さらに光輝感を強調して透かしを明るくしたかったのでメタリックアディティブMIX008を足しました。

次はさらに実際のマイクの形をしたテストピースで試し塗りを行います。ウレタンレジンで作った見本用の物ですね。

良い感じになったのでいよいよ本番です。

こちらがご依頼品のMD445本体です。新しいレース生地をズレないようクリップで固定し、

新たに調整したブルーパールメタリックを塗布します。

この状態で5分程度のセッティングタイム=乾燥時間を設けます。

ブルーメタリックパールが乾いたらレース生地を外します。イメージに近い感じに出来たと思います。

尚、今回はオリジナルのロゴ入れも承っていますが、今回はレース塗装でベースコートが凸凹していてそれの影響を受けてしまう為、

一旦ここでクリアーを塗って本塗り(下塗り)を完了させてしまいます。

表面がレース柄で凸凹しているのが判るかと思います。この後熱を入れて塗膜を完全硬化させたら表面を研いでこれを平滑にし、その後改めてロゴ入れ作業を行います。

グリルは紫単色となりますのでこちらで完了となります。

赤系やイエロー系の色はパールでは綺麗な色味を表現出来ませんが(それ故に3コートキャンディーカラーでの塗装が必要となります)、今回のような紫系の色は2コートパールでも深みがあって発色良い色味に出来るのが良い点ですね。

 色板には使った原色をメモしておき、今後同じような色を作る時の参考に出来るようにしておきます。

今年は年明け早々に大きなライブで使うマイクの塗装ご依頼が入っていて、ただ色の見本とするマイク(以前当店で塗装済み)は手元に無く、その時もこれらの色板があったお陰で何とかなりました。

↓この時ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

SHURE BETA58Aマイク(ピンク&ピンクゴールド)本塗り

先日お預かりしておりましたシュアBETA58Aマイクです。

マイク本体は元々グレーメタリックに塗装済みなので、表面を#800~#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン~オレンジ)で空研ぎ足付け処理を行っています。

グリルの場合はペーパー(研磨紙)等では網目の奥まで届かないので、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行っています。もしこれが装飾クロムメッキや、同社SUPER55ガイコツマイクのようなポリッシュされたアルミ素地の場合はサンドブラスト→プライマー塗装を行ってからの上塗りとなります。

マイク本体は「ピンク」で承っていますが、そのままだと隠蔽力が弱いので(下地が透けてしまうので)、一旦適当な白=具体的にはVW社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)で下塗りを行っておきます。ちなみにこちら色名には「キャンディ」(CANDY)となっていますが、一般的な塗装業界で使われている「キャンディーカラー」とは全く違う物となります。

グリルは「ピンクゴールド」でご指定頂いておりまして、むしろこちらは「キャンディーカラー」となりますから、まずは下色に目が細かく輝度感の高いシルバー=STANDOX JLM906を塗ります。

その上に透過色=ピンクゴールドを重ねます。光が透過して下地のシルバーに反射しそれが戻ってくる事で金属感のある色味になります。

マイク本体のピンクはこの時と同じ物で、

当店規定の色見本の中から、

左側の「MIX561」(朱色っぽい赤)と右側の「MIX576」(青味のある赤)を1:1に、それを白97%と混ぜ合わせた色となります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

アルミプレートの部分は2回目のクリアーを塗り終わったら直ぐに剥がしています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

 それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ゼンハイザーMD445マイク 下準備

先日お預かりしておりましたゼンハイザーMD445ダイナミックマイクです。

今回はレース塗装で承っていますので、本番前に予めレース生地を当てて位置等を確認しておきます。

ロゴについてもまずは紙にプリントアウトし、

各位置やサイズの確認をしておきます。尚本番は紙では無くデカールで、色もガンメタ色で出力します。

マイク下部に入れるロゴについてですが、マイクの形状が円錐になっている為、そのままだと端が上向きに上がってしまって格好悪くなってしまうので、

データ自体を逆側にカーブ(円弧4%)するよう修正しておきます。

色は青と紫で、ご指定頂いた画像を参考にしてそれぞれ作成しました。紫の方はMIX855(バイオレット)+MIX821(アメジストパール)、青の方はMIX859(標準的な青)+MIX885(赤味の青)+MIX825(中目ブルーパール)の構成となっています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

SHURE SM58Sマイク 本塗り

先日お預かりしておりましたシュアのSM58スイッチ付きマイクです。

マイク本体は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行っています。

スイッチ付きの場合はこちらのプレートが取り外せるので、こちらも同じように足付け処理をしています。

グリルは通常の方法(ペーパー掛け)では細部まで研磨出来ない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行っています。こちらのみ水を使った研ぎですね。

色はこちらのトヨタ「ダークグリーンマイカ」(カラーコード:6R4)で承っていますので、配合データを基に原色を計量調色して色を作ります。

よく脱脂清掃をしてエアーブローで埃を飛ばしたらベースコートを塗布します。

黄味の緑をメインに、グリーンパールやイエローパールが使われています。

コート毎に15分程のフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設け、しっかり乾燥させたら

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

クリアーは合計2コート、この場合もコート間に10分程のフラッシュオフライムを設けています。

フラッシュオフタイムは使用するハードナー(硬化剤)とシンナーによって時間が変わり、今の時期だと比較的乾燥硬化速度の速いタイプ=具体的にはSTANDOX MS5-25と2Kシンナー10-20を使っています。それぞれの数字は気温を表していて、これを目安にそれぞれ選択するようにしています。

気温が低くても面積が大きい場合、例えば先日本塗りを行ったメルセデスW124のフロントグリルなどは塗り難く時間が掛かる上に磨き処理が出来ない為、ハードナーを乾燥硬化が遅いタイプ=MS15-30を使っています。指触乾燥が遅い分レベリングが良い(肌が平滑になり易い)のですが、その分「タレ」のリスクも上がるので、それぞれの状況によって使い分ける必要があります。選択は気温だけが目安ではないという事ですね。

またスプレー時のエアー圧によっても指触乾燥の時間は変わる為、エアー圧を上げて被塗面とスプレーガンとの距離を大きくしたり、逆にエアー圧を下げて近くしたりして調整したりもします。使用するエアーやクリアーの温度によっても諸々変わるので、この辺は毎日やっていないと難しい所はあるかも知れません(ワークショップを行うとその辺の事に気付けて勉強になります)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

audio technica AT2020マイク塗装承ってます

先日到着しておりましたオーディオテクニカaudio technica/AT2020コンデンサーマイクです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はキャンディーカラーの2トーン塗装で、イメージイラストも作成していますのでそちらを紹介します。

グリル(網)の部分は塗らないで、枠の部分をキャンディーマゼンタ~キャンディーパープルへのグラデーションに、またマイク前部分に猫の肉球ロゴの配置を承っています。

尚グラデーションの工程としては、まず下色にシルバーを塗り、その後全体にキャンディーマゼンタ→その後は紫系では無く「青」のキャンディーカラーをマイク下部に塗り重ねて色相環の紫に近い色味を表現しようと思います。

以前施工した時の画像を紹介しますね。

見ての通りマイク下部は紫にしか見えないのですが、HOK=ハウスオブカラーのBURPLE(赤味のある青)をマゼンタに重ねて紫色を表現し、自然な感じでグラデーションさせています。こちらのページで他の完成画像も紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

尚、ネックとなるのが分解だったのですが、

こちらも問題無く出来ましたのでご安心くださいませ。少しコツは要りましたが、SHUREのガイコツマイクに比べると簡単でした。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!