先日SPFシルバーに塗装を終えていたスバルWRX用のドライカーボン製フロントグリル枠です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。
普通に綺麗に仕上がって勿体ない所はあるのですが、凸凹したところがどうしても気になってしまうので、
固い当て板をしっかり当てて#120~#180で面出しを行い、#240でペーパー目を均しておきました。尚、凸凹が判っても一旦クリアーまで塗ったのはこれもサフェの替わり=充填塗膜として使いたかったからで、この時点の研ぎでもある程度の凸凹を取っておくようにしました。
よく脱脂清掃します。既存の樹脂はウレタン・不飽和ポリエステル・エポキシいずれかなので、ここでプラスチックプライマーを塗る必要は無く、
直接サーフェサーを塗布します。プラスチックプライマーが必要なのは主にPP(ポリプロピレン)とPA(ポリアミド)で、ABS樹脂は溶剤型塗料ならそれ単体でも大丈夫だったりしますが、当店の場合ではこれも念のために塗るようにしています。尚、PE(ポリエチレン)は塗装不可能な樹脂と言われているのでこのプライマーを塗っても殆ど意味は無く、またプラモデル等に使われているPS(ポリスチレン)は耐溶剤性が弱いので、自動車補習用塗料(溶剤型)だと樹脂の表層を溶かして逆に密着しない場合があります。
尚、フチについては既に出来上がっているので(製品としては既に完成していてガタガタしていたりしないので)、今回は置いた状態でサーフェサーを塗っています。修正するのはあくまでも目立つ表面の凸凹です。
その後再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗ります。
#600で面出しを行い、#800~#1500でペーパー目を均したら下地作業が完了です。
一歩進んで二歩下がるような感じでしたが、今回はこういった事をオープンにしているだけで、他のご依頼でもこういった作業は日常的にあります。塗装の事を判らない上司(社長)からすると全くもって無駄な作業=会社の経営を貶めるような行為でしかないのですが、幸いにして今は比較的ゆっくり出来る環境となっているので、後ろめたい気持ちになるくらいならさっさとやり直してしまおう!という事が出来ています。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!