アウディA5内装パーツ 本塗り

 先日お預りしておりましたアウディA5の内装パネルです。

今回塗るのは周りのグレーシルバーの部分で、黒い部分とメッキ調の枠は簡単に取れそうも無いので(溶着された上にメッキ調の枠が細くて折れそうな為)マスキングで対応します。

ただこういった場合、隙間からミストが入り込んで別の場所から出て来る可能性がある為(普通では考えられそうもない事が起こります)、マスキングは単に紙で覆うだけでは無く、隙間の目止めを行います。

 さらに塗料が着いて欲しくない個所にマスキングテープをピッタリと貼り、フチに貼ってあったビビり音防止のフエルトテープも剥がします。フエルトテープは再利用出来そうな部分もありましたが破けた部分もありましたので、塗装後には予め用意しておいた代替品を貼っておきます。

 さらに裏側もマスキングします。艶消しまたは半艶の部品に塗料ミストが着いてしまうと除去が出来ない為(シンナーで拭けませんしコンパウンドだと艶が出てしまう為)、マスキングはかなり厳重に行います。昔、知り合いの板金塗装屋さんが預かって塗装した車をミストだらけ(ザラザラ)にししまい、危うく車両を買取りする事になる所だったようです(しかも1000万円くらいの車でした…)。

 最後に表側にも養生紙を貼り、またフチのテープ(6mm幅)はクリアー塗装直後に剥がせるようにしておきます。

 表面は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理してあります。よく脱脂清掃したら本塗り開始です。

 まずはベースコートの黒を塗ります。

 塗装済みの内装パーツの場合はウェットに塗り過ぎるとチヂレが起こる可能性が多々あるので(社外記に登場するwatariさんと言う方がこういった新品部品塗装の仕事をしていて、その辺りは良くご存じの事かと思います)、コート毎に十分なフラッシュオフタイムを設け、しっかりと溶剤を抜きながら塗り重ねていきます。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります(オプションで変更可能です)。

 フチに貼ったマスキングテープ(6ミリ幅)は二回目のクリアーを塗った直後に剥がしています。

 遠慮しながら塗ると肌が悪くなるので、本塗りに集中出来るよう他の準備を怠らないようにしています。

まだ完成した訳ではありませんが、現時点では塗装屋さんが見てもマスキングで塗ったとは判らない仕上りに出来ていると思います。

この後一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NDロードスター内装パーツ サフェ入れ

 先日お預りしておりました、マツダ純正NDロードスターの内装パーツです。

 表面には「革」風のシボ模様がある為、まずはこちらを削り落とします。

 ABS樹脂なら切削性が良いのですが、今回は粘りの強いPP(ポリプロピレン)樹脂なので、#80のダブルアクションサンダーから始め、その後#120→#180で慣らします。フチや角は#240の手掛けで研磨・足付け処理を行います。

 よく脱脂清掃し、台にセットします。フチから裏側までプライマー&サフェーサーを塗れるよう、手で持てるようにしています。

また念の為、ガスプライマーを使った火炎処理も行っておきます。

ガスプライマーについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。

Mazda Diesel Fuel Cap

 その後プラスチックプライマーを塗り、続けてサフェーサーを塗布します。

PPやPAなどのオレフィン系樹脂は研磨の際に起こる毛羽立ちが激しいのですが、逆にそれが木の根のようにサフェーサー層に食い込み、密着性が向上すると考えています。目で見える程に激しいアンカー効果(投錨効果)みたいな感じですかね。

それではこちらも作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW R1200RSパニアケース サフェ入れ

 先日分解作業を行っていたBMW R1200RSの純正パニアケースカバーです。

 塗装しない個所を、養生紙(ロールマスカー)を使ってマスキングします。フチが見えるので昔のパニアケースと比べるとちょっと厄介ですかね。

擦り傷は凹みと違い、見た目よりも損傷範囲が大きい場合が殆どです。

見た目は大丈夫そうでも怪しい部分は後で問題が出るので(ブリスター)、研磨範囲はどうしても大きめになります。

 #120→#180→#240→#320(クッションパッド使用)といった順番で傷のあった個所をダブルアクションサンダーを使って研磨し、さらに全体を#320相当(アシレックススカイ)で足付け処理します。

 よく脱脂清掃し、エアーブローをしたら、

 素地が露出している箇所にプラスチックプライマーを塗布します。

その後、傷があった個所にはサフェーサーを5コート程、軽くペーパーが当たっている個所は2コート程ぬります。

元の傷からするとかなり大きな範囲になっていますが、飛び石や擦り傷の修理では大体このような感じになります。車(四輪車)の場合だと、ボンネットにある小さな凹み一つの為に、それとは関係の無い飛び石傷全てを修理して研磨~サフェーサーはボンネット全面に!なんて事も珍しくはありません。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

尚これとは別件の、NDロードスターの内装パーツも並行して作業していますので、そちらの後程紹介しますね。

HONDA CR-Zテールランプ塗装承ってます

先日到着しておりましたホンダCR-Z純正テールランプです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は「極薄目と薄目の間」(中間)のスモーク濃度のべた塗りで、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っております。オーナー様曰く、「余りスモークを好まない方で、ただ純正の赤が朱色のようで安っぽくて」との事です。確かにクリアーカバータイプのテールランプの場合、製品によってはおもちゃみたいに見える物もありますよね。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせていただきます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ロボット「Robi」&「Q-Bo」白系パーツ塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたディアゴスティーニ社製のロボット「Robi」と「Q-bo」の外装パーツ一式の内、白系パーツ27点の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

 元々同じような色なので判り難いのですが、こちらは未塗装の状態です。

画像だと判らないのですが、バリなどを削った際のペーパー傷などもありました。

 そして再び完成画像です。

 概要としては「見た目は純正色のままでクオリティを上げる」といった内容となっておりますので、今回塗装した色も、事前にお貸出しした色見本帳から元の白に近い色を選んで頂いてのご依頼となっております。

 今回使用した白はGENERAL MOTORS社の「WHITE DIAMOND」(カラーコード:800J )となります。

 今回は二台目のご依頼となりますが、配合データから色を作製している為、時間が経っても全く同じ色で再現が可能です(ただし塗料が廃盤になったら全く同じ色では無く「近似色」となります)。

 モーターのピニオンギアが入る部分はマスキングをしてあります。

 球体になる部品が「Q-Bo」となります。

 色の比較の為、自然光下でも撮影しました。

 カメラの設定は変更していませんが(露出とシャッタースピードは変わっています)、蛍光灯下で撮影した画像とは大分色が違って見えるかと思います。

 赤茶系のパーツは既に先日完成していますので、次は黒系のパーツ32点となります。今回が27点でしたから、さらに険しい道に・・・。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。どうぞ引き続き宜しくお願いいたします!