CH-Rリヤフォグ等 レンズ塗装承ってます

 先日到着しておりましたトヨタCH-Rのリヤフォグランプ・ハイマウントストップランプ、リヤバンパーリフレクターレンズの計4点です。

ちなみにこちらは現在ご依頼中のエスティマテールランプ一式のオーナー様からの追加注文で、今回のスモーク塗装の件を御身内の方に話した所、その方もご興味を持って頂いたとの事でこちらもご贔屓頂きました。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

ご依頼内容は「極薄めと薄目の中間」のスモーク塗装で、また頂いた参考画像に写る純正テールランプ(だと思います)のスモークの濃さを合わせる感じで承っております。

 ただしこちらのハイマウントランプは既にスモーク掛かっていますので、こちらはこの上に透過性の赤(レッドキャンディー)を塗装し、その時点で他の部品と比べて濃さが足りないようであればスモークも追加、既にスモークが濃い、もしくは丁度良い具合であればスモークは無しの「レッドキャンディーのみ」の仕様と致します。

リヤリフレクターレンズも同じように「極薄めと薄目の中間」の濃さのスモーク塗装とします。全てクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様とします。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

マツダフューエルキャップ&MINIメッキエンブレム サフェ入れ

 先日お預かりしておりましたマツダ純正ガソリン用ハイオク仕様のフューエルキャップです。

脱落防止用リングから下側をマスキングし、#120→#180→#240の手研ぎで全体を研磨します。

 見た目は先ほど紹介したMBスプリンターのオーディオパネルと同じですが、あちらはABS樹脂で、こちらは恐らくPA(ポリアミド)樹脂となります。記載が無いので判らないのですが、最初のペーパーの入り方がPP(ポリプロピレン)と感じが違うので、恐らくはナイロン(=ポリアミド)では、と言う見解です。

 PAやPPなどのオレフィン系樹脂は塗料や接着剤などとの相性が悪い為(密着性が激しく劣る為)、プラスチックプライマーの塗布とは別に火炎処理も行うようにしています。

ちなみにこの火炎処理に使うガスプライマーですが、最初の段階で密着試験は行っていて各素材での性能も確認済みです。私的に行った試験結果と見解となりますが、これだけに頼るのは到底無理と感じています。一応試験した材料も残っていますので機会があれば社外記で紹介しようと思います。

そしてサフェーサーを塗布して完了です。こちらもウェットコートで6コート塗りました。尚、脱落防止リングと本体との隙間も#320のペーパーで足付け処理しています。

 今回同時に作業しているBMW MINIのリヤエンブレム(枠部)ですが、こちらはABS樹脂の表面に装飾クロムメッキが施されていますので、他の物とは少々勝手が違います。

画像は裏側に貼ってあったクッションシートを剥がしているところで、新品状態だと簡単に剥がれるのですが、今回は経年で両面テープが剥がれ難かったのでドライヤーで温めて切れずに剥がすようにしています。

先ほどのガスプライマーでは、これを使えばメッキ素地にも塗装が可能!といった謳い文句があったりもしますが、私はこれには使っていません。

確かに「面」ではある程度の密着性が得られるのですが、クロスカット法(碁盤目テスト)をしてガムテープを貼って剥がした作業ではあまり良好な結果が得られなく、密着剤と同様これに頼る事はしていません。

ただし補助的な物として考えると、今回のフューエルキャップのようなオレフィン系の樹脂には有効で、特にプレスラインの谷の部分などペーパーの目が一方向になり易い個所への素地調整としては非常に役立つと思います。

それではこちらも作業進行次第また紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Mベンツスプリンター オーディオパネル サフェ入れ

 こちらもお待たせしました!メルセデスベンツスプリンターのオーディオパネルも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

素地の状態では表面がザラザラとした梨地になっている為、#120→#180のダブルアクションサンダーで平面を研磨し、エアーツールが使えない部分は#180→#240の手研ぎで研磨、フチは#320で足付け処理します。

形状がカーブしているのでそのまま台に置くとフチが塗れない為、少し浮いた状態にして台に固定します。よく脱脂清掃し、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

続けてサフェーサーをウェットコートで6コート塗布します。一度に塗ると塗膜中に溶剤が籠って思わぬトラブル(微細なピンホールやブリスター)を起こす為、コート毎には十分はフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設け、一時間以上の時間を掛けて塗っています(と言っても傍らでじっと待っている訳では無く他の作業をやりながらなので特段これに時間を掛けていると言う感覚ではありません)。

この後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを硬化させ、全体を研磨してラインを整えたら次は本塗り工程となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR PCケース 裏吹き

先日表面にサフェーサーを塗っておいたCORSAIR PCケースの両サイドパネルです。

朝一で熱を入れてサフェーサーを完全硬化させ、全体を軽く研磨して付着したサフェーサーを取り除きます。

 よく脱脂をし、まずはプライマーを塗布します。

 ちなみに今回はさらにサフェーサーも塗布しました。ただサフェと言ってもいつものシステムフィラーでは無くノンストッププライマーフィラー、所謂ウェットオンウェット用のサフェーサーです。勿論こちらもSTANDOX製品です。

ノンストップ=ノンサンディングといってもしっかり塗り込むと肌目が出来るので、結局いつも焼き切って研ぎ付ける!と言う事をやっていたのですが、そうするとまるでこのサフェーサーを使うメリットが無く(しかもとても硬い…)、STANDOXを使い始めた初期の頃から殆ど使う事がありませんでした。

なので今回は最初から1コートのみと決めて、肌が出来る(荒れる)前に留めるようにして使います。

 続けてベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

ノンストップフィラーを使った理由としては、今回のパネルの裏側も既存の塗膜のザラザラが強かったので、多少なりともそれが埋まってくれれば、といった希望みたいな感じですかね。

ちなみに何故今回のサフェを久しぶりに使おうかと思ったのかと言うと、ネットで知り合った同じスタンドックスユーザーさんのブログにこれがよく登場していて、だったら私も…と言う事です(笑)。

塗った直後は艶々ですが、既存の塗膜のザラツキがあるので完全硬化後にはもっと艶が引けたような状態になると思います。ただ表面は通常通りサフェーサーで下地を整えますので艶々になりますからご安心下さいませ(そもそも今回塗装しているのは通常は見えない裏側ですので)。

この後再び熱を入れて硬化させ、後日サフェーサーを研いだら本塗りとなります。その前にまだ手付かずの部品が沢山ありますのでまずはそちらからですかね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Wilson Tennis Rackets

 ウィルソンのテニスラケットです。状態は新品で、今回はこちらをマットブラック=艶消し黒でご依頼を承りました。

 オーナー様のご要望としてはロゴデカールや塗り分けなどの段差も無くして欲しいとの事なので、一旦素地を平滑に削って下地からやり直す事とします。

 パッと見は平滑に見えても、ロゴデカールが貼ってあったり塗り分けが施されている場合、そのまま色を塗ってしまうとそれらの段差が際立って目立ってしまいます。

 クリアーの下に貼られているロゴデカールや密着状態の悪いと思われる箇所は削り落とします。

 マスキングをし、サフェーサーを塗る準備が出来ました。

ラケットの周りにはガットを固定するグロメットが入る穴があり、そこにはサフェーサーを入れないよう溝のプレスラインに沿って内側をマスキングしておきます。

溝の無い部分には綿棒の先端をカットした物を詰めておきます。

 サフェーサーを4コート塗った時点でマスキングを剥がし、続けて2コートを塗り込みます。

ラケット全体にサフェーサーが塗布されました。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 サフェーサー硬化後、全体に軽く黒をスプレーしたら研磨紙を使って平滑に砥ぎ付けます。

サフェーサーで全体のラインが整えられましたので、いよいよ本塗り開始です。

 ベースコートの黒を塗り、艶消しクリアーを塗ったら本塗り完了です。

塗った直後は艶がありますが、時間が経つにつれて徐々に艶が消えていきます。

この後再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

塗料は2液性のアクリルポリウレタン樹脂で、強度の目安としては自動車の樹脂バンパーに塗られた塗膜と 同じ物と考えて頂ければと思います。

熱を掛けて強制乾燥させた後、数日寝かしたら完成となります。

 今回の塗装費用ではこちらのラケットが新品で何個か買えてしまような金額になってしまっておりますが、オーナー様的には今回のモデルでどうしても艶消し黒の物が欲しかった模様です。

その後オーナー様からは「プロフィット日記の方は見させていただいておりました。期待以上の出来でとても感動しております」「あまりに理想的な出来すぎて使うのが勿体無いくらいでした」とのお言葉も頂戴しました。有り難い限りです。