RB26→RB27タイミングベルトカバー等エンジンパーツ 本塗り

先日旧塗膜の剥離を行っておいた日産BNR34純正の中古品プラグカバーです。

腐食が出ていたのでサンドブラスト処理を行いました。

その後他の新品パーツも含め、リン酸を使って化成処理を行います。

タペットカバーは新品なのでホースパイプ取り付け部は塗らずにそのままにしようかと思っていましたが、どの道ここは経年でメッキが剥がれて腐食してしまうので、一緒にリン酸処理を行い、こちらも塗っておく事にしました。

その後しっかり乾燥させ、本塗りのタイミングまで保管しておきました。

まずはプライマーを塗布します。

プライマーはホースパイプ取り付け部も一緒に塗っています。

続けて、元々のメッキに近い色合いでベースコートを塗布します。ただこちらはこの後テープを貼った状態で(マスキング)熱を掛けるとその糊の跡が付いてしまうので、後でまた塗り直す事となります。

結晶塗装の色は以前施工したマツダ「ブルーブラック」(カラーコード:HQ)を参考に、結晶塗装の黒に青を混ぜて色を作成しています。

単体で見るとただの黒にしか見えませんが、光に当たると若干青味を感じられます。

タイミングベルトカバーについては、先日サフェーサー代わりにグレーの1コートソリッドを塗っておき、その後60℃40分程の熱を掛けて硬化させておきました。

7以外の文字がザラザラしているのは研磨したPP樹脂素地が毛羽立っているからで、特に問題はありませんのでご安心くださいませ(むしろこれが根っこのようになっていて密着性が向上している筈です)。

水研ぎ研磨してラインを整え、

念のため全体をウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで洗浄&足付け処理しておきます。

元の赤メタリック部分の上にもサフェ代わりにクリアーが塗ってあります。

車体に装着された際に文字が正面を向くよう、タイミングベルトカバーの面に対して角度が付いているのが判ると思います。一番左の「R」が高く、一番右の「7」は低くなっています。

そして本塗り完了です。お待たせしました!

あっという間に本塗り完了といった感じに見えますが、実際には事前のテスト塗装(私物)を行い、またブース内のセッティング=結晶塗装用の塗料(リンター)は熱硬化型の為その辺に飛ぶといつまでもベタベタしてしまうので、排気口の左右にビニールの壁を作ったりと準備が結構忙しいです。今日は10時には本塗りスタートして、塗り終わったのが16時でした(なので昼食が17時となりました・・・)。

結晶塗装目は塗膜の厚みや熱をいれるタイミングによって変わるので、全体の膜厚を均一に塗る事が最も重要事項となります。

ただヘッドカバー等のパーツは平面では無いので、何も考えずに塗ると膜厚が着く箇所とつかない箇所が生じ、それに応じて結晶目も変わってしまう為、スプレーガンは被塗面に対して斜めにした状態で平行移動、それを逆側からも往復する事でガタガタした箇所(主にボルト取り付け部の出っ張り)にも全方向から塗れるようにしています。一般的な塗装は「スプレーガンは被塗面に対して垂直に」となるので、セオリーとは全然違った塗り方となっています。

コート数で言うと、3~4コート分の膜厚となっています。通常のクリアーの倍ですね。

上面を塗る場合は垂れるリスクが無い為、むしろここに塗り過ぎてチヂレ目が大きくなってしまう事に注意が必要です。車体を側面通して(フロントフェンダー・フロントドア・リヤドア・リヤフェンダーの4枚)塗る場合は比較的綺麗に塗れるのに、フェンダー一枚だと気負い過ぎてついうっかり塗り過ぎて肌が平滑になり過ぎてしまう(時には垂らしてしまう)のと同じような感じですかね。

ちなみに現在お預かりしている2000GTのヘッドカバーは、当時の砂型鋳造の品質が悪いせいもあり素地がかなり凸凹していて、細かい結晶目ではその粗が隠し切れず目立ってしまいますから、より膜厚をつけ結晶目を大きくするようにします。

そして今回の肝でもあるタイミングベルトカバーです。

樹脂製(ポリプロピレン)のタイミングベルトカバーは熱で変形するリスクがあるので今まではお断りしていましたが、さらに変形し易いPMMA=アクリル樹脂で何度か結晶塗装を行う内に対応出来そうだと感じた為、今回初めてこちらのパーツの結晶塗装をお受付する事としました。

「7」に変更した凸文字も全く問題なく、後は念のため後日もう一度2度焼きを行う予定です。

この後は本塗り前に塗ったホースパイプ取り付け部の再塗装と、剥がしたシーラーを取り付け予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産セレナ用ナンバーブラケット 本塗り

先日お預かりしておりました日産セレナGFC27ハイウェイスター後期モデルに装着予定の純正ナンバーリム(ナンバーブラケット)です。

状態としては未塗装のABS樹脂で、全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理しています。

裏側まで回り込んでフチまでしっかり塗るよう、広いスペースを空けた状態にして固定しています。

よく脱脂処理し、ベースコートを塗布します。色は日産純正色の「ブリリアントホワイトパール」(カラーコード:QAB)で、こちらは3コートパールとなるので、まずは下色となるカラーベースの白を、4コート程塗って完全隠蔽させます。

続けてパールベースを塗布します。

パールベース自体に隠ぺい力は殆ど無く、なのでゴミが着くとまた下色からの塗り直しになりますから、その辺が通常の塗色に比べるとデリケートな塗装となります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

こちらでは紹介していないワイヤレスマイク塗装の御依頼が7本あって、その内の一つがホワイトパールでのご指定でしたので、今回はそちらと並行して作業を行うようにしています。

今回はタッチアップ用塗料(有料)もご用命頂きましたので、余分に色を作って小分けしてあります。スプレーする場合はかなり希釈するので、その前に別けておく必要があるんですよね。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー加工&塗装承ってます

先日到着しておりました日産GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

装着される車両はR34GT-Rとの事で、元々着いているのは恐らく樹脂製のタイプだと思われますが、こちらはアルミ製の物となります。

今回は塗装とは別に、RB26の凸文字をRB28への変更で承っております。

現状艶消し黒に塗られていますが、塗装が剥がれた下から腐食したアルミ素地が見られますので、剥離後にはサンドブラスト処理も行う予定です。

裏側は装着すれば見えなくなりますが、現状ザラザラとして気持ちが悪い状態ですので、こちらも剥離して艶消し黒に塗り直しておきます。

色に関しては、R35GT-Rに採用されている日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)で承っておりまして、ただ配合データで作った色をそのまま塗ると、現状既にこの色が塗られているタペットカバー・プラグカバーとの色違いが起きてしまいますから、後日そちらを送って頂き、調色作業も行う予定です。通常自動車のドアを交換した際、「ドアだけを塗る」と言う事は行わず、それの隣接するパネル=2ドア車であれば前後フェンダーへも色をボカシ、クリアーは3パネル全て塗るのが一般的ですが(そうしないとドアだけ色が違って見えてしまいます)、さすがにタペットカバーを外して塗るのは現実的ではありませんので、せめてそれが判り難くなるよう調色作業を行うといった感じです。

以前施工した時の画像がありますのでそちらを紹介します。

この時も塗装したのはタイミングベルトカバーだけで、元々塗られていたオレンジに合わせて調色作業を行いました。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

レスザンフューマンメガネ塗装承ってます

先日お預かりしておりましたless than human「一挙両得」のメガネフレームです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

塗装の御依頼を頂いているのはテンプル=青い樹脂パーツ部分のみで、

色に関しては、一緒にお預かりしたこちらのマスタード容器のイエローで、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っております。

早速ですが分解も行っておきました。テンプルに差し込まれている芯は抜かずにそのままで(元に戻せない可能性がある為)、こちらはマスキングで行うようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW R1200RTパニアケース&トップケース 下準備

先日お預かりしておりましたBMW R1200RT LC用のバンザイモータース社製パニアケース蓋と、スモールトップケースの蓋です。艶消し黒の部分は塗らないので、傷が付かないよう最初の段階でマスキングしてあります。

BMWのエンブレムプレートは塗装前に剥がしますが、取り付ける時に位置が判るよう輪郭やプレスラインに沿ってマスキングテープを貼り、

剥がして保管しておきます。

パニアケースの裏側のフチには防水の為のクッションテープが貼ってありますが、これにマスキングテープが着くとくっ付き過ぎて剥がしてしまうので、

その部分に紙を被せてテープで固定しておきます。最近のテールランプもこれと同じような素材が使われているので手間が増えている傾向にあります。

全周しっかり覆っておきます。

トップケースは外殻と本体の隙間にテープを差し込むような感じでマスキングしておきます。

最後に全体を養生紙で覆います。手で持って運ぶ時に紙が破けないよう、張りが無いようにしつつ、埃が溜まるような皺は残さないようにしておきます。最初に勤めた会社の上司はとても厳しい方で、紙の貼り方一つとっても口煩く言われたので、その時のトラウマお陰で今も塗装の仕事が続けられているのだと感謝しています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!