レンジローバーオーバーフェンダー下準備④

先日2回目のサーフェサーを塗っておいた、レンジローバー純正オプションのオーバーフェンダーです。

スプレーパテを使えば一度の塗布~研磨で仕上がるのですが、今回のPU=ポリウレタン樹脂製は非常に柔らかい素材の為、普通のパテや塗装を行うと塗膜が素材の伸縮に追随出来なくなって割れてしまいますので、今回は軟化材を添加したフルフレキシブル仕様のサーフェサーのみで下地を作っています。

デメリットとしてはコート間の乾燥時間(フラッシュオフタイム)を長く取る必要がある事と、非常に研ぎ難くなる事です。どちらも作業時間が大幅に増えてしまう感じですね。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗り、前回と同じく#120→#180のダブルアクションサンダーで表面を削ります。手研ぎだと大変ですがエアーツールを使えばここはかなり時間を短縮できます(ただし粗研ぎといった感じです)。

その後#240の手研ぎで角を均します。

まだ素地の凸凹が残っていますので、

これまでと同じ様に軟質化30%仕様(重量比20%添加)のサフェをコートします。

今回もウェットで合計4コート、3時間程を掛けて塗装を行いました(タイミングが合わず途中一時間昼休憩にしました)。

軟化材を大量に入れるととにかく指触乾燥が遅くなり塗膜中に溶剤が篭りがちになるので、しっかり時間を置いてから熱を掛けるようにします(1日以上)。

次ももう一度サフェを塗るか、もしくはある程度下地が出来ていればグレー等の1コートダイレクト(STANDOX 2Kエナメル)で下塗りをしようと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BBSホイールセンターキャップ検証②

先日最初のホイールキャップ(輸入品)を検証後に新たに送って頂いた日本製のBBSホイールセンターキャップです。

まずは土台部分を外します。ドライヤーを当てて全体を温め、

隙間からヘラを差し込み、両面テープを剥がします。

BBSの凹んだ箇所の塗膜がブヨブヨとしています。メッキから塗装が剥がれて浮いているような感じでしょうか。

#120のダブルアクションサンダーで大よその塗膜を剥がし、#180→#240でペーパー目を均します。

表側に貼ったガムテープを剥がして確認します。今回は問題無く良い感じに出来ました!

その後は全部同じように塗膜を剥がし、さらに#320→#400でペーパー目を均しておきました。

この後は水研ぎ#600→#800でさらにペーパー傷を細かくし、まずはクリアーのみで下塗りを行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(スモーク&枠艶消し黒)本塗り

先日メッキの下準備を行っておいたスバル純正エンブレムの枠部分のパーツです。その後60℃40分程の熱を掛け塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗ってあります。

#800の水研ぎでサフェの肌を平滑にし、#1500でペーパー目を均し、フチや裏側などを布状研磨副資材で足付け処理します。

そして台にセットして本塗り準備完了です。

密着剤(スプレー糊のような物)を使えばこれらの作業は全て必要無いのですが、経年でペリペリと剥がれてきたり、無用に飛び石で傷が付き易くなったりするのは残念ですので(飛び石による塗装の剥がれは塗膜の密着性に依存します)、メッキに塗装する場合は今回のように新たに下地を作るか、またはメッキを剥がしてから塗るようにします(なのでメッキの上にスモークを塗るブラックメッキ風塗装は当店では受け付けていません)。

裏側もしっかり塗れるよう、ワニクリップを使って広めのスペースを空けるようにして固定ています。

よく脱脂清掃をしたらエアーブローで埃を飛ばし、ベースコートの黒を塗布します。

ベースコートは塗装後数分で表面が乾きますから、この時点でゴミが着いたらペーパーを当てて取り除いておきます。今回のように艶消しの場合は最後の磨き処理は出来ませんから、目で見えない物も含め最終コート前に軽くでもペーパーを当てておくようにしています(ペーパーを当てて初めてゴミが付着している事に気が付く場合もある為)。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは艶消し専用のクリアーとなります。

艶消しクリアーの場合には透明な樹脂の他に艶消し用の顔料(シリカゲル等)が入っている為、艶ありのそれに比べるとレベリングは劣る傾向にあります。またフチなどに溜まるとそこだけ艶が出たりしてしまうので(艶具合は膜厚に依存する為)、艶あり仕上げの場合に比べ70%~80%に抑えて塗るようにしています。ただしドライコートにするとムラやダマ、傷が付き易い塗膜になってしまうので、しっかりウェットで仕上げる必要もあります(なのでとても気を遣います)。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

昔使っていた艶消しクリアーはとても難しかったのですが(DUPONTのAU175)、現在使っているSTANDOXの艶消しシステムは顔料を従来の物よりさらに細かく粉砕されているので(14㎛→4㎛)、当時に比べると艶具合が均一になり易く、これでもかなり楽にはなりました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

アクリルプレートの方は現在クリアーの下塗りまで終わっていて、他のレンズ系の塗装を行う際に一緒に塗ろうと思っています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レンジローバーオーバーフェンダー下準備③

先日サフェを塗って裏側に当て板を付けておいたレンジローバー純正オーバーフェンダーです。

軟化剤を入れている為に完全硬化したサーフェサーでも艶が出ているのがちょっと変な感じです(通常は艶消しになります)。

ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗り、ダブルアクションサンダー#180でサフェを研ぎます。

今回は最初に塗ったエポキシプライマー層を残したいので研ぎは程ほどにしておきます。

ダブルアクションサンダーだと削り過ぎてしまう山のラインやフチなどは#240で手研ぎします。

ペーパーが当たっていない箇所が無くなったらよく脱脂清掃し、

二回目のサーフェサーを塗布します。

最初と同じく軟化剤はMAX20%入れた仕様で合計4コート、コート毎のフラッシュオフタイムは30分~一時間くらい掛けました(軟化剤を入れると指触乾燥が極端に遅くなる為)。なので塗り始めから塗り終わるまで2時間くらい掛かっています。

筆挿しも併用して巣穴は殆ど埋まりましたが、一部皺が寄っていた箇所はまだ跡が残っているので、もう1回~2回同じことを繰り返して下地を作ろうと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レンジローバーオーバーフェンダー下準備②

先日一回目のサーフェサーを塗っておいたレンジローバーの純正オプションオーバーフェンダーです。その後60℃40分程の熱を入れて塗膜を硬化させました。

通常であれば一度のサフェで終わらせますが、今回は素材が非常に柔らかい事(パテを使いたくない事)、素地の状態が悪いので、これらが良くなるまでサフェーサーの研ぎ&塗装で下地処理を繰り返します。

フチから少し話した箇所から内側をマスキングします。

今回は裏側の当て板に、不要となったMDFを使う事にしました。レーザー加工機で切れなかった100円ショップの製品ですね。

丸鋸で適当な幅と長さにカットし、

各々のオーバーフェンダーに形を合わせたMDF板同士を接着します。

接着剤が乾いたらオーバーフェンダーが曲がらないようガムテープで固定します。最初はホットボンドで接着しようと思ったのですが、剥がす時に意外と難儀になってオーバーフェンダーが曲がってしまったりする予感がしたので、一つずつ丁寧に剥がせるようガムテープにしておきました。

尚、完成後には裏側のマスキングテープを剥がし、再度これらの当て板を仮止めした状態で取り付け業者さん(恐らく一般的な自動車板金塗装店)にお渡し出来るようにします。全ての塗膜で軟化仕様にしつつ、さらに思わぬ事態も避けられる二重の任意保険のような感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!