新色入荷しました

standox12 今回新たに入荷したSTANDOXのベースコート現色MIX819です。その名も「スペシャルシルバーコース」で、特徴としては「MIX598並みの粗さで透かしが濃い」との事でして、スタンドックスユーザーなら判ると思いますが、ここの「598並みの」と言う所できっと戦慄が走っていると思います(笑。と言うくらい粗いのです)。

standox13 そしてこれもスタンドックスユーザーなら判ると思いますが、このベースコートってあり得ない程分離するんですよね。今まで色々な塗料を見ていますが、こんなにはっきりと原色と樹脂(と溶剤)が上下で分離するような物は見た事がありません。不安を通り越して不良品かと思うくらいのレベルです。

standox14と言う事で一旦蓋を閉めて撹拌してから再び見てみた状態です。パッと見は、前回のMIX818程良さそうな感じがしないのは気のせいでしょうか…(苦笑)。

で、早速テスト塗装を行おうと思ったのですが、実は現状ちょっとそんな状態では無く(本日だけでご依頼品の段ボールが8個到着しまして…)、なので少し落ち着いてからテストピースの作成と、これを採用しようと思っているトヨタのスマートキーケースに入れるイラストの塗装もマスキングシートの使用と共に試し塗りをしてみようかと思います。

ちなみにパッと見は隠ぺい性が悪い感じなので、下に黒を敷いてその上にこれを塗れば少しはブラックメッキ感が出てくれるのでは…と思って(願って)いたりしています。まあ世の中そんなに甘くは無いんですけどね(もう慣れましたが)。

と言う訳でどうぞもう少々お待ちくださいませ!

UVプリントスマホカバー 本塗り

phone7 少し前にクリアー塗装まで終えていたスマホカバーです。

白いポリカーボネート樹脂製のカバーにUVプリントが施されていた物で、そのままだと艶が無く、また使っている内にプリントされた絵柄が擦れてしまうという事を想定してクリアーを塗ってみました。

尚、内容はかなり仕事っぽいですが、こちらはお客様よりご依頼頂いた物と言う訳では無く私物をテスト的に行っている事ですのでこちらの社外記で紹介させて頂いています。

phone4こちらがクリアーを塗る前の状態です。艶は無く表面は若干ザラザラとした仕上がりになっています。

またカバーの周りには素地の白が残った状態になっているので、今回ここを黒に塗って、さらにその境界に細いラインを入れよう!と言う作戦となっています。

phone22まずは表面の絵柄をスキャナーで読み込みます。

case3取り込んだ画像を背景として、その上にIllustratorなるドロー系のソフトを使ってピンクの線を描いたイメージイラストを作成します。線の幅は1ミリにしました。

phone21カバーのフチの方は緩やかなカーブになっていて、そこよりも内側にラインが入ると折角のイラストが小さくなってしまうので、ギリギリエッジの外側にラインが行くように調整します。この辺はモニター上では誤差が大きいので実際にマスキングシートをカッティングして実測~修正して詰めていきます。

phone12と言う訳でマスキングシートが完成しました。

ちなみに今回はちょっと変則的で、一見一枚に見えますが枠の部分が1ミリ幅にカットされていて、それをマスキングテープで繋いだ状態にしています。

尚、先日クリアーを塗ったカバーパネルは塗装面を研いで足付け処理してあります。

phone13石鹸水を使って位置を調整しながらマスキングシートを貼り付けます。

水貼りだとアールが付いたフチ部分は浮いてしまいますが、そこはドライヤーを当てて乾かしながら貼っていきます。工業用のドライヤーだと強過ぎるので家庭用のドライヤーを使います。

phone14かなりギリギリな感じですが、ここから内側に1ミリピンクのラインが入るので多少マスキングがーオーバーしていても大丈夫です。ここではとにかくプリントされた絵柄に対して垂直平行になるようにしています。

phone15位置が決まったらフチのマスキングを剥がします。後で再利用するので粘着面同士がくっ付かないよう水を付けながら丁寧に扱います。

phone23ちなみに色は当初ピンクを予定していましたが、実際に色を作ってみると少々クドイ気がしてしまったので、最終的に落ち着いた雰囲気の紫に変更しました。この方が大人っぽくて良い感じですよね(ちなみに私が実際に使う訳ではありません)。

phone16よく水気を飛ばしたら紫色のベースコートを塗布します。下地には既にクリアーが塗ってあるのでここではもうプラスチックプライマーは必要ありません。

phone17紫のベースコートが乾いたら、先ほど剥がした1ミリ幅の枠を元に戻します。

ここまでの細さを普通にラインテープを貼ろうとすると究極難しい作業となりますが(細いだけに少しのズレが激しく目立ちます)、中央に貼ってあるマスキングシートがガイドとなってくれるので比較的簡単にきっちりとしたストレート&曲線ラインに貼る事が出来ます。

私も昔はエアーブラシを使ってフリーハンドで絵を描いたりピンストライプで線を引いたりする事に憧れましたが(今も憧れてますが。笑)、今は車の補修塗装で覚えた技術を応用して、「これ、手作業なのかよ!」と思うような機械的な仕上がりにする方向を伸ばして行く事にしました。まあ実際機械に頼ってばかりなのですが(笑)。

phone18それぞれのマスキングシートの継ぎ目をマスキングし、今度は黒を塗布します。

phone20そして全てマスキングを剥がしました。かなり地味ですが、まるでプリンターで印刷したような美しい1ミリ幅のラインが描けたと思います。っていうかだったら最初からそこもプリントすれば!と思うかも知れませんが、ラインを描いている部分はカーブで落ち込んでいるので、恐らくは水圧転写よろしく伸びて均一なラインにはならないですよね。まあそこに拘る必要も無いのかも知れませんが・・・。

phone24そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

実際に見比べてみないと何とも言えませんが、私的には単に周りを黒くしただけよりも枠にラインがあった方が全体が引き締まって見えると思いますし、イラストがより作品っぽく見えて綺麗に映えると思います。と言うかそう思い込ませて下さい(笑)。

phone25下塗りに塗ったクリアーは一応当て板を当てて研ぎ付けていたのですが、やはりと言うかUVプリントの厚み(段差)がまだ残っていたので平滑になっていません。

私的なイメージとしては、漆で塗られた「重箱」みたいな感じにしたいので、塗膜が硬化したらもう一度研いでクリアーを塗ろうと思います。ちなみにもう一枚の方は下塗りのクリアーを研ぎ過ぎて下地を出してしまいました…(苦)。

phone26塗り終わって見てみると、フチの色は淡いピンクでも良かったと思いますし、またはメタリックやパールを入れても面白かったかも知れません。

実は金粉も買ってあるのですが、今回のこれには合わないと思いますので、そちらはまたいずれ違う何かに試してみたいと思います。

ちなみに使う予定はありませんので、出来上がったら額に入れて飾ろうと思っています。フフフフフ。

シリコーン型 作成

car7 先日エポキシパテで作成しておいた、色見本に貼り付ける為の塗装用の見本品です。今まではダースベイダーを使っていましたが、塗った物が自動車部品だった場合、それに関連した物が見本になっていたら面白いかと思って車のフォルム状の物を作ってみました。

car8 と言う訳でサフェ入れ完了です。勿論ですが、仕事のついでに行っています。

car9今回の形はポルシェターボを参考としてリヤフェンダーを大きく張り出してみました。

car10その後熱を掛けて完全硬化させ、ガイドコートを塗布します。

car11サフェ―さーを水研ぎします。基本的には塗装前の下準備と同じですね。

black3そしていよいよ型取り作業です。型はトップゲート方式ですかね。

左は先日素地調整を終えていたGUNさん作のTOROBBiTで、以前お会いした時に塗装する前の物を貰っていたのでこちらも型を取って楽しもうと思っています。

black4使うのは前回使って余っていた型取り用のシリコーン樹脂で、ただいざ使おうと思って開けてみると中身がちょっと固い気が・・・。まあ大丈夫でしょう。多分。きっと。

black5・・・が!!!

硬化剤を入れて混ぜている時から何やら不穏な空気(?)が流れていて、何だか異様に硬化速度が速いと言うか、注ごうと思った時にはもう粘度が高過ぎて手遅れでした…(酷)。

うーん、前回使ってからそんなに経ったかなぁ、と思ったのですが、そう言えばポリパテも使用期限は半年程度ですから、シリコンも一度封を開けると長くは持たないのかも知れませんね。

いやー、しかし参りました。どうしましょう…。

black6 という訳でジャジャーンと!(笑)。

さすがamazonプライム便です。朝頼んだら夜に届きました。しかも祭日でです(先日の海の日の事です)。

black7 やっぱりというか新しい缶の方は最初に封を開けた時から主剤の粘度が全然柔らかく、硬化剤を混ぜてからも抜群の流動性で隅々まで行き渡ってくれます。っていうかこれが普通なですけどね(笑)。

black8 前回失敗した物も無駄にせず、小さく切り刻んで嵩を増やしました。

black9実はトロビットが予想以上に大きく、周りを囲むブロックが足りなくて溢れてしまいました…。

ただそれでも高さが足りなくて耳が飛び出るよりかはマシかと思い、取り敢えず良しとします。

車の方は出来上がったシリコン型に樹脂を流し込んで6台くらいに増やしたら再び型を取って量産出来るようにし、トロビットの方はちょっと今までとは違った使い方をする予定です。前者は仕事の一環ですが、後者は完全に遊びと言うかストレス発散です(笑)。

スマートキーカバー ボタンイラスト部 マスキングシート作成

key14先日日記の方で紹介していましたトヨタのスマートキーカバーのボタン部分に入れるイラストのデカールですが、結局あの後ずっと悶々としていまして、やっぱりドライプリンターでのデカール貼り付けでは無く、どうにかして塗装で出来ないか!と考えていました。と言うかもはや毎日悪夢を見ているような状態でして(苦)。

key36 で、先日ふとした事から、そう言えば以前試してみたレーザー加工機を使ったマスキングシートの作成はどうだろう?と言う事で本日早速試してみました。しかしながらもう色々限界です(そしてとても眠いです)。

key12データ自体は先日ドライプリンターで使った物がそのまま利用出来たので幸いでした。

key35 と言う訳で一応レーザーカット完了です。

最初はいつものマスキングシートで試してみまして、中々良い感じにカット出来ているのですがカット面が焼け溶けた感じで少しシャープさに欠けるので、一応和紙タイプのマスキングテープでも行なってみる事にしました。ここからがドツボです。

key37 形がとても細かいのでステッピングモーターの速度を3mm/sに設定しましたが、そうするとレーザーが強過ぎて台紙を貫通してしまいます。かといってレーザー出力を抑えると、最初は機械が冷えている為か中々切れなくて、後の方になって機械が暖まってくると出力がどんどんと強くなると言う、かなり繊細な状況になりました。

色々と記録を取りましたが、多分換気扇の強さや気温も関係しているので、ここまでの作業となるとその都度微調整が必要になりそうです(なので一気にやっつけてしまう事に)。

key38色々試してみて一番良かったのは、多少レーザーが弱すぎるくらいの出力にして、それを3回に分けて切り出す方法でした。さすがにズレるだろうと思っていましたが、思った以上にステッピングモーターの精度が良く全くズレません(ただ何度か暴走しましたが・・・)。

何度も繰り返した微調整のお陰で最終的には表面のマスキングテープだけをカットし、台紙は綺麗に残したままにする事が出来ました。

key39イメージ的には和紙タイプのマスキングテープだと繊維感が残ってシャープな切り口にならないのでは?と思っていましたが(何と言ってもこのサイズなので普段気にならない事がありえ廃程目立ちます)、これなら十分塗装のマスキング用として使えそうです。

今回のような細かい物に関しては通常塗装では対応は出来ない(しない)のですが、使用用途が「ボタン」と言う事で恐らく相当負荷が掛かりますから、使っている内にデカールが・・・と言う事を懸念したのです。まだ上手くいくかどうかは判りませんが、とりあえずこれで今日から変な夢を見なくて済みそうです。

 

ちなみに色はトヨタエンブレムに塗るブラックメッキ調に合わせたいのですが、今回はさすがにこれをそれにするのは難しいので、代わりに金属感のあるシルバーに黒を足してそれに近い雰囲気の色を作ってみようと思います。この辺に関しても実は新色(!)を手配していますので、後日こちらも試してみようと思っています(ただアジテーターカバーの在庫が無かったらしくまだ使えません)。

しかし今回こそは社外記的な作業無しで行けるかと思いきや、うーん、やはり甘かった模様です(眠)。