先日下準備を行っておいた日産自動車内装パーツ4点です。
元々あるシボ模様は残すので、下地作業は足付け処理のみとしています。多少小傷がありますが、それを処理するとそこだけ模様が変わってしまうので、そのままとしています(オーナー様もご理解頂いております)。
ダッシュパネルは大きいので手で持っては塗れませんが、場所を移動する際や、極力ゴミが付き難くなるよう、高い位置に置くようにしています。
また下側に広くスペースを設ける事で、スプレーガンを奥まで差し込んでフチまでしっかり塗れるようにしています。
この状態でも艶消しの仕上がりですが、このままだと塗膜の強度は1液ラッカー缶スプレーと同程度なので、この後艶消しクリアーを塗って強度を高めます。
自動車内装パーツで、手などが擦れて下地(素地)が露出しているのはこの状態と同じく、ベースコート(カラーコート)のみの塗膜なのが原因かと思います。
一応色板を作っておく事にしました。画像の左側にあるのは色の見本としている布シートです。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーはつや消し仕様ですが、塗った直後は艶ありと同様艶のある状態となります。
シボ模様が残ったまま艶のある仕上がりになると、どうも変な仕上がりになっているのが判るかと思います。
ウェットな状態でゴミが付着するとくっ付いてしまうので、気分的には早く熱を掛けたいところですが、そうすると艶具合にムラが出てしまうので(艶消し成分であるシリカゲル顔料の配列が乱れる為)、艶が落ち着くまでは自然乾燥が必須となります。シルバーメタリックでアルミ粒子が綺麗に並ぶようにシンナーの乾燥時間(揮発速度)を遅くするのと同じ理由ですね。
艶消し仕上げになる事で、シボ模様も残り自然な感じに仕上がっているのが判るかと思います。
尚、この箇所にどうしても目立つ打痕傷があったのですが、ベースコート途中に塗料を筆挿しする事で目立たなくする事が出来ました。