PINARELLOカーボンフォーク 下準備

pinarello6 先日調色作業を終えたピナレロのONDAカーボンフォークですが、衝撃の事実が発覚しました。

クリアーの艶としては現状から判断して「3~4分艶」を予定していたのですが、恐らく新車の時点から貼ってあったであろうwarningのシールを剥がしてみると、何としたから完全マット(艶消し)の塗膜が出てきたのです。

検証した結果、恐らくはこの艶消しが本来の正しい艶具合で、その後の整備(洗車)などで塗膜を拭いている内に艶が出てしまったのだと思われます。

pinarello7ホイールが付く近辺の、ウェスなどが当たり難い箇所を見てみると確かにそこは艶消しだった頃の姿が見受けられます。

と言う事で予定していたクリアーは「艶消し」で行う事にして、もし車体と比べて艶が合わないと感じたらワックスを掛けて艶を出して頂ければと思います(フェラーリ腰下の艶消し黒を塗る場合もこれと同じ方法ですのでご安心下さい)。後から艶を消す事は出来ませんが、艶を出すのはこの方法で出来ますので一応オリジナルに合わせるようにしておきます。

pinarello8 そして傷部分の修正です。傷自体は小さいですが、ペーパーは一種類あれば足りるという事では無いので、結局こんな感じで色々使います。場所が曲面なのでクッションパッドも多用する感じですかね。

pinarello9 ここの順番はサフェーサーを塗った後でも良いのですが、他にも小傷がありそうなので先に全体の研ぎ(足付け処理)を行っておきます。

目で見える浅い傷は#600で削って、その後全体を#800で研磨、その後スコッチ(繊維状の研磨副資材)とウォッシュコンパウンドを使って足付け処理&脱脂清掃となります。

pinarello10 傷もそうですが、ブレーキを固定する箇所の塗膜が周りに盛り上がる程寄っていたのでそれらも全部削っておきました。とにかく塗膜が厚いです。

pinarello11 結局傷は無くてもそれなりにストレスが掛かっていた箇所は剥がれかかっていたので(ペーパーを掛けるとフェザーエッジが出ずブチブチと切れていくアレです)、そういった予備軍みたいな箇所も全部削っておきました。

pinarello12フォーク裏側の上の方にはタイヤで何か巻き込んだ?ような深い傷がありましたら、それらは#600で研ぎ落とせたのでサフェは必要ありません。

pinarello13 余りサフェーサーの範囲を広げたく無いのでマスキングは二段階方式にしました(たんに途中で貼り直すだけの事です)。

pinarello14 途中までは狭い状態でサフェを塗っていますが、半分くらいから紙の位置をズラしてサフェーサーの切れ目がブツ切りにならないようにしています。

一般的なイメージとして、サフェの面積は小さく収めた方が楽に出来そうですが、無理にそうしようとすると色々と問題が生じますので、サフェは極力大きく大きく取るのが基本です。

pinarello15ちなみにマスキングの端がペラペラした貼り方なのは、サフェーサーを塗った時の段差が付き難いようにする為で、範囲に余裕があればブツ切りでも構わないのですが、こういった時には普通はこうするのが基本です。車の塗装屋さんなら毎日やっていますよね(3Mのソフトテープより余程この方が綺麗に仕上げられますし)。

この後サフェに熱を掛けて強制乾燥~完全硬化させ、サフェを研いで形を整えたらいよいよ本塗りです。来週には本塗りを出来る予定です。もう少々お待ち下さいませ!

フェラーリ リモコンキーカバー 本塗り

ferrari80画像はサフェーサーを研ぐ前の状態で、跳馬の窪みに詰めておいたパテは綺麗に除去出来て中々良い感じです。この作戦は次回からも使えそうですね。

shure1ご指定頂いている色は「ビアンコイタリア」なる色で、ただSTANDOXの配合データで見るとこれは「BIANCO FUJI」(カラーコード:226027)と同じ色の扱いになっているのでそちらで対応します。念の為STANDOXのカスタマーセンターで確認していますのでご安心下さいませ。

ちなみに上の画像は以前SHUREのマイクを塗った時に使った画像で、手前が最初に塗るカラーベース、奥がその上に塗るパールベースです。カラーベース(下色)がかなり黄色黒いのが特徴ですかね。

ferrari81 サフェーサーを研ぎ付けたらよく脱脂清掃をし、台にセッティングしたら再度脱脂清掃、ブースのファンを回してエアーブローをしたら本塗り開始です(小物になってからはタッククロスは余り使っていません)。

ferrari82 途中工程を撮影すれば良かったのですが勢い余ってクリアーまで行ってしまい本塗り完了です。

ferrari83 こちらのパネルにはスイッチ部分のゴムが嵌るので、通女王は塗膜厚をつけないよう中央部分は塗らないようにしているのですが、今回は赤からホワイトパールへの色変えなので出来るだけ膜厚が付かないようにして全体を塗っておきました。

da先日社外記で紹介した大量のダースベイダーは、こんな感じで色見本用として一緒に塗って後々残せるようにしておこうと思っています。例えば今回のようなホワイトパールは、他のホワイトパールに比べると随分と濃い色味なので、本当に合っているのか(調合を間違えていないのか)と言う確認用として見本があるととても便利です。

ちなみに車のボディカラーと言うのはある程度色見本が揃っていますが、今回のビアンコフジのような特殊なカラーは色見本自体が存在しないんですよね。

それでは完全硬化後少し寝かしたら、各パーツを組み付けて改めて完成画像紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!