BMW MINI Badges

BMW MINI R60 クロスオーバー純正のボンネットバッジとトランクエンブレムです。

こちらが完成画像で、メッキ素地用の下地処理を行い、ベースカラーをMINI純正の「アブソリュートブラック」(カラーコード:B11)、ロゴ部分とフチの丸いラインを同じくMINI純正色の「チリレッド」(カラーコード:851)で塗装しました。

 トランクエンブレムはMINIの文字とフチが一段高くなったエンボス仕上げなので、

表面を全部削り落としてフラットにしてしまいます。こちらはメッキでは無くアルミに黒とクリアーが塗られています。

 ボンネットバッジは装飾クロムメッキを施された羽根の部分をベースに、アルミのプレートが接着剤で貼り付けられています。またこちらもMINIの文字とフチが一段高くなっています。

 ボンネットバッジに貼られたプレートは強力な接着剤で固定されている為、一旦剥がすとクシャクシャになるので再利用は出来ません。なのでこれと同じ物をABS板で作成します。

 一ミリ厚のABS板を熱し、同じようなアール曲面の物(画像はスプレーガンのキャップ)に当てて変形させます。

 それをボンネットバッジのプレートと同じサイズに切り取り、

 綺麗に整形してピッタリ嵌るようにします。これでエンブレムが飛び出たりしなく、美しい仕上りになります。

(緑色のシールは綺麗な円に形を整えられるようガイドの役目を果たしています。)

 それぞれに適したプライマーを塗り、

 サフェーサーを塗布します。

 後に形を整える事も想定し、ウェットで5~6コート程塗り重ねておきます(念の為ですがサフェーサーは2液ウレタンで、ラッカーサフェーサーを使う事はほぼありません)。

 装飾クロムメッキへの塗装の場合、通常の方法では十分な密着性が得られない為、他の物とは違う方法で下地を作ります。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、サフェーサーを研いでラインを整えます。

 フロントバッジのエンブレムは文字や隙間の位置をしっかりと出し易いように、本塗り前にプレートを接着しておきます。

縁に食み出ないよう周りに両面テープを貼り、中央の穴の開いた部分にエポキシ接着剤を点付けします。

 硬化するまでしっかり固定をしておきます。

 よく脱脂清掃をし、台にセットして本塗り準備完了です。

 まずは隠蔽力の弱い赤=「チリレッド」(カラーコード:851)から塗ります。

 データを作成し、カッティングプロッターでマスキングシートをカットしました。

 サイズが小さい分、少しのズレでも気になってしまうので、水を使って位置を微調整しながら貼り付けます。

 位置が決まったらドライヤーを使って十分に水気を飛ばします。

 その上に「アブソリュートブラック」(カラーコード:B11)を塗布し、マスキングを剥がします。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 デザインは世界に一つのオリジナルですが、人の手で塗られているとは思えないといった機械的な仕上りが理想です。

 見た目だけでは無く、耐久性も重要と考えています。メッキの上に密着剤を使って塗装するような事はしていません。

 その後60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

BMW MINI R60 クロスオーバーのリヤゲートはこのエンブレムがオープナー(取っ手)になっていて稼働するようになっています。

その後オーナー様より装着後の画像も頂きまして、こちらのページで御確認を頂けますので宜しければご参照下さいませ。

BMW MINIエンブレム塗装 完成

他には黒と白(MINI純正ライトホワイトソリッド)で塗装した物もあります。

BMW MINI Emblem

BMW MINI R60クロスオーバー用のフロント&リヤエンブレムです。

土台部には装飾クロムメッキが施されている為、密着剤等は使用せず、メッキ素地用の下地処理を行った上で塗装を行います。

 リヤの大きなエンブレムはオープナー(取っ手)を兼用していて、文字とフチが若干出っ張ったような形状となっています。

 フロントエンブレムはプラスチックメッキの台座にプレートが貼り付けられた状態です。

 ロゴは新たにデータを作製します。

 そのデータを基にマスキングシートを作製します。

 フロントエンブレムのプレートは非常に接着が強力で、外した場合は画像のようにクシャクシャになってしまい再利用は出来ません。

 外したプレートは新たにABS樹脂製の板を使って作製します。

 純正と同じ様に曲面ラインを整形し、

 カットして周りを削り、形を合わせます。

 リヤのエンブレムは出っ張りを無くす為、表面をダブルアクションサンダーで研摩します。

 表面を平らに削りました。尚、リヤエンブレムはプラスチックの台座にアルミが被さった構造となっています。

 手前が新たに作成したフロントエンブレム用のABSプレートです。

 アルミと樹脂、それぞれ専用のプライマーを塗布し、さらに2液ウレタンサフェーサーを塗布します。

メッキ製の部品はそれ用の下地処理を行い、最終的に同じく2液ウレタンサフェーサーを塗布します。アルミとプラスチックとメッキ素地、それぞれ違った作業内容・使用材料となっています。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

サフェーサーにガイドコートを塗り、表面を研ぎ出します。

 フロントエンブレムは先にプレートを固定してしまいます。

固定方法は両面テープとエポキシ接着剤を併用し、剥がれ難く剥がし易いようにしておきます。

接着剤が固まるまでしっかり固定しておきます。

 接着が完了しました。

 台に固定し、本塗り開始です。

 まずはベースカラーとなる黒を塗り、自然乾燥でテープフリーな状態になったら所定の位置にマスキングシートを貼りつけます。

 ロゴの部分に白を塗ります。

白は単なる白では無く、BMW MINI純正色の「LIGHT WHITE」(カラーコード:YB15)となります。

 これでベースコートの完了です。)

 続けてクリアーを塗って本塗り完了です。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

 その他、ベースカラーを「アブソリュートブラック」(カラーコード:B11)、ロゴ部分とフチの丸いラインを「チリレッド」(カラーコード:851)といった仕様でもご依頼を頂きました。どれもオーダーメイドでの塗装となりますので、お好みでどうぞ。

BMW MINIメッキエンブレム枠塗装 完成

 先日本塗りを終えていたBMW MINIのリヤゲートオープナー周りの枠部分のパーツです。塗装前に剥がしておいたクッションシートの両面テープを貼り直して元に戻しておきました。

 大変お待たせしました!装飾クロムメッキが施されていたエンブレム枠は艶あり黒の塗装で完成となります。

最初の状態も紹介致しますね。

素材はABS樹脂で、その上に装飾クロムメッキが施されたような製品となっています(その間に銅メッキもあると思います)。

 装飾クロムメッキは耐久性が良く輝きも美しいのですが、反面塗装をするには結構厄介です。素材自体が金属(鉄)であればサンドブラストを掛けてしまえるのですが、プラスチックに施されたメッキは厳密には密着していない為、これにブラスト処理を行うとメッキ層がささくれのように剥がれ始めてしまいます。こうなると余計に面倒な事になってしまいます。

 私的な見解としては、プラスチック製品のメッキは「くっ付いている」と言うよりかは「包まれている」と言う感じで、製品としては完成していますが、扱いによっては酷く脆い状態に感じる事もあります。これはアルミ素材へのメッキも同様で、車のホイールなどで表面のメッキは丈夫でも下地のアルミが腐食してブリスターを発生する(そしてメッキが割れて剥がれる)と言う光景を良く見かけました。ROVER MINIの社外品リヤライセンスランプカバーなども酷いですよね。まあこれも塗装と同様下地処理が悪いだけだと思うのですが。

 と言う訳で今回は装飾クロムメッキを残したまま塗装を施すような下地処理を行っていますが、他には薬品でメッキを剥がしてしまう!と言う方法もあります。普通の方はその後の処理に困るのでお勧めは出来ませんが、塗装をする上ではその方が簡単だと思います。メッキが無くなって単なるABS樹脂になってしまえば、塗装としては相性の良いプラスチックなので経年で剥がれると言う心配は無くなりますからね。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BMW MINIリヤエンブレムメッキ枠 本塗り

 先日メッキ素地用の下地処理を行いサフェーサーを塗布しておいたBMW MINIのリヤゲートオープナーの枠の部分です。

画像では既に全体を#600→#800で水研ぎし、ラインを出したところです(ガイドコートも事前に塗布していますが撮影し忘れていたようです。失礼致しました)。

 平面部分はスポンジパッドを使って水研ぎをし、溝の部分は上の画像に写る小さなアクリル片を使っています。レーザー加工した際の廃材ですが、厚みが3ミリで切削性が良いので断面を#180のペーパーで平滑にならすと細かい個所の研ぎに重宝しています。

 最後はペーパーでは無く足付け処理用の布製研磨副資材(アシレックスレモン)を使ってペーパー目を均してあります。

良く脱脂清掃をしたらブースを回してエアーブローをし、さらに静電気除去ガンも併用して埃を飛ばしたら本塗り開始です。

ベースコートの黒はいつも通りの黒の原色で(MIX571)、その後クリアーを塗る2コートソリッド仕上げです。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となっています。

この後一日常温で自然乾燥させ、その後60℃40分程の熱を掛けて完全硬化~数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

今回一緒にCORSAIRのPCケースも一緒に塗っていますのでそちらも後程紹介致しますね。

マツダフューエルキャップ&MINIメッキエンブレム サフェ入れ

 先日お預かりしておりましたマツダ純正ガソリン用ハイオク仕様のフューエルキャップです。

脱落防止用リングから下側をマスキングし、#120→#180→#240の手研ぎで全体を研磨します。

 見た目は先ほど紹介したMBスプリンターのオーディオパネルと同じですが、あちらはABS樹脂で、こちらは恐らくPA(ポリアミド)樹脂となります。記載が無いので判らないのですが、最初のペーパーの入り方がPP(ポリプロピレン)と感じが違うので、恐らくはナイロン(=ポリアミド)では、と言う見解です。

 PAやPPなどのオレフィン系樹脂は塗料や接着剤などとの相性が悪い為(密着性が激しく劣る為)、プラスチックプライマーの塗布とは別に火炎処理も行うようにしています。

ちなみにこの火炎処理に使うガスプライマーですが、最初の段階で密着試験は行っていて各素材での性能も確認済みです。私的に行った試験結果と見解となりますが、これだけに頼るのは到底無理と感じています。一応試験した材料も残っていますので機会があれば社外記で紹介しようと思います。

そしてサフェーサーを塗布して完了です。こちらもウェットコートで6コート塗りました。尚、脱落防止リングと本体との隙間も#320のペーパーで足付け処理しています。

 今回同時に作業しているBMW MINIのリヤエンブレム(枠部)ですが、こちらはABS樹脂の表面に装飾クロムメッキが施されていますので、他の物とは少々勝手が違います。

画像は裏側に貼ってあったクッションシートを剥がしているところで、新品状態だと簡単に剥がれるのですが、今回は経年で両面テープが剥がれ難かったのでドライヤーで温めて切れずに剥がすようにしています。

先ほどのガスプライマーでは、これを使えばメッキ素地にも塗装が可能!といった謳い文句があったりもしますが、私はこれには使っていません。

確かに「面」ではある程度の密着性が得られるのですが、クロスカット法(碁盤目テスト)をしてガムテープを貼って剥がした作業ではあまり良好な結果が得られなく、密着剤と同様これに頼る事はしていません。

ただし補助的な物として考えると、今回のフューエルキャップのようなオレフィン系の樹脂には有効で、特にプレスラインの谷の部分などペーパーの目が一方向になり易い個所への素地調整としては非常に役立つと思います。

それではこちらも作業進行次第また紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!