ロータスヘッドカバー塗装 完成

先日本塗りを終えていたロータスのアルミ製ヘッドカバーです。その後恒温器で120℃30分程の二度焼き目を行っておきました。

腐食があったので最初は#120のダブルアクションサンダーで粗削りをし、その後手研ぎで#120→#180→#240→#320→#400→#500→#800→#1300の順番で削ってアルミ地を光らせています。

 

さらにアルミ地の腐食の進行を遅らせられるよう、クリアーを筆塗りしておきます。

この後再度恒温器に入れて60℃40分程の熱を掛けます。

そして完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこのような状態だった物に、

サンドブラストを行い、

鮮やかな赤の結晶塗装に粉末の赤パール顔料を入れて塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ここまでの画像のように全体を撮影する場合は25mmのレンズを使っていて、

その後部分的に撮る場合には40mmのレンズ(マクロレンズ)を使っています。

使用しているカメラはニコンのD200なる型です。比較的古い物で、中古で5000円くらいでしょうか。最近のカメラで慣れていると使い難くてびっくりすると思います(そもそも液晶がスマホ画面の1/4くらいしかありません…)。

設定もほぼノーマル状態にしていて、強いていうとホワイトバランスだけオートにしています。

古い機種なので感度(ISO)は400を超えるとノイズが出るので250までに留めています。

絞りとシャッタースピードはマニュアルで、大体F4.0~5.0、S3.0~5.0の幅で撮影しています。

ただその範囲だとどうしても被写界深度が浅くなってしまうので(ピントが合う範囲が狭くなってしまうので)、マイク等の場合はストロボを使った撮影が出来るようにしました。ただサイズが限られるので今回のようなヘッドカバーはちょっと厳しいですかね。

また撮影では三脚を使わないのを基本としているので(ここにそこまでのコストは掛けられないので)、結晶目を近づけて撮るのは手持ちでは難しいですから、

この場合は昔ながらのコンパクトカメラ(SONY DSC-W50)のマクロモードを使って撮影しています。

記録用のメディア(SDカード等)がそれぞれ違うのでその点で少し面倒ですが、撮ったそのままの画像を手軽に使えるのでこのシステムが気に入っています。いずれは所定のターンテーブルに置いてスマホで自動撮影→360°ビューが出来るようになると良いのですが、ファイル容量と後で使う時の勝手の良さから静止画の方がまだ現実的ですかね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ロータスヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたロータスヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄層で付け置きし、さらに溶剤層へ浸けて旧塗膜らしき物を剥がしておきました(実際には塗装では無く酸化被膜だったかも知れないのですが念のため)。

腐食していた箇所もあったのでサンドブラスト処理(軽め)を行いました。

その後リン酸処理を行い、よく洗浄して乾かしておきました。

リン酸処理をした後は恒温器に入れ、他の被塗物に一緒に熱を入れてしっかり乾燥しておくようにします。

まずは全体にプライマーを塗布します。

今回は鮮やかな赤の結晶塗装に赤パールの追加も承っていますので、パウダータイプのパール顔料を適量添加します。

そして本塗り完了です。お待たせしました!

ウェットで5~6コート程塗り重ねています。

その後120℃40分程の熱を掛けると結晶目が現れます。

言われないと判らないレベルですが、パールの影響で少しふわっとした色味を感じられます。

パールは光に対して正面で見た時に色味を感じられ、逆に光を背にするとあまり表現されない特徴があります。なのでこちらの画像は赤の色味が濃く感じられます。

こちらも光を背にした位置です。

こちらは光を対角=正面に見た状態ですね。少しふわっとしているのが判るかと思います。

この後は恒温器で二度焼きを行い、後日凸部を研磨してアルミ地を光らせます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダシビックZCエンジンヘッドカバー塗装 完成

先日本塗りを終えていたホンダシビックのZCエンジンヘッドカバーです。その後恒温器(乾燥炉)にて120℃30分程の二度焼きを行いました。

凸部の周りを養生し、#120→#180→#240→#320→#400→#500→#800の順番で空研ぎを行ってアルミ素地を光らせます。

その後腐食の進行を遅らせられるよう、クリアーを筆で塗っておきます。

その後さらに60℃40分程の熱を掛けたら完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物を、

旧塗膜を全て剥離し、

サンドブラストで腐食を除去し、

リン酸処理とプライマーの塗装で防錆処理を行い、

黒の結晶塗装を施しています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

プラグキャップ取り付け部は塗膜が厚くならないよう結晶塗装は塗らず、プライマーとベースコートの黒を薄膜で塗装しています。

近接画像です。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

尚、その後お預かりしております同社CR-Xのヘッドカバーは現在まだ旧塗膜剥離の為に溶剤槽に浸け置きとなっておりまして、まだ数か月は掛かる予定です。お待たせして申し訳ございませんが何卒ご了承くださいませ。

ホンダシビックZCエンジンヘッドカバー 本塗り

先日サンドブラストを行っておいたホンダシビックのZCエンジンヘッドカバーです。その後リン酸処理を行っておき、恒温機の中で保管をしつつ熱を入れてよく乾燥させておきました。

まずは全体にプライマーを塗布します。

続けて結晶塗装を塗らない箇所(塗膜厚を着けたくない箇所)にベースコートの黒を塗布します。ホースパイプやボルト取り付け部、プラグキャップ装着部ですね。

その後よく乾燥させたらマスキングを行います。

まずはテスト的に私物(趣味の物)を塗装して様子を見ます。使用する塗料は結晶塗装用のリンターで、こちらは1液の熱硬化型タイプ=所謂「焼き付け塗装」と呼ばれる物ですね。塗り方が足りないと結晶目が出なく、塗り過ぎると汚い仕上がりになってしまうので、丁度良い塩梅を探します。

問題無ければヘッドカバーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

スプレーガンで車体を塗る場合は「被塗面に垂直」が基本ですが、今回のような形状でそれを行うのは物理的に難しく、なので敢えて角度を着けた状態でスプレーしています。とにかく全体が均一な膜厚になるようにイメージして塗っています。

その後120℃程の熱を掛けると結晶目が現れます。

今回もスマホでタイムプラス撮影をしたので紹介します。縦長画像だとshortになってしまうようなので切り抜いて強引に横長動画にしました。

画像だとグレーっぽく見えますが、実際には真っ黒の結晶塗装となります。

この後は恒温機で120℃30分程の二度焼きを行います。

その後「H」と凸文字を研磨して鏡面状に光らせます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダシビックZCエンジンヘッドカバー 下準備

先日お預かりしておりましたホンダシビックのZCエンジンヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄槽→溶剤槽への浸け置きで旧塗膜を剥離しておきました。ホンダの結晶塗装は密着していないので剥がすのも比較的楽だったりします(逆に大変なのはISUZUのヘッドカバーですね…)。尚、その後お預かりしております同社CR-Xのヘッドカバーはアルカリ洗浄後、現在は旧塗膜剥離の為に溶剤槽に浸け置きとなっております。

通常ならそのままサンドブラスト処理ですが、素地の表面にオルゴールのシリンダーピンのような突起が無数にあるので、

それらを#120で研磨して均しておきました。今回は結晶塗装なので完全に取る必要は無いですが、タオル等で拭き取った時に繊維が引っかかるのは嫌ですからね。

裏側のバッフルプレート部を養生し。

サンドブラストを行います。

当店で行うサンドブラストは全て「軽め」で、これは吸い上げ式で行う事によるものとなります。腐食が酷かったり再発し易いマグネシウム合金の場合は専門の業者さんで強力な直圧ブラストを行って貰っていて、本来ならそちらに全部任してしまいたい所なのですが、往復送料だけで¥4,000くらい掛かってしまうので、今回程度の腐食なら当店で行うようにしています。ちなみに通勤途中にもブラスト屋さんはあるのですが、当店のような小口の依頼を受けてくれるところは少ないようで、この辺はまあ仕方ないですかね。

この後はリン酸処理を行い、いよいよ本塗りとなります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!