RX-7 FD3Sサイドマーカー 本塗り

こちらもお待たせしました!FD3S用の社外品フロント&リヤサイドマーカーです。

良く脱脂清掃し、エアーブローをして埃を飛ばしたら、プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

 画像ではどれも同じようにスモーク(ベースコート)を2コート程塗った状態ですが、右の大きい方に比べ、左の小さい方はスモークが薄く見えます。

これは先ほど紹介したR34スカイラインのウィンカーレンズと同じく、このまま塗っていても最終的に濃さが違ってしまうので、既定の濃度に達する前にこれらを揃えておきます。

 スモークの濃さは「標準濃度」で、以前ご依頼を頂いたバックランプの「標準より少し濃く」より少し薄くするような感じでご指定を承っております。

 参考にしているのはその時のバックランプの完成画像で、これよりも若干薄くなるように調整していきます。

 スモークの濃度が決まったら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

 今回のターンでは全て「クリスタルクリアー」の使用となります。

 内部にメッキの派手な反射板が付いていて、透明カバーにカット模様が入ったタイプのレンズは、透明感のあるスモーク塗装&高品位なクリアーで、まるでガラスのような質感を感じられるかと思います。

 触ると怪我をしそうなバリは、削って均しておきましたので殆ど判らないと思います。

それではこちらも完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。

またこちらのオーナー様からは純正のリヤブレーキキャリパー一式の塗装もご依頼を頂いておりますので、後日そちらも紹介をさせて頂きます。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェボクスターテールランプ 本塗り

ポルシェボクスターテールランプ 本塗り(枠のみ)

先日、まず枠の部分を塗って全体にクリアーを塗っておいたポルシェ968ボクスターのテールランプです。

レンズ系 透過性塗装 下準備

その後熱を掛け、下塗りしたクリアーを研いで素地調整を行っていました。

 良く脱脂処理し、いよいよ本塗りの準備となります。

クリアーレンズ部の一部を透過性の赤=レッドキャンディーにする為、マスキングを行います。

塗り分けのラインは内部反射板の形状に沿って行う為、足付け処理をしたレンズ面に少量の中性洗剤を混ぜた水を塗り、内部を見やすくしてそれにそってマスキングテープを貼っていきます。

 まずは通常の和紙タイプのマスキングテープで大まかなライン(カクカクした部分)を描き、水を拭いたらそれに沿って3ミリ幅のラインテープを自然なラインになるよう貼っていきます。

 またクリアーレンズと赤レンズの境界線は、レンズ内部の粗が見えて綺麗では無いので、赤いレンズの範囲を2~3ミリくらい上にするよう承っています。簡単そうですが、この後の紹介でかなりの手間が掛かっているのが判るかと思います。

 先ほどまでの作業は前日までに行っておき、ここからが本塗り当日となります。

再び脱脂処理をし、エアーブロー&タッククロスでホコリを飛ばします。

 最初に塗る個所以外の部分をマスキングします。テープの「糊ハジキ」が起きるのが嫌なので被塗面には極力マスキングテープを貼らないよう養生紙を多用しています。

 まずは透過性の赤=レッドキャンディーを塗布します。下地は既にクリアーで覆われているのでプラスチックプライマーを塗る必要はありません。

 マスキングを剥がすと、既存の赤に比べて上の赤の方が黒いのが判ると思います。

最初の下塗り(枠部塗り)でもそうでしたが、今回のポルシェ純正テールランプはクリアーレンズ部に若干のスモークが掛かっている為、その上に透明な赤を塗るとこのようになるのです。

判っていた事ですので問題は無く、ここから上下それぞれの色味が合うよう調整していきます。

最初に塗った上部分をマスキングし、下側にスモークを塗っていきます。

 上側の色味と合わさなけれならない為、1コート毎にマスキングを剥がしてスモークの濃さを調整していきます。画像だと2コート塗った状態で、まだまだ足りないのが判るかと思います。

上下の色味が揃ったらマスキングを剥がします。上は「スモーク&レッド」で、下は「レッド&スモーク」といったところでしょうか。

 が、しかし、マスキングを剥がしてみると、塗り分けた曲線部分が余り美しくない(違和感がある)のが判り、修正する事にしました。内部の反射板にピッタリ合わせたのが逆に良く無かった模様です。

 一緒に塗るとコート数が多い方の赤が濃くなる恐れがあるので、最初に塗るのは塗り足りなかった個所のみを3コート、その後色味を合わせる為に赤を暈して塗ります。

 今度は自然な感じでカーブが繋がりました。

本塗り当日は出来るだけ時間に余裕を持って作業しているので、多少想定外の事が起きてもフォローが出来るようになっていますし、また他に待っている方も居ませんから、そういった点で工場設備を一人で好きに使えるのは良い環境だと思っています。

これでようやく塗り分けが完了です。

テールランプ全体がクリアーのレンズならここまで手間が掛からないのですが、元々赤いレンズ部があるテールランプのデザインを変えようとするのは非常に大変です。

そして最後にレンズ全体に薄くスモークを塗ります。

既に赤いレンズ部分にも薄くスモークは塗っていますから、最後に塗るスモークは残ったクリアーレンズ部を若干黒くする程度で、全体には控えめにしています。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 それぞれの個所で赤を塗り分けた甲斐もあって、色の違和感は感じられない仕上りになっているかと思います。

縁を一段濃い赤とし、クリアーレンズ部も若干スモークを増やす事で全体のコントラストが増し、引き締まったように見えると思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。磨き処理を行い、さらに数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

R34スカイラインテールランプ等一式 本塗り

 先日より準備を始めていたR34スカイラインの日産純正(内部LED改)のテールランプ一式です。大変長らくお待たせいたしました!

 それぞれの部品は手で持って塗れるよう、着脱式にして台にセットしてあります。

車を塗っていた頃にはこういった小物は「車体のついで」のような位置づけだった為、(作業時間や専有面積の関係上)大抵は台に置いたまま塗るようなスタイルでしたが、手で持ちながら塗ると照明の写り込み良く見えて明らかに綺麗に塗れるので、小物をメインとした今では持って塗るのが基本となりました。

 最終脱脂をしてエアーブロー何週かしたら、プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

スモークの濃さは「極薄目と薄目の中間」で、先日完成してお納めした「デリカのテールランプ」を参考に微調整をしていきます。

 スモーク塗装には大きく別けて2通りの塗装方法があり、トップコートのクリアーに直接スモークを入れる1コートソリッド的な塗り方と、当店で行っている「ベースコート」と「クリアー」を分ける2コートソリッド的な塗り方があります。

前者は主にコストが非常に優れていて、テールランプ一式が(私なら)1時間で終らせる事が出来ます。

が、この方法だとスモーク濃度の微調整が出来ない為(私には出来ません)、当店の場合は濃度の調整と美観をそれぞれ分けて行う2コート塗装にしています。

上の画像はどちらもオレンジ色のウィンカーで、スモークを1コート塗った状態ですが、それぞれ濃さが違うのが判ると思います。このまま同じように塗り進めるとそのまま濃さが違った仕上りになってしまう為、

 塗り加減を変えながら濃度が合うように調整していきます。

ちなみに濃度はスプレーガンのテクニック(!)では無く、塗料中の含有量を変える事と、コート数の回数で調整します。薄くしたいからといってドライコートにしたりする事はありません(ムラ・ダマ・艶引けの原因です)。

 スモーク塗装に限る事では無いのですが、作業をしていると自分の感覚が麻痺してくる事があるので、そういった場合は新しいマスキングテープを貼ったりして、今どれくらいスモークが黒くなっているのかなどを確認します。

これと同じく、自分が見ている色(色相)は、はたして他の人が見ている色と一緒なのかは絶対に判らない事ですので、色を見る時はそれ単体ではなく、他の色と合わせ見る「比色」が大切です。

 参考に使う画像も「絶対にそれに合わせる」と言う訳では無く、全体的に色(濃度)を決める一つの基準として考えるような感じで行っています。今見ているモニターがiPadと同じな訳が無いですからね。

 濃度が決まったら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせ致しました!

 テールランプの置き方の向きを交互にしてしまったので判り難いのですが、先ほどの画像で手前にあった方が右側(運転席側)で、こちらの上の画像が左側(助手席側)となります。

 こちらは左側(助手席側)で、

 こちらは運転席側ですね。突起の側面をしっかり塗りつつ隣に飛んだミストが馴染むよう往復したりして結構大変でした。

 少々おめでたい感じだったフロントウィンカーですが、コントラストが効いて落ち着いた雰囲気のオレンジになったと思います。

 高品位なアクリルポリウレタンのクリアー(クリスタルクリアー)で、ガラスのような質感を感じられるかと思います。

バックランプは反射板が強いので正面から見ると明るく見えますが、

装着されるのは目線より下になりますので、暗すぎず、しっとりと落ち着いた色味に見えるかと思います。

ハイマウントランプは周りの溝にピッタリゴムが嵌っていたので、キツクならないよう正面以外は薄目に塗るようにしました。

この後一晩は常温(と言っても現在は30℃以上ですが・・・)で自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、磨き処理を行った後にさらに数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!