メガネフレーム(TOM FORD) 本塗り

tom13 昨日からマスキング作業を続けていたTOM FORDのメガネフレームです。本日マスキング作業を終えたので早速本塗りを行いました。

tom12製品自体はとても小さいのですが、今回のメガネフレームはいつもに増してマスキング箇所が多く時間も掛かっているので、費用もその分高額になっています。一般的な国産車のバンパーを塗るくらいの金額でしょうか・・・。

tom14 そして本塗り完了です。実はこの間に色々あって凄く時間が掛かっているのですが、余りに集中していて何も撮影していませんでした。

tom15 難しかったのはこのラインで、元々ここに埋め込んである金属の部分を予めマスキングし、ベースコートの黒を塗装、ただマスキングの見切り際がちょっと気に入らなかったので、一旦ペーパーを掛け、右・左・上と3回に分けて塗装しています。
ベースコートのガンは最初は口径0.6mmでしたがそれでもちょっと出過ぎていたので、結局口径0.3mmのSATAのエアーブラシを使いました。

綺麗なラインが出たところで金属素地部分には密着剤を塗り、全体にクリアーを塗って段差を馴染ませています。

tom16 テンプルの端に埋め込んであるエンブレムはメッキが施されているようなので、こちらはクリアーは塗らず、最後までマスキングをしたままで行いました。ただそのままクリアーが固まってしまうとやはりフチの仕上がりが悪くなるので(隙間がクリアーで埋まってしまいます)、クリアーを塗った直後にピンセットでマスキングを剥がしています。

実はかなりリスクが高く、本来はクリアーが固まった(或いは指触乾燥した)後に剥がす方が安全なのですが、大抵はマスキングテープがクリアーとくっ付いてしまって、後からそこにカッターを入れるとエッジが立ったような断面が出来てしまうので嫌なんですよね。クリアーがレベリングしている(流動している)内に剥がせば、表面張力でフチに溜まったクリアーが馴染んでくれるので綺麗に仕上がるのです。毎回そう出来る訳では無いのですが、いけそうな時は極力そうしたい、と言う感じです(勿論失敗して塗り直す事もあります)。

tom17 フロントの方はレンズ周りの塗膜が厚くなり過ぎない様に注意するくらいで、むしろ今回はこちらの方が楽でした。また今回は両サイドにある筈の蝶番が取れてくれているのが助かりました。

 

tom18レンズ周りに貼ったマスキングテープもクリアーを塗った直後に剥がしていますが、こちらはマスキングテープのスタート地点にピンセットの刃先が置けるのでそんなに難しくはありません。ただ剥がしている途中でマスキングテープを離してしまうとクルクルっとなって塗装面にくっ付いてしまうのでそれに注意ですかね。また重力の方向を気にしながらだと上手くいくと思います(万が一に助けられた事は何度もありますので・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。熱を入れるのは明日以降で、また磨き処理もあるので、二週後くらいになるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

インプレッサテールランプ レッド&スモーク塗装 完成

imp4大変お待たせしました!去年よりお預かりしておりましたインプレッサテールランプはレッド&スモーク塗装で完成となります。ちょっと別に本塗りの作業があったので撮影だけ先にしておきました。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

impnagano以前ご依頼頂いて塗ったのは5年くらい前で、大分色が褪せて来たので今回新たにこの上からレッド&スモーク塗装をご依頼頂きました。また今回はスモークを濃い目にと言うことで、当初に比べても大分印象が変わったと思います。

imp5レッドの上にレッドを塗り重ねているので色味自体もいつもより濃く仕上がっていると思います。

imp6当店に届いた時には傷も全く無い状態で、かなり大事にされていたのが良く判ります。今回の塗装でまたさらに長く使い続けて頂ければと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

メガネフレーム(TOM FORD) 下準備

tom7 こちらもお待たせしました!TOM FORDのメガネフレームも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

各パーツは先に足付け処理を行い、脱脂洗浄した後にいつもの撮影スペースでマスキング作業をしています。ここが一番明るいので細かい作業でも疲れないんですよね。

tom8 蝶番の部分には細くカットしたマスキングテープを貼っていきます。前回はここの形が複雑だったのでリキッドタイプ(液体)のマスキングゾルを使いましたが、今回はテープで大丈夫です。

tom10 また今回はレンズ周りのマスキングも承っておりまして、そこも同じように細くカットしたマスキングテープを貼っていきます。一見難しそうに見えますが、ピンセットを使って貼っていけばそんなに難しくはありません。

tom11 マスキングのコツはテンションを掛けずに、置いていくように貼っていくと後で角が浮いたりしません。またテープを貼るところも綺麗に脱脂しておくと糊の付きが良いので安心です。

tom9ただ実際にマスキングを行って判ったのですが、茶色(鼠色)の部分をきっちり塗ろうとすると、マスキングの見切りラインはかなり内側になってしまいます。本来はレンズを嵌める時に塗膜が当たらないようにそこは避けて塗りたかったのですが、どうやら物理的に難しい模様です(薄々判ってはいたのですが・・・)。

と言う事ですが、先ほどオーナー様にもご確認頂きまして、マスキングの見切りラインはこの位置でご了承頂き、ととにかく茶色(鼠色)の部分をしっかり黒で覆い隠す方向で行う事となりました。お手数を頂き有難う御座いました!

とりあえず本日はここまでで、後日改めて作業進行させていこうと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ブレンボブレーキキャリパー塗装承ってます

 brembo本日到着しておりましたブレンボブレーキキャリパー一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

brembo1状態としてはまだ非常に綺麗なのですが、既存の塗膜は全て剥離して、新たに黒の塗装意で承っています。ちなみにフロントキャリパーはF50と言うらしいです(実は全く詳しくありません)。

brembo2リヤはF360なるキャリパーで、フロントよりも一回り小さいキャリパーです。ロゴはどれも同じ様にbremboの白での再塗装で承っています。

下地処理の工程として、「洗浄→マスキング→サンドブラスト処理→洗浄→マスキング」まではいつものブレーキ屋さんに御願いしますので、この状態で一旦発送し、戻って来たら本塗りとなります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

NISSAN S20ヘッドカバー塗装承ってます

s2021少し前に到着しておりました日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

現在のPRO_Fitでは殆どが個人の方からのご依頼ですが、こういった専門的な物に限っては決まった業者さんとのお付き合いがあったりします。今回は掲載する予定は無かったのですが、元請様にご承諾頂きましたので紹介させて頂きます。

ただ今回はいつもの結晶塗装では無く、「艶々仕様」で承っております。以前も何度か施工ご依頼頂いていますのでその時の完成画像を紹介させて頂きますね。

s202 フェラーリのロッソコルサよりも若干濃い赤で塗っています。

s20こちらは普通の黒です。

凸部は予め面研して光らせておき、ベースコートはそのまま塗って、クリアーを塗る前にもう一度面研して光らせ、密着剤を塗った上でクリアーを塗っています。

ちなみに単に塗っているだけでは無く、全て「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を行っていて、特にサフェーサーの研ぎはこんな形ですから有り得ない程大変です。

s2022 今回はボルト穴の一部に補修の痕が見られたので、そこの修正も承っています。

s2023 その後、アルカリ洗浄~溶剤槽浸け置きで旧塗膜を剥がしてみると、下からパテが出て来ました。シンナーで剥がれてしまっているのでポリパテですね。

s2024 パテを削ってみると割れた箇所はしっかりとアルミ溶接で補修されていたので、素地を多少修正し、その後エポキシ接着材を裏と表、シーリングが入る隙間にも塗っておきました。使ったのは構造用接着剤の3Mパネルボンドで、内側は念の為ファイバーも埋め込んでおきました。

この後80℃くらいで硬化させ、表側はペーパーで削ってラインを整えておきます。

s2025 リン酸処理を行い、良く洗浄して乾かした後、各部をマスキングします。

s2026プライマーを塗布し、続けて2液のウレタンサフェーサーを塗布します。この型のヘッドカバーは鋳造品にしては素地がツルンとして綺麗な方ですが、やはり傷やら粗はあるので下塗り(プライマー)だけでは綺麗に仕上がりませんから、中塗り(サフェーサー)の塗装も必要なのです。

ただしそうなるとサフェによる塗り肌の凹凸も出来てしまいますので、その後は#320→#400→#600→#800といった研ぎ工程が必要となり、この複雑な形を、しかもペーパーの角を立てない様に注意して研ぐ必要があります。とても大変な作業なので何とかしてここを省略したいとは考えるのですが、この工程を省くとシャープさに欠けた仕上がりになってしまうので、どうしても研ぎの工程は必要なんですよね。

と言う事で、また作業進行次第改めて紹介させて頂きます。いつもご贔屓頂き有難う御座います!