BMW Carbon Fiber Side Case

bmwBMW用の社外品FRP製パニアケースカバーです。土台は純正のままで蓋だけ交換出来るタイプですね。

bmw1 素材はウェットカーボンで、製品自体は新品なのですが、状態としては余り良くは無く、全体が激しくボコボコになっています。

ご依頼内容はこちらを平滑な形にし、レクサス純正色「エクシードブルーメタリック」(カラーコード:8U1)で承りました。尚、車体色はこのレクサスの色にオールペン済みとなっています。

bmw33 裏側は塗装しないので汚れないように予めマスキングをしておきます。

bmw34 作業中、或いは納品後に凸凹が発生しないよう、念のため作業前に熱を掛けておきます。

通常は60℃程ですが、予め問題を出し切っておきたかったのので100℃くらいの熱を掛けました。

bmw35 熱が十分に冷めて落ち着いたら作業スタートとなります。

bmw36 まずは全体を#120のダブルアクションサンダーで粗削りをします。

bmw38 その後#180で均し、よく脱脂清掃しておきます。

z1凸凹の修正には通常はポリエステルパテ(鈑金パテを含む)を使いますが、今回は色々問題が起きそうなので軽量エポキシパテを使う事にしました。

bmw39 エポキシ系のパテはポリパテに比べると性能は非常に良いのですが、高額で且つ作業性(効率)が悪いので通常こういったケースでは使いません。

bmw4060℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

bmw42 #120のダブルアクションサンダーで粗研ぎし、その後同じく#120と当て板を使って面出しをしたら最後にダブルアクションサンダー#180で均します。角やアールがついた箇所はクッションパッドを併用して当たりを柔らかくします。

standox4ここで通常はサフェーサー(またはポリパテ)となりますが、今回はやはり色々心配だったのでエポキシサフェーサーを使う事にしました。

bmw45 エポキシ系(ビスフェノールA型)の特徴としては抜群の密着性と塗膜強度の高さですが、紫外線には滅法弱いので下地として使うのが一般的です。

この後熱を掛けて完全硬化させ、全体を#240のダブルアクションサンダーで削って足付け処理を行います。

standox6そしてスプレーパテです。通常ポリエステルパテはヘラで塗りますが、ヘラ目を嫌う場合はこのようなリキッドタイプのパテが有効です。また巣穴も全く出来なく厚塗りも出来るので、パテとサフェーサーの良い所取りといった感じです(ただしサフェは必要です)。

尚、樹脂自体はポリエステル系なのでヘラで塗るポリパテと同じです。

bmw50巣穴は筆で埋めておきます。

bmw51その後は通常のポリパテと同様、研磨してラインを整えます。

bmw52ライン出しが完了し、最終番手は#240に整えます。

bmw53ここでようやくサフェーサーの塗布となります。

ウェットコートで5~7回塗り重ね、その後十分に自然乾燥させた後、60℃40分程度の熱を掛けて完全硬化させます。

bmw55しかしその後取り切れていない歪を発見したので新たにポリエステルパテで修正しました。こちらは部分的な修正なのでヘラ付けです。

bmw56ラインを整え、最終番手を#240~#320に整えたら再びサフェーサーを塗布します。

またもや60℃40分程の熱を掛けて完全硬化させます。

bmw57サフェ研ぎの最初は#320~#400のペーパーと当て板を使って空研ぎでラインを整えます。

bmw58その後#600~#800を水研ぎで、やはり当て板を使ってラインを整えます。

bmw59サフェーサーを細部まで砥ぎ付けたらよく清掃し、マスキングを貼り直していよいよ本塗り開始です。

bmw61そして本塗り完了です。

bmw62色は通常の2コートパールメタリックで、クリアーは高品位なタイプのSTANDOXクリスタルクリアーを使用しています。

bmw63裏側は塗装しませんが、少し入り込んだ部分でマスキングをしてフチまでしっかりと塗装します。

bmw85その後熱を掛け、必要に応じて磨き処理を行って完成です。

bmw88また今回は付属のカーボンプレートの塗装も承っていました。大きい方のロゴはシルバーでの塗装で、小さい文字は塗装では対応が出来ないのでデカールで対応しました。こちらのページで作業内容を紹介しておりますので宜しければどうぞ。

bmw86元々あそこまで凸凹だったとは思えない仕上がりに出来たと思います。

bmw87bmw89bmw90

BMWカーボンパニアケース蓋塗装 完成

bmw85 大変お待たせしました!BMWのR1200RTに装着予定の社外品カーボンパニアケース蓋と、カーボンエンブレムの塗装、本日完成となります。

bmw86 色はレクサス純正色の「エクシードブルーメタリック」(カラーコード:8U1)で、以前純正のパニアケースもこの色で修理塗装を承っています。BMWのパニアケースは蓋だけ交換出来るので、今回は用途によって使い分ける為の薄いタイプを購入~ボディ同色仕様と言う事ですね。

ただそれにしても今回の製品は最初の状態が酷く、とにかく下地処理に多くの時間と手間を費やしました。最初の状態も紹介しますね。

bmw1歪みと言うよりは全体に凹みがあるような感じで、正直これを直すなら新しい物を買い直した方が費用を抑えられたと思うのですが、今回はオーナー様の強い意向もあってこちらを直す事にしました。

bmw38一応大まかな作業工程としては、

軽量エポキシパテ(JOYBOND Z-1パテ)・・・激しい凹みと歪みに使用

エポキシプライマーサフェーサー(STANDOX EPプライマーサフェーサー)・・・通常は使いませんが少しでも強度が上がればと思いまして

スプレーポリパテ(STANDOX スプレーフィラー)・・・全体の歪み・凹み取り

ウレタンサフェーサー(STANDOX システムフィラー)・・・細かいラインの修正

・ポリパテ(イサム バンパーパテ)・・・取り残した(或いは新たに発生した)歪みの除去

ウレタンサフェーサー(二度打ち)・・・細かいラインの修正

・本塗り(ベースコート+クリスタルクリアー)・・・今回は蓋とは別に、PRO_Fit仕様のカーボンエンブレムの塗装も承りました

となっています。

bmw88 そして今回は、パニアケースに装着されるプリプレグカーボン製のプレートに、(何故か)当店のロゴの塗装もご依頼頂きました。大きいロゴの方は塗装で、小さい文字と®についてはドライプリンターでデカールを作りそれを貼ってクリアーを2度塗っています(クリアーは下塗りにも2回なので計4工程塗装しています)。

bmw89 一応歪みが判り易い様に蛍光灯下でも撮影してみました。

bmw90実際の所、元の素材(と言うか製品)が良くないので、もしかしたら今後も歪みが発生するかも知れないのですが、とりあえず現状を見る限りでは元のボコボコさは感じられないと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

BMWカーボンパニアケース&カーボンプレート

bmw78 先日本塗りを完了していますBMW MOTO用の社外品カーボンパニアケースとカーボンプレートです。

クリアー塗装後には大体60℃~70℃程度の熱を掛けていますが、今回の製品はちょっと怪しい所があるので熱は40℃程度に抑え、その分長めにしています。見ての通り最初のような凸凹は改善されていますのでご安心下さいませ。

bmw79カーボンプレートはもう一回クリアーを塗装する予定で、ただ折角なのでちょっと仮合わせをしてみました。ちなみにカーボンプレートは当店で販売している物とかでは無く、普通にオーナー様からご依頼を頂いている物です。

それではカーボンプレートの塗装が進行しましたらまた紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BMWカーボンパニアケース蓋 本塗り

bmw55 紆余曲折ありましたがBMW用の社外品カーボンパニアケースの蓋は無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ!

先日サフェ入れまで完了していたパニアケースですが、(その後入れた熱のせいか)大きな歪みが残っていたので再度ポリパテでラインを修正していました。

bmw56 と言う事で2回目のサフェーサー塗布が完了です。ここまでの工程をおさらいしますと・・・、

・軽量エポキシパテ(Z-1パテ)
・エポキシプライマーサフェーサー
・スプレーパテ(ポリパテ)
・ウレタンサフェーサー
・ポリパテ
・ウレタンサフェーサー

といった下地処理となっています。全て2液混合硬化なので熱を入れない訳にはいきませんから、どうした物かと思ってそっと水面下で作業していました。

bmw58 サフェーサーは空研ぎ#320→#400である程度のラインを出し、その後水研ぎ#400→#600→#800とラインの形成~ペーパーの目消しを行います。

パテで修正した箇所の歪みは無事取れまして、ただ原因についてはやはり内部の構造が関係しているんじゃないかと思いますから、今後熱を掛けるのは低温に抑え、その分長めに対応しようと思います。何にしても、パネルに穴を開けて内部に発泡ウレタンを注入して固定、なんて事にならなくて良かったですよ(本当はそうしたい所ですがまあキリがありませんしね)。

bmw59 パネル裏側のマスキングを全て貼り直し、いよいよ本塗り開始です。

bmw75パニアケースの方でベースコートを塗り終えたら、先週の内にデカールを貼っておいたカーボンエンブレムも合流します。こちらはもうクリアー塗装のみです。

bmw61パニアケースの方はベースコートを塗布し、クリアーを塗ったら本塗り完了です。

色は今までご依頼頂いた時と同様、オールペンされたボディカラー同色のトヨタレクサス「エクシードブルーメタリック」(カラーコード:8U1)です。クリアーはクリスタルクリアーですね。

bmw62今回ほど粉まみれになったのは車を塗っていた時以来と言うくらいの量でしたが、その甲斐あってこれがあのボコボコのカーボンパネル(!)だったとは判らないと思います。いやはや途中でどうなる事かと思いましたよ・・・(まだ終わってはいませんが)。

bmw63 裏側は敢えてカーボン地を残すとの事で、純正と同様フチの裏側までを塗装しています。

bmw64巣穴だらけで、サフェーサーを筆で塗ったヒンジ部分のスペーサーも一緒に塗っておきました(普通は筆でサフェーサーを塗ったりはしません)。

darth9実は今回のご依頼でこの色は3回目なので、今後また同じ色でご依頼頂いても配合データの色を間違えないようにと色見本を作っておく事にしました。ちなみにこれは遊んでいる訳では無く色見本の為の物です(念の為)。

本当は毎回使用した配合表を、そのままここで紹介してしまえば後で何を使ったのかとか中身を見るのに凄く便利だと思うのですが(タグ付けすれば検索も出来ますし!)、配合データの内容は著作権等の問題があるので公には出せないんですよね。

bmw76 そしてカーボンプレートにもクリアーを塗って本塗り完了です。

ちなみにこれも遊んでいる訳では無く、元々先程のパニアケースにある窪みに嵌まる物を当店のロゴでご依頼頂いています。

bmw77「PRO_Fit」の部分は塗装で、「®」と、「Creative Paint Shop」の部分はデカールになっています。デカールは段差が出来ているので後にペーパーで削って、多分もう一度クリアーを塗る事になると思います。どの道パニアケースの方は熱が掛けられないので(掛けたくないので)長めになりますから時間的なロスは無いと思います。

一応完成予定としては二週間後の3月半ばくらいを予定しております。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMWカーボンパニアケース用エンブレム 本塗り

bmw13BMWのカーボンパニアケースに貼るプリプレグカーボンプレートの下塗りクリアー(2回)が完全硬化したので本日本塗りに挑みました。上の画像はまだ作業前の時で、プリプレグカーボンプレートもこの段階ではまだ何もしていない状態です。

今回このカーボンエンブレムを製作する工程としては、大きいロゴの方はシルバーの塗装で対応し、細かい文字の方は塗装では難しいので(細か過ぎてマスキングシートがカット出来ません)こちらはデカールで対応します。詳しくはこちらで紹介していますので宜しければどうぞ。

bmw65 カーボンプレートに合わせてマスキングシートの余分をカットしておきます。しつこくて申し訳ありませんが、自作のマスキングカット用定規が今日もかなり役に立ちました(笑)。

bmw66そしていよいよ本塗り開始です。まずはシルバーを塗る前にベースクリアーを塗布しておきます。これは通常のクリアーでは無く「ベースコートとして塗るクリアー」で、要は「色の着いていないベースコート」みたいな感じです。ちゃんとした2液のウレタンクリアーとは全く別の物で、そちらは最後に塗ります。

bmw67 ベースクリアーを塗っておくのは後に塗るシルバーのロゴの輪郭を美しく仕上げる為で、もしかしてやらなくても大丈夫なのかも知れませんが任意保険みたいな感じで一応やっておいています。一般的な塗装では余り行われていないかも知れませんが、自動車補修塗装では毎回やる方が普通で、これをやらないとベースコートのボカシ際の馴染みが悪くなってしまいます。

bmw68 その後30分くらい自然乾燥させてテープフリーな状態になったら先程のマスキングシートを貼ります。

standox8今回のシルバーは最近よく使っているMIX818なるベースコートで、メタリックの粒子が非常に細かくて正面が明るく透かしが黒く、しかもクリアーを塗ってもメタル感が損なわれないと言う優れものです。私的には以前使っていた(今も使っていますが)プラッティングシルバーWを濃くしたような物だと思っていて、ネタが濃いのでペーパー目が出難いのも特徴ですかね(勿論シルバーなのでそれなりには出易いですが)。

bmw69 先程のMIX818のシルバーをシンナーで希釈して塗布しました。

bmw70 マスキングを剥がし、さらにもう一度ベースクリアーを塗りました。今度のはデカールを貼るための準備としてですね。

bmw71 そして二階に移動です。今日こそは早く帰ろうと思っていましたが、もう大雨で帰れない様な状況になってしまいまして・・・(苦)。

bmw72 デカールを水に浸けて台紙を剥がします。デカールの接着にはマークセッターなる専用の物を使いますが、強度を上げる為に木工用ボンドも併用しています。画像中で水がモヤモヤしているのはそれが溶け出しているからで、デカールを貼り付ける際にさらにタップリ塗りつけておきます。

bmw73 デカールが台紙から剥がれそうになったら位置を合わせて貼り付けます。プレート右上にある「®」のマークもデカールで、あちらは既に貼り終わった状態です。

bmw74ベースクリアーを塗っておいたお陰で以前起きた「白化」の問題も解消され、今回はかなり綺麗に貼れたと思います。例の極小エンブレムの製作で散々練習した事がようやくここで活きて来た訳ですね(笑)。

この週末の内にデカールを定着させ、来週になったら何かでクリアーを塗る時にこちらも一緒に塗ろうと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!