RITCHEY Frame/Fork

ritchey4 RITCHEYのフレームとフォークです。素材はクロモリと思われます。

ritchey5 結構年代物の用で、既存のデカールはひび割れてしまっています。

ritchey6 同じくヘッドチューブのデカールロゴも同様のヒビが入っています。

この時のご依頼ではこれらのロゴデザインはそのままに、艶具合を艶ありから艶消しのマットブラックへとご指定承りました。

ritchey7 既存の塗膜を溶剤で剥がしてみると金属素地にはビッシリと錆びが発生しています。

ritchey8 錆びの部分は突起していて、サンダーで削ってみるとその下は浸食されて根深く錆が入り込んでいるのが判ります。

こうなるとサンダーで錆びを取るのは難しくなりますので、サンドブラストでの処理となります。

ritchey9 フレームはサンドブラスト専門店にて強力な直圧ブラストで処理をして貰いました。

ritchey10 細部は勿論、浸食された奥の錆びまでしっかり削り落として貰っています。

ritchey11 フォークの方の錆びはフレーム程では無く表層で止まっていたので当店にてサンドブラスト処理を行いました。

ritchey13この後溶剤で洗い流すようにして脱脂洗浄を行います。

ritchey14 プライマーはその日の内に塗布し、続けてサフェーサー、またご希望に応じて防食性の高い浸透型エポキシプライマーを使用します。

この後熱を入れて下塗り・中塗りの塗膜が完全硬化したら全体を研磨して下地を整えます。

ritcheyそして完成です。

ritchey1 ベースカラー自体は通常通りで、最後に塗るクリアーを艶消し専用の物にする事でマットブラック&マットホワイトのロゴに仕上がります。

ritchey3  艶消しクリアーは自動車ボディの補修再塗装に使う2液ウレタン性の物で、性能自体は艶ありのクリアーと同様です。耐候性・耐擦り傷性に優れ、メンテナンス性も良好です。

ritchey2デザインは元の通りで、艶だけを変えると言うのは面白い発送だと思います。マットブラックにホワイトのロゴが映えて格好良いですよね。

Alfa Romeo Engine cover & intake manifold

alfa 5年くらい前にご依頼を頂いた古いアルファロメオのヘッドカバーとそのプラグカバー、そしてインマ二です。ランチアのヘッドカバーに似ていますね。

alfa1 凸部は塗装後に面研しますが、素地の状態が悪い場合は先にある程度削っておきます。

素地調整の方法としては物理的なサンドブラスト処理と、化学的なリン酸処理の2通りがあります。どちらも行う場合もありますし、どちらか一方のみの場合もあります。この時はリン酸処理のみだった模様です。

alfa2 プライマーを塗布し、続けて結晶塗装、その後140℃~170℃程の熱を掛けて架橋反応を起こさせ塗膜を硬化させます。

alfa1 仕上げに凸部を研磨して光らせ、必要(ご希望)に応じてクリアーを塗ります。

フェラーリのヘッドカバーは純正に拘るケースが多いので磨いたそのままで、その他腐食の進行を遅らせたい場合はアルミ素地表面にクリアーを筆で塗っておきます。こちらは無料サービスです。

alfa2 ただし光らせたアルミ素地部分はクリアーを塗らない方が金属っぽい質感は残ります。クリアーを塗ると光り方が少し鈍く見える傾向にあります。

alfa3 alfa4 alfa5 alfa6ディーラーに社員として勤務していた時、ドアヒンジ部分で色の入り方が甘い箇所があって、それを上司(外国人)から咎められたのですが、そこは殆ど見えない場所ですし、そもそも新車でもそこは色が入っていない(反対側も入っていない)と説明したら、「お前がやっているのは新車の塗装なのか、Ah?」と言われ、再度ドアを外して塗り直すと言う事態になりました。

その時は反抗もしましたが、後々考えると確かに彼の言う通りだと思い改め、それからは見えない部分もキッチリ仕上げるよう心掛けています(勿論業務上そう出来ない場合も御座いますが)。

ルーフアンテナ 本塗り

antena27 こちらもお待たせしました!ビートソニック社製のドルフィンアンテナはダイハツムーヴカスタムのパールホワイトⅢ(カラーコード:W24)で本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。画像は新品の塗膜に#800のペーパーを掛けて足付け処理された状態です。

尚、テールランプ系についてはあと1セット到着してから作業着手しますのでどうぞもう少々お待ちいただければと思います。

antena28 今回ご依頼頂いている色は3コートパールなので、まずはカラーベースとなるソリッドの白を塗布します。勿論これも配合データがあって、配合内容としては白をメインにオーカー(黄土色)、黒、グリーンが入っています。

antena30 さらにその上にパールベースを塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。3コートパールは塗装の手間もそうですが、カラーベースとパールベースそれぞれの色を作らないとなりませんので通常の2コート塗装より若干費用が上がります。

antena29元々製品の色がホワイトパールに塗装済みだったので余り大きな変化が見られませんが、クリアーも高品位なタイプのクリスタルクリアーになってレベルアップになったかと存じます。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スーパーセブン ドライカーボンパネル塗装承ってます

seven1先日到着しておりましたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン製のボートカバー(トランクカバー)とその蓋、そして色見本の為にお預かりした塗装済みのノーズコーンカウルパネルです。この度もご贔屓頂き有難うございます!

seven2 こちらのノーズコーンは以前当店で施工させて頂いた物で、普通に見るとグリーンメタリックなのですが、実は全く違います。

seven3 こちらも元はプリプレグのドライカーボンで、上に塗っているグリーンメタリックはわざとその下の繊維目が透けて見えるようにしています。変則的なキャンディー塗装みたいな感じですかね。

seven4 しかもそれを殆どのカウルパネルに塗ると言う内容で、塗装屋さんなら判ると思いますが相当胃の痛くなる作業でした。一般的なキャンディーカラーならまだしも、これを普通の色で下地を透かすって・・・(恐)。

seven5 当然ですが各パネルで同じように仕上げなければなりませんので、予め同じような工程で作成した色見本を基に、各色調(透過)を合わせていきます。これをムラなく仕上げる仕上げるのも至難ですから、恐らくこの時はSATAのスプレーガン(NR2000)を使っていたと思います。久しぶりに出さないとなりませんか…。

seven7 ちなみにそのプリプレグカーボンなる物がこちらです。テストピースの作成用にと破片を頂いていました(当時の話です)。

seven8 プリプレグカーボンは最初からカーボン繊維に熱硬化型のエポキシ樹脂が浸透されているタイプの物で、それを型に合わせて貼り合わせ、その後真空状態にパッキングして120℃程度に加熱して固めます。成型時に樹脂を取り除ける分軽量になるのですが、上の画像のように出来上がりは激しい巣穴だらけになっています。

ちなみに通常のウェットカーボンはポリエステル樹脂で、エポキシ樹脂を使っているドライカーボンとは強度がまるで違います。

seven9先ほどのパネルにクリアーを塗った状態です。実はこの一発目の為の下地処理が結構重要で、それを間違えると延々激しいハジキの巣穴が残ります。一時期業者さんからドライカーボン製パーツの塗装をご依頼頂いた事があって色々と勉強をさせて頂きました。余りにも辛かったのでもはやトラウマレベルなのですが(苦)。

seven10先ほどのパネルを「塗装→完全硬化→研磨」といった下塗りクリアー塗装を7回程くらい繰り返し、最後にグリーンメタリック(色はメルセデスのカラーコード6836)をパネルの真ん中で塗り分けてクリアーを塗った状態です。

seven11しかしさすがにあれらのパーツ全部に下塗りクリアーを7工程も行うとなると激しい金額になってしまいますので、下地に関しては(恐らく)それ専用のショップさんを手配して対応して頂きました。

上の画像は当店に持ち込まれた状態で、恐らくはUV硬化型のポリエステル樹脂なのではと思いますが、何にしてもとても素晴らしく良い仕事をされていました。お陰で当店はキャンディーグリーンメタリックの塗装に専念出来ました。

seven6 と言う事で今回のボートカバー(トランクカバー)とその蓋も安心していたのですが、製品を受け取ってみるとどうも何か違うような・・・。

sevenパッと見は艶々で綺麗に見えるのですが、よく見ると(塗装屋的にはよく見なくても)クリアー表面には無数の巣穴が空いていて、とてもじゃありませんがこのままの状態では塗れません。

画像だと巣穴も小さく見えるのですが実はこれは表面にペーパーを掛けてコンパウンドで磨き処理された状態で、これにクリアーを塗ると穴の周りは表面張力により、クレーター状のハジキ風巣穴が大量に表れます。しかもあろうことかワックスまで使われていて塗装面はヌルヌルです。いったいどうして…。

と言う事ですが、これらに関しては既にオーナー様にもご確認を頂いておりまして、この後の作業(下塗りクリアー)は当店でやらせて頂く事となっています。恐らくはクリアー下塗り工程を3回やればまともな状態になるのでは、と思っております。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き有難うございます!

G-SHOCK塗装承ってます

gshock 先日到着しておりましたG-SHOCKの外装パーツ一式です。元々透明な材質だったらしいのですが、経年で黄ばんでしまったとの事で塗装をご検討頂きました。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

gshock1 色については色々お悩みだったのですが、「黒系」と言う事でガンメタリックを何十種類か選んで送付し、その中から第一~第三希望までを決めて頂きました。数種類選んで頂くのは念の為で、時々キャンディーカラーや3コート塗装の見本も混ざっているので後から金額が上がるのを防ぐ為です。

勿論どうしても「その色が!」と言う事であれば対応も可能ですが、「その色だと金額が上がるのであれば第二希望でも構わない」と出来れば良いと思いまして。

gshock2 尚、これら外装パーツの素材は恐らくポリウレタン系で、以前同じようなG-SHOCKをエヴァカラーに塗装した時にパッチテスト(密着性テスト)も済んでいますので塗装との相性は問題ありません。クリアーには軟化剤を入れたフルフレキシブル仕様で対応致します。

ただしバンド部分は常に曲げたり伸ばしたりしますから、念の為そちらはクリアーは塗らず、ベースコートのみでの対応とさせて頂きます。それに関しても電話機のカールコードや事務椅子のクッション部分の塩ビシートで耐久性は確認済みですので問題ありません。

参考までに前回施工したGショックの画像も紹介しますね。

gshock14 gshock15 時計本体の部分はクリアーを超軟化仕様にしたクリアーを塗布して艶ありの仕上げにし、ベルトに関してはクリアーを塗らずベースコートのみなので艶消し~半艶の仕上がりとなります。

gshock3今回塗装予定はこちらのAUDI AUSTERNGRAU(カラーコード:LZ7Q)となります。メッキのシルバーとガンメタの組み合わせでシックなイメージに仕上がりそうですね。

それでは作業次第また改めて紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!