先日お預りしておりましたアルファロメオ GT1300Jr.のエンジンヘッドカバーです。
その後アルカリ洗浄槽にて浸け置きし、裏側に残っていたガスケットなども綺麗に剥がしておきました。
まずはサンドブラスト処理を行います。ホースパイプ取り付け部とボルトも着けた状態で、こちらも一緒にブラスト処理を行います。
マグネシウム製品や、アルミ製でも古いヘッドカバーで良く見られるのがこういった金属表層の層間剥離で、膨れた部分をそのままにすると塗装まで浮いたような状態になってしまう為、予め潰しておく(削り落としておく)必要があります。
明らかに浮き上がっている部分はピックツールで捲り上げるようにして剥がし、その後シングルサンダーで広めに削っておきます。また強くエアーブローをして剥がれ予備軍を残さぬよう、虱潰しにしておきます。
その後全体的にダブルアクションサンダーで均しておきました。
この後は洗浄も含め、リン酸処理を行って十分に乾燥させておきます。
後日マスキングを行い、本塗り開始です。
ホースパイプ取り付け部とそのボルトも一緒に塗装します(ボルトは新品に変えた方が望ましいので、一応といった感じです)。
まずは全体にプライマーを塗り、
ボルト取り付け部は一応結晶塗装は塗らないようにし(前回施工した同型ヘッドカバーだとここに液体ガスケットが塗られていたので恐らく漏れやすいのではと)、代わりにベースコートの黒を塗っておきます。
ホースが被さる個所も同様にし、テープフリーになったらマスキングをします。ボルトも黒に塗り、そちらはこの時点で完成として別けておきます。
オイルキャップは通常の内ネジ式では無く、外側の縁に引っ掛けて固定するタイプなので、その部分も結晶塗装では無く艶消しの黒仕上げにし、マスキングをしておきます。
そして結晶塗装を行い、140℃30分くらいの熱を掛けてチヂレ目が出たら本塗り完了です。お待たせしました!
色はグレーシルバーとなります。
「AlfaRomeo」の凸文字部分は最後に研磨して光らせ、腐食の進行を遅らせる為にクリアーを筆で塗っておきます。
ホースパイプ取り付け部を固定しているボルトは仮止め用なので気にされなくて大丈夫です。
後日凸文字を削り、クリアーを塗ってもう一度焼いたら完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!