アウトランダーフロントグリル塗装承ってます

 先日到着しておりました三菱純正アウトランダー用フロントグリルです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 ご依頼内容はこちらの三角部分の塗装で、色は三菱純正色の「コズミックブルーマイカ」(カラーコード:D14)、クリアーは耐擦傷性の高い「VOCプラチナクリアー」で承りました。通常は使わないクリアーですが(磨き作業がとても難儀です)、「出来るだけ傷の付きにくい方法で」との事で今回新たに取り寄せる事にしました。

尚、旧タイプのプラチナクリアーであれば在庫はあるのですが、開封してからかなりの年月が経っている為、仕事ではそれは使えません。以前テスト的にスマホカバーに塗装した記事がありますので宜しければそちらをご参照下さいませ。

→ スマホカバー プラチナクリアー塗装

磨き処理が困難なのでちょっとした失敗でも塗り直しとなる為、通常はお受付しておりませんが、部品単品で平らな物であれば対応出来る物もあります。ただし熱は80℃を何度か掛ける為、変形が懸念されるテールランプ等には対応しておりませんのでご了承下さいませ。

塗装する部位は本体と一体のようなのですが、枠のシルバー部分取り外しが出来そうで、また三菱のメッキエンブレムは恐らく両面テープで着いている為、裏側からドライヤーで温めて隙間からヘラを差し込めば綺麗に外せると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

レンズ系透過性塗装 下準備

 大変お待たせしております。現在作業進行中のレンズ系パーツ一式です。4案件、全部で24点となります。

 GRBインプレッサのテールランプは中古品をご購入されたようで、裏には泥汚れが結構ありましたが、

 マスキングをする前に洗浄しておきますので気分良く取り付けられるかと思います。

 ハイマウントランプは裏側に貼ってあったクッション(布)テープが劣化していたので、新しい物に貼り直せるよう準備をしておきます(塗装後に貼り付けます)。

 AE86トレノ用のヘッドライト用アクリル板には防水用のスポンジがこびり付いていたのでシリコンオフで取り除いておきます。

 一部にヒビ割れがあったので直しておく事にしました。

ネジで固定する個所はパッキンが付くのでそのままでも大丈夫ではありますが、

 割れた個所にアクリル板用の接着剤( ジクロロメタン)を染み込ませ、

 さらに透明のエポキシ接着剤を裏側に塗っておきます。多少盛り上がっていますがクッションテープが当たる箇所なのでそのままで問題無いかと思います。

 こちらはフロントグリルと一緒にお預りしておりますレガシィ用ドアミラーウィンカーです。

 フチに貼ってあった防水・防汚用のエプトシーラーを剥がしておきました。綺麗に剥がせて糊面には触れていないので塗装後に同じように貼り戻します。

 またレンズ下側にあるウェルカムランプ部分のクリアー抜き(マスキング)を承っておりましたので、サイズを測ってデータを作製し、

 マスキングシートを作っておきました。

 こちらは同じくレガシィのテールランプ等9点と一緒にご依頼を頂いているドアミラーウィンカーです。

先ほどと同じようにエプトシーラーを剥がしたのですが、こちらはかなり強力についていたので再利用は出来ません。が、既に代替品を用意しましたのでご安心下さいませ(社外記で紹介出来ると思います)。塗装後に同じように戻しておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

液晶モニターカバーパネル 色確認

先日お預りしておりました車載用液晶モニターです。お待たせしておりましたが作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

色はこちらの部品の近似色と言う事で承っていますので、色見本帳からこれに近い茶色を探します。

自動車の外装色にこういったソリッドカラーの茶色は殆どありませんが、一部内装用の色見本帳もありますので、その中から近い色を探します。

 それぞれの色見本には小さい穴が空いていて、

 それを作りたい色の部品に重ねる事で色の相違が判るようになっています。ただぶっちゃけ、これで色が判る程簡単な事では無いんですけどね(苦笑)。

と言う訳で、近似色としてはGeneral Motorsの「Dark Beige」(カラーコード:64DN)で、スタンドックスのサイトから配合データをダウンロードします。

 実際に色を作り、見本で確認します。

 塗料は乾くと表面も透かしも黒くなる傾向にあるので、色板にスプレーしてよく乾燥させます。

艶消しでの調色作業は、色を塗った後に実際に艶消しクリアー(2液ウレタン)を塗装し、本塗りと同様熱を掛けて完全硬化させてから色を確認する必要があります。ただしそうなると一回色を見る度に小一時間掛かってしまい、とても現実的ではありません。

ですので簡易的な方法としては、見本と色板両方につや出し材(シリコンオフや中性洗剤を混ぜた水等)を塗って色を確認するなどの方法を行います。

既にロゴ作製の作業も行っておりますので、後日そちらも紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車フレーム 調色作業

 自転車屋さんからご依頼を受けている事故車両のカーボンフレームですが、オリジナルのデザインは残しつつ損傷部を綺麗に直す必要がある為、まず元の色を作る必要があります。

ちなみに四輪自動車であれば配合データがあるので色を作る事が出来ますが、自転車の場合はそれが無いので一から色を作らなければなりません。しかも今回は3コートホワイトパールなので中々難儀な作業でもあります。

 3コートパールは単なる白の「カラーベース」と、その上に透明な「パールベース」を塗り重ねて色を表現する為、まずは下層のカラーベースから色を作る必要があります。

 ただし実際の所はパールまでしっかり塗らないと色は判らない為、行ったり来たり(作ったり捨てたり)を延々繰り返すような作業が続きます。

 しかもホワイトパールは含有量や塗り方によっても色味が変わるので、ある程度まで色が出来たら今度は本塗り作業よろしくその辺の微調整も必要になってきます。

上の画像は右がカラーベース(白)のみで、左がそれにパールベース(透明)を塗り重ねた色板です。

基本的にはパールを塗り重ねると透かしは暗く、正面は明るくなる傾向にあります(まあそんな単純な話では無いのですが・・・)。

尚ホワイトパールの原色も4種類あって、しかもそこに白や黒、さらにはフリップコントローラー(パールの見え方を変える添加剤のような顔料)も入れたりと、とてもじゃないですが色の変化を全て記憶し続けるのは不可能なので、それぞれの色板にはメモを記してどれとどれの組み合わせが良いとかを探しながら作業を進めていきます。

ちなみに一般的な自動車ボディであれば塗装範囲を広くして暈す事も出来ますが、今回の自転車フレームは細かいカラーリングやロゴ、再現出来ない柄入りのデカールなどがある為、塗装範囲を広くとれない(とてもマスキングで出来るような事では無い)と言う事も作業を難しくしています。

ただホワイトパールに関しては何とか色が出来まして、後は赤と黒なので一応は先が見えています。

損傷部(傷)についてはカーボン層まで剥離をしましたが、前記した理由から塗装範囲を極力小さくする必要がある為(と言っても仕上がりや後々に影響するようなやり方はしていません)、パテ・サフェーサーは使わず「研磨→クリアー塗布→完全硬化→研磨」の工程を3回繰り返してラインを整えました。以前施工したTREKフレームの塗膜を全部剥がしてカーボン地のクリアー仕上げにしたような感じですね。

尚各ロゴに関しては、元々あった物を撮影して「Illustratorで輪郭をトレース→カット→現物合わせ」を繰り返し、ピッタリ合うマスキングシートを作製します。こちらは以前行ったLOOKのカーボンフレームの作業と似ていますかね。

幸いにして納期には余裕を頂けましたが、年末年始を利用してもう少し作業を進めたいと思います。

BMWアッパーカウル 調色作業

大変お待たせしておりました。BMWのアッパーカウルは作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

アッパーカウルは新品ですが、色が車体色と違う為、今回はこちらのフロントフェンダーを一緒にお借りしてこちらの色を基に調色作業を行います。

まずは色がちゃんと見えるよう表面を磨きます。

表面がくすんでいたので良く判りませんでしたが、かなり粗いメタリックが使われているようです。

また粒子自体がゴールドっぽく見えているので、着色メタリック(ゴールド)か、もしくはパールが使われているのかとも思いましたが、恐らくこれは透明度の高いマルーン系原色が使われているからだろうと予測して、取り敢えずそれらは使わない事にしました。ちなみにですが今回の塗色は配合データが存在しません。

メタリックの粒子を選ぶ際にはこういった原色色見本帳を使います。

取り敢えず一番粗いMIX598を使ってみます。

尚、色を見る時には専用の調色ライトを使います。

最初に使った原色の一部は要らなかったようで、途中で一度色を作り直し、また最終的にはメタリックの粒子感(サイズ)を少し抑えたかった為、二段階したのメタリックMIX811を使いました。MIX593では無くMIX812でも無くMIX811だった理由としては、MIX593に特徴が似ているからで、色の変化を大きく崩したくなかったからです(メタリック原色はサイズだけでは無く粒子の形などそれぞれ特徴があります)。

終わってみたら使った原色は少なく5色のみでした。左の原色MIX822はマルーン寄りの茶色で、透明度が高いのが特徴です(故に隠ぺい力は悪いです)。

ちなみ先ほど色を見た方向が「正面」で、こちらが「スカシ」となります。通常は白またはメタリックアディティブ(MIX008)を入れてスカシを調整しますが、今回はそれも必要ありませんでした。

ちなみに白はスカシの粒子感を濁らせたい時に使い、メタリックアディティブ(DUPONTだと4530S)は白くはさせたいけどメタリックのキラキラ感を残したい場合に使います。ただし後者は正面が黒くなると言う特徴もある為、そのバランスも考える必要があります。

また色の見方は調色ライトだけでは無く、自然光の下や他の人工照明など、それぞれ違う環境下でも確認する必要があります。

そしてストライプラインのゴールドです。こちらは「調色」と言うよりかは色の作成といった感じですかね。「似たような色」と言う事で余り作業時間は掛けません。

メタリック粒子は先ほどとは真逆に、一番細かいMIX595を使います。正面の輝きも鈍く、また刷毛目も出難いといった特徴がある為、今回のピンストライプに採用されたのでは、と言う予測も立てています。

先ほどの色だと色味(色相分と彩度)が強かった為、シルバーと黒を足して彩度を落としました。また正面を少し明るくしたかったので、メタリック原色は二つ上の物(MIX590)を足しています。

序でなので実際に色板にスプレーしてみて確認も行っています。スティックで塗った場合だとメタリック粒子は倒れたままなので色は濃く(暗く)見えがちで、スプレーで塗るとメタリック粒子は立つ為に正面が明るく色相・彩度は低くなります。またベースコートはウェットな状態と表面が乾いた状態では色の濃さが大きく変わる為、スティックで色を見る場合はその辺の特徴も踏まえておく必要があります。それぞれビックリするくらい色は変化しますので。

使った原色はこんな感じで、あと画像に写っていませんが黒も使っています。

塗装の調色で難しい事は、一つの原色を入れた場合全体のバランスも崩れるという事で、単に「黄色味が欲しい」といって黄色を入れると全体の明度も上がってしまう為、その分「黒」を入れたり「茶」も入れたりと、色々考えなければなりません。

以前の自動車の塗装をしていた頃のプロフィットで、バンパーを交換して塗装した際にそのオーナー様から「フェンダーと色が違う」と言われた事がありまして、勿論調色作業は行ったのですが、そちらのオーナー様は美術の先生をされている方でしたので色を見る目には非常に厳しく、それであれば「両フェンダーへのベースコート暈し」をお勧めしたのですが、「いや、後微妙に青味が欲しいだけだから」と言う事でバンパーを塗り直す事にしました。

が、私的にその色は難しい事も判っていましたし、彩度調色を行っても良い方向に行くか判らないと申しまして、その結果「一緒に調色を行う」(!)と言う事になりました。勿論通常はお受付もしていません。どうしてもご納得されなかった事と、私的にも是非納得して頂きたいという事で、確か夜の9時からスタートして3時くらいまでやったと思います。

結果としては最初よりはよくなったのですがやはり色は違っていて、ただしその先生も「青くしたくも単に青を入れれば良い訳では無いんですね」とご納得して頂けました。

しかし塗装屋さんなら判ると思いますが、一度入れた色は元に戻せなくても一般の方は「やっぱりさっきの状態に戻したい」と言われますので、最初に作った色からは少しずつ色を残すようにして、延々枝分かれして塗料が増えていくような事となりました。またそれぞれの色には説明書きも加え、最終的に現場はこの世の物とは思えないような光景になりました(笑)。仕事としてはあり得ない(やってはいけない)ような事ですが、今となっては良い思い出です。

と言う訳で色は出来ましたので、次はストライプラインの検証を行いたいと思います。念の為2ミリと3ミリのラインテープを追加で発注しておきました(結構沢山使うかも知れなく途中で切れたら大変な事になりますので…)。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!