BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 本塗り

bmw478もう一度最初から紹介しますと、今回のご依頼では上記画像の「50d」の部分を「40d」に変えたい!と言うのがオーナー様の御希望となっています。

bmw527 ただし現状のエンブレムはメッキ仕上げですし、しかも希望されている方は通常のメッキに比べて若干黒味が掛かっています。確かこれは以前当店で施工したスバルレガシィのフロントグリルに施されていたメッキと同じ物と思われます。強く擦ると傷が付きますから、装飾クロムメッキでは無くニッケルメッキまたは硬質メッキでしょうか。

で、上の画像に二つ並んでいる石仮面(の複製品)は以前テストで塗装した物で、上の物に比べて下の方が黒いのが判ると思います(光の加減ではありません)。これは下に艶有り黒を塗装して完全硬化させ、その上に今回使うモトクロームなる塗料を塗りました。尚通常はこちらの塗装はお受け付けしておりませんのでどうぞ御了承下さいませ。

と言う訳で、今回の塗装のイメージとしては、下の石仮面の仕上がりになってくれれば(実際はここまでにはなりませんでしたが)、と言う内容となります。

bmw591こちらが前日に塗っておいた艶有りのブラックで、塗装自体はいつもの内容と変わりありませんから、この後熱を掛けて完全硬化させます。

mini157そして今回使う塗料がこちらのモトクロームなる塗料です。勿論スタンドックスではありません。またこれとセットで「モトクリアー」なる専用のクリアーも使います。

ちなみに今までこれを使って簡単に塗装が剥がれてしまうケースがあって、それの為に使用を辞めていたのですが、大よそその原因についても判って来ました。ただし作業内容によってはそれが避けられなく、結果今後もお受付しないスタイルは変わらないのですが、今回のようなケースでは恐らく大丈夫なので使用います。多分モトクロームの膜厚がネックなのでは無いかと。

bmw522 と言う訳で、今回の塗り方としては「極力モトクロームを薄膜に!」と言う事で、多少のムラやダマについては無視をして、モトクロームの隙間からスタンドックスのクリアーを貫通させる!と言う作戦にしました。実際は貫通する訳では無いのですが、イメージ的に分子の隙間から硬化剤(密着)成分を浸透させ、下塗りに塗った黒と結合させる、みたいな感じです。

bmw526 ただし余り薄過ぎて黒味が残り過ぎるのも何なので、今回は4セットそれぞれに印を付けてそれぞれ微妙に濃さを変えるような感じで塗りました。

bmw524 これは比較的モトクロームを塗った物だと思います。

尚モトクロームを塗ってからはその上に専用のクリアー「モトクリアー」を塗りますが、それに関しても少々疑わしいところがあるので今までのようにしっかりとは塗らず、その上に塗るスタンドックスのクリアーがよく浸透するようにとドライコート気味に抑えています。それ故にメッキ感はかなり落ちてしまっていたりはするのですが(と言う事が先ほど紹介した石仮面のようにはならなかったという事ですね)。

bmw523 メッキの仕上げには程遠いですが、それでも普通の塗装でこういった金属感は出せませんし、この辺はオーナー様にも御理解頂いていますので大丈夫です(私的にはいつか本物のメッキを掛けて貰えればと思っていますので)。

と言う事で、後は最後にこの「e」の側面に、最初に紹介した画像にある「e Drive」のエンブレムと同じ様に「側面を青」に塗れば完成となります。

ただ最後の最後にチヂレたりしたら嫌過ぎますので(笑)、どうぞもう少々お待ち頂ければと思います。

BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 下塗り

bmw498 先日シリコン型からの注型で作ったBMW X5 M 40e用のエンブレムです。全部で4セット用意しました。

「0」の部分についてはオリジナル(純正部品)からの複製となりますが、「4」と「e」については原型をMDFの板から切り出してマスター型を造り、それを複製しています。工程についてはこちらの社外記の方で紹介していますので宜しければどうぞ。

画像は先日塗ったサフェーサーが完全硬化したので、この後全体を研いで形を整えます。黒い点々は研ぎ作業の時の目安となるガイドコートです。

bmw499 大まかなラインは出ているので、サフェ研ぎは#800の水研ぎからスタートし、最後はアシレックスレモン(#800相当のソフトな布状の研磨副資材)でペーパー目を均します。

ちなみにエッジを削るのは最後の最後で、これが自動車の板金塗装だと何故か板金屋さんはあえてこのエッジを残したまま回して来たりするのですが、多分それは「ほら、ちゃんとライン出ているだろ?」って暗に言っていると言うか「俺の仕上がりを見てくれ!」みたいな感じなのだと思います。板金屋さんからすると塗装屋の方が華やかで羨ましいらしいみたいで、って言うか塗装屋的には最後までちゃんと研いでおいてくれよ!って感じなんですけどね(笑)。

bmw517 そして下塗り準備完了です。ちなみに下塗りと言っても今回のは「艶有り黒」の本塗り同様で、むしろ失敗が許されないので普通の本塗りよりも気を遣います。塗装屋さんなら経験あるから判りますよね。とても気分が悪くなります(ストレスで)。

bmw518穴など塗り難い箇所は裏側からもスプレーできるように、設置方法はとにかく隙間を空けるようにして固定しています。

固定方法としては裏側をよく脱脂して丸めたガムテープを食み出さないようにして貼り付け、それを模型塗装用のワニクリップで摘んでブリッジするように固定しています。

bmw591そして下塗り完了です。と言っても塗装内容は通常の黒と同じく「ベースコート(黒)+クリアー」で、気温は低かったですが硬化剤は少し遅め(15-30)にして、シンナー希釈率をいつもより少し高め(15%→20%)にし、「薄膜&肌目の無い仕上がり」になるようにしています。なのでクリアーもレベリング性の高いクリスタルクリアーを使いました。

bmw520今回下塗りとして「艶有り黒」に塗っているのはこの後に塗る「モトクローム」なる塗料の為で、ただこの塗料は著しく密着性が悪い為に(剥がれてしまいます)現在は受付を禁止しているのですが、今回はオーナー様御了承の上でこれを使ってみる事にしました。以前エッティンガーのホイールセンターキャップにベンツマークを作って塗った時とアレと同じ塗装です。

bmw521ちなみにこの後に塗る高輝度シルバーの前には基本的に手を触れる事は出来ず、また脱脂処理も出来ませんから(拭き取ったスジが残るのです)、肌を荒らしたりゴミが付いたりしたらお終いです。勿論回避方法は色々試していて磨き処理も出来ない事は無いのですが、かなりリスキーですし完全ではありませんので基本的には完全硬化させた後も全く触れる事無くそのまま塗装を行います。

と言う訳で塗膜が完全硬化したらいよいよ本塗り開始なのですが、実はそれもすでに終わっています。と言うか前記したように足付け処理は出来ませんから、その代わりにSTANDOXの規定にもある「24時間以内なら足付け処理不要」の方法で密着性を保持すると言う作戦で、この下塗りと本塗りを二日間に渡って作業しています。

それでは本塗りの方もまた改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ロードスターヘッドカバー 結晶塗装承ってます

road238 先日到着しておりましたロードスターNBのエンジンヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!ちなみに先日初めて気がついたのですが、ロードスターはNA,NB,NC,NDと順番になっていたのですね。全く知りませんでしたよ(車屋ではありませんのでどうかご容赦下さいませ)。

road239現状は比較的綺麗なのですが、やはりと言うか表面全体に軽く腐食は出ていますので、今回は軽めのサンドブラスト処理も承っています。

また今回は文字の部分が凸では無く「凹」の形状で、ここは今までも何度か施工して来ました「凹み文字部塗装」で承っております。

iromihon1ヘッドカバー本体の色については「濃紺」で承っておりまして、色の目安としては当サイト内にあるWeb色見本帳から「 s593のC1,C2,D1,D2くらい」といったご指定を頂いております。上記画像の左下四個にあるくらいの紺ですね。

road125そして凹み文字の部分はこんな感じで結晶塗装の後に、今回は「濃い赤」で承っています。一見簡単そうに見えますが、結晶塗装の上にはマスキングテープが殆どくっつかないので中々厄介な塗装です。作業工程についてはこちらで紹介していますので宜しければご参照下さい。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

S20ヘッドカバー 結晶塗装承ってます

s206  先日到着しておりました、スカイラインGT-R(KPGC10)のS20エンジンカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容としては「濃い緑」の結晶塗装で、以前施工した時の画像がありますので紹介させて頂きますね。

s208画像で見ると黒にしか見えないのですが少し緑味掛かった深緑となっていて、9年前の当時はよくこの色で塗っていました。ちなみに上の画像では塗装したのみの状態で、ここから凸部を面研して光らせていきます。

s207現状は塗装の下から腐食が出ていまして、オーナー様的に「これくらいの予算は見ているので」と言う事ですので、今回は強力な直圧サンドブラスト処理&重防錆仕様で作業承っております。ちなみに当店にあるのは直圧タイプでは無いので、サンドブラストはいつもお願いしている専門のショップさんにお願い致します。

ちなみにオーナー様が当店を知って頂いたきっかけはこちらのサイトのようでして、当店に営業マンが居なくても仕事が集まって来るのはこういう方々のお陰でもある訳ですね。有り難い限りです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

フェアレディZ32インマニカバー 作業前準備

z3233 こちらも大変お待たせしております。フェアレディZ32の純正インテークマニホールドカバーも作業着手しておりますので御安心下さいませ(と言っても実作業はまだこれからですが)。

今回の御依頼ではインマニのカバーに貼ってある赤い帯状のシールを「カーボン」で作製するよう承っておりまして、先日その材料も到着しております。

z3234 当初は自分で作ろうとも思ったのですが、流石にそれだとコストが見合わないと言う事で、今回は専門でやっている方に作って頂きました。厚みは約2.2mmとなります。

z3235 既存のシール(と言うかモール)を剝がし、それをスキャナーで読み込んで既存のロゴをデータ化します。

z3232画面の一番上にあるのがスキャナーで読み込んだ画像で、その下が今回新たに作製したデータです。文字の色については伺っていなかったので先に数色のパターンを作ってみました。宜しければどうぞご検討下さいませ。

z3237インマニカバー本体の色については「シルバーの上にスモーク」を予定していたのですが、先日行ったテストではこれの結果が芳しくなく(と言うかかなり悪い)、現在オーナー様に確認しているところです。予想ではもっと金属っぽい仕上がりになると思っていたんですけどね。黒だろうがスモーク塗装だろうが結局「単なるガンメタ」にしかなりませんでした。

ちなみに同じくこれを採用しようとしてたBMW X5 M “50d”→”40e”のエンブレムですが、これに関してはオーナー様にご了承を頂き、通常は取り扱いをしていない金属感のある塗料「モトクローム」を採用する事にしました。少し前に施工したエッティンガーのホイールセンターキャップに使った塗料です。

これについての検証も既に済んでおりますので後日改めて紹介したいと思います。

それにしても週初めから戦場のような一日でした・・・。