cannondale SUPER V

cannondale3先日イラストレーターをご職業にしている方からのお問い合わせで、「自分でデザインした通りに自転車を塗装出来たりするんですか?!」みたいなご質問を頂きましたので、以前同じくデザイナーの方から御依頼頂いた案件を紹介したいと思います。4年前くらいに御依頼頂いたキャノンデールスーパーVなるアルミフレーム&スイングアームです。

cannondale2 データと作業仕様書はオーナー様自ら作成して頂いた物で、データはIllusratorなるソフトで作製したai型式のベクトルデータなのでそのまま使用が可能です。これならデータ作製費も掛かりません(jpeg画像とは全然違う物ですのでご注意下さい)。

cannondale5 ただ実際にフレームには段差や付属品などがあるので、塗装を剥がす前に各部を計測してロゴの配置位置を確認しておきます。

ちなみにアルミ溶接部のビートもオーナー様自ら削り落としています。きっと自分で色々やる事が好きなのでしょうが塗装だけはどうにもならなかったんでしょうね。まさに私もそうでして、当時は情報など全く無かったので綺麗な塗装はてっきりロボットが塗っているのだと思っていましたが、これを人間の手で塗れる!と言う事でもう塗装屋一直線でした(しかも当時は稼げる言う話でしたので)。

cannondale10旧塗膜の剥離には剥離剤は使わず、スプレーガンなどを洗った際に出る廃棄のシンナーを貯めた槽に浸け置きをし、そのまま剥がれてくれる塗膜のありますが、大抵の場合はスクレーパーやワイヤーブラシを使って削り落とします。少々面倒ですが放置しておいても作業が進行している!と言うのが何か好きなんですよね。

cannondale9ただ取りきれない細部の塗膜などもあるのでそういった箇所には最後にサンドブラストを使って剝がします。

その他ダブルアクションサンダーやリン酸なども使用し、この後に塗装するプライマーがしっかり素材に食いつくようにしておきます。

cannondale11画像では既にサフェーサーを研磨までした状態で、ただその後パテを塗った箇所や素地が露出した箇所もあるので、本塗りの前にもう一度プライマーを塗ります。

cannondale14オーナー様が作製したデータを基にマスキング用のシートを作製します。今回は配色の関係からマスキングシートは雌型では無く雄型を使い、「白→赤→黒」と言う順番で塗装します。逆でも勿論塗れますが、ロゴの輪郭とかがガタガタするのが凄く嫌なんですよね。

cannondale12 全体に再度プライマーを 塗りなおし、続けてロゴが入る部分にスポット的に白を塗っていきます。

cannondale22 画像だと判り難いのですが、ロゴが入る部分にはベースコートの白が塗ってあり、ロゴを入れたい(残したい)箇所にそれぞれマスキングシートを貼っていきます。

この頃はまだiPadを持っていなかったのでiPod touchでロゴ位置を確認していたみたいですね。何にしても便利です。

cannondale20その後「赤」にする部分をスプレーし、白の時と同じように上からマスキングシートを貼り付けます。

オリジナルのロゴはこんな風に色分けはされていないかも知れませんが、それだけにこういう自分だけのカスタマイズが出来るのも塗装の魅力ですよね。

cannondale19ロゴの塗装が終わったら全体にベースコートの黒を塗ります。

さらにベースコートが乾いたら各部のマスキングを剥がし、綺麗に出来ていない箇所があればその都度修正していきます。大抵の場合は一度で綺麗に出来る訳では無く、もう一度マスキングをして部分的に白を塗ったりして細部を整えていきます。以前行ったLOOKのフレームの「赤色の部分を水色に変える」と言うご依頼ではこれを延々一日やっていた記憶があります(結局その日は夜中まで続きクリアーは翌日となりました)。その時の作業も後日作業内容を纏めて紹介しますね。

cannondale17そして完成です。自分がデザインした通りの物が実際に出来上がるというのはかなり面白いと言うか感無量なのではないでしょうか。何ていったって確実に世界にこれ一台ですからね。

ちなみにロゴデータは別として、手書きのイラストだけでもこんな事は全然可能です。以前行ったうさぎドロップのピンクに塗ったSURLYのフレームがそうでしたね(かなり引くような精密な手書きの作業内容所だったような記憶が・・・)。

cannondale16またメジャーなロゴであれば既存のデータがあったりするので、それが見付かればロゴデータの作成費も掛かりません。私も知らなかったのですが当サイトに来てくれていた方からそういった方法(サイト)を教えて頂き本当に助かりました。その節は有難う御座いました!

cannondale15今度は比較的お問い合わせの多いBMWのパニアケースかトップケースを紹介したいと思います。

W124エンジンルーム内パーツ 下準備

benz305 先日サフェーサーを塗ってあったメルセデスベンツW124のエンジンルーム内のパーツ一式です。サフェが完全硬化しましたのでそれらを研ぎ付けて平滑な下地を作ります。

benz306 最初は#320のダブルアクションサンダーで粗研ぎをしますが、空研ぎのデメリットとしてはこの研ぎ粉の粉塵で、これの対策については吸塵式のタイプを使ったりもするのですが、あれは取り回しがかなり面倒なので対象が小物であれば余り(と言うか全く)使っていないですかね。重いので肩が凝りますし。

benz307ただ今のブースは排気が水洗式なので、空研ぎの際はこんな感じで排気ダクトの前で作業をすれば粉塵を回りに撒き散らす事なく作業が出来ています。水洗式なら粉塵でフィルターが詰まるような事が無いですしね。お陰ですっかり住宅街になってしまったこの辺でも塗装の仕事が出来ているのです。

benz308 サフェの空研ぎはクッションパットを使って#400で均したら次は水研ぎになります。と言うか今回はイビツな形の部品が多いので実は殆どが手研ぎなんですよね。

丸一日掛かりましたがとりあえずサフェ研ぎは終わって、ただ一部プラスチック成型時の歪み(と言うか窪み)が酷い物があったので、もう一度それらを処理し、そしてキャンディーカラーの確認~調整を行う予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NDロードスター サイドマーカー一式塗装承ってます

road229 少し前に到着しておりましたマツダの新型NDロードスターのウィンカーとリフレクターレンズ(反射板)一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ただし今回の反射板はオーナー様自ら光るように改造された「サイドマーカー」の仕様で、またウィンカーのレンズも透明なタイプに変更されています。

road230 今回のご依頼はこれらのレンズをボディカラーと似たような「青」への塗装で、一応色味の確認としてタッチペンもご用意頂くという周到ぶりです。

road237ウィンカーは元々中が見えないレンズだったらしいのですが、わざわざ社外品からレンズを取り外して(と言うよりは剥ぎ取って)接着加工されています。凄いですね・・・。

road231 ただこのレンズをブルーに塗ってしまうと多分発光色は「グリーン」になってしまうと思うので、今回はそこまでならないオレンジに光るギリギリまでのブルーに留めておきます。なのでかなり薄くはなりますかね。ちなみに経年で褪色が懸念されますがそれも御了承済みです。

road232 そしてこちらが元リフレクターレンズで、今は灯火するようになったサイドマーカーです。統一する為に以後こちらは「サイドマーカー」と呼ばせて頂きますね。

ただこちらのサイドマーカーはレンズの構造上、赤のLEDを灯火してもかなり暗くて、とてもじゃないですがこれにブルーを塗ったら紫にしかならないのでは・・・。と言う現状でした。

road233 が、その後オーナー様が強力なタイプのLED球を手配して頂きまして(手前の如何にもと言うのがそうです。笑)、お陰で最初よりは断然光量を確保する事が出来ました。

road234 ちょっと判り難いのですが、手前の方が強力なLED球です。肉眼で見ると全然違いますのでご安心下さい。

road235 そしてこちらはオレンジ色の方(フロント?)です。これはLEDの光量がよく判りますよね。手前が強力なタイプです。

road236 照明を落として撮影してみるとその光量の差は明確です。いやー、安心しました。

ただ実際に塗ってみてどう光るのかと言うのは非常に微妙で、正直それは無理でしょう・・・と言うことだったのですが、オーナー様的に費用はある程度掛かってでも・・・!と言う事で(何だか最近そういう方ばかりなのです)、今回は特別に「通電しながら本塗り」と言う方法で試してみたいと思います。いやはや、一体どうなる事やら・・・(と言いつつ結構楽しみでもあるのですが)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

プラド150テールランプスモーク塗装承ってます

prado15先日到着しておりましたランドクルーザープラド150(後期)の純正テールランプです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼はスモーク塗装で、濃度としては「標準濃度」(よりも若干濃い感じ)で、一応参考画像を選んで頂きましたのでそちらを紹介しますね。

benz304この時はバックランプをクリアー抜きにしていましたが今回は特にマスキングはせず「スモークベタ塗り」となります。クリアーはクリスタルクリアーで承っております。

 

porsche30

比較的黒いスモークですが、表で見ると若干赤味が判る、といった感じの濃さですかね。直射日光に当たればもっと赤みも中身も透き通って見えます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

NISSAN RB26エンジンパーツ一式 結晶塗装承ってます

rb2637 先日到着しておりました日産RB26エンジンのカムカバー一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はこちらの部品4点を「日産系のドス黒い赤」の結晶塗装で、またHKSのタペットカバーの凸文字「HKS POWER」を最後に面研して鏡面状に光らせ、またタイミングベルトカバーの「RB26」の文字を「RB28」への変更で承っています。

rb2638RB26のタイミングベルトカバーには排気量を表す「26」の凸文字がありますが、エンジンをボアアップなどして排気量を2.8リッターにした際にこの文字も変更したい!と言う御希望が結構ありまして、今回もこちらの内容で承っております。以前の施工例がありますので紹介させて頂きますね。

rb2612 こちらは以前の施工例で、元々あった「6」の文字はベルトサンダー等で削り落としてしまいます。

rb2617 「8」については以前作製したデータがあるので、今回もそれを元にして作ります。この点では今回データ作製費が掛かっていないので、二回目以降の方は少しは負担は少なくなっていると思います。

rb269 「8」の作製方法は至ってアナログ的で、オリジナルよりも厚みのあるアルミ板から切って削って作製しています。

ちなみに以前購入したヤスリを探しているのですが、一体どこに行ったのか・・・。

rb2613 新たに作った「8」は構造用のエポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を使っての接着で、これは今まで溶接で付けていた所を代替出来るような強度のある接着剤なので(実際はスポット溶接と併用したパネルウェルディング工法)、エンジンの熱でポロっと剥がれたりはしませんのでご安心下さい。

rb2620こんな感じで凸文字を「6」から「8」に変換出来ました。さらに塗装を行えば、まさかこれが後から変えたとは判らない仕上がりになると思います。

ちなみにこの工程だけをやって欲しいと言うお問い合わせもよくあるのですが、こういった内容は塗装の付帯作業ですので単体ではお受付していないのです。何卒御理解の程宜しくお願い致します。

尚今回タイミングベルトカバーは腐食が出ているのでこれのみ軽めのサンドブラスト処理で承っております。

それでは作業進行しまいたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!