アルファロメオヘッドカバー 凸文字接着

少し前に型に流し込んで作った金属製の「AlfaRomeo」の文字を、先日サフェ研ぎが終わったアルファロメオGT 2.0 JTS のヘッドカバーに接着します。位置についてはお任せ頂いておりますが、オーナー様から頂いたイラストも参考にしています。

ある程度の位置が決まったら鋳造に使ったMDF製の型を使い、鉛筆で内側に印を付けておきます。

 鋳造した文字の接着には、構造用接着剤の3M DP-460 オフホワイトを使用します。主に強度が必要な金属同士の接着に使うエポキシ系の接着剤で、可使時間が長いので今回のような使用に適しています。構造用接着剤では同様に3Mのオートミックス パネルボンド(8115)がありますが、あちらは補強材として珪砂のような物が入っている為に粘度が高く、今回のような作業には適していません。

樹脂中に入れる補強材については、以下の記事も参考になるかも知れませんので宜しければご参照下さい。強度のアップとは違いますが、リゴラック等のポリエステル樹脂にタルクやタンカルを入れると粘度が高くなって樹脂パテ(ポリパテ)に出来たりもします。

https://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/11/10/gmc%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%A8%E3%83%9D%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%B3%E6%B3%A8%E5%9E%8B/

 プラスチック棒の先端に植毛された筆指し用のツールを使い、接着面に満遍なくオフホワイトを塗ります。

 鉛筆で付けた印に合わせて凸文字を置き、位置がズレないようマスキングテープで固定していきます。

 同じくRomeoの方も、少しずつテープを仮貼りしながら、

徐々に力を入れてしっかりと押し付けるようにテープを貼っていきます。

この状態で一日常温で寝かし、位置がズレないようになったらマスキングテープを剥がして60℃40分程の熱を掛けて接着剤を完全硬化させます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産レパードVG30インマニ 作業前準備

日産レパードVG30インマニ等 結晶塗装承ってます

先日お預りしておりました日産レパードのVG30エンジン用エンジンパーツ4点です。

 再塗装を行う結晶塗装は「新車当時の色に」とご指定頂いておりますので、回収出来そうな塗膜はある程度集めておく事にします。以前ご依頼頂いたL型ヘッドカバーの青い結晶塗装の時みたいな感じですね。

 幸いなのかどうか判りませんが、新車時の塗装ではプライマーが塗られていないので勝手にペリペリと剥がれて来てくれています。新車時に限らず、下地処理、プライマーの塗装が成されていなければどの塗装もいずれはこうなります。また密着剤をプライマーと呼ぶのはどうなのでしょう。

 回収した塗膜片がこれ以上バラバラにならないよう、透明なテープに貼って挟んでおきます。

 そしてこのインマニではいつも見かけるこちらのシールです。

が!今回はどうやらシールでは無くアルミプレートが貼られていて、そこに直接黒い文字が印刷されています。いつもは自己破壊型のアルミシールなので手が付けられませんでしたが、これなら何とかなるかも知れません。

 ヘラだと曲ってしまいそうなので、今回はタコ糸(綿の水糸)を隙間に通して両面テープを切断していきます。

 と言う訳で綺麗に剥がす事が出来ました。この型のインマニは今までも何度か施工していますが、このタイプは初めてです。

 折角なので外したプレートをスキャナーで読み込んでPCに取り込み、以前同じような感じで作ったフェアレディZのインマニカバーのフォントを重ねてみました。多少縦横比は違いますが、やはりと言うか同じ系のフォントです。

 多少違う物もありますが、これくらいなら少し調整してあげれば使えます。

全てを作るのは流石に時間が掛かり過ぎるのでこの辺で止めておきますが、いずれシールタイプが入ってもこれなら同シールの再現が出来そうです(当然ですがシールの販売などは出来ません)。

これでアルカリ洗浄槽への浸け置きが可能となりましたので、内部の汚れも綺麗に落とせると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

SHURE BETA58Aマイク 本塗り

 先日お預りしておりましたSHUREのBETA58Aマイクです。

予めイメージイラストを作製していましたが、念の為プリントアウトし、実際にマイクに当ててサイズ等を確認しておきます。

 その後デカールにロゴを印刷しておきます。使うのは一個だけですが、予め余分に刷っておき、一番良い物を使うようにしています。

デカールの作成については以下のページで紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

https://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/05/12/143%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%BC%E7%94%A8-%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BD%9C%E6%88%90/

 マイク本体は#500(アシレックススカイ中目)→#800(アシレックスレモン)で空研ぎし、グリルボールはナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使い、ペーパーの当たらない網目の奥までしっかりと足付け処理を行っています。

 マイク本体の色は、前回ご依頼を頂いたゼンハイザーE945と同じくホンダ「プレミアムホワイトパール」(カラーコード:NH-624P)で、まずはカラーベースとなる白を塗装します。

 その上にパールベースを塗布し、十分乾燥させます。

 その後、ご指定の個所にロゴを印刷したデカールを貼り付けます。尚、今回のロゴの色はシルバーの上にマゼンタを重ねたキャンディーピンク(メタリック)となります。

 デカール貼付け後、さらによく乾燥させます。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは前回と同じく高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ちなみに今回もテスト的にBE@BRIC(70%)もマイクと同仕様で作成していて、ただし素材に使ったベアブリックの素材(着色樹脂)が赤だった為、その色が滲み出てホワイトパールがピンクっぽくなっています。てっきり元々塗られている塗装が良く無かったのかと思いきや、ニジミは樹脂から発生している模様です(もしくはどちらからも)。

これを防止する為の下地剤(ニジミ止めシーラー)もあるのですが、艶が引けてしまう等の弊害もある為、この辺は塗る色によって素材を選ぶのが良いかも知れませんね。

IMPULルーフアンテナ 本塗り

 先日IMPULの凹み文字部を削り落とし、パテ&サフェーサーで処理をしておいたルーフアンテナです。研ぎ前のガイドコートとして全体に黒をパラパラと塗っておきました。

 最初は#320の空研ぎでラインを粗出しし、その後同じく#400の空研ぎで均します。

ちなみに空研ぎの方が傷が深く入るイメージがあると思いますが、実際には同じ番手だと水研ぎよりも空研ぎの方が目は浅くなります。

 その後は#600の水研ぎで細かいラインを出し、最後に#800で均します。

また#800だとちょっと傷が深すぎるので、その後は当たりが柔らかい布状の研磨副資材(アシレックスレモン)を使い、さらに均します。

昔は使い古しの#800や#1000~#1500を使っていましたが、新しい研磨粒子の登場でこの辺は大分楽になりました。

 台にセットし、最終脱脂を行ったら本塗り開始です。

 色はホンダ純正の「プレミアムホワイトパール」(カラーコード:NH624P)で、こちらは3コートパールとなるので、まずはカラーベースとなる白(ソリッドカラー)を塗ります。

 その上にパールベースを塗布します。カラーベースで3~4コート、パールベースで2~3コートを塗るので、通常の色よりも膜厚が付き易く、この場合は硬化不良を防止する為にベースコート(この場合はカラーベースのみ)に5~10%程の硬化剤を添加しておきます。通常STANDOXではベースコートに硬化剤を入れる必要はが無く、上に塗ったクリアーの硬化剤分がベースコートに浸透し2液反応を起こしますが、ベースコートの膜厚が付き過ぎると下まで硬化剤が届かず硬化不良を起しやすくなるという訳です。

以前使っていたDUPONTのセンタリ6000(XBバインダー)ではこれが顕著に出易く、ただ当時はその前身のセンタリ600(ABバインダー)から切り替わったばかりでデータが乏しく、何度も痛い目を見ました。なので現在では恐らくXBバインダーの場合はベースコートに必ず硬化剤を入れるようにと指示があると思います(しかしそれでは水性ベースコートと使い勝手が余り変わり無いのではと・・・)。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

元々あったIMPULの凹み文字は、言われても判らない様に仕上がっておりますのでご安心下さいませ。

それではこちらも完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMW K1200GT カウルパネル 本塗り

BMW K1200GT サイドカウル3点 本塗り

先日左右のサイドカウルとトップカウルの3点を塗っていたBMW K1200GTです。

 今回は残りの12点で、サフェ研ぎ&足付け処理は既に先日やっておいたので、保管をしていた屋根裏から降ろし、本塗りが出来るようセッティングを行います。

 今回は小物がメインです。

 一番大きいのがこちらのアッパーカウルなので、数は多くても比較的作業は楽になるようにしています(実際は幾つか気に入らない仕上りだったので後日塗り直す予定ですが・・・)。

 こちらのパーツは恐らく素材ウレタン製で柔らかい為、クリアーには軟化剤を10%程入れておく事にします。

 フェンダー等はフチから裏側に回り込むところまで塗れるようにして台に固定しておきます。

 アッパーカウルはそのままだと裏側が塗り難かった為、台から外して先に裏側を塗っておきました。

 色は先日の本塗りと同様、ホンダ純正「クリスタルターコイズメタリック」(カラーコード:BG-52M)となります。こちらのページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

 非常に綺麗な色なのですが、ムラになり易いメタリック原色(MIX812)が多用された色の為、ベースコートのシンナーは揮発の遅めのをウェットに塗って肌を荒らさないように仕上げます。

ちなみに夏場に使うシンナーはベースコートでも2Kシンナー(トップコート用)のを使っていて、STANDOXのデモマン曰く、同じ設定の物でも(今回の場合だと25-35)BCシンナーより2Kシンナーの方が揮発遅く、カブリが出ないで綺麗に仕上がるとお勧めです。コストは上がりますが在庫が減るので(しかも一斗缶Ver.は変ですし)、私は車体を塗っていた頃からこうしています。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 当初より南の島の海をイメージされていまして、まさにそのような感じの色味になっているかと思います。

 こちらはアッパーカウルの両サイドに付くパーツで、風防と言うか、ナックルガード的な役目になる物かと思います。、裏表共見えるので全体を塗っています。

 こちらは元々シルバーの艶消しに塗られていたパーツです。

 こちらもシルバーの艶消しだった物で、小傷があったのでサフェで下地を整えてから塗っています。

フェンダーはフチから裏に回り込むようにして 色とクリアーを塗っておきました。

塗装時の雰囲気温度は35℃くらいで、クリアーはクリスタルクリアー、ハードナーはMSの25-40、シンナーは敢えて早めの10-20にしてタレを防止しています。

車体の塗装だったらこの組み合わせではシンナーを25-35にする筈ですが、エアー圧を落として至近距離から塗る肌目を作らなないこの塗り方だとナイアガラ必至なのでシンナーだけ早めにしています。「だったらハードナーを15-30にしてシンナーを25-35にすれば」と思うかも知れませんが、この高温多湿の時期だと気泡が出る恐れがあるので、(乾燥速度では無く)反応速度を遅らせて予防しています(スタンドックスユーザーにしか判らない内容ですいません)。

この内何点かは再塗装をするのと、先日塗ったサイドカウルやロアカウルの磨き処理もあるので、完成まではもう少し時間が掛かりそうです。どうぞもう暫くお待ち下さいませ!