トヨタ2000GT エアークリーナーケース 割れ修理

 先日お預りしておりましたTOYOTA2000GTのFRP製エアークリーナーケースです。

シールの糊残りを除去し、全体に清掃して状態を判り易くしました。

 素材はFRPで、ボルトで固定している個所を中心に全体にひび割れが生じています。

ぱっと見では判らないのですが、各プレスラインの谷部分にも亀裂が多く発生しています。ポリエステル樹脂(ゲルコート)は柔軟性が無いので、ストレスの掛かった状態や振動が長く続くと簡単にヒビ割れてしまいます。世界の塗装屋さんがFRPを嫌う理由です。

 車に装着されるとこの方向が上面となり、実際にに見えるのはこの面のみとなります。

フチ周りも大体このような感じにヒビ割れがあります。

 既に割れた上から塗られているような個所も多いです。

 よく見るとこのようにフチ全周に細かいヒビが入っています。

本来の修理方法としては、ひび割れた個所を全て削り落とし、新たにファイバーを貼って一つ一つ修理していく方法となりますが、そうなると新たに雌型を作ってもう一個作り直した方が早い!と言うくらいのコストになってしまうので、今回はもう少し現実的な方法で修理する事にしました。

 まずは全体を#120~#180で研磨します。

 割れが酷くブラブラした部分は残しても意味が無いので削り落としました。

 穴の周りの裏側を研磨・脱脂し、グラスファイバーテープを貼り付けます。ちなみに裏側は一旦マジックリンで浸け置き洗浄しています。余り良い画じゃ無かったので撮影はしていなかったのですが、古いオイルみたいな色の汚れが沢山流れ落ちたので、多分オーナー様であれば気分が良かったのでは、と思います。

 ファイバークロスを貼った部分に構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を塗り込みます。

 表側からも塗り込み、この後60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

 エポキシが硬化したら、塞いでしまった穴を広げます。

 穴の径は元々14mmだったのですが、取り敢えず13mmくらいにし、ここで一旦オーナー様(代理の方)に確認して頂きました。結果としては固定するボルトはもっと細く、穴の周りはパッキンで殆ど見えないので、これ以上穴を広げる必要はなくなりました(もし必要であれば塗装した後にも広げられます)。

ちなみにパブリカのステアリングがその後進行していませんが、実はご依頼先が同じ方面からでして、今回のこちらを優先されたいと言う事でそちらは一旦ストップとしています。ご依頼自体が無くなったという訳ではありませんのでご安心下さいませ(何故かそちらの進行を楽しみにされている方が多いようでして・・・)。

 と言う訳で今回のひび割れの対処方法ですが、そのパブリカのステアリング補修と同じく、エポキシサフェーサー(プライマー)にGP=ガラスパウダーを入れる方法で行う事にしました。

ガラスパウダーは硝子繊維を細かく粉砕した物で、パテの補強材、モルタルやコンクリートのひび割れ抑制材として使用されたりします。

 エポキシサフェーサーに10%混合します。ストレーナーを通り難くなるので、ヘラで濾すようにして通してあげます(普通これはNGです)。

よく脱脂清掃します。

 その他割れて欠けていた個所もパネルボンド(エポキシ接着剤)で補修しています。

ガラスパウダー入りのエポキシサフェーサーを塗布します。EP+GP10%みたいな感じでしょうか(よく樹脂部品の裏に表記されている素材を表す記号なのですが、判りませんか・・・)。

 一応これが強固な被膜になってくれる筈なので、ウェットに3コート塗り込みます。指触乾燥が遅いので、1コート塗る度に30分程フラッシュオフタイムを設けています(これだけで90分の時間を掛けているという事で、普通ならクビです)。

 さらに1時間くらい自然乾燥させたら、いつものウレタンサフェーサーを塗布します。ウェットオンウェットですね。

予定していたより20倍くらい時間が掛かってしまいましたが(笑)、取り敢えずこれで何もしないよりかは長く持ってくれると思います。

この後は数日自然乾燥させ、何かの序でに一緒に熱を入れさせて頂く予定です。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NDロードスターヘッドカバー結晶塗装 完成

 こちらも大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたマツダNDロードスターのヘッドカバー、結晶塗装の赤で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はアルミ素地に何かしらのクリアーが塗られていた状態で、シンナーでそれを洗い流した後にリン酸処理を行ってからプライマーを塗っています。

 色は鮮やかな赤の結晶塗装となります(他に日産系のドス黒い赤などがあります)。

 プラグホール周りはキャップが外れたりしないよう結晶塗装は塗らず、艶消しの黒で仕上げています。

 それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ホンダカブヘッドカバー凸部研磨

 先日本塗りを終えていたホンダカブのホンダクロスカブ用ヘッドカバーです。 二度焼きを終えてカリっと仕上がったので、HONDAの凸文字を研磨します。

 #120から始めて最終#800まで行い、金属素地が光るまでになったら、最後に腐食の進行を遅らせる為にクリアーを塗っておきます。クリアーは普通の2液ウレタンクリアーです。

 この後もう一度、次は60℃40分程の熱を掛けてクリアーを硬化させます。

一緒に塗ったロードスターの方は凸部が無いのでこれで終わりですが、ついでにもう一度一緒に熱を入れておく事にします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NDロードスターヘッドカバー 本塗り

先日お預りしておりましたマツダNDロードスターのヘッドカバーです。

既存のヘッドカバーと違う点としては、表面に何か嫌な感じのクリアーがコーティングされている事で(塗料を弾きます)、そのまま上塗りをすると恐らく塗料の密着性が悪くなりますから、まずはシンナーを使ってそれを取り除きます。ゴムが着いているので浸けるような事はせず、スプレーで洗い流しては拭き取る、といった作業となります。

 その後リン酸処理を行うと、上の画像のようにひどく劣化したような姿になりますが、こうならないと塗料(プライマー)は密着しませんので、塗装を行うのであればむしろこうする事が必用です(もしくはサンドブラスト処理でもOKです)。アルマイト仕上げされたアルミ素地と同じく、塗装は下地が綺麗なまま塗っても剥がれてしまいます。

 プラグホールはマスキングでも良かったのですが、他にも塗る物があったので、まずは一旦全体にプライマーを塗ってしまい、

 膜厚をつけたくない(結晶塗装をしたくない)プラグホール回りを艶消し黒で塗ります。こちらは普通のSTANDOXのベースコートです。

 その後プラグホール部をマスキングし、全体に結晶塗装の赤を塗装し、140℃程の熱を30分くらい掛けると、画像の様に結晶目が現れます。そのまま冷えるとマスキングテープが非常に剥がし難い為、温かい内に剥がしています。

 この後は他の物と一緒に、次は恒温器(乾燥炉)でもう一度140℃30程の熱を掛けて焼き付けます。

今回のヘッドカバーは凸文字が無いのでこの後の研磨作業は必要なく、オイルキャップが付く周りだけペーパーを掛けてガタガタなのを綺麗に仕上げておくようにします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

HONDA CR-Xヘッドカバー 結晶塗装承ってます

 先日到着しておりましたホンダバラードCR-X(前記)のヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 現状は間違えて艶ありの黒に塗られてしまったとの事で、元の通りの状態への塗装で作業を承りました。

 HONDAの凸文字部も黒く塗られてしまっていますので、こちらはいつものように結晶塗装後に研磨して鏡面状に光らせます。

 プラグホールの内側なども塗られてしまっていますので、まずは全体の塗膜を除去し、必要に応じてサンドブラスト処理等を行いたいと思います。

 尚「元の色」については、後日こちらのヘッドカバーを見本用として送って頂きました。わざわざお手数を頂きまして誠に有難う御座います!

殆どの部位では既に塗膜が劣化して褪色までしてしまっていますが、ヘッドカバーの端の方で多少状態の良い部分があるので、ここを参考に当時の色を再現したいと思います。単なる黄土色では無く、メタリックが入ったベージュ色っぽいですね。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!