トヨタMR2ヘッドカバー&タイミングベルトカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたトヨタMR2 SW20のアルミ製ヘッドカバーと樹脂製のタイミングベルトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はグレー系の結晶塗装で、ヘッドカバーは全体的に腐食も見られるのでサンドブラスト処理(軽め)も承っています。

タイミングベルトカバーは樹脂製で、新品を用意して頂きました。下地処理には密着性を上げるため、サンドブラスト処理も行います。尚、YAMAHAの凸文字がありますがこの部分は特に気にせずそのまま全体に結晶塗装を施します。

ちなみに結晶塗装を硬化(熱重合)させる場合は120℃程の熱を掛ける必要があり、以前トヨタ4AGエンジンのタイミングベルトカバーでこれを行った所変形してしまった事例があり、今回もその可能性が否めませんので、

失敗してしまった場合の保険として、もう一個タイミングベルトカバーをご用意頂きました。もし熱によって変形してしまった場合には通常の塗装(2液ウレタン系)で、ヘッドカバーの結晶塗装のグレーに似た色味で塗装を施すよう承っております。

またグレーにつきましては、こちらの「アウディのクワンタムグレーの様な」と承っています。

樹脂素材への結晶塗装は施工事例のある物(変形しない事が確認できている物)に限るのですが、

その後色見本キーホルダー素材に使うPMMA=アクリル樹脂や、

自分のバイク用のパーツのPP=ポリプロピレン樹脂等にテスト的に塗装を行い、

ある程度コツというか上手くいく場合と行かない場合を調べていたりもしました。

ちなみにこちらは変形してしまった失敗作です。素材は不明ですが恐らくはABSかPS(ポリスチレン)で、後者はプラモデル等に使われる熱に弱い樹脂なので(~90℃)、もしかしたらそのせいだったかも知れません。

バイクのカウルを塗って分かった事としては、ツルツルの状態だと塗料が乗り難く膜厚が均一になり難いので、それの対策としてサンドブラスト処理を行うのが有効だと判りました。オレフィン系素材にサンドブラストを行うと表面が毛羽だって大変な事になるのですが、まるで木の根っこのようになったその表面に塗料が上手く絡みつき(表面張力)、均一でしっかりとした膜厚が保持出来るのだと思います。

ちなみにPMMA=アクリル樹脂も熱には弱く、こちらの色見本キーホルダーの素材の一部に使っているアクリル板は1.0mm厚だと変形してしまいますが、これが1.5mmだと大丈夫なのでそれで対応しています。

以上の事から一概に「○○℃だとダメ」という訳では無く、素材の構造や熱の掛け方などによって結果が変わるので、今回それで宜しければという事でお受付した次第です。尚変形してしまった場合等への補償・保証は出来なく、そちらもご了承済みです(むしろお気遣い頂き誠に恐縮です)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

スズキツインヘッドカバー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたスズキツインのヘッドカバー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物を、

サンドブラストを行って素地調整をし、

リン酸処理後にプライマーを塗装を行ってから、

鮮やかな赤の結晶塗装を施しています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

プラグキャップ取り付け部は脱落防止の為に結晶塗装は塗らないようにしています。

ただしアルミ素地が露出したままだと(特にサンドブラスト後)腐食してしまう為、プライマーとベースコートの黒を薄膜に塗ってそれを防いでいます。

近くで見るとこのような感じになっています。

尚、こちらのオーナー様からは別途180SXのレンズ類の塗装も承っておりまして、そちらも作業進行しておりますから、完成次第一緒にご連絡を差し上げます(もし先にこちらだけ発送をご希望でしたら対応いたします)。どうぞ今しばらくお待ちくださいませ!

MITSUBISHI LANCER Engine Cover

三菱ランサーエボリューションのマグネシウムヘッドカバーです。いつもご贔屓頂いている業者さんからのご依頼となります。

最初は中古品のヘッドカバーを送って頂いたのですが、マグネシウム素材の場合塗装が剥がれ、その下に腐食が発生し、またそれによって素材が浸食されている為に単に塗膜を剥がすだけでは無く、専門店による強力な直圧サンドブラスト、耐食性の高い浸透型エポキシプライマーの使用、さらには浸食された跡をサフェーサー塗布→研磨で整えなくてはならなく、それだけで10万円以上の費用が必要となります。

ですので今回は新たに新品部品を用意して頂きました。

全体を足付け処理した後、プライマーを塗布します。

今回は「明るい赤メタリック」をご希望でしたので、マツダソウルレッド風で塗装を施します。

まずアンダーカラーはソウルレッドプレミアムメタリック(カラーコード:41V)を使用し、

その上に当店規定のキャンディーレッドを重ねます。こちらはベースコートです。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

ランエボマグネシウムヘッドカバーは元々似たような色で、ただしそちらは2コートキャンディーレッドで比較的暗い色味、艶も引けたような仕上がりとなっています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

そして完成です。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ブルー系だとパールだけでも鮮やかで明るい色味が可能なのですが、

赤系のメタリックパールはどうしても「濁り」が出てしまう為、今回のような発色の良い赤メタリックを再現するにはキャンディー塗装での施工が必要となります。

凸文字はベースコート塗装後に研磨して金属素地を露出→クリアーを一緒に塗る仕様もありますが、その場合どうしても腐食がし易いのでマグネシウムヘッドカバーの場合は余りお勧めしておりません(ただ格好良いのでそれを犠牲にしても構わない!という事であればお受付は勿論可能です)。

その他凸文字自体を削り落としてしまう!という事も可能です。

この度も当店をご利用頂きありがとうございました!

スズキツインヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたスズキツインのヘッドカバーです。その後アルカリ層に付け置きしてオイルを除去しておきました。

よく洗浄して乾燥させたら、裏側バッフルプレートの隙間をマスキングします。

その後ブラストボックスに入れ、

サンドブラストを行いました。

その後リン酸処理も行っています。

まずは全体にプライマーを塗布します。

続けて膜厚を着けたくない箇所=結晶塗装を塗らない箇所にベースコートの黒を塗布します。

それが乾いたらマスキングします。

そして結晶塗装用の塗料=リンターを塗布します。

その後赤外線ヒーターにて120℃~150℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させると結晶目が現れます。

結晶目は塗膜の厚みで変わるので、全体が均一になるようにして塗っています。

塗装屋的にはどうしても上面(天面)を多く塗りがちですから、それも意識してそれぞれの面を均一に塗るようにしています。熱を入れないと判らない所があるので、いつもの艶あり仕上げに比べると数倍難しく、綺麗に仕上がった時は一人ガッツポーズをしています(本当)。

この後はもう一度恒温器(乾燥炉)で120℃30分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダCR-Xヘッドカバー塗装 完成

先日本塗りを終えていたホンダCR-Xヘッドカバーです。その後120℃30分程の熱を掛けて二度焼きをしておきました。

最後に凸部を研磨してアルミ地を光らせ、クリアーを筆で塗って腐食の進行を遅らせられるようにしておきます。この後もう一度60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物を、

洗浄→旧塗膜剥離→サンドブラスト→ リン酸処理→プライマー塗装といった下地処理を行い、

結晶塗装の黒で仕上げました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

全体が均一な結晶目になるよう意識して仕上げています。

ボルト部やプラグキャップ取り付け面は塗膜が厚くならないよう(結晶塗装を塗らないよう)、プライマーとベースコートの黒を薄膜で塗装しています。

近接画像です。艶自体はあるのですが表面が凸凹しているので艶消しに見える感じですね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!