昨日からマスキング作業を続けていたTOM FORDのメガネフレームです。本日マスキング作業を終えたので早速本塗りを行いました。
製品自体はとても小さいのですが、今回のメガネフレームはいつもに増してマスキング箇所が多く時間も掛かっているので、費用もその分高額になっています。一般的な国産車のバンパーを塗るくらいの金額でしょうか・・・。
そして本塗り完了です。実はこの間に色々あって凄く時間が掛かっているのですが、余りに集中していて何も撮影していませんでした。
難しかったのはこのラインで、元々ここに埋め込んである金属の部分を予めマスキングし、ベースコートの黒を塗装、ただマスキングの見切り際がちょっと気に入らなかったので、一旦ペーパーを掛け、右・左・上と3回に分けて塗装しています。
ベースコートのガンは最初は口径0.6mmでしたがそれでもちょっと出過ぎていたので、結局口径0.3mmのSATAのエアーブラシを使いました。
綺麗なラインが出たところで金属素地部分には密着剤を塗り、全体にクリアーを塗って段差を馴染ませています。
テンプルの端に埋め込んであるエンブレムはメッキが施されているようなので、こちらはクリアーは塗らず、最後までマスキングをしたままで行いました。ただそのままクリアーが固まってしまうとやはりフチの仕上がりが悪くなるので(隙間がクリアーで埋まってしまいます)、クリアーを塗った直後にピンセットでマスキングを剥がしています。
実はかなりリスクが高く、本来はクリアーが固まった(或いは指触乾燥した)後に剥がす方が安全なのですが、大抵はマスキングテープがクリアーとくっ付いてしまって、後からそこにカッターを入れるとエッジが立ったような断面が出来てしまうので嫌なんですよね。クリアーがレベリングしている(流動している)内に剥がせば、表面張力でフチに溜まったクリアーが馴染んでくれるので綺麗に仕上がるのです。毎回そう出来る訳では無いのですが、いけそうな時は極力そうしたい、と言う感じです(勿論失敗して塗り直す事もあります)。
フロントの方はレンズ周りの塗膜が厚くなり過ぎない様に注意するくらいで、むしろ今回はこちらの方が楽でした。また今回は両サイドにある筈の蝶番が取れてくれているのが助かりました。
レンズ周りに貼ったマスキングテープもクリアーを塗った直後に剥がしていますが、こちらはマスキングテープのスタート地点にピンセットの刃先が置けるのでそんなに難しくはありません。ただ剥がしている途中でマスキングテープを離してしまうとクルクルっとなって塗装面にくっ付いてしまうのでそれに注意ですかね。また重力の方向を気にしながらだと上手くいくと思います(万が一に助けられた事は何度もありますので・・・)。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。熱を入れるのは明日以降で、また磨き処理もあるので、二週後くらいになるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!