S20ヘッドカバー サフェ研ぎ

先日サーフェサーを塗っておいたKPGC10型スカイラインGT-R、所謂ハコスカのS20ヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

ガイドコートはこの後に行う研ぎ作業を目で見て判るようにする為の行為で、ただこういったちょっとした事でも手間は増えますから、「これくらいならやらなくても大丈夫」と思わなくても良いよう、安いスプレーガンにベースコートの黒を入れっぱなしにして手軽に使えるようにしています。

まずは凸部を研磨します。

最初は粗研ぎとして#120ダブルアクションサンダーでサフェと素地の凸凹&腐食を取り除きます。

その後当て板と#120を使い、手研ぎを行います。シャープさを出す為ですね。

既に一度塗装されている為かNISSANの凸文字がいつもより薄く、なので削り過ぎないよう注意します。

そしてサフェ研ぎです。今回のような形状だとエアーツールは殆ど使えなく、さらに小さい面が多いので、当て板には薄いアクリル板3mm、2mm、1.5mmを使って面出しを行います。

自動車補修塗装に使われるサフェーサーは2液硬化型で、模型等に使う1液ラッカーに比べとても固いのでどの場面でも当て板は必須、番手は#320から始めます。

ペーパーだけのコシに頼ると素地やサフェの凸凹が残ってしまうので、どんな狭い箇所でも必ず何かしらの当て板を使って研ぐのが基本となります。

ただし当て板を使うと角が当たったり同じ場所を研いだ際にスジ跡が残り易いので、研ぎ方向を変えながら、また固い当て板を使った後には柔らかい当て板(スポンジパッド)を使って均します。

#320→#400までの研ぎが粗研ぎで、この時点で大まかなライン出しが完了します。体中粉まみれになるので一度やり始めると中々その場を離れ難く、また一度集中してしまうと姿勢を変える事も忘れて没頭しまうので、この後の数日間は腰や首を痛めます。明らかにこういった作業(サフェ研ぎ)が他の仕事に影響が出てしまう事が判ったので、現在こういった作業(自転車フレームや今回のようなヘッドカバー艶あり仕上げ)は基本的にお受付はしておらず、例外としてこれまで施工した内容と同様でご依頼を頂いてきた方のみの対応となっております。何卒ご理解頂けますようお願い申し上げます(恐らく他ではここまでやらないのではないかと…)。

この状態だとまだ研ぎスジや深いペーパー目が残っているので、

清掃後、再びガイドコートを行います。

ここからは#500程度の布状研磨副資材で細かいライン出しや素地の均し作業を行ないます。

ここでも同じく当て板を使うのが基本で、最後の最後に素手(指かアシレックス専用パッドの使用)で研ぎ作業を行ないます。

よく脱脂清掃をしたらマスキングを行います。

本来であれば研ぎ作業ではさらに番手を細かく#800→#1500で仕上げを行いますが、

それらは非常に手間と時間が掛かる為、一旦下塗りを挟に、細かい箇所の修正は後日行うようにします。初期の頃はここから直接本塗りに行っていましたが(どの場合でも普通はそうです)、多少手間が増えても下塗りを挟んだ方がリスクが少ないですし、身体的にも全然楽なので(プレッシャーが全然違います)、数年前からこの方法にしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタGR86内装パーツ塗装承ってます

先日到着しておりましたトヨタGR86のインナーハンドル関係のパーツ6点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご指定されている色はそれぞれ違い、こちらの枠部分のパーツは「艶あり黒」に、

こちらは金属感のあるシルバー「SPFシルバー」の艶あり仕上げで承っています。

以前こちらの色で施工した画像を紹介しますね。

プレオルームミラー&ダミーシガーソケット塗装 完成

日産フーガ ステアリングカバー塗装 完成

TOYOTA86ヘッドライトインナーパネル塗装 完成

 

それぞれのパーツが合わさるとこのような感じになります。枠が黒で、中央のレバーとノブ(ロック)がSPFシルバーとなります。

尚、素地はザラザラとした梨地ですので、それぞれ「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行ってから上塗りとします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

SHURE BETA58Aマイク 本塗り

先日下塗りを行っておいたシュアBETA58Aボーカルマイクです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

#800の空研ぎ(トレカット)でデカールの段差を均し、全体を#1300相当(アシレックスオレンジ)で研磨足付け処理を行いました。

よく脱脂清掃をしたら本塗り準備完了です。

グリルはベースコートまで塗っておいたので、今回一緒に艶消しクリアーを塗ります。

艶消しクリアーは艶ありと同様2コート塗りますが、艶ありの場合に比べて控えめにします。クリアーが溜まって膜厚がついた箇所だけ艶が出てしまう為ですね。

塗料自体は艶ありと同様、主剤と硬化剤を混ぜた2液アクリルポリウレタン系塗料となります。

その後時間の経過と共に艶が引いていきます。

艶消し仕上げの場合は材料(塗料)自体が高くなる事、また今回のようにデカールを使った場合は二度塗りとなり、またゴミが着いたら塗り直しになるので塗装自体も気を遣いますから、その分割増費用が必要となります。何卒ご理解頂けますようお願い申し上げます。

この後は60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(スモーク/枠艶黒)本塗り

先日サーフェサーを塗っていたスバル純正エンブレム(リヤ)です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

#800の水研ぎでサフェの凸凹とした肌を均し、#1500でペーパー目消し、ペーパーを当て難い箇所は布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行っています。

再びワニクリップで芯棒に固定し、

脱脂処理を行ったら本塗り開始です。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側には広くスペースを空けておきます。

まずはベースコートを塗布します。

色はソリッドカラーの黒=STANDOX原色MIX571となります。

黒ならウェット1コートで隠蔽しますが、塗り残し等がある可能性もあるので2コート、さらにその後ゴミ等が付着した事を考えて表面を軽く研磨し、もう一度塗って合計3コートとしています。

ベースコートが乾いたらトップコート=クリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

こちらの本塗りは少し前に完了していたのですが、紹介が遅れまして失礼しました・・・!

この後は恒温器の中で保管し、他のご依頼品と一緒に60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

そしてアクリルプレートです。

こちらはスモーク塗装で承っていますが、そのままベースコートを塗ると細かいひび割れが発生してしまう事が何度かあったので(10%以下の確率)、

現在ではまずトップコート(クリアー)だけを塗るようにしています。勿論その下にはプラスチックプライマーも塗っています。

この時点でひび割れが起きていなければ、この後に塗るスモークは一安心という感じですね。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたら次は本塗りです。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

SHURE BETA58Aマイク 下塗り

 先日お預かりしておりましたシュアBETA58Aボーカルマイクです。それぞれ下地処理を行い、台にセットして最終脱脂処理も済んで本塗り準備完了状態となります。

マイク本体部分は水を使えないので#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で空研ぎを行い、

グリルはペーパーでは網目の奥まで届かないので、こちらはウォッシュコンパウンドとナイロンブラシを使って足付け処理を行っています(こちらは水を使っています)。

足付け処理時にアルミ素地が露出した箇所があるので、プライマーを塗っておきます。

色はこちらの画像を参考にとのご指定ですので、

赤味の青、青味の赤(バイオレット) 、白の3色を使い、

似たような感じの色を作成しました。

それを4コート程塗って完全隠蔽させたらベースコートが完了です。

場所を工場二階に移し、ロゴ入れを行います。

頂いたデータを元にデカールを作成しました。色はシルバーとなります。

それを木工用ボンドを溶いた水に浸けて台紙を剥がし、

所定の位置に、専用の接着剤(マークセッター)を使って貼り付けます。

その後40℃15分程の熱を掛けて接着剤を乾燥させたら、

タッククロス(粘着剤が塗着した不織布)とエアーブローで埃を飛ばし、

 クリアーを塗って下塗り完了です。

今回は「艶消し」で承っていますが、デカールの段差を消すために艶消し仕上げでは磨き処理が出来ない為(艶が出てしまう為)、一旦通常のクリアーで仕上げ、完全硬化後に段差を研磨して均し、改めて艶消しクリアーで塗装します。なのでグリルは一旦ここで保留とし、後ほど合流して一緒に艶消しクリアーを塗るようにします。

この状態だとそんなに段差は気にならないのですが、完全硬化後には結構目立つんですよね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!