ランエボブレンボキャリパー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていた三菱ランサーエボリューション純正ブレンボキャリパーの塗装、本日完成となります!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態で、ぱっと見フロントキャリパーは色褪せしていないように見受けられますが、

実はロゴ部分をマス(!)して赤で塗り直していたりします。マスキング跡がガタガタしているので恐らくはカッターと手で切ったのではと・・・。

リヤキャリパーはいつものようにクリアーが層間剥離し色が褪色しています。

この状態からいつものブレーキ屋さんにサンドブラストをお願いし、

戻ってきた物に、元の状態に似た色で塗装を施しました。

F50ブレンボ純正の赤色に比べて、青黒味のある赤となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ロゴの白はフォルクスワーゲン社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)を採用しています。真っ白では無く多少黒を含んだ白となります。

ロゴ入れを行った箇所はどうしても塗膜に凸凹が出来る為、

完全硬化後に#1500→#2000で研いで凸凹を均し、磨き処理を行っています。

ガスケット当たり面やパッド固定用のシャフト取り付け穴の内側、ボディ取り付け部等は塗膜を厚くしないよう、プライマーとベースコートの黒を薄く塗装したのみとしています。

キャリパーの塗装自体は一般的な自動車塗装屋さんでも普通に出来る事なのですが(そもそも当店がそうです)、

旧塗膜の剥離=サンドブラスト作業や分解組付けが出来ないと難しい所があり、当店でもそれは専門の方に外部委託していたり、今回のように整備工場さんで予め分解された物をお預かりしての受付となっています。

後は採算性の話で、わざわざキャリパーを塗るくらいならベンツのバンパー塗っていた方が楽で儲かる!という所もあるかと思います。車体を預かれる環境で小物を塗ると、利益率で考えてどうやっても合わないですよね(地代の他に管理者賠償保険とか見えないコストが大きいのです)。当店は都内でも小物に限定するという事で辻褄を合わせている感じですので。

この度も当店をご利用頂きまして誠にありがとう御座いました!

ランエボブレンボキャリパー 本塗り

先日業者様からご依頼頂いていた三菱ランサーエボリューション用のブレンボキャリパーを完成してお納めした所、塗装したそれを見られた別のオーナー様が気に入ったらしく、新たにこちらのブレンボキャリパー一式の塗装をご依頼頂きました。

こちらは業者さんからの下請け的な作業になるので、当店としてはオーナー様とのやり取りは無く、フロント的な業務を省けますから費用も若干低めとなっています。OHも先方で行っているのでピストンも外れた状態となります。

状態としてはいつものように赤い塗膜の上に塗られたクリアーが剥がれてしまっている層間剥離が起きています。

フロントキャリパーはそれが見られず、褪色も少ないように見受けられたのですが、

近くで見るとbremboのロゴ部分をマスキング(!)して再塗装が行われているようです。凄い男前というか中々の力技です。

洗浄とサンドブラスト・マスキングまでの作業はいつものブレーキ屋さんにお願いしています。

このままでも塗れる状態なのですが、

目立つ正面をメインにサンダーで研磨作業を行ない、打痕や梨地を削り落としておきます。

その後シリコンオフをスプレーして汚れや油分を上から下に洗い流すようにして脱脂処理を行います。

エアーブローをしては再びシリコンオフをスプレーしてを繰り返し、隙間の汚れもしっかり除去しておきます。

クリーンなウエスでふき取ったらしっかりと乾燥させ、

まずはプライマーを塗布します。

プライマーを塗らないとこれから塗る上塗りの塗料が密着しない為、金属素地の箇所を残さないようしっかり奥まで塗り込みます。

パッド固定用のシャフトを通す穴の内側やガスケット当たり面、ボディ取り付け部に塗装をすると弊害が起きてしまいますから、

そこはプライマーとベースコートの黒を薄膜のみに留めておきます。

この後よく乾燥させ、

マスキングを行ないます。ピッタリのサイズだとマスキング際がガタガタになって汚くなる為、少し大きめのサイズで食み出るようにしています。庇のような感じですね。

よくエアーブローをして埃を飛ばしたら、

下塗り(隠蔽力の高い適当な赤)→ランエボブレンボレッド近似色(どす黒い赤)→ロゴ入れ(VWキャンディホワイト)を行います。

元の通りフロントが横幅80mm、リヤが54mmとなります。

ここまでがベースコートで、

規定時間内にトップコート=クリアーを塗って本塗り完了です。

ロゴ入れを行った箇所は段差が出来ているので、完全硬化後に研磨して磨き処理を行います。

マスキングは2コート目のクリアーを塗ったら直ぐに剥がしておきます。なので一個ずつ仕上げていくような感じですね。

ボディショップ=自動車板金塗装屋さんからするとキャリパー塗装は面倒な作業なので進んで行わないのが一般的ですが(私もそうでした)、今回のようにサンドブラストやオーバーホールを行ってくれる方が居るお陰で対応可能となっています。あと安全で敏速に輸送が可能になったインフラの恩恵も大きいですね。

現在はこちらのキャリパーも含め16個が進行中で、半分以上が業者さんからのご依頼となっています。メインは個人向けの小物塗装店なのですが、最近は大手企業(メーカー直)からのご依頼も多くなっています。円安や中国など海外でのビジネスリスクが高くなった為か国内回帰しているのかもですね。

それでは完成次第そちらの画像も紹介しようと思います(念のためですがこちらの業者様は作業内容の掲載承諾を頂いているので紹介しています)。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Lancer Brembo Caliper

いつもご贔屓頂いている業者さんからランエボ純正ブレンボキャリパーの塗装をご依頼頂きましたので、作業内容を纏めて施工事例として紹介させて頂きます。

現状はいつものように表面のクリアー層が剥がれています。下塗りの赤の硬化(焼付け)が進みすぎた状態で、中研ぎ(足付け処理)無しに上から塗ったクリアーが密着しなかった為に起こる問題ですね。

クリアー層が剥がれて赤が白っぽくなっているのはチョーキングが起きているからで、工業用製品や商業車等に使われる熱硬化型塗料(焼付け塗料)ではよく見られる光景です。郵便局の車で艶具合が継ぎ接ぎになっているようなものを見かけますが、褪色している方が新車時の塗膜で、後から補修した箇所は2液ウレタンなので再塗装したパネルは褪色せず色鮮やかに残っていたりする為です。プラスチック製のバンパーは焼付け塗装が出来ないので同じ理由でここだけ褪色せず鮮やかな赤が残っていますよね。

まずはいつものようにブレーキ屋さんにて洗浄~サンドブラストをお願いしました。

ブレーキ屋さんについては以下の記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

そのままでも塗れる状態でしたが、塗りあがった時に艶が出るよう梨地の部分を#120シングルアクションで削り、#120~#180のダブルアクションサンダーでペーパー傷を均し、#240手研ぎで研磨しています。

その後よく脱脂清掃し、ブースにセットしたら本塗り開始です。

普通にウェスで拭くような方法では細部の脱脂が出来ないので、シリコンオフをスプレーで上からジャブジャブと掛けて洗い流すようにし、ふき取り→エアーブローを繰り返しています。色々下地処理をしてもこの脱脂処理がちゃんと出来ていないと全てが水の泡ですからね。

よくエアーブローをして埃を飛ばしたら、

まずはプライマーを塗布します。

厚塗りしないよう薄く2コート程を塗布します。

金属素地の部分が残らなくなったら、

膜厚をつけたくない箇所=車体取り付け部やガスケット当たり面、ブレーキパッド固定用シャフトを通す穴の内側にベースコートの黒を塗布します。

特段この黒は塗らなくても良いのですが、プライマーのままだと格好悪いので、新品時の黒アルマイト仕上げを模すような感じで行っています。

ベースコートの黒が乾いたらマスキングを行います。

続けてご指定の色=ランエボ純正ブレンボ近似色のどす黒い赤を塗布します。

F50ブレンボの赤は明るくて鮮やかな赤で、それに比べるとこちらは濃く暗い感じとなります。

続けてbremboのロゴを白で塗装します。

こちらの白はVW社のキャンディホワイト(カラーコード: LB9B)を採用しています。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

ロゴの部分はどうしても塗膜の段差が出来てしまっているので、

完全硬化後にはペーパーを当てて均し、磨き処理を行います。

マスキングした箇所は2回目のクリアーを塗り終わったら直ぐに剥がしてバツ切り際の塗料が馴染むようにしています(そのまま固まってしまうと鋭利な段差が出来てしまいます)。

そして完成です。

作業中の撮影は暗い場合などもあるのでシャッタースピードを速くして手振れ防止優先とし、その後明るく加工していたりしますが、

完成時の画像はサイズの縮小以外は未加工としています。

初期の頃(10年以上前でまだ知人の工場に間借りしていた時)は完成時の画像も明るく補正したりしていましたが、その後カメラを扱うようになって「撮影後の加工で幾らでも綺麗に出来る」(画像編集ソフト=Lightroomの使用)と言う事を知ってからは、「撮ってそのまま」を基本とする事にしました。

使用しているカメラも比較的古い物=NIKON D200となります。

直ぐにノイズが出るのでISOは200、シャッタースピードと露出はマニュアル、ホワイトバランスはオートとしています。

レンズは二種類、20mmと40mmを使っています。上の画像のように全体を収めたい時には広角の20mmで、

部分的に撮りたい時は40mmのマクロレンズを使っています。

手振れ防止機能なども無く、またそこまで明るくないのでシャッタースピードは大体1/20~1/50秒で、手持ちでこうだとどうしてもブレてしまいがちですから、とにかく枚数は撮るようにしています。

同じカットでも5枚くらいは撮ってます(成功率が1/5くらいなので…)。

作業中然り、完成時然り、撮影して画像をアップするのは結構な手間なのですが、これ以上信用性の高い事は無いかと思っていますので、出来るだけこのスタイルを続けていければと思っています。

スバルブレンボキャリパー塗装承ってます

先日到着しておりましたスバルWRX STI(VAB)の純正ブレンボキャリパー一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は鮮やかな青味のあるイエロー(レモンイエロー)に塗装されていて、ただし初期の状態からするとかなり褪色しているようです。一番左のリヤキャリパーに比べると、他の3点は彩度が落ち、グレーっぽくなっているのが判るかと思います。

元々は黒いキャリパーだったようで、後からこのイエローに塗られているようですね。

ご依頼内容としては現状と同じような感じで、以前当店で施工した以下ブレーキキャリパーと同じ色への塗装で承っています。

こちらのページで他の画像や作業内容を紹介していますので宜しければご参照くださいませ。かなり鮮やかに見えますがサイズの縮小以外は画像の加工は行っていません(意図的に彩度を高くしたりコントラストを強調していたりしていません)。

また今回は塗装の他にオーバーホール(シール・ブーツの交換)も承っています。ピストン等のチェックについては担当してくれるブレーキ屋さんにて分解時に確認をして貰いますが、ぱっと見は状態が良いので問題無いかと思います。

ブレーキ屋さんについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照くださいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

全体的にデロデロとして何か雰囲気が悪いがあり、

ボルト部には塗料が流れ込んだような跡も見受けられます。さすがに刷毛塗りでは無いでしょうから、相当厚塗りをしているのかも知れません。それ以前にしたから艶のある黒い塗装が出て来ているので足付け処理もされていないっぽいですね。

ロゴは現状シールで一部剥がれたり浮いていたりしますが、今回はこちらを同じような感じにしつつ黒の塗装で再現するようにします。

フロントは横幅80mm、

リヤは50mmとなります。

ロゴについては、以前施工した以下のデータを参考にしようと思います。この時のロゴですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

Lancer EVO Brembo Brakes

昨年お預かりしておりましたランサーエボリューション用ブレンボキャリパー一式です。その後無事車体に装着されたとの事で、改めて作業内容を纏めて施工例として紹介させて頂きます。

ご依頼内容としてはランエボ純正ブレンボのような青黒味の赤への塗装で、こちらの当店規定の配合データから色を作成します。

洗浄~サンドブラスト~マスキングについてはいつものブレーキ屋さんにお願いしています。このままでも塗れる状態ですが、

全体を研磨して打痕や深い傷を取り除いておきます。

その後よく脱脂清掃し、

 エアーブローで埃を飛ばしたら本塗り開始です。

まずはプライマーを塗布します。

プライマーは薄膜で、2コート程塗ります。

膜厚を着けたくない箇所=パッド固定シャフトピン差し込み穴の内側や車体固定部、ガスケット当たり面等にベースコートの黒を塗布します。プライマーのままでも構わないのですが、黒い方が格好良いというのが理由となります。

その後黒く塗った箇所をマスキングします。この後に塗る赤やクリアーを着けないようにですね。

まずは隠蔽力の高い赤で下塗りをし、

続けてランエボ純正ブレンボレッド近似色を塗布します。

ベースコートの赤が乾いたらロゴ入れを行います。

ロゴのサイズは元の通りに、色はVW社のキャンディホワイト(LB9A)を採用しています。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

F50ブレント等に使う赤に比べるとどす黒いのが判るかと思います。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ロゴの部分は薄く塗っても段差が出来てしまうので、

完全硬化後に#1500→#2000で研磨して均し、磨き処理を行っています。

その後オーナー様から装着後の画像を送って頂きました。


「綺麗になったキャリパー、とても気分がいいです。大事に使っていきたいと思います。丁寧な対応いただき、ありがとうございました。」とのお言葉も頂戴しました。


こちらこそわざわざご報告&画像送って頂き、またこの度のご依頼誠に有難うございました!