トイガントリガー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトイガントリガーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は金属無垢の状態で、既にサンドブラストと巣穴埋めが施されているとの事なので、当店では下地処理等は何もしないようにしました。

また素材が不明で、通常のプライマーでは密着しない恐れがあった為、今回は下塗りにエポキシ系のプライマーを使用しました。

ただし製品の特性上膜厚が着くのを避けなければならない為、プライマーは希釈して口径の小さいエアーブラシを使って塗りました。

黒についてもクリアーは塗らず、ベースコートに直接ハードナーを添加した仕様となります。

マスキングテープが貼ってある箇所は塗らなくてOKとの事ですので、ここをクリップで固定しました。

ちなみに少し前に「ビリヤードの球を塗装出来ないか」といったお問合せがあり、この場合掴む所は無く、また穴を開けたりは出来ませんが、2回に別けて塗る事で継目の無い塗装は可能です。ただしこの場合2個分どころか3個分以上の金額が掛かってしまうので、球1セットでビリヤード台が買えてしまう金額となり、そうなると余り現実的では無いですから御依頼には至りませんでした。被塗物だけを宙に浮かせて固定出来れば一回で塗れるんですけどね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

トイガントリガー 本塗り

先日お預かりしておりましたトイガンのトリガーです。今回は既に素地調整(サンドブラスト)が行われ、「脱脂作業も既に行っていますので、足付け、脱脂不要」と承っていますので、素手で触らず、また空気に触れないようにして保管しておきました。

固定部分(塗らなくて良い箇所)にはマスキングテープを貼っておいて頂いたので、そこをワニクリップで掴んで固定しています。

エアーブローをして埃を飛ばします。

尚、裏側の奥の方はスプレー塗装ではプライマーがしっかり入らない可能性があるので、

事前に奥の部分だけ筆で塗っておきました。今回のプライマーはエポキシ系(ビスフェノールA型)を使用しています。

エポキシ系プライマーは耐蝕性・密着性に優れ、比較的しっかりとした膜厚が確保(充填)出来る塗料ですが、今回の御依頼では「出来るだけ薄膜で」とのご要望がある為むしろそれがデメリットとなってしまいますから、希釈率を上げ、口径の小さいガン=エアーブラシの0.5mmを使う事にしました。

ちなみに今回のような塗装の場合、少し詳しい方なら「わざわざこんな工程を踏むならセラコートを使えば良いのでは?」 と思うかも知れませんが、今回のオーナー様はその辺りも良く知っていて、その上でそうでは無く当店への御依頼となっています。実はかなりの場数を踏んでいる、その業界に詳しい方でした。

薄膜にしつつ塗り残しが無いよう、3コート程に別けて塗っています。

スプレーガンでの塗装だとどうしてもエアーの行き止まりには塗料が塗着し難く、無理にそれをしようとすると他の部分=今回の場合だとフチに塗料が多く付着して膜厚が大きくなってしまうので、それを防ぐ為に先に奥の部分を筆塗りをしています。

この後20分程自然乾燥させたら、

黒のベースコートを塗布します。今回は(今回も)膜厚を着けないようにする為、クリアーを塗らない【激安コース】仕様で、ベースコートに直接ハードナーを添加しています。ウェットで3コート程塗りました。

その後時間の経過と共に艶が消えます。

最初に塗ったプライマーは熱を入れておらず、またベースコートの黒にもハードナーが入っているので、ぱっと見はサラサラしていますが、実際には爪を立てるとグニュグニュっとなるような感じです。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トイガン トリガー塗装承ってます

先日到着しておりましたトイガンのトリガー(引き金)です。こちらのオーナー様はこれまでに何度もモデルガン(トイガン)部品塗装の御依頼を頂いている方で、この度もご贔屓頂き有難う御座います!

素材は鋳造のアルミダイキャスト製との事で、現状既にサンドブラストが施された状態となります。

尚、以前御依頼頂いたパーツの一つで塗装が剥がれるといった事があった為、今回は念のためエポキシプライマーの使用(ただし薄膜に)、上塗りに関してはクリアーを塗らない艶消し黒=【激安コース】の仕様で承っております。

以前御依頼頂いた時の画像も紹介します。

剥がれてしまったのはこの時のパーツで、ただ他の物は大丈夫との事なので、もしかしたら素材に何かしら問題があったのかも知れません(実はマグネシウム合金だったり等)。

こちらは亜鉛ダイキャストとの事で、同じパーツで二回程御依頼頂きました。

仕上りの見た目についてはこれらと同様で、プライマーのみ強いタイプに変更となります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度の御依頼誠にありがとうございます!

エアガンシリンダー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたエアーガン用のリボルバーシリンダーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は黒かった物で、これを隣にあるモデルガン用(弾が出ないタイプ)の色を参考にと塗装をご依頼頂きました。

元々塗ってあったモデルガン用が右で、今回塗装した物が左となります。今回は1時間程の軽めの調色作業も承りました。

 色は細かい目のメタリックを二種に、黒とオーカーとメタリックアディティブ(フリップコントローラー)を使っています。

 クリアーは塗らず、ベースコートに直接ハードナーを入れた仕様となります。

ベースコートのみだともう少し艶のある半艶くらいの質感になるのですが、今回使っているメタリックアディティブの副作用を使って艶の調整も行っています(メタリックアディティブの本来の使い方はメタリック粒子を粗く見せ透かしを白くして表面を黒くさせます)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

エアガンシリンダー調色~本塗り

 先日お預かりしておりましたリボルバーのエアガンシリンダーです。

足付け処理の為に#800~#1300の布状研磨副資材(アシレックスレモン~オレンジ)で研磨してみた所、既存の黒は素材色では無く塗装が施されている事が判りました。素材はグレーっぽい色で、ABS樹脂に金属が練り込まれた物との事です。

ペーパー(布)が入り込まない箇所もあるのでナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨洗浄剤)を併用します。

水で洗い流してみると被塗面が親水性になっているのが判ると思います。塗料の密着性はすこぶる良い状態となります。

 そして調色作業です。

使った原色は一番細かいシルバーメタリック(MIX595)とそれより一段階粗くなったシルバー(MIX594)、黒、オーカー、そしてフリップコントローラー=メタリックアディティブ(MIX008)です。メタリックアディティブは透かしを白くして表面を黒くし、メタリックの粒子感を粗く見せる効果があります。またその副作用として艶が消える効果もあって、トップコートクリアーを塗らない今回の仕様ではそれを利用します。

こちらは色板(塗料を吸い込まない厚紙)に塗料を塗った物で、色自体は同じなのですが、左は原色のみ、右はそれにメタリックアディティブを足したものです。艶具合が変わると見た目が大きく変わるのが判ると思います。

 それらを調整しながら見本のシリンダー(こちらはモデルガン用)の色に合わせていきます。

本塗り時にはこれに硬化剤も入れる為、それによって若干艶が出ますから、最終的には本塗りを行いながら調色もする!と言う、中々のアクロバティックな作業となっています。

プラスチックプライマーを塗り、作った色を塗布します。

塗る時はしっかりウェットに塗り込み、自然に艶が消えていくのを待ちます。

 右が見本としてお預かりしたモデルガン用のシリンダーで、左が今回塗装しているエアーガン用のシリンダーです。

調色はどんなに時間を掛けても同じ色にはならず、掛ける時間によって費用をご案内させて頂く方法となっております。今回はある程度軽めと言う事で1時間分の、より難しい色(ホワイトパールやキャンディーカラー等)の場合は3時間以上のコストが必要になったりします。

ちなみに車(4輪自動車)の場合は配合データが存在している事、また近年では既存の塗膜から色を作れる「測色機」なる物があるので、コストを落とされたい場合はそういった設備を持っているショップさんにお願いするのも一つの手段だと思います。

この後はいつも通り60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!