インプレッサステアリングスイッチカバー 調色

先日お預かりしておりましたスバルインプレッサ用ステアリングスイッチカバー(リモコンカバー)と、色の見本としてお預かりしたステアリングスポークカバーです。今回は画像手前にあるスポークカバーのグレーメタリックを参考にして色を調色し、奥にあるスイッチカバーに塗装を施すよう承っております。

通常の自動車車体色であれば予め配合データがありますが(市販の量産四輪自動車であればまず100%あります)、今回のような内装パーツの場合はそれが存在しない為、一から色を作成する必要があります。

実際に色を作ってみて判った事ですが、これまでは「グレーメタリック」と紹介していたところ、実際にはメタリックでは無く「パール」だという事が判りました。またホワイトパールの原色は4種類あり、実際に試してみた結果、一番粒子が小さいアーミンパール=MIX836を使う事にしました。

使用した原色は黒(MIX571)とアーミンパール(MIX836)、赤青味を出す為にブリリアントレッド(MIX576) 、赤茶色味を出す為にカッパートナー(MIX582)の4種類となります。

色の見本には艶が無いので、その状態で色味が合うようにしつつ、

ウェットに濡らして艶のある状態で色が近づくよう調整します。ちなみに色見本は恐らくクリアーが塗っていない(ベースコートのみ)の為に溶剤系は使えず(表面が溶けて色味が変わる恐れがあるので)石鹸水を使い、色板の方は水を着けると台紙に染み込んでしまうのでシリコンオフを使っています。

調色が終わったら、次はクリアーの作成となります。今回は色だけでは無く「艶具合」も合わさないといけない為、3種類の半艶クリアーを用意しました。

また平面だけだと艶の比較が難しい為、立体的な色見本も作成します。

尚、半艶クリアーは艶ありクリアーと同じく2液ウレタンなので、塗って直ぐに艶の比較は出来ず、なのでこの後本塗り時と同様に熱を入れて完全硬化させてからの確認となります。また塗って直ぐに熱を入れると艶の引け具合に影響が出てしまう為(メーカーのマニュアルにもこの記載があります)、こちらも本塗り時と同様、一日自然乾燥させてから熱を入れるようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

いすゞ117クーペヘッドカバーオイルキャップ 下準備

先日旧塗膜を剥離しておいたいすゞ117クーペヘッドカバーの、

オイルキャップです。中央の丸い部分には同じように結晶塗装を行いますが、周りはアルミ地のままとなりますので、塗装の前にこちらを綺麗にしておきます。

そのまま磨いても見た目的には綺麗に出来るのですが、そうなると浸食されて凹んだ箇所から再び腐食が発生してこのような状態になってしまう恐れがあるので、

サンドブラストで表面の腐食を削り落とし、

さらにリン酸を使って目に見えない気孔部分にも化成処理を行っておきます。アルミは無垢のままでも表面に不働態被膜が形成される為、一般的に「錆びない金属」と思われがちですが、ショーケースの中で飾っておくのとは違って実用する上ではそのままの酸化被膜だけでは足りなく、どうしても腐食は発生してしまいます(特に温度が上がると進行が早まるので自動車に使う部品などは顕著に現れます)。

その後は、#120のシングルアクション→#120のダブルアクションサンダーで凸凹とした素地を均し、

番手を#180→#240→#320→#400→#500と上げていきます。

最終#1000でペーパー掛けを終わらせたら、

最後にコンパウンドを使って艶を出します。金属用という訳ではなく、通常の塗装用の物となります(金属用でワックスが入っていると、この後の塗装と、工場建物自体が汚染されてしまうのでNGとなります)。

これでオイルキャップの周りの部分が完了です。この後よく脱脂清掃し、ヘッドカバーと共に中央の丸い部分に結晶塗装を施します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(アセント&アウトバック)塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていた北米スバルアセントオニキスエディションと、同社アウトバックのスバルエンブレム塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

最初はアセント用のフロントエンブレムをわざわざ海外から取り寄せて頂き、

その後ご友人(?)の方の物という事で、アウトバック用の新品エンブレムも送って頂きました。同じ物、同じ仕様であれば複数割引が適用出来るのでこれはお得な方法かと思います。

メッキの枠はに本塗りを終えていて、完成したプレートとそちらを、新たにカットした両面テープで固定します。

両面テープは手でカットした方が早いのですが、新品時と同様の美しいラインのようにするのは難しいので、台紙からデータを作成し、レーザー加工機でカットしています。以下のツイートで動画が見れますので宜しければご参照くださいませ。

スモーク濃度はこちらを参考に調整しています。

左手前、オレンジ色の台紙が見えているのがアウトバック用の新品エンブレムとなります。

こちらが中古品だったアセント用の物となります。届いてから判った事ですが、どちらも同じ型式の物となります(そして現在作業中のフォレスターの大きいエンブレムも!)。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

メッキの枠はそのまま上塗り(今回の場合は艶ありの黒)を塗っても十分に密着しませんので、それ用の下地処理を行った上で塗装を施しています。

密着性は通常の塗膜と同様で、フェザーエッジも出せますので補修も可能です。

一般的に行われている密着剤を使って塗られたメッキパーツは「面」では抑えられていても「点」ではくっ付いていない為、飛び石等による傷が付き易く、また一部が剥がれるとそこを起点にペリペリと剥がれて来ます。ペーパーを掛けるとエッジがブツブツと切れるように剥がれるのでスムースはフェザーエッジは形成出来ず、その上から塗った塗料でチヂレ(または激しいエッジマッピング)が生じる為、全部剥離するか、部品自体を新しい物に交換して塗装する必要があります。私が一時期勤めていた町工場で、アメ車(ダッジチャージャー等)のメッキモールにスモーク塗装を行って「ブラックメッキ風」にする作業が多かったですが、やはり後で剥がれて来て、それの収拾には大変な目に遭いました(事前に剥がれる事は元請けさん、社長に進言し、さらには見積書にもその旨を記載おきましたが、結局泣くのは現場の方々でした)。

ですので当店でのメッキへの塗装は「スモーク」は受け付けておらず、今回のように下地を完全隠蔽する塗色のみとなっております。メッキ素地を活かした透過性塗装が格好良いのは私も知っているのですが、「だから言ったのに…」とは思いたく無いんですよね。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用いただきまして誠に有り難うございました!

ホンダN-VAN メッキフォググリル 本塗り

先日サーフェサーを塗っておいたホンダN-VANのメッキフォググリルです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

ラインが凸凹としていたり面積が大きい場合には#600から始めますが、今回のようにサフェの肌を落とす程度であれば#800から始め、その後~#1500でペーパー目を均し、フチは布状研磨副資材を使って足付け処理を行います。フチに耐水ペーパーを使わないのは腰が強くて簡単に角の下地が出てしまうからで、昔はこういった場面にはスコッチ(繊維状研磨副資材)を使っていましたが、現在はより使い易い布状の研磨副資材(アシレックスレモン)を使うようになっています。皮膚との一体感が良いので切削する際のコントロール性が良いんですよね。

よく脱脂清掃し、ワニクリップで芯棒に固定します。裏側からもスプレーし易いよう隙間を広く取るようにしています。

エアーブローを行い、最終脱脂、さらにエアブローを繰り返したら本塗り準備完了です。

尚、今回のパーツはこちらのプレートに空いた穴に装着される物で、元々塗ってあった艶消し黒の色板と比べてみると、プレートの方に黒味が足りない=グレー色なのが判ります。車の塗装屋さんならよく判ると思いますが、PP=ポリプロピレンの着色樹脂の黒は大抵がこうですね。

なので黒では無く、当店規定の色見本から良さそうな物を選び、

それを参考にして色を作り、洗剤を混ぜた水を塗って艶を出して色味を確認してみます。

上の色板が黒の原色まま(MIX571)に艶消しクリアーを塗った物で、下のオレンジ色が着いた色板が今回作った色となります。

と言う訳でベースコートの黒(グレー)を塗り、

艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。

つや消しクリアーも艶ありと同様ウェットに2コート塗っていて、例えばこれをドライコートで塗った方がゴミが着くリスクは減らせるのですが、肌を荒らすと傷の付き易い塗膜になってしまい、プラモデル等の耐久性を考えなくて良い塗装であればそこは気にしなくて良いかも知れませんが、実用品としてはNGです。また同じ様にゴミが着かないよう早く表面を乾かそうとして赤外線ヒーターを当てながら塗ったりすると艶具合にムラが生じるのでこれもNGです(昔の私がそうやっていました…)。メタリックの粒子を綺麗に並ばせるのと同様で、艶消しの場合はそれをシリカゲルに置き換え、ウェットな状態を長く保てるようにするのが重要なのでは、と思う次第です。

その後徐々に艶が消えていきます。

艶消しクリアーは1コート目の塗り方でも仕上がりが大きく変わるので、毎回同じ様に塗るように気を付けて行っています。

あとは本塗りを行う前に十分過ぎる程塗料を攪拌するようにしていて、艶消しにする為の顔料成分(シリカゲル)が、媒体となる樹脂(クリアー)にしっかり分散させる事で安定した艶具合に仕上げられると思っています。車体を塗っていた時には余り気にしなかったのですが、小物を専門にするようになって艶消しクリアーを使う機会が増えてからこれらの事に気が付きました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

こちらのオーナー様からは他にテールランプとルーフアンテナの塗装も承っておりますので、そちらも進行次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ダッジラムコーナーレンズ シーリング

先日本塗りを終えていたダッジラムの社外品コーナーレンズです。

元々シーリングは為されていなかったのですが、レンズと枠にかなりの隙間が空いていること、また以前行った同型の製品ではシーラーが塗られていたという事もあり、今回こちらのご依頼も承りました。

枠とレンズのフチをマスキングし、

シーラーを塗り込みます。

塗る時は最初にある程度盛り付け、それを指やヘラ、綿棒等で隙間の奥に押し込むようにして何度か往復し、余分は外(マスキングテープ上)に除けるような感じにします。

その後直ぐにマスキングテープを剥がします。シリコーンは塗装の大敵なので、その辺に付着しないよう気を付けて作業を行っています。

時々外側にタップリ食み出たシーリングを見かけますが、シーラーは接着剤程に密着しない為、フチが経年でベロベロとし、そこをきっかけにして剥がれてしまいます。なので量を塗るよりも隙間の奥までしっかり充填させる事が重要ですかね。

その後は自然乾燥でもOKなのですが、丁度ZX6Rのウィンカーの外枠を塗っていたので、そちらと一緒に恒温機に入れて熱を掛けさせていただく事にしました。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!