NBロードスターヘッドカバー結晶塗装&凸文字化 完成

road103 大変お待たせしました!NBロードスターのヘッドカバー、本日完成となります。最初の状態と、それぞれの作業内容を紹介させて頂きますね。

road19こちらが初期状態で、今回は凹み文字を埋めて”MAZDA”のロゴを凸文字で作成する作業も承りました。

road80最初は凹み文字をある程度残したままパテで埋めたのですが、アルミとの熱の伝わり方が違った為にそこだけ結晶目が変わってしまうと言う事態が発生し、一旦凹み文字を全て削り落として新たに塗り直しました。

road104 ただそれでも若干その跡は残ってしまっています。上の”DOHC 16-VALVE”があった箇所がそうですね。二回目の塗装では熱の伝わり方なども気をつけたのですがそれでも出てしまったので、もうここはアルミ溶接で埋めるしか無いのかも知れません。

road98と言う事ですが、実際に車体に装着されると該当の箇所はプラグコードやタワーバーで殆ど見えないと言う事でオーナー様からは御了承頂き、また参考画像も頂きました。上の画像は以前ご依頼頂いた光岡のゼロワン(!)です 。

road96そして今回装着予定なのがこちらのロードスターで、現状着いているヘッドカバーも以前当店で塗らせて頂いた物です。

road105 ちなみに今回は結晶塗装にパウダーパール(レッド&バイオレット)も入れてあります。画像だと判り難いのですが、普通の赤とはちょっと違ってフワっとした感じになっています(一番最初の画像が判り易いかも知れません)。

road106 こちらの凸文字は今回新たに作成しました。詳しくはこちらの社外記で紹介しております。尚、鋳造など社外記で紹介しているものは専門外の事ですので今回のような塗装の付帯作業以外ではお受付しておりません。ご注意下さいませ。

road107結晶目を近くで見るとこんな感じです。作成した凸文字はアール面に合わせて削りましたので隙間も綺麗に仕上がっていると思います。

road108そして先週末に貼り付けておいた自家製カーボンエンブレムです。こちらは(こちらも)通常の仕事とはちょっと違って、主に技術力の向上などを目的に作成していたりする物ですので販売や製作などのお受付はしておりません。どうか御理解下さいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

NBロードスターヘッドカバー結晶塗装 本塗り

road87 大変お待たせしました!先日本塗りまで行っていて凹み文字の跡が出てしまったNBロードスターのヘッドカバーですが、その後凹み文字部分を全て削り落とし、新たにエポキシパテで修正して再塗装を行いました。

問題の箇所については完全に払拭出来たとは言えないのですが、大分良い感じには出来たと思います。

road88 改めてプライマーからの塗り直しとなります。

road89 色については今一度オーナー様に確認しまして(前回が何か違うような感じがしたので折角の機会ですから)改めて作りなおしてみました。前回はオレンジ系のパウダーパールを入れていましたがそちらは無くし、レッドパールとバイオレットパールを入れて青味を強くしています。

road90 またプラグホール部分のマスキングは元々レーザーでカットしたMDF板をはめ込んでいましたが、ちょっとした傷が付くのが嫌なので違う方法に変更しました。使っているのはマスキングテープでは無くコピー用紙をカットした物ですが、これだとフチに塗料が溜まらないので一番綺麗に出来るかも知れません。

road91 そして熱を掛けて本塗り完了です。文字があった部分には若干それらしい跡が見えますが、言われないと気がつかない程度には出来ていると思います。

road94凹み文字を削ってパテを付けた際にはある程度の傾斜も付けてスムースになるようにはしたのですが、それでもそこだけ熱の伝わり方が違って若干結晶目が細かくなっています。意識して見ないと判らないレベルだと思いますが、この状態で一旦オーナー様にご確認をとってみようと思います。

road93新たに増設した凸文字の方は良い感じに出来ていると思いますので、こちらはもう本当にご安心頂いて大丈夫かと思います。

後ほどメール致しますのでどうぞご確認の程宜しく御願い致します!

NBロードスターヘッドカバー 下地修正

road83大変お待たせしておりますNBロードスターのヘッドカバーですが、色々ありまして下地から修正し直す事にしました。ただ既に見通しはついておりますのでどうぞご安心下さいませ。

road84他のヘッドカバー同様に本塗り自体は行いましたので、一応そこの経緯も紹介しておきますね。

road76 と言う訳で本塗りは終わっていたのですが・・・。

road77 エポキシパテで埋めた凹み文字の部分が浮き上がったようになってしまっているのです。

これは文字の部分が凹んだと言う訳では無く、どうやら熱の掛かり方がアルミとパテの部分で違ってしまう為、結晶目の発生に時間差が生じてしまい、そこだけ結晶模様が違ってしまうのです。見る角度によっては殆ど目立たないのですが、さすがにこれでは・・・と言うことでやり直しをさせて頂く事にしました。不都合をお掛けしまして申し訳御座いません。

road78 と言う訳で、改めて溶剤槽に浸けて全ての塗膜を洗い流しました。

ちなみにオーナー様には事前に「こういう事は普通にある」といった旨を説明していまして、ただ通常はわざわざこうやって紹介する事は無く、特に何事も無かったかのように作業を進めています。

こちらの日記で紹介している結晶塗装の仕上がりは全てが良い出来という訳では無く、垂れてしまったりして失敗した場合はこうやって塗り直しているから綺麗な物を紹介出来ているという事なのです。精神的にはかなり凹みますが、モヤモヤしたまま過ごすよりは余程健康的です(多分、ですが・・・)。

road79 と言う訳でパテを埋めた凹み文字部分を削ってみました。パテを塗る前にはサンドブラスト処理もしているので仕上がり自体は何ら問題はありません。ただ当初これを行った時に説明したように、セオリー通り文字を全部削っておくべきだったんですよね。自分で言っておいて何をやっているんだって感じです。

road80文字を全て削る落とす事については強度の点で懸念していましたが、それについては凹み文字の底部分で寸止めするようにして対応しました。周りは多少傾斜になるようにしています。

road81 そして再度軽量エポキシパテ(Z-1パテ)を盛っています。今回はさらに厚みを確保出来るよう、広い範囲にして多少なり嵩上げ出来るようにしています。

road82熱を入れて研磨後、最初と同じように巣穴をエポキシ接着剤(3Mパネルボンド)で埋めます。とりあえず本日ここまで終わった状態です。

ちなみにここまでやらないで、単に塗り方(熱の入れ方)を変えるだけでも上手くいったかも知れないのですが、装着される場所が場所ですので、一応懸念事項は払拭したかった次第です。大変お待たせして申し訳御座いませんが、何卒もう少々お待ち頂ければと思います。

尚、他のヘッドカバーについては無事仕上がっておりますのでどうぞご安心下さいませ(何だかすいません・・・)。ただ紹介は来週になるかも知れませんのでどうか御理解の程宜しく御願い致します(さすがに凹みましたし、改善して見通しがついたところまでは紹介したかったので結構ハードな一日になってしまいまして。すいません)。

NBロードスターヘッドカバー 凸文字取り付け

road68先日まで社外記の方で紹介しておりましたNBロードスターのヘッドカバー用に作成したmazDaの凸文字です。上の状態だと型から外しただけなのでヘッドカバー本体と文字とに隙間が空いていますから、これをペーパーで削って面を合わせます。

road69こんな感じで湾曲面にフィットするようにしました。厚みもある程度削っておいています。

road70 その後鋳造した凸文字とヘッドカバーをリン酸処理します。

road71 リン酸処理は機能までに終わらせていて、一日置いてよく乾燥させた後、エポキシ接着材を使って凸文字を貼り付けます。

road72元々凹み文字があった場所と同じ位置に新たに作成した凸文字を貼り付けます。接着剤はわざと食み出すようにしてこのまま熱を掛けて硬化させ、20分くらい経ったら熱いうちにカッターで取り除きます。隙間をしっかり埋める為ですね。

road73 凸文字がガッチリくっ付いたらダブルアクションサンダー#80で凸文字を削ります。

road74凸文字の高さは1.5ミリ~2.0ミリでオーナー様よりご指定頂いていますので、とりあえず後で削る分を考えて2.5ミリに合わせておきました。測ったのはヘッドカバーの湾曲した頂点の部分(文字の中心)で、凸文字文字が一番薄い部分となります。

後は結晶塗装を本塗り後、ここからさらに0.5ミリ~1.0ミリ程を削って光らせます。

この他一緒に結晶塗装を塗るヘッドカバーがどれもまだ作業が進行しておりませんので、本塗りは少し先になるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

NBロードスターヘッドカバー 凹み文字埋め

road34 先日サンドブラスト処理を行っていたNBロードスターのヘッドカバーです。リン酸処理をするかどうか悩んだのですが、先に凹み文字部分を埋める作業から始める事にしました。

リン酸はパテのフチ(のアルミ素地)を侵してしまうのでセオリーとしてはそちらが先なのですが、プライマーを塗れるのはまだ先になりそうなのでそちらは後で行う事にします。パテを塗った部分にはマスキングをすれば大丈夫なのでどうぞご安心下さいませ。

と言う事で、まずは凹み文字周りを少し削っておきます。本来であれば凹み文字の底までアルミを削り落としスムーズな傾斜を形成させたいところですが、さすがにこの厚みでそれをやるのは大変ですし、そもそも強度的にどうなのかと言うことで削るのは少しだけにしています。

z1 と言う訳で今回新たに導入したZ-1パテです。製品自体は昔からある物で、販売された当初(15年くらい前でしょうか)から愛用していましたが、小物の塗装専門になってからは使う機会が無かったので買うのは久しぶりです。ちょっと特殊なパテなので初めて使った時はかなり衝撃的でしたが(ご存知の方は判りますよね)、これについては後ほど社外記の方で紹介したいと思います。

パッケージのデザインについては少々不安になりますが(笑)、とにかく凄く良いパテなので今回の作業に丁度良かったです。

road33 先ほどのパテをよく混ぜたら凹んだ文字部分にしっかりと充填します。ただこのパテはとても塗り難く、大きい巣穴が出来易いので、今回はそれの対策として上からクリアファイル(普通の市販のアレです)を貼ってガムテープで固定しました。普通はこのような事はしませんが、ちょっと試してみたかったのです。

road35 そのまま熱を掛けてパテが固まったらクリアーファイルを剥がします。クリアーファイル自体はPP(ポリプロピレン)なので、幾ら密着性の強いエポキシでも離型剤無しに簡単に剥がれてくれます。ただちょっと塗り過ぎましたかね・・・。

road36 なので結局かなりの量を削る事になりました。まあそれでも一応は効果があったみたいで、思ったよりかは巣穴も少なく清んだようです。ドリー(2個上の画像に写っている板金用の鉄の塊)でゴシゴシと扱いたのが良かったのかも知れませんね。

ちなみに今回使ったZ-1パテは思った以上に研ぎ易く、???と思っていたら、どうやら使われている材料が一部変わっていたみたいで、昔に比べると大分研ぎ易くなったみたいです。以前は岩を削っているのか(!)と思うくらい大変だったのですが、これならもっと色々な場面で使えそうですよ。

road37ただそれでも結構な量の巣穴は出来ているので、さらにこれを埋めておきます。

road38巣穴を埋めるのに使うのはいつもの3Mパネルボンドで、先ほどのZ1パテと同様、どちらも2液のエポキシ系となります。

ちなみにこのような巣穴を埋めるのには通常ポリパテを使いますが(その方が全然楽なので)、結晶塗装の場合は被塗物に掛ける熱が140℃以上、場合によっては170℃まで上がるのでポリパテでは剥がれてしまうのです。その場では剥がれないにしても、後でプクプクと浮いてしまったら嫌ですので、この辺はエポキシで統一しておくのが吉ですかね。

次の作業としてはいよいよ凸文字の作成となるのですが、そちらはもう少し先になりますので、とりあえずヘッドカバーはこの状態で一旦休止となります。

凸文字の作成についてはこちらでは無く社外記の方での紹介となりますので、ご興味のある方はそちらもチェックしておいて頂ければと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!