バイクカーボンリアフェンダー 下塗り2回目

先日一回目のクリアー下塗りを行っておいたバイク用のカーボンケブラーリアフェンダーです。今回は常温で硬化するタイプのSTANDOX VOCエクストリームプラスクリアーを使っていますが、保管している間は恒温器に入れておいたので、他の御依頼品と一緒に60℃40分程の熱を掛けておきました。

一度目の下塗りで埋まらなかった巣穴はクリアーが固まる前に筆挿しを行っています。

場合によってはこれを削っても再び穴が開く場合があるので安心は出来ません(特にカーボンの場合はよくあります)。

また1回の下塗りではまだ素地の粗さが見受けられますので、この後も下塗りを続けます。

今回はダブルアクションサンダーは使わず、#320→#400→#500の手研ぎ(スポンジパッド使用)で研磨します。ラインを整えつつ肌目を消す作業ですね。

再び手で持って塗れるよう芯棒に固定し、

よく脱脂清掃を行ったら2枚目の下塗りを行います。尚、カーボンパーツの場合は不飽和ポリエステル樹脂かエポキシ系なので(稀にウレタン系もあるみたいですがそれも含め)プラスチックプライマーを塗る必要はありません。厳密にはABS樹脂でも不要だったりするのですが私は念のため塗るようにしています。絶対に必要なのはPP=ポリプロピレン、PA=ポリアミド、PMMA=アクリル樹脂ですね。ちなみにPE=ポリエチレンは普通の方法では無理で(全く密着しません)、またPS=ポリスチレンも溶剤系だと溶けすぎてこちらも普通の方法では難しかったりします。

1コート目のクリアーを塗り終わった状態です。

使用しているクリアーは今回もエクストリームプラスとなります。ちょっと信じられませんが、今の時期なら熱を入れずとも一時間後には磨きが可能→出庫という事も出来ます。乾燥と言う訳では無く、湿度による超促進反応効果といった感じですね。それだけに原料(主剤・硬化剤)の管理がデリケートなので、使い方には注意が必要ですかね(使う度に容器内部に窒素をスプレーして中の空気(湿気)を吐き出すようにしています)。

そして2コート目を塗り終わったら下塗り完了です。

この後様子を見て大丈夫そうなら#800→#1500での研磨足付け処理を行い、いよいよ3回目のクリアー本塗りを行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ カーボンステアリングトリム塗装承ってます

先日到着しておりましたポルシェ純正のカーボンステアリングトリムです。こちらは現在同車シフトノブのボタン部分の塗装をご依頼頂いている方で、この度も当店をご贔屓頂きありがとうございます!

状態としてはABS樹脂パーツにカーボン繊維を貼り付けて、クリアーでコートした仕様となっています。日本でもこれを専門に行う業者さんがいらっしゃったりしますが、ポルシェ純正のパーツとして存在する辺り凄いですよね。さすがクラフトマンに優しい国です。

ただ状態としては芳しくなく、今回の御依頼としてはこちらの修正=クリアー再塗装で承りました。

「塗装の細かい事はプロにしか判らない」というのは実は違っていて、技術的な事は判らなくても「何か雰囲気が悪い」というのは結構誰でも感じられると思います。壁に飾ってある絵が少しだけ傾いるとして、気にするレベルでは無いにしてもそういうの判りますよね。

今回の場合だと細かいラインの歪やデロデロとした肌目、

また巣穴等が目立ちます。

今回はカーボン目はそのまま残しますのでパテやサーフェサーなどは使えませんから、これの代わりにクリアーコートで行います。クリアーのみだと充填力は弱いので、下塗りとして2~3回程、下地が整ったら最後に本塗りとしてのクリアーを塗ります。クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っています(もしくは同社VOCエクストリームプラスを使うかもです)。

ちなみに今回ネックとなるのがクリアーの部分的な剥離で、ちょっと判り難いのですが、外傷が無くクリアーが白っぽくなっている箇所がそれになります。

こっちの方が分かり易いかもです。触ってみても欠けや凹みなどは無いのですが、その部分だけ白くなっています。

場所からして恐らくこの穴に嵌っているプラスチックパーツを外す際にマイナスドライバーなどで抉った為で、カーボン層からクリアー層が剥がれてしまっている=層間剥離が生じている物と思われます。大体どの穴も同じような箇所で同じような状態になっています。部分的に力を入れず、プラスチックヘラなどで少しずつ浮かしていけばこうはならない筈なのですが、そういう所も気にしない人は気にしないのかもですね(なのでディスカバリーチャンネルとか観ると気分が悪くなるので見れません…)。

下側の左側は極少しだけの被害で済んでいるので、剥がすまでも無い(デメリット分が大きくなるようなら)黒またはグレーのタッチペンだけしてクリアーで覆う方法(FRP屋さんがよく使う技法)で行こうと思います。他の部分は剥離が起きている所まで削り、改めてクリアーを充填してこれを無くすようにします。注意する所としては削り過ぎてカーボン繊維を(模様を)傷付けないように、ですね。

その他気になるのは開口部のフチのヨレヨレで、

そもそも凸凹したカーボン繊維を貼っているので仕方ないと所ではあるのですが、

今回下塗りを2回行う予定なので、この辺りも砥石を使って修正しておければと思います。カーボン模様があるとある程度の凸凹は気にならない(判らない)所はあるのですが、触った感じで明らかに凸凹しているのは気持ち悪いですからね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ホンダS660カーボンルーフ塗装 完成

大変お待たせしました!先日磨き処理を行っておいたS660 ModuloX VersionZ用八千代工業社製CFRPルーフハードトップの塗装、本日完成となります。

最初の状態を紹介します。

元々はカーボン地にクリアー塗装が施されていた物に、

ロールトップのボルドーに似せた色=プジョー「Rouge Lucifer」(カラーコード:EKQ/BL)を、

カーボン地を透かすようにした塗装を施しました。

先ほどまでの画像は脚立に登って撮影したもので、ここからは下に降りた状態で撮影した物となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

裏側はそのままとなります。

2重にマスキングしていたので汚れや擦れなどは一切なく、新品時の綺麗な状態を保っています。

光源を正面に見るとパールに光が反射してカーボン地は目立たなくなりますが、見る方向をズラすとカーボン地が透けて見えるのが判るかと思います。

遠目には赤メタリック(実際にはパール)っぽく見えますが、

 近くによるとカーボン地がはっきりと判るようになっています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!


その後オーナー様より装着後の画像を送って頂きました。

製品が到着した時にご感想を頂いていたのでそちらも紹介させて頂きます。

「カーボン目の絶妙な透け具合が素晴らしく、美しく仕上がっており大満足です。
今後は、同封していただいた注意事項通り、2週間ほど寝かせた後にガラスコーティングを施工いたします。」

「最後になりましたが、無理筋なお願いを快諾していただき、素晴らしい作品を届けていただきましたこと、改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました<(_ _)>」

こちらこそこの度は当店を御利用頂きまして有難うございました。またわざわざご報告&画像ありがとうございました!

ホンダS660カーボンルーフ 本塗り

先日下準備を行っておいたS660 ModuloX VersionZ用の八千代工業社製CFRPルーフハードトップです。

よく脱脂清掃し、エアーブローを行って埃を飛ばします。

通常であれば手で持ってこの場所=排気浄化装置の前で塗りますが、比較的大きい物ですので、回転台に乗せて塗装を行うようにします。

まずは透明なベースコート=ベースクリアーを塗布します。今回のようなベタ塗りであれば(ボカシ作業が必要無ければ)そのまま色を塗るのが基本ですが、素地のカーボンを活かした塗装=変則キャンディーカラーの場合はちょっとしたミストムラ(静電気によるムラ)が出るのも防がなければならない為、ボカシ際と同様の方法で行っています。

予め作成した塗料を、さらにベースコート用樹脂(STANDOX MIX599)で希釈し、薄く塗り重ねていきます。

本来なら3コートで済むような塗装を、倍に希釈して6コートに分割して吹きムラを出さないような作戦となります。中研ぎも出来ないので(ペーパー目がそのまま残る恐れがあるので)埃が付かないよういつも以上に気を遣う必要がある為、ストレスで胃が締め付けられる感じです。

ベースコートを重ねながら、予め作成した色見本と見比べてカーボン地の透け具合と色味を確認します。

理想としては色板の4種類ある内の右から二番目で、

ただし色板のカーボンと実際の被塗物(ルーフ)とのカーボンでは色味が違う為、色々な角度や見え方を探りながら良さそうな塩梅を見つけます。

塗りが足りないと赤味(ボルドー)の発色が少なく、逆に塗り過ぎるとカーボン地が見えなくなってしまうので、最後の方はさらに希釈率を上げて(樹脂分の比率を上げて)、ほぼ透明なくらいのコートで微調整を行っています。

ブース内の照明を片側だけ落としたりして色々な環境で見て良い具合になったら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

今回の塗色に使われているパールは赤系が2種、イエロー系が1種、ホワイト系が1種となっていて、パールは光源によってそれの見え方(効き方)が変わりますから、見る角度によってはカーボン目が目立たず、逆に違う方向や環境によってはしっかりカーボン目が確認出来るようになっています。一般的なキャンディーカラーより余程気を遣うので精神的な負担がかなり大きいです。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。磨き作業も行うので少し長めになるかも知れませんが、どうぞもう少々お待ち頂ければと思います!

ホンダS660カーボンルーフ塗装承ってます

先日到着しておりましたS660 ModuloX VersionZに取り付け予定の八千代工業社製CFRPルーフハードトップです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

今回はこちらのカーボン部分を、現状着いているロールトップのボルドーに似せたような感じで、且つカーボン地を透かした塗装で承っております。

最初にご相談頂いたのが4月頃で、現物を見てみないと細部が判らず不安な所もありましたが、比較的シンプルな構造ですので塗装する上で問題なく安心しました。もしそうだったら嫌だった事としては、ヘルメットのフチに接着剤で着いているモールのような感じですね。隙間無くピッタリついているのに剥がすとそれ自体が切れるので新しいモールを入手して交換するか、ぶつ切りマスキングでその箇所の仕上がりが悪くなってしまう事ですね。

色に関しては後から色見本帳をお貸出しし、その中からロールトップのボルドーに似たこちらのプジョーEKQ(/BL②)を御指定頂きました。

ただ今回は素地のカーボン柄を透かした塗装となりますので、このままでは使えず、これにベースコート用の樹脂(クリアー)を足して使う事になります。以前施工したスーパーセブンの時の画像がありますのでそちらを紹介させて頂きます。

こちらも元々は黒っぽいカーボン素材で、その上にグリーンメタリックをベースコート用樹脂(MIX599)で希釈してカーボン柄を透かした塗装となっています。

その数年後に追加でトランクカバーを同じ内容の塗装でご依頼を頂きました。最初の御依頼ではまさかその後があるとは考えておらず、これは大変な事を引き受けてしまったとも思ってしまったのですが、使用した色や作業内容を記録しておいたので同じ様に仕上げる事が出来ました。尚この時の色はメルセデス社のカラーコード6836がベースで、それをバインダー(樹脂)で5倍に薄めて使用していますので、今回もこれに倣って作業をしてみようと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!