メルセデススプリンター オーディオパネル塗装 完成

 大変お待たせしました!メルセデスベンツスプリンターの内装オーディオパネルの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は未塗装の梨地仕上げで、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地を平滑に仕上げています。

 トップコートは3コートホワイトパールで、事前にお貸出した色からトヨタの「クリームパールマイカ」(カラーコード:594)を選んで頂きました。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへ変更し、磨き作業は殆ど行っていませんが比較的艶のある仕上がりに出来ていると思います。

 最近のホワイトパールは純白に近い傾向にありますが(パール顔料が昔に比べて進化しました)、今回選んで頂いた色は比較的黄色味のあるホワイトパールになります。色名が「クリーム」と言うくらいですしね。

こちらも最初の画像で、表面がザラザラとしているのが判ると思います。

 あのまま塗っても艶のある仕上がりには成らず、ザラザラとした素地はそのまま凸凹とした肌になって良く無い仕上がりになりますのでお勧め出来ません。どうしてもと言う場合は、先日施工例として紹介したアテンザのエンジンカバーのように艶消し仕様が宜しいかと存じます。

画像だと判り難いのですが、実物はかなりパール感が出ていますのでご安心下さいませ。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度も当店をご利用頂き誠に有難う御座いました!

ベンツスプリンター オーディオパネル 本塗り

 先日素地を研磨してサフェーサーを塗っておいたメルセデスベンツスプリンターの内装オーディオパネルです。

その後熱を掛けて塗膜を硬化させ、全体に軽く黒をドライコートし(ガイドコート)、まずは#320→#400の空研ぎでラインを出し、その後#600→#800で水研ぎ、最期に#1000~#1200もしくは当たりの柔らかい(研磨粒子が均一化された)足付け処理用の副資材(今回はアシレックスレモン水研ぎ)でペーパー目を均します。

この辺の作業は特にマニュアルがあるという訳では無く、結構個人の自由です。私も昔は#320の水研ぎから始めていましたが、その後空研ぎペーパーが進化したので(絡み難くなったのです)今の形になりました。エアーツールも極力多用するようにしています。

 樹脂部品の素地がザラザラとしている理由として成型時の歪を目立たせる効果があり、それを塗装して艶が出ると非常に粗が目立つ為、サフェーサーは単にザラザラを無くすだけでは無く「ラインの修正」と言う役割を担います。2液のプライマーサフェーサー厚塗りが可能な為(ただしトラブルを起こす製品も多々あります)、プライマー的な要素と言うよりは「防水を兼ねたパテ」といった感覚で使います。

 サフェ研ぎが完了したら爪部分のマスキングを貼り換え、台にセットして本塗り準備完了です。

 今回ご指定頂いている塗色はトヨタの「クリームパールマイカ」(カラーコード:594)で、その名の通りかなりクリーミー(黄色味)の強いホワイトパールです。

上の画像ではベースカラー(ソリッド)を塗り終えた状態で、この後パールカラー(ほぼ透明)を塗って最後にクリアーを塗ります。

 塗膜の構成としては、

・隠蔽の高い下色としての白を1コート(普段余った塗料を適当に混ぜて作ってます)

・ベースカラーの白を3コート(硬化剤を数パーセント入れています)。

・パールカラーを2コート(パール含有量を増やしているので実際は3コート分あります。硬化剤は入れていません)

・クリアーを2コート(クリスタルクリアーです)

といった感じとなります。

 STANDOXを含む外資系塗料の多くは昔からベースコートに硬化剤を入れない塗装システムになっていますが(逆に国産は硬化剤を入れるシステムで来ています)、今回のようにベースコートが厚膜になる3コート塗装の場合には補助的にベースコートにも硬化剤を(任意で)入れたりもします。

ちなみにベースコートに硬化剤を入れないからといってこれがラッカーのような溶剤揮発型の「1液タイプ」と言う訳では無く、クリアー塗料中に含まれた硬化剤が下地に浸透する事で反応する2液硬化型のタイプです。使い勝手はラッカーのようですが、単なる溶剤揮発型では無く2液反応硬化型のウレタン塗料=2K塗料(2Komponente)です。英語の「component」では無くKomponenteなのは、恐らく発祥が欧州圏だたのでだったのでは、と思っています(これに関しては私的見解です)。

その他エポキシやポリエステル、メラミンなど、塗装では色々な反応型の樹脂を取り扱う事が多いのですが、それぞれの特徴などを知っておくと何かしらトラブルが生じた時に問題の解決がし易くなります。

その他「乾燥」と「硬化」は全く違う事ですし(さらに言うと重合も)、先日社外記で質問があったような「染める」と言う事と塗装(コーティング)では全く違う事になるので言葉の使い方はちょっと難しいかも知れません。2液ウレタンでも現場では「焼く」とか言いますが、普通の方からするとうっかり焼き付け塗装と勘違いしがちですからね。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Mベンツスプリンター オーディオパネル サフェ入れ

 こちらもお待たせしました!メルセデスベンツスプリンターのオーディオパネルも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

素地の状態では表面がザラザラとした梨地になっている為、#120→#180のダブルアクションサンダーで平面を研磨し、エアーツールが使えない部分は#180→#240の手研ぎで研磨、フチは#320で足付け処理します。

形状がカーブしているのでそのまま台に置くとフチが塗れない為、少し浮いた状態にして台に固定します。よく脱脂清掃し、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

続けてサフェーサーをウェットコートで6コート塗布します。一度に塗ると塗膜中に溶剤が籠って思わぬトラブル(微細なピンホールやブリスター)を起こす為、コート毎には十分はフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設け、一時間以上の時間を掛けて塗っています(と言っても傍らでじっと待っている訳では無く他の作業をやりながらなので特段これに時間を掛けていると言う感覚ではありません)。

この後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを硬化させ、全体を研磨してラインを整えたら次は本塗り工程となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メルセデスベンツスプリンター オーディオパネル塗装承ってます

benz1 先日到着しておりましたメルセデスベンツスプリンターのオーディオパネルです。MBスプリンターはキャンピングカーのような大きな車両で、確かSTANDOXのデモ用バンもこれだったと思います。この度も当店をご贔屓頂き有難う御座います!

benz2 状態としてはプラスチック素地の未塗装品で、表面はザラザラとした梨地になっています。

benz3ご依頼内容としては「ピアノのようなホワイトに」との事で、事前に色見本帳を発送してその中からお好みの白を選んで頂きました。色はトヨタの「クリームパールマイカ」(カラーコード:594)で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承っています。

ちなみにこちらのオーナー様は以前Vクラスのフロントグリルと、SPENGLEのカーボンホイール(自転車用)をご依頼頂いています。今回の案件とは全然違いますがそちらも紹介させて頂きますね。

benz11こちらのフロントグリルはメルセデスの純正品なので、元はシルバーの艶消し仕上げだった物をボディ同色の「アークティホワイト」の艶あり仕上げに塗装しています。まだ今の工場に引っ越す前でしたね。

spengle1こちらはポルシェの自転車に履く予定で購入されたというSPENGLEのカーボンホイールで、確か「3分艶」の黒で仕上げています。その後施工例のページも作成していますが、今見てみたらかなり内容が割愛されているようで、ヒビ割れの処理が凄く大変だった事を覚えています(半ばトラウマに…笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!